「私は7年かけてここまで来たのに」不死鳥に敗れたスターライト・キッドが嫉妬の炎に灼かれ半狂乱?!
9日、東京都・立川ステージガーデンにて『STARDOM MidSummer Champions 2022〜真夏の王者たち〜』が開催され、上谷沙弥がスターライト・キッドを制してワンダー・オブ・スターダム王座(※白いベルト)の7度目の防衛に成功した。
上谷は、中野たむが2018年にスターダムの姉妹団体として旗揚げした『スターダム★アイドルズ』で上谷がアイドルズの1人としてプロレスデビュー。真剣にダンスに打ち込み、バイトAKBなどでアイドル活動をしていた上谷だが、当時のたむ曰く「プロレスの練習もしていない」状態でのデビューであった。
その後、2019年にスターダムに練習生として入団し直してデビューすると、その天性の華と運動神経でみるみる頭角を現し“未来のスターダム”の名をほしいままに。デビューから約3年で押しも押されもせぬスターダムのトップ選手の1人として認知されている。
対するスターライト・キッドは、ハイスピード戦線での強者として知られていたものの、その真骨頂が発揮され始めたのは昨年7月に大江戸隊に加入して闇落ちし、内なる欲望を解放するようになってから。
優等生的な発言が多かったキッドから一転したキレキレなマイクと、元よりハイレベルであった空中殺法に磨きをかけた“闇落ちキッド様”の人気はうなぎのぼり。日々実力と存在感を高め続け、スターダムの顔の1人となっている。
今でこそ輝かしいスター選手となったキッドだが、以外にも伸び悩んだ時期は長い。
常にハイスピード王座の最前線で闘いながらも初戴冠は昨年8月の8度目の挑戦時。そして現在保持しているアーティスト・オブ・スターダム王座(※6人タッグ王座)も今年5月に7度目の挑戦が成就してのもの。着実に結果を積み重ねてきたキッドは、今回3度目の挑戦となる白いベルト獲得に向けて並々ならぬ気迫を見せてきた。
キッドは序盤戦から上谷を花道に連れ出してのフランケンシュタイナーや、イスでヒザをぶっ叩くといったラフファイトでペースを掴み、足4の字固めや足への旋回式フロッグスプラッシュなどで上谷のヒザを徹底破壊。上谷のニールキックをドロップキックでヒザを撃ち抜いて撃墜するという離れ業も見せた。
キッドはこの王座戦のために開発した新技・黒虎脚殺(※マフラーホールド+変形首4の字固め)を繰り出すが、上谷はこれをぶっこ抜いての超高角度バックドロップ・ホールドでキッドを頭頂部をマットに突き刺す。キッドも大技のEternal foe(※スパニッシュフライ)を繰り出すが、上谷は自ら回転を増すことで着地してのける驚異的な身体能力を見せ、スター・クラッシャー、変形ブルーサンダーなど大技連打からフェニックス・スプラッシュを決めて3カウントを奪った。
勝利した上谷がリング上で次期挑戦者のSAKIや、古巣のスターダムへと帰還した高橋奈七永と舌戦を繰り広げている中、先にバックステージに戻ったキッドは失意のあまり号泣し取り乱した様子。
キッドは「2020年、5★STAR。2021年、シンデレラ・トーナメント……新人の上谷に、私は負けて!ハイフライヤー、私の見せ所も全部持っていかれた気がして!どん底まで落ちた!私は上谷にずっと邪魔されてきた!今回アイツから絶対白いベルトを獲って、それも全部、忘れて、捨ててやろうと思ったのに。私はやっと!約7年かけてここまで来たのに、今の私でも獲れないのか。今の私になにが足りないんだ!何が足りずにずっと上谷から勝てない……?!私が一番負けたくない相手は、上谷沙弥なのに!」と泣き叫ぶ半狂乱とも呼べる感情の爆発を見せ、床を這いながら去っていった。