「チャンスが貰えねーなら自分でもぎ取ってやる!」NJPW WORLD認定TV王座決定トーナメントから漏れたヤングライオンが気迫の雄叫び!
14日、東京都・後楽園ホールにて新日本プロレス『バトル・オータム '22』が開催され、デビッド・フィンレー、ザック・セイバーJr.がNJPW WORLD認定TV王座決定トーナメント1回戦を突破した。
NJPW WORLD認定TV王座とは、今月10日の両国国技館大会にてお披露目された新たなシングル王座。
当該王座は、長年新日本プロレスを中継してきたテレビ朝日の提案によって企画され、『テレビ朝日とのパートナーシップを象徴する王座・ベルト』として創設。タイトルマッチは15分1本勝負のシングルマッチにて行うこととし、若手にもチャンスを与えるベルトであること、これまでタイトルマッチをあまり行ってこなかった地方大会でのマッチメイクを中心に考えていくプランが語られた。
新日本プロレスが国内で管理しているシングル王座は、IWGP世界ヘビー級王座、IWGPジュニアヘビー級王座、NEVER無差別級王座、IWGP USヘビー級王座の4つ。新たなテーマを持った5本目のベルトがさらに王座戦線を賑わせるものと期待を集めた。
トーナメントに参加したのは、デビッド・フィンレー、金丸義信、アレックス・ゼイン、ザック・セイバーJr.、YOSHI-HASHI、ジェフ・コブ、アーロン・ヘナーレ、EVIL、SANADA、タイチ、後藤洋央紀、KENTA、成田蓮、石井智宏、矢野通、グレート-O-カーンの16名。
新日本の大張高己社長が「未来を担う若手にも十分にチャンスのあるベルトにしたい」と語ったことからヤングライオンのエントリーなどにも予想の声が上がっていたが、蓋を開けてみれば誰が王者となっても納得の豪華な顔ぶれが並んだ。
この日は、トーナメント1回戦としてデビッド・フィンレーvs金丸義信、アレックス・ゼインvsザック・セイバーJr.の2試合が実施。
フィンレーと金丸の試合は、体格に劣る金丸が真っ向からのぶつかり合いを避けて一瞬の隙を突いた芸術的な丸め込みやラフを交えた小技の数々を無駄なく繰り出しリングを支配。
金丸はリングから場外に転がり落ちても離さない首4の字固めなど執念深い攻撃を見せ、スイングDDTからムーンサルト・プレス、垂直落下式ブレーンバスターまで決めるもカウントは2。ならばと金丸はディープインパクトを発射も、フィンレーが飛びつき、空中でPrima Noctaを決める離れ業を見せる。
一転して不利となった金丸は丸め込みで粘りを見せるが、最後はフィンレーのトラッシュ・パンダの前に沈んだ。
ゼインとザックの試合は、ザックのリングインを待たずゼインがトペ・コンヒーロで奇襲するスリリングな幕開けから場外戦でも圧倒していくが、ザックは巧みなサブミッション技術で首&足の二点攻め。
ゼインは敢えて痛む足での蹴り技や飛び技で対抗していき、ザックの卍固めをバハ・ブラストで切り返す。さらにゼインが顔面へのビンタからラリアットなどで猛攻をかけ「イタダキマース!」と叫んでシナモンツイストを発射も、ザックが回避。すぐに態勢を立て直したゼインがタコドライバーの体勢も、ザックがカサドーラの要領で組み付きながらヒールホールド。試合時間残り5秒でザックがタップを奪い2回戦進出を決めた。
マイクを取ったザックは、「ヤバいね、ホントに。デカい!ジュニアじゃないよ!重い!ダメ!」と日本語で感想を語る。
そして、数々の王座戦線に絡みながらも戴冠を逃してきた過去に触れ「新しいタイトル、いいタイミング。このザック・セイバーJr.がこの新しいベルトのチャンピオンになるんだ」と、自身初となる新日本のシングル王座戴冠を宣言した。
フィンレーvsゼインのトーナメント2回戦は10月27日の後楽園ホール大会で行われる。
なお、NJPW WORLD認定TV王座決定トーナメントにエントリーされなかったヤングライオンの面々は悔しさをバネに気炎を上げ、積極的に上の世代からの勝利を狙いに行くなど結果的に良い効果を生み出している様子。
中島佑斗は「今日、上のヤツらから俺が3カウント、ギブアップ獲って『トーナメントに出させろ!』って言ってやろうと思ってた。チャンスが貰えねーならよ、もっと強くなって、自分でチャンスもぎ取ってやるからよ!」と怨念じみた気迫を見せ、今後の飛躍を誓っていた。