【試合詳細】8・16 新日本プロレス日本武道館大会 オカダ・カズチカvsランス・アーチャー ジョナvsバッドラック・ファレ タマ・トンガvsジェイ・ホワイト 石井智宏vsSANADA
『新日本プロレスSTRONG SPIRITS Presents G1 CLIMAX 32』
日程:2022年8月16日(火)
開始:18:00
会場:東京都・日本武道館
観衆:3,227人
▼『G1 CLIMAX 32』Dブロック公式戦 30分1本勝負
[UNITED EMPIRE]○ウィル・オスプレイ【4勝2敗=8点】
11分7秒 ヒドゥンブレイド→片エビ固め
[BULLET CLUB]●ジュース・ロビンソン【2勝4敗=4点】
※オスプレイがDブロック1位となりファイナルトーナメント準決勝進出
▼『G1 CLIMAX 32』Dブロック公式戦 30分1本勝負
[L.I.J]●鷹木信悟【3勝3敗=6点】
12分12秒 CRIII→片エビ固め
[BULLET CLUB]○エル・ファンタズモ【3勝3敗=6点】
▼『G1 CLIMAX 32』Cブロック公式戦 30分1本勝負
[CHAOS]●後藤洋央紀【3勝3敗=6点】
8分40秒 EVIL→片エビ固め
[BULLET CLUB/HOUSE OF TORTURE]○“キング・オブ・ダークネス”EVIL【3勝3敗=6点】
▼『G1 CLIMAX 32』Cブロック公式戦 30分1本勝負
[L.I.J]○内藤哲也【4勝2敗=8点】
1分58秒 首固め
[鈴木軍]●ザック・セイバーJr.【4勝2敗=8点】
※内藤がCブロック1位となりファイナルトーナメント準決勝進出
▼『G1 CLIMAX 32』Bブロック公式戦 30分1本勝負
[CHAOS]○石井智宏【2勝4敗=4点】
12分35秒 垂直落下式ブレーンバスター→片エビ固め
[L.I.J]●SANADA【3勝3敗=6点】
▼『G1 CLIMAX 32』Bブロック公式戦 30分1本勝負
○タマ・トンガ【5勝1敗=10点】
13分56秒 ガン・スタン→エビ固め
[BULLET CLUB]●ジェイ・ホワイト【5勝1敗=10点】
※タマがBブロック1位となりファイナルトーナメント準決勝進出
▼『G1 CLIMAX 32』Aブロック公式戦 30分1本勝負
○ジョナ【4勝2敗=8点】
9分13秒 トーピード→片エビ固め
[BULLET CLUB]●バッドラック・ファレ【2勝4敗=4点】
▼『G1 CLIMAX 32』Aブロック公式戦 30分1本勝負
[CHAOS]○オカダ・カズチカ【5勝1敗=10点】
12分43秒 レインメーカー→片エビ固め
●ランス・アーチャー(AEW)【3勝3敗=6点】
※オカダがAブロック1位となりファイナルトーナメント準決勝進出
オカダ、タマ、内藤、オスプレイがG1 CLIMAXファイナルトーナメント準決勝進出!後藤がEVILの卑怯な反則で敗れ「あんな大人になったら勘当だぞ」と息子にメッセージ
第1試合
ジュースの入場中に背後からオスプレイが吸収し、花道での乱闘から試合開始。
2人がリングインするとゴングが鳴るも、オスプレイがすぐ放り出してサスケスペシャル。場外ではジュースも鉄柵へのショルダーネックブリーカーを見舞い、コーナーマットを外してオスプレイを叩きつける。ジュースは首に狙いを定めて痛めつけるが、オスプレイはピッピー・チェリオ、ハンドスプリング式オーバーヘッドキック、プランチャと連撃。さらにスワンダイブ式の攻撃を狙うが、エプロンに着地させたジュースがラリアットで叩き伏せる。
ジュースはエプロンパイルドライバーを狙うが、オスプレイが着地してハイキック。さらにサンセットフリップパワーボムの形でエプロンに叩きつける。オスプレイは後頭部へのダイビングエルボーバッドからファイヤーバードスプラッシュを放つが、ジュースはこれをかわして自爆させプリンスズスロウンで追撃。さらにパルプフリクションを狙うが、オスプレイが振り払ってショットガンドロップキックでジュースを吹き飛ばし、レフェリーも巻き込んで気絶させる。
