「プロレス界に『プロレスとはなんぞや』を教えられる」RIZIN出場を控えた中村大介の対戦要求に田村潔司が応えた?!

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 5日、東京都・新宿FACEにてGLEAT『LIDET UWF Ver.2』が開催され、中村大介が松井大二郎に激勝。師匠・田村潔司との対戦を熱望した。

 中村は現在総合格闘技ではDEEPを主戦場としているが、UWFをこよなく愛するプロレスラーとしての側面も持ち、現在はプロレスリングNOAHで杉浦軍の一員としても活躍中。RIZINには昨年10月の『RIZIN.31』で初参戦を果たし、新居すぐるを相手に1Rで飛びつき腕十字を決めて快勝。
 試合後には「師匠(田村潔司)が一番Uにこだわっている方で、その弟子なので間違いなく血筋はあると思うんですけど元々のUWFを体験してる世代ではないので自分がUだとはあんまり公には言わないようにはしてます」と謙遜気味にUWFスタイルへの愛を語っていた。
 3月20日の『RIZIN.34』では山本喧一の次男・山本空良との対戦が決まっている中村は、田村潔司がExecutive Directorを務めるGLEATのUWFルール大会“LIDET UWF”に初参戦。中村にとって今月はUWF濃度の高い一ヶ月となっている。


 この日、中村は松井大二郎とシングルバウトで対戦。
 ミドルキックで牽制しながらグラウンドに引き込んでアキレス腱固めに捕らえていくなど多彩で器用な攻めを見せる中村に対し、松井は腕十字にこだわりを見せ無骨に腕関節を狙っていくという試合運びを見せる。ポイント上でも一進一退の攻防を展開するが、終盤に中村が飛び膝蹴りを放って膠着状態を打破しようとすると、松井はこれをキャッチしてフロントスープレックスで叩きつける。一気に勝負を決めたい松井は掌底を猛連打していくが、これを冷静にさばいた中村が伝家の宝刀・飛びつき腕十字を決めてタップを奪った。

 試合後、中村と松井はしっかりと握手を交わし互いに正座で向き合い座礼。さらに中村は本部席で試合を見守っていた田村にも深々と頭を下げてから退場していった。


 バックステージに戻った中村は「(UWFスタイルは)師匠がやられているスタイルなんで一番やりたいスタイルなんですけど、本当に緊張しました(笑)MMAの試合よりも緊張してちょっと硬くなっちゃったんですけど、今あるものを見せられたかなと思っています」とほっとした表情でコメント。
 そして『田村潔司と会話をしたか』と問われると、「いや、してないです。しない形で。ただ、それが自分たちの師弟関係だと勝手に思ってますので。気持ちは伝わったらなって感じで。これからですね。これからです」と、敢えて言葉は交わさなかったのだと明かした。

 そして全試合終了後に大会を総括していた田村潔司は、中村について「順当だと思います。松井の方が大分先輩だと思うんですけど。中村選手はまだ全然出しきれてない部分があると思うので。まだまだあんな選手じゃないと思います」と絶賛。

 そして、中村が試合前に『田村潔司選手の心を、リングに向かわせれるのは、世の中で自分だけだ』と語っていたことを聞かされると「それはどういう想いで言ってるんですかね。彼の性格は分かっているので、その文章を考えて最後の送信ボタンを『押そうか押すまいか……行っちゃえ!』みたいな風だったと思うんですけど。逆に嬉しい面はあります。中村大介は僕の背中を見て育ったとは思うんですけど、そこからU-FILEを卒業して、ある意味親離れした感じだと思うんですけど、そこから彼とは一切会っていないので。ちらほら総合の試合で活躍したりしなかったりっていうのは耳に入って来てるんですけど。だから逆に、僕がリングに上がる上がらないは別に置いといて、彼は覚悟を決めて(送信ボタンを)押したと思うんですよ。僕の名前を出して押したってことは彼なりの覚悟があると思うので」とその意図を推測。

 さらに、中村との試合について「総合格闘技の中村大介の実績は文句のつけようがない。でもプロレス畑で言うと彼はまだまだグリーンボーイ扱いだと思うので。そのへんで実力はあってもそれをいかにお客さんにエンターテイメントで伝えるかって部分は勉強しないといけないかなと思うので。中村大介は僕は18歳の頃から知ってるんです。18歳のときから僕は練習を教えてきたんですけど、仮に僕と中村大介が試合をするようになったとすると……スゴいことになると思います。プロレスって定義は僕はわからないと言うか、今どのラインが定義なのか。僕の思ってるプロレスってのは、アントニオ猪木さんから始まって、前田日明、高田延彦、船木誠勝。その血を僕は引き継いでいるので、『プロレスは闘いなんだ』と。その闘いをしてきた僕らの試合を、中村大介は見て育った世代なので、もし僕と試合をやったらプロレス界に『プロレスとはなんぞや』を教えられる選手だと思うんで。これは自己満足、僕だけの世界なのかもしれないですけど、僕がプロレスを感じてきたのは昭和のプロレスなので、そこを自己満足でもいいから表現できる選手の1人ではあると思います」と興奮気味に語った。

 田村は、途中で「中村大介ざんまいになってるからやめとこうかな(笑)」と照れ笑いを挟みつつも中村について約8分もの間熱弁。中村が放った思いは確かに田村へと届いたようだ。

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