【会見全文】10周年を迎える赤井沙希が涙の引退表明!「私は枯れて朽ちていく花ではなく、美しいまま散る花でいたい」
24日、都内某所にて、DDTプロレスリング所属の赤井沙希が今年11月12日の両国国技館大会での引退を発表した。
赤井沙希は、元プロボクサーの赤井英和さんの実娘であり、2013年8月にDDTでプロレスラーデビュー。現在はDDTの紅一点として男子選手に混ざって奮戦を続け、東京女子プロレスやベストボディ・ジャパンプロレスなどでも活躍。174cmの長身とその美貌を活かしてファッションモデルやタレントとしても活躍してきた。
また、2019年には、人気ゲーム『Fate/Grand Order』の舞台『Fate/Grand Order THE STAGE -絶対魔獣戦線バビロニア-』でルチャ・リブレを愛する陽気な女神、ケツ姉ことケツアル・コアトル役として出演。現在も「イキマース!」の掛け声とともに放つ必殺技、ケツアル・コアトル(※縦回転変型ラ・マヒストラル)を使い続けている。
赤井のプロレスラーキャリアも10年を迎えようという今年、赤井が突然の引退を表明し業界は騒然となった。
会見には、赤井沙希と高木三四郎が出席。
赤井沙希
「皆様、本日はお忙しい中お集まりいただき誠にありがとうございます。こんなにも未熟な私をいつも温かく応援し、見守ってくださっている皆さんには感謝の気持ちでいっぱいです。約10年前、客席からDDTを見ていて、『なんてメチャクチャで愛しい団体なんだろう』と夢中になり、ひょんなことから高木大社長から『プレイヤーにならないか』とお声をかけていただき、悩みに悩んで親に大反対されながらも両国国技館でデビューしたことがついこの間のことのように感じられます。もっともっとDDTを知ってもらいたい、自分が今持っているものや経験してきたものが、なにかDDTの力にならないかと、いろんなことに挑戦し、DDTの歯車の一部になれることを誇りにこの10年間、1度も止まること無く走り続けてまいりました。未熟な私は、足りないものがたくさんありましたが、皆様からの温かい声援が、弱い私の力となり、自分の強さや自信へと変わっていきました。そんな皆様からの力とともに、私は“強く気高く美しく”をモットーに日々リングに立ち続けてまいりましたが、10周年を迎える今年、この節目の年にケジメを付けることで、それもやっと完成されるのかなと思いました。
私、赤井沙希は、デビュー10周年を迎える今年、2023年11月12日、デビューした場所でもある両国国技館にてプロレスラーを引退することを決意致しました。私は、枯れて朽ちていく花ではなく、美しいまま散る花でいたい。それこそが赤井沙希のプロレス道の最終地点だと思っております。ファンの皆様の中で、いい状態の赤井沙希が美しい思い出として存在し続けられることが自分にとっての一番の理想です。寂しさや悲しさがないと言えば嘘になりますが、これも私にとってのDDTやファンの皆様に対する1つの愛の形であり、私の美意識だということをご理解いただきたいと思います。こんなにも夢に溢れる世界にいられる喜びを、いつも強く感じていて、本当にたくさんの経験をさせていただきました。皆様からいただいた温かい思いを、プロレスラーとして試合でお返ししていけますよう、引退するその最後の日まで自分らしく、ブレずに、全力で駆け抜けてまいりたいと思っております。引き続き、DDTプロレスを、赤井沙希を、宜しくお願い致します」
高木三四郎
「先程赤井沙希さんからも説明があった通り、2023年11月12日の両国国技館を以て、赤井沙希選手は引退いたします。赤井さんをこの業界にスカウトしたのは私なんですけど、正直、先程赤井さんの口からもありました通り、結構ね、お母様の猛反対もあったりで。本当にそのときのことが結構思い浮かぶんですけども。赤井さんはポテンシャルも高くて、プロレスのリングにいたらすごく映えるだろうなと思っていまして、この世界にスカウトさせていただいたんですけど、本当にすごくですね、お母様が反対されてましたね。それはやっぱり、僕はお母さんに納得していただくために、『赤井さんを必ず立派なプロレスの選手に、DDTが責任を持って育てます』と言わせてもらいました。それで、お母様のご了解も得て、『じゃあ1年頑張りなさい』と言っていただいたのが10年以上前の話なんですけど、本当に今のように思い出されるんですけど、そこから赤井さんの頑張りもあって、翌年には東京スポーツ制定のプロレス大賞新人賞を受賞しました。そこから赤井さんは、本当にDDTのことが大好きで、DDTを愛してくれていました。ずっと私にもですね、『私は本当になんでも好きになったプロレスのために、好きになったDDTのためになにかDDTが世の中に広まることでしたら私は何でもやらせてください』と言っていただいたのが、私自身も嬉しく感じまして、すごく誇りに思っていました。最初は本当に1年、お母様との約束もあったので、『1年か2年かな』と思っていたんですけども、やっぱりDDTを愛し続けてくれて、今年10年を迎えた中で、多分彼女の中でも色んな思いがあって、この引退を決心したんだろうなと思っています。僕らDDTが出来ることは、赤井沙希を、美意識が高い赤井沙希を、本当にキレイで美しく送り出してあげることかなと思っています。本当にDDTを好きになってくれて、ありがとう。貴女は本当にDDTの家族の一員です。引退してもずっと、家族の一員だから。だから、赤井さんの引退ロードはDDTが責任を持って、美しく送り出してあげたいと思います」