オスプレイが担ごうとするとジュースは急所蹴りで脱出。リングの下からIWGP USヘビー級のベルトを取り出し、ベルトでぶん殴ろうとするが、オスプレイはこれをかわしてサイレントウィスパー。さらにヒドゥンブレイドを狙うがジュースは振り向きざまのベルト攻撃。場外マットのない硬い床にパイルドライバーで突き刺し、パルプフリクションを決めるがカウントは2。ならばとザ・ロックスライドの体勢も、オスプレイは回転エビ固めで切り返し、右ストレートを食らっても倒れずサイレントウィスパー。オスカッターを発射もジュースがキャッチしてザ・ロックスライドを発射。これを着地したオスプレイが即座にヒドゥンブレイドを叩き込み、3カウントを奪った。
<試合後コメント>
ウィル・オスプレイ
「この会場に入ってきて、今、この試合が終わった。今、俺には新日本プロレスでの仕事……それ以上の“使命”がある。みんなこの武道館の様子を見たか? チケットは完売になっていない。これからも自分が頑張り続けて、新日本プロレスの人気を再び元に戻したいと思っている。今、それができるのは俺だけだ。ジュース、アイツは負けた。Dブロック敗退だ。でも、俺たちの旅はまだまだ続いていく」
第2試合
オスプレイに勝利している鷹木はこの試合で勝利すればファイナルトーナメント準決勝進出が決まる試合。
ロックアップからエルボー合戦、ショルダータックルでのぶつかり合いとなり、ファンタズモがティヘラからのドロップキックで追撃。場外に出た鷹木へ片足で踏み切る三角跳びプランチャ。さらにトップロープを踏み切るケブラーダで追撃。リングに戻してスワンダイブ式ファイヤーバードスプラッシュ、ライオンサルトと様々な形の飛び技を見せる。
さらにダイビング・フィストドロップを狙うが鷹木がブートで迎撃し龍魂ラリアット。コーナーでエルボー&逆水平チョップを連打しセントーン、ブレーンバスター。カメラを探して「キタキタキター!」と叫んで指を差すが、その隙にファンタズモがバズソーキックを叩き込み、スピニング・ネックブリーカー。さらにCRIIを狙うが、鷹木がショルダースルーで切り返す。
ロープに跳ぶ鷹木に対しファンタズモがブーメランアタック。場外に逃れた鷹木へトペ・スイシーダを狙うが、鷹木がグーパンチで叩き落とし、「キタキタキター!」と改めてアピールし、場外デスバレーボム。さらに串刺しラリアット、スライディングラリアット、グーパンチからDDT。さらに雪崩式デスバレーボムを狙うが、ファンタズモが耳をつかんで脱出し地対空延髄斬り。トップロープからの雪崩式フランケンシュタイナーからサンダーキス’86。CRIIを狙うが鷹木がフランケンシュタイナーで切り返してからのパンピングボンバーを叩き込み、熨斗紙、パンピングボンバー。続いてラスト・オブ・ザ・ドラゴンを狙うがファンタズモは十字架固めで切り返す。鷹木もホップアップ式デスバレーボムでやり返し再びラスト・オブ・ザ・ドラゴンを狙うが、ファンタズモは回転エビ固めから入るCRII。
ファンタズモはサドンデスを狙うが、鷹木がキャッチして右ストレートからヘッドバッド。ファンタズモは倒れずサドンデス2連発から新技・CRIII(※垂直落下式CRII)で3カウントを奪った。
<試合後コメント>
エル・ファンタズモ
「(コメントスペースに来ると、記者席に勝手に座って)俺のコメントを聞きたいなら、こっちに来いや。フー(とため息をついて)、どうだった、『G1 CLIMAX』? 終わったよ。これは俺のヘビー級プロレスラーとしての始まりでしかない。ここ1年以上、ジュニアタッグとして、俺を働かせていたようだが、俺はヘビー級でも出来る。そして、これから、俺こそがこの地球上で一番強いプロレスラーであることを、みんなに見せてやることが出来るな。『G1』の記者会見から始まり、このブロックのオスプレイ、ユージロー、ジュース、シンゴと闘ってきた。自分のベストバウトはいくらでもあげることが出来るよ。お前たち、俺のことを下に見ていなかったか? それはただただ俺に目を向けていなかったってだけだろ。ところで、グッズ担当は誰だ? “ELP is my dad”っていうTシャツあるよな? “SHINGO is my dad”っていうTシャツを明日持ってきてやるから楽しみにしとけよ(と喋ると、部屋の電気のスイッチを勝手に消して引き上げる)」
