「夢って叶うんだな、諦めなければ」苦節16年、“令和の虎ハンター”間下隼人が母と師匠・初代タイガーマスクに捧げる初のレジェンド王座戴冠!

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 22日、東京都・後楽園ホールにて『初代タイガーマスク ストロングスタイルプロレスVol.21』が開催され、間下隼人が真霜拳號を撃破してレジェンド王座初戴冠を果たした。

 真霜は、昨年8月に2AW無差別級を持った状態で初代タイガーマスクの一番弟子であるスーパー・タイガーを下し、ストロングスタイルプロレスの王座であるレジェンド選手権も獲得してシングル二冠王に。初代タイガーが創設した王座を戴冠した真霜は「自分こそがストロングスタイルだ」と主張し始め、ストロングスタイルプロレスの外敵王者として君臨してきた。

 昨年10月には初代タイガーマスクの二番弟子である間下隼人を破って初防衛。同年12月には関根“シュレック”秀樹を破って2度目の防衛に成功した。
 シュレックを倒した真霜の前に現れたのは、またも間下。真霜は、会場に集ったファンへ1ヶ月と少し前に敗れたばかりの間下の再挑戦の是非を問うが、返ってきたのは大喝采。真霜はこの反応に少し驚いた様子を見せつつ、「支持得てるじゃねーか、間下隼人。素晴らしいよ。今決めてやる。次の挑戦者は間下隼人だ!」と次期挑戦者に指名した。

 間下隼人は“初代タイガーマスク”佐山サトルの直弟子として2007年にデビュー。現在は唯一のストロングスタイルプロレスの生え抜き選手であり、初代タイガーに直伝されたリアルデンジャラスバックドロップや多彩な蹴り技を武器に同団体の切り込み隊長として戦ってきた。

 2021年には初代タイガーからFSR(フィッシャーマンズ・スープレックス・ライオット)を授かり、“令和の虎ハンター”となることを期待されていた間下だが、才能と体格に恵まれた傑物たちに囲まれる中でなかなか結果を出せずにいた。しかし、真下の最大の武器は反骨心。“二番手止まり”と言われ続けても決して諦めること無く努力と根性で格上の選手たちに食らいつき、16年半もの間トップを目指すことを止めなかった。

 愛弟子の大一番に向け、初代タイガーは、「勝ち負けよりも、ストロングスタイルというものを背負ってタイトルマッチを行って、過去の先輩たちがやってきた、そのプライドを背負ってリングに立ってもらいたいと思います。私vsダイナマイト・キッド、私vs小林邦昭さん、私vsブラック・タイガー、そういう責任を全部背負って、継承していって素晴らしい試合をやってもらいたい」と重い期待をかけた。
 しかしこの日、初代タイガーは体調不良のために来場できず。間下は恩師の思いを背負って決戦のリングに上った。


 試合が始まると、間下は序盤から気迫の攻めを見せるが、真霜はこれを正面から受けきった上で徹底した足攻めを展開。得意の蹴り技はことごとく絡め取られ、アキレス腱固めやアンクルホールドに切り返される。
 しかし、真霜が攻勢に出た途端に組み付いてリアルデンジャラスバックドロップで叩きつけることで強引に流れを引き寄せ、ジャンピング長渕キック、大外刈りと連撃し、必殺のFSRを繰り出すもカウントは2。焦る間下に真霜が真剣(※バズソーキック)を叩き込み垂直落下式ブレーンバスターで決めにかかるが、間下が振り払ってリアルデンジャラスバックドロップ。ハイキック、ジャンピングハイキック、長渕キックと連撃し、最後の最後で師匠の必殺技であるタイガー・スープレックス・ホールドを決めて3カウントを奪った。

 間下は、しばらく呆然としていたが、頭が理解するより先に身体が王座戴冠を理解し涙を流す。
 間下は、「真霜さん、いや!真霜拳號!貴方のお陰で俺は強くなれました!心より感謝しています!ありがとうございました!」と深々とお辞儀。
 そして、「入門して、佐山サトルの弟子になって、16年経ちます。辛いことのほうが多かったです。でも、俺は逃げなかったし、辞めなかったです。なぜなら、プロレスが好きで、佐山先生を尊敬してるからです。勝ったけど、泣いてしまいました。今日からこのストロングスタイルプロレスは、この俺、間下隼人が引っ張っていく!文句ねぇよな!今日は、ご来場、熱い声援、ほんとにありがとうございました!」と堂々の挨拶。長年間下の下積みを見守ってきたファンたちは、この日一番の大歓声&大喝采を贈った。

 バックステージに戻った間下は、「メチャメチャ普通のこと言っていいですか?……夢って叶うんだな、諦めなければ」と男泣き。涙声になりながら「すごい人たちにボコボコにされても丈夫な体に産んでくれた母親に……片親ですごい迷惑かけたんすけど、面倒見てくれた爺さんも、亡くなっちゃいましたけど、カッコいいところ見せたいですね」と感謝の言葉を綴った。

 そして、今大会より新調されたベルトを初めて巻いたことについて、「新しい時代が俺とともにこのベルトに来たと思ってるんで。スーパー・タイガー、船木さんも、佐山先生と闘ってた小林邦昭さん、ダイナマイト・キッド、ブラック・タイガー、負けないようなベルトにしていきたいと思います。やっぱり恐れ多いですけど、ストロングスタイルを背負っていきたいです」と語り、照れくさそうに笑った。

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