一晩でRIZINフェザー級ストーリーが全て白紙になったその理由とは
24日にぴあアリーナMMで開催された『Yogibo presents RIZIN.31』。メインイベントで行われたRIZINフェザー級王座戦は波乱の結果となった。
昨年11月、初代RIZINフェザー級王座を賭けて朝倉未来と斎藤裕が対戦し、下馬評を覆して斎藤が勝利。今年6月に朝倉未来から勝利したクレベル・コイケが王座挑戦になるかと思われたが、クレベル側が様々な理由で現在参戦自体が危ぶまれる状況に。朝倉未来と斎藤のリマッチの機運が高まる中、RIZIN初参戦のDEEP王者・牛久絢太郎がこの日急遽王座に挑戦することになった。
1Rは打撃の一進一退の攻防となったが、2Rに牛久の飛び膝が顔面に炸裂すると斎藤は顔面から出血。斎藤は「まだやれる!」と叫び続けるがドクターストップとなり、牛久がRIZIN初参戦初勝利初戴冠となった。
勝利した牛久は「自分が思いきってやりたいって挑戦して、周りからはムリだよとかすごいそういう声多かったんですけど、自分信じ続けて頑張ってればいいことあるんだなってほんとに今日思いました。同じ感じで悩んでる人いたら、どんな下馬評も絶対自分信じれば覆すことできるんで、そういう皆さんの力になれたらすごく嬉しく思います」と泣きながら喜びを顕に。
この結果を受けて榊原代表は「僕らの想定していた未来の絵が全部崩れてですね、年末に向けてどういうマッチメイクをどういうストーリー展開で進めるんだっていうところはもう1回白紙に戻して考えるくらい色んな事が起きた。今回斎藤裕にオールベットして、タイトルの中でも“I am the Champion”と、斎藤裕ピンでポスターを作って、それが全部一気にガタガタガタガタと崩れるという。フェザー級は混沌とすると言うよりはすべてのことがシャッフルされてですね、さあどう展開しようかというところ。牛久選手が斎藤選手に勝ったから牛久選手と朝倉未来という一足飛びに持っていく感じではない。これから我々のアイディアとか知恵比べになるのかなと。ファンの人達が求めるものを、一歩、半歩先を行って、フェザー級の熱を大晦日で昇華させる」とコメントした。
この日の大会では金原正徳や中村大介といったベテランのフェザー級選手たちも躍動し、朝倉未来やクレベル・コイケも含めて横一線となった。コロナ禍で積み上げてきたフェザー級ストーリーが崩れた今、RIZINフェザー級ファイターたちに牛久のようなチャンスが巡ってくる。