第3試合
後藤の入場中、背後からEVIL&ディック東郷が花道で奇襲。しかし入場中の後藤の手には邪羅蛇羅棒があり、見事な棒捌きで2人を一蹴。
怒りの後藤がリングにEVILを放り込んで串刺しラリアットからコーナーに上るが、東郷が足を掴んで妨害。EVILがデッドリードライブからTシャツで首を絞め、東郷がいつの間にかコーナーマットを外して金具がむき出しのコーナーに叩きつける。
EVILはロープに跳ぶが、後藤はEVILの攻撃をかわしてローリングラリアット。さらに村正から河津掛け。さらにラリアットを狙うがEVILがロープを引き下げて場外に落とし、鉄柵に叩きつけて痛めつけ、花道でのブレーンバスター。ふらふらと場外に戻ろうとする後藤の足に東郷がしがみつき、あわやリングアウト負けも、後藤はなんとかリングに戻る。
EVILはダークネス・フォールズからEVILを狙うが、後藤は振り払ってEVILの足をコーナーにかけ「せーの!」と一人消灯。強烈なミドルキックから牛殺し、さらにGTRの体勢も、EVILが後藤の足を持ってレフェリーにぶつけ、東郷と2人でマジックキラーを狙うが、後藤はこれを着地し、逆に東郷を利用してEVILへマジックキラー。GTWからトドメのGTRを狙うが、EVILがレフェリーをひっつかんで視界を塞ぎ、その隙に東郷が後藤へ急所打ち。悶絶する後藤をEVILで叩きつけて3カウントを奪った。
<試合後コメント>
EVIL
「(※東郷が拍手する中インタビュースペースに着くと片ヒザをついて)これでよぉ、アイツもよぉ、全てこの俺が正しいってこと、ようやく分かっただろう。オイ、今日の試合後の後藤洋央紀、最高に光ってただろ。まぁまぁまぁまぁまぁまぁ、礼には及ばねぇよ。いいかオイ、『安らかに眠れ』と伝えとけよ。よく覚えとけ!」
後藤洋央紀
「(※下腹部を押さえてしばらく苦しんだ後)『G1 CLIMAX』、いつからハンディキャップマッチになったんだ? 聞いてねぇよ。聞いてねぇぞ! 家で新日本プロレス・ワールドを見てる息子にひと言。あんな大人になったら、勘当だぞ」
第4試合
内藤はゆっくりと入場コスチュームを脱いでザックに投げつけるなど挑発を重ねていき、ブチ切れたザックがビッグブートを叩き込み試合開始。
怒りのザックは内藤をコーナーに押し付けて顔面をガンガン踏みつけ、ロープに振るも内藤はスライディングで場外にエスケープ。ザックが追ってくると入れ替わりでリングに入り、迫るザックへマンハッタンドロップからジャックナイフ。ザックもエビ固めで切り返しジャパニーズ・レッグロール・クラッチホールドもカウントは2。
ザックは腕へのオーバーヘッドキックからザックドライバーを狙うが、内藤が首固めで切り返してカウント3を奪った。
この結末に納得がいかないザックはイス、テーブル、ゴングなどを投げつけて破壊していき、内藤は楽しそうに笑いながら氷嚢を投げつけるなどの挑発を重ねた。
<試合後コメント>
内藤哲也
「第3試合のEVILvs後藤の結果がどうなろうと、俺が今日ザック・セイバーJrに勝てば、今日の時点での脱落はない。そういうちょっと気持ちに余裕を持ちながら、今日はリングに立ちましたよ。去年の『G1 CLIMAX』開幕戦、今年の『NEW JAPAN CUP』決勝戦、そして今回。この1年間で3回のシングルマッチ。相変わらず苦手なタイプですよ。そんなザック・セイバーJrに勝利し、ファイナルトーナメント進出決定。明日の相手はDブロックを突破したウィル・オスプレイ。内藤哲也とウィル・オスプレイによる初めてのシングルマッチ、めちゃめちゃワクワクしちまうぜ、カブロン!」
ザック・セイバーJr.
