“出戻り組”の汚名を返上した葉月&コグマがタッグリーグ優勝し王座挑戦へ!「ジュリアに借りがあるのでキッチリ返したいと思います」
14日、東京都・後楽園ホールにてスターダム『第11回 ゴッデス・オブ・スターダム~タッグリーグ戦/最終戦~』が開催され、“FWC”葉月&コグマがタッグリーグ優勝を果たした。
葉月はスターダムのハイスピード王座戦線を中心に団体の中核選手として活躍していたが、2019年秋に突然の引退表明。引退時に「こういう不本意な引退はしたくなかったし、すると思ってなかった。スターダムのことは大嫌い」という団体批判、「人間としてみんなみたいにクソになりたくない」と他の所属選手への批判コメントを残したことで大きな話題を呼び、スターダムとは完全に絶縁かと思われていた。
しかし葉月は今年8月の汐留大会に突如現れてスターダムでの現役復帰を宣言。10月9日の大阪大会にて、先にスターダムで約6年ぶりの復帰を果たしていたスターダム5期生の同期であるコグマと復帰戦を行い、そのまま“FWC(Fukuoka W Crazy)”を結成してタッグリーグ戦へと出陣した。
この日、FWCはまず第2試合に出場し、“東スポ大好き!”鹿島沙希&フキゲンです★と対戦。
東スポ大好き!の多彩な東スポ攻撃に苦戦しつつもダブルの顔面ウォッシュを繰り出すコンビネーションで対抗し、最後は2人の東スポ攻撃を誤爆させた上でコグマが鹿島をスクールボーイで丸め込んで3分48秒で快勝。
そして、第3試合で同ブロックの“AphroditE”林下詩美&上谷沙弥が勝利したことでFWCと同率一位となり、第4試合の枠で急遽AphroditEとFWCの決勝進出決定戦が実施。
試合を終えたばかりでエンジンに火が入っているAphroditEの2人が序盤から連携攻撃で一気に攻め込んでいき、詩美のダブルラリアットや上谷のスワンダイブ式プランチャなどいきなりの大技からファンタスティック・フリップなどの合体技も炸裂。上谷が葉月へスター・クラッシャーでトドメを刺そうとするが、葉月がこれを葉・月ストラルで丸め込んで5分27秒のスピード決着。FWCが優勝決定戦進出を決めた。
メインイベントでは、FWCと前年度タッグリーグ覇者“MOMOAZ”渡辺桃&AZMによる優勝決定戦が実施。
MOMOAZはともに得意とする鋭い蹴り技をベースに、AZMは空中技+サブミッションのハイスピードファイト、桃はテキーラ・サンライズや蒼魔刀といったダイナミックファイトとそれぞれの持ち味を活かしつつ細やかな連携も見せるタッグとしての高い完成度を見せつける。
この日3試合目のFWCはスタミナの問題も心配されたが、コグマがAZMの必殺技のアメシスト・ストームをロープスタンガンで切り返して逆転の狼煙を上げると、葉月がコグマを踏み台にしてのジャンピング・ビッグブートやトペ・スイシーダなどスピードを活かしたファイトで撹乱し桃のハイキックをAZMに誤爆させてコグマの勝機を作り出す。
コグマはAZMが顔面から着地するほどの急角度ブリッジでのジャーマン・スープレックスを見せ、葉月とともに合体ガン・スタン。さらに葉月の垂直落下式ブレーンバスターからコグマがジャーマン・スープレックス・ホールドでAZMから3カウントを奪い、15分28秒の死闘に終止符を打った。
優勝者に贈られるおそろいのリングを嵌めて笑顔で記念撮影を終えた葉月は、タッグリーグ優勝の実績を引っさげて“Alto livello KABALIWAN”ジュリア&朱里の持つゴッデス・オブ・スターダム王座(※タッグ王座)挑戦を宣言。
コグマもゴッデス王座奪取を宣言するとともに、元ハイスピード王者のAZMから3カウントを奪ったことでハイスピード王座と合わせての二冠王戴冠の野望を掲げた。
試合後、葉月は「“出戻り組”だのどうのこうの言われてますけど、これが私たちが出した結果です。ジュリアにはきっちり怪我を治してもらって。私はジュリアに借りってものがあるのでね。そこでキッチリ返したいと思います」と真剣な面持ちで語る。
そしてコグマは「個性がバラバラだからこそいいところもあるし。やっぱ同期だから、なにも別に息を合わせなくても合うようなところがあると私は感じますね」と同期タッグで結果を残せたことに対して心底嬉しそうに笑った。
葉月は引退を直前に控えた2019年12月8日の新木場大会で自身の引退と入れ替わるようにスターダムにやってきたジュリアとの対戦が決まり、「引退前の貴重な1試合なのに相手こいつか…葉月が望んで無い試合が多い...葉月がプロレスをやってるのはジュリアさんのためでも他の選手のためでもスターダムさんのためでもない。スターダムさんが望んでいるのはジュリアさんの踏み台になることやろ?なら、スターダムさんが望んどるようにしてあげる。この試合負けます」とSNSで発言して周囲をざわつかせた。そしてその試合ではジュリアのステルスバイバーで落とされてレフリーストップ負けを喫した過去がある。
スターダム参戦から2年でトップ戦線に駆け上ったジュリアと、一度は前線から退きながらも再び這い上がるための切符を掴んだ葉月の因縁はどのような結末を迎えるのか。日程は未定ながら、アリカバvsFWCのゴッデス戦を楽しみに待ちたい。