「クソみたいな試合をしてしまいました」覚醒した山本アーセンが慢心に飲まれ流血ドクターストップ負け

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 24日、埼玉県・さいたまスーパーアリーナにて『RIZIN.44』が開催。ABEMA PPVにて独占生中継された今大会では山本アーセンが福田龍彌と対戦も、ドクターストップでTKO負けを喫した。

 アーセンは山本美憂を母に、山本“KID”徳郁を叔父に持つ“山本家の最終兵器”として2015年大晦日のRIZIN旗揚げ興行でMMAデビュー。RIZINの未来を期待されたこともあったが、相次ぐ怪我に泣き周囲が期待するような圧倒的戦果を挙げることは出来ずにいた。
 その後バンタム級からフライ級に闘いの場を移し、今年5月の『RIZIN.42』では“覚醒のラストチャンス”として課された伊藤裕樹戦を制して約2年9ヶ月ぶりの再起。
 試合後には「やっとゆっくり寝れるような気がします。ちょっとした呪いが解けたような気がします。この1勝のおかげで、1つ吹っ切れた部分もあるし、試合に勝ったっていうよりは『あっ、俺まだ強くなれる』って、そっちの方に嬉しさを感じてるんで。ウチの叔父が山本KIDってイメージがあるから、爆発的な試合をイメージしてると思うんですけど、やっぱ、俺は俺で山本アーセンだから、山本アーセンの最強の道をこれから究めていけたらなと思ってます」と晴れやかな顔で語るなど、精神的に一皮剥けて覚醒。

 この日のアーセンは福田龍彌と対戦。福田は今年5月にDEEPフライ級グランプリ優勝を果たし、RIZINと合わせて7連勝中と乗りに乗っている選手。


 試合はアーセンはカーフキックを軸に、福田は鋭いジャブを軸にした打ち合いに。互いの打撃がヒットしていく中、アーセンが左目をカット。福田が死角からさらに右のジャブを振っていくもアーセンは折れずに吶喊。コーナーに詰めてインファイト。
 しかし3Rには右目もカットし、アーセンの顔面が血まみれになっていく。ドクターチェックが入り、一時試合中断。会場からアーセンコールが起き、福田もこれを煽って後押し。しかし無情にもドクターストップに。福田と抱き合いつつアーセンは涙を流し「まだ大丈夫なんだって、俺……」と漏らすと、福田はガッチリ抱きしめてアーセンを讃えた。

 試合後インタビューに応じたアーセンは「福田選手がジャブで気持ちいい感じになってたから自分もそれ叩いて奥に当てるみたいな。自分なんてカウンタータイプになっちゃ一番駄目な選手なのに、変にカッコつけようとした自分が駄目だったっすね。余計なことして自分の良さを自分で消したみたいな。ほんとクソみたいな試合をしてしまいました」と落ち込んだ様子。
 「キャンプの中でずっと打撃にちょっとずつ自信はついてたんですけど、昨日結構自分の中で『今日なんかわかんないけどKOで勝てる気がする』って思って。打撃でちょっと勝負してみようかなって思ったっすね。多分打撃を魅せたかったっす。ランキング1位だったり元修斗チャンピオンで、どっちかっていうと打撃の方の選手だったから、『これで超魅せれる!』って自分で勘違いしたところあったっすね。自分は死んでもレスラーだってことをこれから忘れないように戦っていきたいです」と自身の慢心を自戒した。

 アーセンは出血以外には特にダメージが無かったことを主張し「絶対レベルアップできるっす。もう打撃は自分がだいたいどこまでできるっていうのもだいたい見えたんで、次はどっちも混ぜながら自分のいい要素も入れながら、相手をぶっ倒せられるファイターになります」とさらなる覚醒を誓った。

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