「ナイトー! どこにいる!? ナイトー! (と怒鳴りながら、首にイスを1脚引っ掛け、さらに両手にイスを1脚ずつ持って、コメントスペースに入ってきて)クソーッ!(と叫んで、イスを床とバックパネルに叩きつけて、自身は座り込む)。本来は俺がメインイベントでジェイ・ホワイトと闘うべきだった。そこで勝ち、『G1』の決勝進出……なのにクソナイトー! だからナイスガイは嫌なんだ! 俺はもうナイスガイはやめてやる! クソクソクソーーッ!(と、再び怒りがこみ上げてきたのか立ち上がり、バックパネルをイスで引っ叩いて倒してしまうと、もう1脚のイスを裏返ったバックパネルの上に叩きつける)。『NEW JAPAN CUP』と『G1』、同じ年に両方優勝するダブルチャンピオンに俺はなるはずだったのに。6回目の『G1』、5年やってもまだ(IWGP世界ヘビー級の)ベルトは獲れない。あり得ない!」
第5試合
ロックアップからヘッドロック、バックの取り合いから互いの打撃をかわし合い、SANADAが後方回転エビ固めも石井はカウント2で返してバックドロップ。
石井は逆水平チョップの連打。SANADAのエルボーを受けても一歩ずつ前に進んでコーナーに追い詰めていき逆水平チョップ&エルボーの猛連打。ブレーンバスターを狙うがSANADAが着地し石井の追撃をリープフロッグでかわしてドロップキック。場外へ出た石井へプランチャでの追撃を狙うが、避けられるとエプロンを使ってのマジックスクリュー。石井をリングに戻してスワンダイブ式ミサイルキック。ブレーンバスターを狙うが石井が逆にブレーンバスター。
石井がショルダータックル、SANADAも即座に起き上がってバックドロップ。石井も引かずにジャーマン・スープレックス。石井はスライディングラリアットを狙うが、SANADAがかわして丸め込みからマジックスクリュー。さらにSANADAはTKOからSkull Endからラウンディングボディプレスを発射も、石井が回避して自爆させる。
SANADAは後頭部へのローリングエルボーからロープに跳ぶが、石井が延髄斬りで迎撃。さらにラリアットから垂直落下式ブレーンバスターを狙うが、着地したSANADAがロープに飛び、デスティーノのように逆上がりで組み付くドラゴンスリーパー。石井がブレーンバスターで切り返そうとすると、SANADAが十字架固め。さらにドラゴンスリーパーの体勢も石井が振り払ってヘッドバッド。ラリアットを狙ったところをSANADAがオコーナーブリッジで切り返すもカウントは2。
SANADAは再びドラゴンスリーパーを狙うが、石井がリバースしてドラゴン・スープレックス。SANADAも即座に起き上がってローリングエルボーからタイガー・スープレックス。さらにドロップキックも石井は倒れずラリアット。さらに垂直落下式ブレーンバスターで突き刺して3カウントを奪った。
<試合後コメント>
SANADA
「(※床に座り込んで)おかしいだろ。ふざけんなよ、マジで。46歳だぞ、何であんなに頑丈なんだよ。ただ、今日戦ってみて、SANADAに足りないものが少しだけ分かったような気がしたよ。だから、対戦相手には感謝してるよ。この際、石井さんの弟子入りでもしようかなと。……するわけねぇだろ! また明日から這い上がって、前に進んでトップに駆け上ってやるよ」
第6試合
ゴングが鳴ると同時にジェイが場外にエスケープ。ジェイがリングに入ってくるなりタマがドロップキックで吹き飛ばし、コーナーに詰めてナックル&エルボー連打。ショルダースルーで軽々と放り捨て、場外に逃げたジェイをリングに放り込んで再びショルダースルー。ジェイはまたも場外にエスケープ。タマを場外に誘い込んで巧みに痛めつける。
