「飯伏幸太を倒せばモヤモヤは解消する」オカダ・カズチカがウィル・オスプレイとのライバル対決を制し2年連続4度目のG1 CLIMAX優勝!
18日、東京都・日本武道館にて『新日本プロレスSTRONG SPIRITS Presents G1 CLIMAX 32』が開催され、オカダ・カズチカが2年連続4度目のG1 CLIMAX優勝を果たした。
『G1 CLIMAX』は新日本プロレスのヘビー級選手によるシングルリーグ戦であり、優勝者が1月の東京ドーム大会でIWGP世界ヘビー級王座などの王座に挑戦することが慣例となっているため、下半期のヘビー級戦線の行方を占う最大のイベントとして知られている。
例年は真夏に行われるシリーズであったが、世界中がコロナ禍に見舞われてから大幅な大会スケジュールの変更を余儀なくされていた中、今年は3年ぶりに“真夏のG1”が復活。22年ぶりの4ブロック制での開催となり、総勢28選手が参戦している。
今年のG1 CLIMAXは、日本武道館3連戦で覇者を決定。
最終日となるこの日は、オカダ・カズチカvsウィル・オスプレイの優勝決定戦が行われた。
2人の出会いは、オカダがイギリス遠征を行った際に対戦したオスプレイを新日本へと連れてきたことに遡る。
オカダとともにCHAOSで活躍し、2018年3月の旗揚げ記念日大会では、オカダはIWGPヘビー級王者として、オスプレイはIWGPジュニアヘビー級王者として出場し同門王者対決のシングルマッチを行ったこともあり、それぞれの階級で頂点を極めんとする仲間として切磋琢磨してきた。
2人の関係はずっと続くと思われていたが、オスプレイは自身が成長するにつれ「オカダがいる限り俺は常に2番手」という悩みを持つようになり、オカダを裏切って自らの帝国を興した。その後もオスプレイはオカダを強く意識しており、今年1月5日は東京ドームでIWGP世界ヘビー級王座をかけて争うなど大一番では常に激突してきた。
しかし、これまでのシングルマッチの戦績は、7戦行ってオカダが6勝。オスプレイ唯一の1勝も、凱旋帰国したグレート-O-カーンが試合中にオカダを襲撃した混乱の中でのものであり、オスプレイが純粋にオカダを打ち破って掴んだ勝利とは言い難いもの。
今回の8度目のオカダ戦を前に、オスプレイは「次の試合では俺が絶対にオカダを倒せる。なぜなら、今俺は俺の強さを信じ、俺こそが世界最強だと信じているからだ!みんな俺を信じてくれ。俺はオカダに勝つ!」とファンに必勝を誓っていた。
首をテーピングでガチガチに固めているオスプレイに対し、オカダは堅実な首への一点集中攻撃を展開。場外でのDDT連発でイニシアチブを握ったオカダだったが、オスプレイはコーナー上のオカダを地対空ドロップキックで場外に蹴落としてからのコークスクリュー・ムーンサルトアタック。さらに鉄柵を足場に飛んで場外オスカッター、ターンバックルを踏み台にエプロンに叩きつけるオスカッターとトリッキーな動きで逆転。
終盤にはオスプレイがハイフライフロー、スタイルズクラッシュ、Vトリガーと今までオカダを倒してきたレスラーたちの必殺技を繰り出し、片翼の天使の体勢へ。オカダはこれを開脚式ツームストンパイルドライバーで切り返し、レインメーカーをクリーンヒット。これはまさかのカウント2。
オカダがレインメーカーを発射も、オスプレイがキャッチしてスパニッシュフライ。腕のサポーターを外してヒドゥンブレイドを発射も、これをキャッチしたオカダが旋回式変形エメラルドフロウジョンからレインメーカーで叩き伏せて3カウントを奪った。
マイクを取ったオカダは、「今年も優勝して2連覇ですけども、去年優勝して、『G1 CLIMAXの価値ってこれでいいのかな?』と思いました。G1 CLIMAXってIWGPみたいに何回もチャンピオンが変わるベルトの闘いじゃない。1年に1人しか出てこない最強を決める大会。終わったら『ハイ、IWGP世界ヘビーの次です。がんばってください』ってのは、このG1 CLIMAXを否定しているようにしか感じられません。俺は、このG1 CLIMAXの価値、イコール、挑戦権利証の価値を上げます。2023年、1・4メインイベント!IWGP世界ヘビー級vsG1 CLIMAXチャンピオン!オカダ・カズチカでいいだろこの野郎!」と、オカダが挑戦権利証システムを作ったことで生じてしまった下半期の中だるみした挑戦権利証争奪戦の廃止および1・4東京ドーム大会での王座挑戦決定を宣言。
バックステージに戻ったオカダは、G1 CLIMAXの激闘を振り返りつつ「今日は超満員にはなってないですけど、一歩ずつ進んでいって、東京ドームを超満員にして、またプロレス好きで良かったなって思ってもらいたいし、もっと好きになってもらいたいし、もっともっといろんな人にプッシュしてもらいたい」と未来への熱い気持ちを語る。
そして、昨年のG1 CLIMAXでは飯伏幸太の試合中の負傷によるレフェリーストップ勝ちでの優勝にもやもやしていたというオカダは、「もちろんスッキリした部分もありますけど、やっぱり飯伏幸太とやってないですから。飯伏幸太を倒して、まだ残ってるモヤモヤっていうのは解消するんじゃないかなと思います」と飯伏との決着戦を熱望した。