「もっとこの業界とは距離をあけたい」長州力が“元プロレスラー”としての立場で葛藤
1日、東京都・日本武道館にて新日本プロレス『CSテレ朝チャンネル Presents 旗揚げ記念日』が開催され、試合に先駆けて新日本プロレス旗揚げ50周年記念セレモニーが行われた。
当セレモニーは、約6ヶ月半にも渡る新型コロナウイルスとの闘病生活を終えた田中ケロリングアナによる「2022年3月1日。新日本旗揚げ50周年記念セレモニー、その時が来た!50年、歴史を作りし新日本プロレスOBたちの入場です!」というコールで開幕。
井上亘、獣神サンダー・ライガー、小林邦昭、坂口征二、保永昇男、タイガー服部、北沢幹之、ミラノコレクションA.T.、田中稔、垣原賢人、山崎一夫、藤原喜明、前田日明、越中詩郎、木村健悟、蝶野正洋、武藤敬司、長州力、藤波辰爾(登場順、敬称略)がリングへ上がり、体調不良のため来場が叶わなかった初代タイガーマスク(佐山サトル)からのビデオメッセージが放映された。
セレモニーを終えた長州力は、「新日本が創立してから50周年、本当におめでとうございます。振り返ると、いろんなことがあったし、それがこの業界のマジックみたいなものだよな。この業界……プロレスラーには、ゴールはないですね。今だから言えるけど。その時代時代の流れが強く影響してくる世界だなあと思いますよね」とプロレス界の荒波に揉まれてきた自らの半生を振り返る。
そして、「現役時代に印象に残ってる試合はどの試合か」と問われると、「こういうことは、言わない方がいいと僕は思うんだよ。悪いけど。それはファンや記者の人たちが考えて書いてくれればいいと思いますよ。元プロレスラーだったんだから、『何かありますか?』って聞かれれば答えるんだけど、僕は元レスラーっていうのは自分でよく理解してるし、もっとこの業界とは距離をあけたいなと思ってますね。自分なりには距離をあけてて、余計なことも言わないし。YouTubeをたまにやったりしてるんだけど、僕はまあ、トボけたものを作りながら、自分で分かってやってるんだけど、あまりこの業界の近くにいると、チャンネルを変えたくなるというか、見たくもない。俺のやってきた世界が、そんな風に、同じ選手たちがリングを降りて発してるものは……ファンにはそういうのは面白いんだろうけど、そんなものは見たくもないし聞きたくもないというか。だからさっき言った通り、距離をあけたいというのは、その時代時代の後押しがあって、作り上げられていく世界だから。ただあまりにも、自分がやってきた仕事に対して何を言ってんだっていう気持ちにもなりたくもない。人それぞれ、選手もそれぞれだから。一切関わりたくない。ただそれだけ。だから思い出の試合とかも言いたくない。もし自分の気持ちの中にあったとしても、関わった選手たちがまだリングに上がってるわけだから。遠くから離れて見て、気持ちの中では応援してますよ」と、“元プロレスラー”としての複雑な想いを語った。