ジェイはタマをリングに戻してターンバックル高速ブレーンバスター。さらにバックドロップ、「Too Sweet~♪」とご機嫌な声を上げながら逆水平チョップを猛連打していくが、タマが気迫のラリアットで吹っ飛ばす。
タマはラリアット、バックエルボー、ボディスラム、串刺しボディスプラッシュ、バックドロップと連撃。さらにSRCを狙うがジェイが顔面かきむしりで脱出しDDT。ジェイはブレードバスター、コンプリートショット、ぶっこ抜きジャーマン・スープレックス。さらに裏投げを狙うが、タマは胴絞DDTで切り返す。
タマは延髄斬りからSRC、コーナートップからシュプリームフロー。さらにマットを叩いてガン・スタンを発射も、キャッチしたジェイが裏投げで叩きつける。ジェイはタマをコーナーに叩きつけて背中へのタックルを連打してからSSS。首を掻っ切るポーズからブレードランナーを狙うが、タマはトンガンツイストで切り返す。
タマはDSD。カウントは2で返されるともう一発を狙うが、ジェイが脱出してブレードランナーの体勢へ。タマもこれを抜け出してガン・スタンで飛びつくもジェイがバックステップで空振りさせ、SSSからブレードランナーを狙うが、脱出したタマが振り向きざまのガン・スタン。これがクリーンヒットし、3カウントを奪った。
<試合後コメント>
タマ・トンガ
「予想はしていたけれども、ジェイ・ホワイト、お前は俺が思っていたより強く、そしていいプロレスラーだった。時に人生っていうのは、突然自分にご褒美をくれることがある。しかし、逆のことのほうが多い。時に人生を生きていると、全てが最良で何も足すことも何も除外することなく、全てが目の前に揃ってしまう瞬間があるんだ。それが今日だったのかもしれない。時に人は怠け者になり、これ以上頑張れないという瞬間もある。しかし、自分が飛べるか飛べないかは、実際に崖から飛び降りてみないと分からないだろう。ジェイ、ありがとう。俺の背中を押してくれて。俺は今、飛び方を知った。どこまで飛んでいくかは神のみぞ知る。しかし、より高みに行くことだけは分かっている」
ジェイ・ホワイト&外道
外道「(英語で、コメントスペースで寝転がってしまったジェイに向かって)大丈夫か?」
ジェイ「ゲドー、タマは勝ったのか?」
外道「(英語で)言いたくないけど、あいつが勝ったよ…」
ジェイ「あいつ、俺のことを倒したのか…。この試合で俺が負けるとは思わなかったよ。あいつにとって人生最高の勝利となるんだろうな。お前の人生にとって最高の瞬間、俺の『G1 CLIMAX 32』での無敗記録を破ったという事実。それはお前から誰も取り上げることは出来ない。お前なんか大嫌いだ! うまいことエスケープしやがって。しかし、もう二度と俺の見ている目の前でお前に同じことはさせないぞ。でも、取り急ぎ、おめでとうとだけは言っておこう。お前は俺を倒した。俺の名前と共にお前の達成したことは語られるんだ。お前の功績は俺の名前なしでは語られないんだぞ。だから感謝しろよ。あいつ、俺のことを倒したのか…。俺、あいつに負けたのか……(全身に力を込めて)フ●ーーーック! フ●ーック! フ●ーック! フ●ーック! フ●ーック! フ●ーック! フ●ーック!(と何度も繰り返し叫ぶ)。ハァァァァ……さあ、行くぞ!(と言って立ち上がり、外道の肩を借りながら控室へ)」
第7試合
193cm、160kgのファレ。183cm、160kgのジョナ。最大体重選手同士の激突となるこの試合。
ゴングが鳴ると両者しばらく動かず睨み合い、一歩ずつゆっくりと歩み寄る。額を突き合わせる位置まで詰めると、大ぶりのエルボーを両者真っ向から打ち合う。
ファレがロープに跳ぶと、ジョナが追走して串刺しボディスプラッシュ。場外へ転がり出たファレに対し、ジョナがエプロンからダイビングタックル。これを受けきったファレもショルダータックルでなぎ倒し、場外で殴り合う。両者大ダメージを負い、場外カウント19でリングイン。
