「5年ぶり、ただいま!」山本”KID”徳郁の弟子・フジタ”Jr”ハヤトがガンを克服し約5年ぶりの完全復帰戦で王座戴冠!拳王、高橋ヒロムと対戦を熱望!

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 1日、東京都・後楽園ホールにて『みちのくプロレス2022年東京大会Vol.1~言行一致~』が開催され、フジタ”Jr”ハヤトが約5年ぶりの復帰戦で東北ジュニアヘビー級王座戴冠を果たした。

 フジタJrハヤトは、高校時代にレスリングの全国大会に出場し、みちのくプロレス入団後に山本”KID”徳郁に師事して総合格闘技も習得したハイブリッドな実力派レスラー。新日本プロレスの『SUPER J-CUP』や『BEST OF THE SUPER Jr.』に出場するなど他団体でも活躍しており、東北ローカル団体の選手ながらその知名度は高い。
 ハヤトは2017年から膝の靭帯完全断裂によりリハビリ生活を続けていたが、その最中でガン(脊髄腫瘍髄内腫瘍上衣腫)が発見されさらなる闘病生活を強いられることになった。それでもハヤトは折れずに「師匠がガンで亡くなったので、それも重なってちょっとすげー病みましたけど、師匠が出来なかったことを俺がちゃんとその想いを背負ってまたリングへ帰って来たいと思います」と復帰を宣言し、一度は2019年6月の後楽園ホール大会での復帰が決まりかけるも抗癌剤治療による体調面から延期に。

 そんなハヤトを元気づけるべく2019年11月にみちのくプロレスがハヤトの支援大会かつプロデュース大会である『ハヤトエール』を開催。その際にハヤトは「ガンという大きいものに負けそうになるときもあるけど、上から徳さん(山本“KID”徳郁さん)も見てるんで、そこの分も俺が倒したいなって思うし、戦うことも諦めないし、俺が倒さないで誰が倒すんだって。いいんじゃないですかね、戦いながら病気と向き合っていくのも。俺は生きるためにそうしたいから先生も説得するし、まだやらなきゃいけないことがあるんで、絶対死ねないし。だから戦います」と復帰を宣言。新崎人生コミッショナーも「復帰への気持ちが治療のモチベーションになっているなら、今それを奪うことは出来ない」とこれを許可し、同年12月の後楽園ホール大会でハヤトは盟友・拳剛を相手に1日限定復帰戦を実施。

 その後、リハビリの日々に戻ったハヤトだったが、2021年6月には3度目、4度目の手術を経て約1年半ぶりに後楽園ホールへと姿を見せ、移動は車椅子ながらも2本の足でリングに立ち、「必ずこのリングに帰ってきてみちのくプロレスのチャンピオンと試合がしたい」という夢を叫んだ。

 そして、今年5月の岩手大会ではハヤトがサプライズ登場を果たし、東北ジュニアヘビー級王者であるMUSASHIへ「次の挑戦者は俺だ」と挑戦表明。
 新崎人生コミッショナーもこれを許可したため、ハヤトのガン闘病後約5年ぶりの完全復帰戦が実現した。


 入場曲が鳴り響く頃には感極まって泣き出すファンも大勢おり、大喝采の中でハヤトが登場。
 試合が始まると、ハヤトは鋭い蹴撃でMUSASHIを追い込み、場外ではイスを積み重ねてMUSASHIのヒザをぶん殴るなど荒々しい攻撃で猛攻。中盤には、互いが歩んできた5年間を確かめ合うかのような激しいエルボー合戦やヘッドバッド合戦、ジャーマン・スープレックスの撃ち合いでの意地の張り合いが展開され、MUSASHIが二天一流を狙うもハヤトがK.I.D(※フロントネックロック)で切り返す。
 MUSASHIがこれを脱出するも、ハヤトはハイキック、ブラジリアンキック、PK、バズソーキック、ヘルムと畳み掛け、最後はK.I.DでMUSASHIを絞め落とし、30分55秒の死闘に終止符。
 ハヤトが2012年6月以来10年ぶりの東北ジュニア王座戴冠を果たした。