――11月に引退してから先のプランは
赤井「今行っているサロンですとか、プラチナムに所属していたりとか、そういう活動は引き続きやらせていただきます。ただ、今は自分のプロレス人生をどう全うするかということに全力で集中したいと思っておりますので、今はそれに全部かけたいと思っております」
――引退を考え始めた時期、決断した時期について
赤井「本当に、プロレスをやっていると、本当に眼の前のことにひたすら一生懸命になるしかなくて、あまり自分の終わりのこととかは考えていなかったんですけど、8年目、9年目あたりから、周りの方から『もうすぐ10周年だね』ってたくさん言われるようになりまして、長く続ける美学もあると思うんですけど、私の場合はさっきお話した通り、『美しいまま散る花でいたい』という思いが強いので、この10周年というタイミングが一番の理想かなと思い、意識をするようになりました」
――高木社長、赤井選手から引退を切り出されたときの心境は
高木「最初は、今年の2月ですかね。最初聞いたときは正直、驚きました。というのは、やっぱり10周年を迎えている中だったので。10周年を迎えて、赤井さんの中で先程も言ったように、『ここを1つの区切りにして』という覚悟がすごく見えたので、まあ、自分としてはね、本当に派手にね、美しく送り出してあげたいなって気持ちになりましたね」
――慰留はしたか
高木「いやぁ、それはねえ、なんか、話してる中で……うーん、引き止めはしなかったですね。決心が固いだろうなあと思っていたので。今までそういう話を実はしたことないんですよ。本当に、最初お母様との約束もあって、1年、2年って区切りがあって、それでプロレス大賞新人賞を受賞して、それで当時所属していた芸能事務所の方にも、『これが1つの区切りになりそうですかね』って話もしてたんですけど、赤井さんは本当に辞めるつもりが全く無くて(笑)僕らも3年目、4年目、5年目くらいまでは赤井さんとお母さん両方に聞いてたんですよ。『どうですか?』って。でも、もう赤井さんはずっとDDTにいてくれるんだろうなあって思ってました。思いましたし、お母さんも、5年目からは許してくれたんじゃないかなと勝手に思ってます(笑)6年目からはお母さんに聞いてないですね、僕も。笑顔で、『いつもありがとうございます』って感じで。京都大会には必ずいらしていただけますし、東京の主要な大会にも来ていただいているので。それこそ一番最初はねえ、デビュー戦でちょっと傷が出来ちゃったんですよ。そんときにはねえ、お母さんがすごい剣幕で当時の芸能事務所のマネージャーに詰め寄ったのを私は見ていまして、その場を立ち去りました(笑)でも、それくらいね、ずっと頑張ってくれたので、引き止めることは無かったです。決心は固かったと思います」
――引退をお母様には伝えたか
赤井「一番先に伝えました。親としては安心な部分もあったみたいんですけど、母親にももうDDTの魅力は十分に伝わっていたので、少しどこか寂しそうではありました。けど、今日の会見も含めて見守ってくれているので、残りの半年間ですが、娘のリング上で闘う、なりたいプロレスラーの姿を見せられたらなと思っております」
――引退試合についての希望は
赤井「私は、10年前に両国国技館で、私以外DDTは男性の選手なんですけども、ミクスドマッチで私は生まれたので、自分の希望としてはミクスドマッチで終わりたいなと思っております。まだカードに関してなどは、本当にこのことは会社の中でもシークレットで進んでいたので、これから少しずつ自分の意向と会社の意志をすり合わせて進めていけたらと思っております」
――引退試合の前に7月23日にも両国国技館大会があるが、こちらのカードの希望は
赤井「自分の中ですごく思い出深いベルトというものがありまして、プロレスラーはやっぱりプロレスラーである限り、チャンピオンベルトを目指すものだと思っているんですけど、自分の中ではDDTの中のKO-D6人タッグというベルトが一番思い入れ深くて、そこに挑戦できるように頑張れたらなと思っております。あの、今私のパートナーであるお師匠様の坂口征夫選手、そして岡谷英樹選手、この2人が今の自分の大切なパートナーで、この3人でなにか自分たちの腰にプロレスラーとしての証を刻みたいと思っておりますので、そこに挑戦出来るよう今から頑張りたいと思っております」
高木「……ちょっといいですか?KO-D6人のベルト、今は樋口和貞、中津良太、石田有輝……ハリマオですね。樋口和貞は元Eruptionでもありましたし、元々防衛戦はちょっと色々と考えていたところではあるんですけど、赤井さんのその気持ちがあるのであれば、KO-D6人のベルト、もう社長判断で決めます!はい!そこ、決定で!決めましょう!7月23日の両国国技館大会で。決めちゃいましょう!なんでもこういうのはねえ、早いほうがいいんだよ(笑)」