ファレが串刺しボディスプラッシュを3連打。4発目を自爆させたジョナがトラースキックからお返しの串刺しボディスプラッシュ3連打。ジョナはさらに走るが、ファレがカウンターのスピアーからエルボードロップ。ファレがグラネードを狙うが、ジョナがDDTで突き刺し、パイルドライバーを狙うが、160kgでも160kgは上がらず。
ジョナはラリアット連打。ファレが倒れないと見るやヘッドバッドでひるませラリアット。さらにファレの巨体をボディスラムで投げきり、トーピードを投下して3カウントを奪った。
<試合後コメント>
ジョナ
「やったぞー!(※ティトとハグ) ランス、オマエ、この試合勝てよな。俺たち、3人同点にしようぜ。俺はオマエのことは倒せるだろうし。『G1 CLIMAX』の最中、俺は2つのミスを犯した。1つはピンできなかったこと。もう1つはサブミッションできなかったことだ。レフェリーにも非があるかもしれないが、とにかくこれが、俺が『G1』中に犯したミステイクだった。今日はブロックで最大のモンスターを倒すことができた。そして武道館で試合ができたことを何よりも光栄に思っている」
第8試合
ともに勝利すればファイナルトーナメント進出が決まるオカダ・カズチカとランス・アーチャーの一戦は、ランスが入場コスチュームを脱がぬままリング中央で立ち尽くす中でゴングが鳴り、オカダがその周囲を回るという異様な立ち上がり。
オカダが眼前に迫るとランスがいきなりのチョークスラム。さらにスクラップバスターで追撃。オカダもエルボーで反撃していくがダメージからか弱々しく、ランスはショルダータックルで吹っ飛ばす。場外に逃れたオカダの頭を鉄柵にガンガンと叩きつけ、鉄柵への串刺しキャノンボール。さらにヤングライオンをオカダの上にボディスラムで投げつける。
リングに戻してハンマーパンチ連打。さらにオールドスクールからムーンサルトアタック式ダブルニーを顔面に叩き込む。さらにブラックアウトを狙うが、オカダは着地してレインメーカー。
ランスはチョークスラムを狙うが、持ち上げられた反動を使ってオカダがショットガンドロップキック。さらにドロップキックで追撃し、ランスの巨体をボディスラムで投げきる。さらにダイビングエルボードロップからレインメーカーポーズ。レインメーカーを発射もランズがキャッチ。オカダがロープに跳ぶとランスがドロップキックから掟破りのレインメーカーからブラックアウトも、カバーされたオカダが十字架固め。ランスはカウント2で返すも、3カウントが入らなかったことを歯噛み。
ランスは串刺しランニングニーからブラックアウトを狙うが、背面着地したオカダがマネークリップ。ランスが振り払うとオカダがローリングラリアットも、ランスは倒れずラリアットでオカダをふっとばす。ランスが突っ込んでいくも、オカダはドロップキックで迎撃し開脚式ツームストンパイルドライバー。さらにレインメーカーで追い打ちして3カウントを奪った。
オカダ「皆さん!今日も熱い熱い、熱い声援本当にありがとうございました!G1 CLIMAX32も、残す所後2日です。まだ熱くなってないでしょ、皆さん。G1 CLIMAXってさ、こんなもんじゃないでしょ?もう熱くて無理ですなんて方は、プロレスファン失格でしょ!まだまだ熱くなりますよ、G1 CLIMAX!皆さんの熱い声援×僕たちの熱い戦い=最高のG1 CLIMAXになると思いますので、あと2日間!2日間しか無いですけど、まだまだ応援よろしくお願いします!今日はホントに熱い熱い熱い声援、ありがとうございました!」
<試合後コメント>
オカダ・カズチカ
「(自らイスに座り)ああ……キツい」
──お疲れさまでした。闘いを振り返ってみてどんな闘いでしたか?