 新崎人生が涙で声をつまらせながらハヤト認定証を手渡してから抱きしめると、マイクを取ったハヤトは「5年ぶり、ただいま。俺の復帰に、いろんな声があるのわかってます。『もう無理だ』って言う人もいる。『おかえり』って言ってくれる人達もいる。この5年間、むちゃくちゃ、むちゃくちゃつらい思いをして、俺は、この場所に帰ってこようって、思ってました。そして、その、俺がいなかった5年間、ちゃんと後輩たちが、そして、同世代のバッドボーイも正規軍のメンバーも、全員でみちのくプロレスを盛り上げてくれてるって思ってました」と涙ながらに想いを叫ぶ。

 そして、「もう、いつこのリングに立てなくなる日が来るかわからないから、これからも俺のプロレスラー人生一つも悔いが残らない相手と、試合をしたい。……おい、拳王!そして、新日本!高橋ヒロム!いいか?このリング上がんねーなら、俺がお前らのこといつか絶対俺の前に立たせてやるからな!」と、思い入れある2選手の名を挙げ対戦を熱望した。

 そして、「これからも、みちのくプロレス、必ずみんなを幸せにしてやる。最高の団体にしたいと思いますので、俺について来い。ありがとうございました!」と王者として堂々と大会を締めた。

 バックステージに戻ったハヤトは安堵からか涙し、「つらかったぁ~。めっちゃ怖かったし、マジで怖かった。でも、また生きてあのリングに帰れるんだって思ったら、やっぱ嬉しい。格闘技が好きなだけでこのリングに立てるほど甘くねーよ。マジで命かけてんだ。マジで、誰が、どこのレスラーが『本気で闘えなくなってもいいからリングに上がる』って思ってるやつがどこにいんだよ。マジでいるなら連れてこい。俺が試合してやる」と胸中を吐露。

 そして、「『おかえり』って言われると、『マジで諦めなくてよかった』って思いました。『ハヤト、なにしてくれるんだろう』『ハヤトならなにか言ってくれるだろう』と思って楽しみにしてくれるような、そして1人のレスラーとして他団体の奴らが『やべーの帰ってきた』って思ってもらえるような試合をして、コメントを残して、こういう生き様もさらけ出して、『こういう狂ってるやつがいるなら、俺も、私も頑張ろう』って思ってもらえるような1人の人間になっていきたいと思います。リングでね、メジャーのカラフルな奴と、真っ赤なド金髪のかっけー奴が俺を待ってるんで。多分、治療も落ち着いて、年末とか、年明けとか、俺はヒマしてるんで、俺もあすこの会場で試合したいなってガキの頃から思ってるし、そういうところを目指して、俺ももっともっと向こうが『ハヤト、やってくれ!』って言ってくれるような選手に。チャンピオンとしてこのみちのくプロレスを上げていって、向こうから俺の名前を言わせるように頑張りますんで、マジで、マジで俺に期待してください。7月1日は。俺の日でした。ありがとうございました!ただいま!」と未来に向けての展望を熱く語った。

 一方、人生コミッショナーは「ハヤトに関しては高校生の時から知ってて、子供、って言ったらちょっとアレですけど、子供みたいなもんで。『お父さん、お母さんを遺してハヤトが先に逝くなよ』っていう気持ちだけあった。5年間で活躍していく光り方もあるんですけど、5年間耐えてこその光というか、この5年間ハヤトが普通に試合をしてたらこんな光り方は出来なかったんじゃないかって。青く、幸運で光り輝いていたなっていう試合でした」と思いを述べる。
 そして、ハヤトが挙げた拳王、ヒロムとの対戦については「いろんな団体の壁とか、そういったものもありますけど、できる限りそこは実現の方向で話し合いを進めていきたいと思います。それはこちらが一方的に言うべきことではないんですけど……」と言葉を濁しながらも前向きな姿勢を語った。

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