赤井「ありがとうございます!(笑)7月の両国のカードがもう今決まっていいんですか……?」
高木「大丈夫です!2ヶ月前ですけどね、大丈夫です。防衛戦はもうそこだけにしときます」
赤井「ありがとうございます!」
――高木社長、DDTには“試合はしないけど人前に出る”という立場の方がいるが、赤井選手の希望があれば選手でない形でDDTに関わっていく可能性はあるか
高木「そうですねえ、そこをお答えしたいところなんですけど、赤井さんってやっぱり、意識が高くDDTのリングでプロレスラーとしてやっていただいていたので、そこは今の段階では全然本人とも話そうと思っていませんし、プロレスラー・赤井沙希として最後まで頑張ってもらいたいなと思ってますんで。引退してから話します。なので、今は専念してください」
赤井「はいっ!」
――引退についてお父様とはなにか話をしているか
赤井「父には、プロレスデビューするときも人を介して報告したんですけども、今日のこの引退会見ということは一切まで伝えておりません。なので、今日のこの報道で知るのかなと思うので、皆さんたくさん報道してください(笑)」
――では、お父様は引退のことをご存知ない
赤井「はい。まだ知らないです」
――直接報告する予定は
赤井「そうですね……やっぱり、父は、誰よりも自分自身がリングで闘う楽しさを知っているので、やっぱり自分の最後のケジメとして自分の口で直接、この報道で知られた後に報告しようかなと思っております」
――高木社長から見て、プロレスラー・赤井沙希の魅力は
高木「やっぱりですね、一番はもうとにかく素質ですね。身長170cm以上あって、とにかくお美しいし、華がある。やっぱ華ですね。リングって華が大事だと思ってますんで、本人も美意識を高く持ってプロレスに取り組んでいますんで。あともう1つは、これは多分お父さん譲りだと思うんですけど、負けず嫌いなところですね。これは本当に、格闘家・プロレスラーに一番大事なところだと思うんですけど、とにかく、このお姿からは想像つかないと思うんですけど、すごい闘争本能を持っていらっしゃるので、最後までその闘争本能の火が燃え尽きること無く闘い続けて欲しいと思います」
――赤井選手、引退理由に身体のコンディションが悪いなどの理由はなく、あくまで美学に沿っての引退か
赤井「はい。やはり、リングで戦っている以上は怪我などはつきものではあるんですけども、ありがたいことにこの10年間1度も怪我などで欠場したこともなく、今どこかに大きな爆弾を抱えているわけでもなく、自分の選べるタイミングで幕を引けることはプロレスラーとして幸せなことだと思っております。なので、先程お話したことが全てで、自分の一番美しいかなというタイミングがここだったので、ケジメを付けさせていただきました」
――10周年記念大会も2大会あり、引退ロードが6ヶ月ある。その期間でやりたいこと、考えていることはあるか
高木「もちろん、8月13日の元々予定されていた10周年記念大会、9月30日の地元凱旋の京都大会、そして11月12日の両国国技館大会、先ほどお話しがありました7月23日の両国もそうなんですけど、それ以外でも後楽園大会や地方大会などでもタイミング、色々なものが合えば記念試合的なものも組んでみたいなと思っていますし、正直、この記者会見自体も本人の意向もあってなるべくシークレットで進めていたところもありましたので、これから多分色んな人に話をしていくことになるのかなと思いますので、すべてはこれからかなと思っています。ただ、本当にやるからにはね、赤井選手自体が一生の記念に残るものだったり、世間的にもインパクトのあるものだったりをマッチメイクしていきたいと思っています」
赤井「この残りの半年間、長いようで本当にあっという間だと思うんですけど、DDTで本当にたくさんの経験をさせていただきましたが、DDTの魅力って、他のプロレス団体にはない、リングの中だけでは終わらない、色んな未知なる可能性がDDTにはあると思うので、この半年間でDDTらしい試合を、DDTの選手として全力で駆け抜けてまいりたいと思っております。今までお世話になった選手、そしてまだ触れたことのない、闘ったことのない選手もチャンスが有るなら試合したいと思っております。私とこの残りの半年間でやりたい選手がいれば、是非DDTに上がってきてください」
――この会見はYouTubeで生配信されている。今ファンに伝えたい思いを
赤井「(※涙を流しながら)本当に、私は未熟で、すごく、弱いです。でも、プロレス界に入って、ビックリしました。ファンの皆さまって、本当にリングに立っている私たちと同じように闘ってくれて、一緒に喜んでくれて、泣いてくれて、一緒に悔しがってくれて……本当に、客席とリングではありますが、同じチームだと私は思っています。皆様がいなかったら、今の私は本当に存在していません。今私が持っている成果や評価は、ファンの皆さまがいてくださったからこそ、今自分はここに存在しています。ファンの皆様、私をプロレスラーにしてくださってありがとうございます。大好きです」