「いやあ、キツかった、Aブロック。まあ、キツいブロックを勝ち上がったことは意味あると思うんで。このキツい相手と闘って勝ち上がった勢いを大事に、また明日闘っていきたいと思います」
──怪物揃いと言われたAブロックで、最後に受け止めたのがランス・アーチャー選手でしたけども、どんなレスラーでしたか?
「元々、新日本に何回も上がってて、アメリカの団体に移って。でも、移ってこんだけ変わってきたんだよっていうね、闘ってて意地っていうのは凄く感じましたし、前とは全然違う強くなったランス・アーチャーに会えたんじゃないかなと思います。でも、ランスが強くなったように、オカダ・カズチカも強くなっているんで、それが今日の勝ちにも繋がったのかなと思います」
──そしてこの勝ちでいよいよトップ4が出揃いました。役者が出揃った形だと思いますが、あと2試合です。どう捉えていますか?
「まあ、あと2つ、こっからが例年の『G1 CLIMAX』と違う闘いになるので、いつもブロックを勝ち上がったら次は決勝戦という形でしたけども、本当に明日の闘いはどうなるか、未知数な部分はありますし、タマですよね。あの僕が6月に勝てなかったジェイ・ホワイトを倒して来たわけですから。まあ、4人の中で一番勢いがある相手なんじゃないかなと思いますし、そんなジェイを倒したという意味でもモンスターだと思いますんで、またタマを倒して、その次に進んでいきたいなと思います」
──これまでとの違いで言うとあと2つと捉えるのか? それともまず1つと捉えるのか? どんな気持ちで臨みますか?
「どちらでもないですね。勝つだけ。勝っていけば優勝ですから。もうリーグ戦ではないんでね、勝っていく。それだけですね」
──連覇もかかってくる闘いにもなると思いますが、50周年のメモリアルイヤーです。最後にたくさん詰めかけてくださったファンの方に言葉をお願いします。
「まあ、別に50周年だから頑張るっていうわけではないですし、いつも通りのオカダ・カズチカ。50周年に懸けている思いっていうのは僕だけじゃなく、全選手にあると思うので。でも、それを僕はみんなよりも上回っているよという気持ちがありますし、そのあたりをしっかりと。リング上で言いましたけど、まだまだ熱い闘いを欲していると思いますんで。もう熱過ぎて、無理だよっていう方はもうこの『G1CLIMAX』から外れてもらって、涼しい所で過ごしていただきたいと思いますし、まだまだ行けるよ、もっともっと熱いのをちょうだいよっていう方は、残り2つしかないですけど、『G1 CLIMAX』を楽しんでほしいと思います」
──最高の夏、最後まで見せてください。
「分かりました。任せてください。ありがとうございました」
ランス・アーチャー
「(日本語で)ゴメンナサイ。(英語に戻して)俺が日本に戻ってきて、『G1』のブドーカン3連戦の初日、メインイベントでオカダと闘える。これがどんな意味を持つのかを誰も分からないだろう。勝つか負けるかは分からなかった。でも、これで終わりだ。これが俺の最後の『G1』、いや最後の『G1』になるかもしれない。より強く、より良いプロレスラーになった時、もしかしたら戻ってこれるかもしれない。来年、また戻ってこられるように、俺が出来ることは全てやろう。そしてこれはAEWへのメッセージだ。まずは俺が世界最高峰のヘビー級シングルマッチのトーナメントに出場出来るようにしてくれたことを感謝する。団体関係なく、この『G1 CLIMAX』というのが世界最高峰のトーナメントであることは間違いないことだ。AEW、俺はこれからそこに戻る。いつどこだかは分からないけれども、どこかのタイミングで必ず戻る。5週間で20試合を闘い抜いた俺が、AEWで全てのフラストレーションをぶつけてやる! チャンピオンシップに次ぐチャンピオンシップ、俺が闘えるところなら全て闘ってやる! モクスリー、CMパンク、AEWにいる誰もが俺の相手になるだろう! お前たちのことを追っていくから待ってろよ! 俺のことを『ピークを過ぎた』、『年を取り過ぎている』、そんなことを言っていた奴らは全員ケツを蹴り上げてやる! ふざけるんじゃねえ! Evrybody dies!」