【試合詳細】8・13 天龍プロジェクト新木場大会 【IJ王座】HUBvs拳剛 佐藤耕平&河野真幸&TORUvs鈴木みのる&MAZADA&FUJITA 佐藤光留vs矢野啓太
『SURVIVE THE REVOLUTION VOL.8』
日程:2021年8月13日(金)
開始:19:00
会場:東京都・新木場1st RING
観衆:未発表
▼タッグマッチ 30分1本勝負
○進祐哉(FREEDOMS)/LEONA(DRADITION
9分21秒 ブレーンバスター潰し→片エビ固め
●菊タロー/アンディ・ウー(フリー)
▼タッグマッチ 30分1本勝負
○高岩竜一(フリー)/KAMIKAZE(フリー)
11分4秒 デスバレーボム→片エビ固め
[ハッとしてgood]新井健一郎(DRAGON GATE)/●翔太(ガン☆プロ)
▼シングルマッチ 30分1本勝負
○佐藤光留(パンクラスMISSION)
13分50秒 頭突き→体固め
●矢野啓太(ワラビー)
▼6人タッグマッチ 45分1本勝負
佐藤耕平(フリー)/○河野真幸(フリー)/TORU(TTT)
20分36秒 ランニングニー→片エビ固め
鈴木みのる(パンクラスMISSION)/●MAZADA(フリー)/FUJITA(フリー)
▼インターナショナルジュニアヘビー級選手権 60分1本勝負
【王者】●HUB(フリー)
23分0秒 ブレーンバスター→エビ固め
【挑戦者】○拳剛(フリー)
※HUBが3度目の防衛に失敗。拳剛が第22代王者となる
拳剛がHUBを破り悲願のIJ王座戴冠!光留と矢野が壮絶死闘!みのるとTORUがバチバチ!高岩&KAMIKAZEがIJタッグ王座挑戦要求も王者は拒否?!TORUが菊タローがLEONAの前で『マッチョ・ドラゴン』を熱唱
コロナ禍により実施が危ぶまれる雨の中、恒例の新木場大会が総勢18選手参加でスタート。メインイベントでは、背水の陣で第21代王者・HUBに挑んだ拳剛が、執拗な首攻めを耐え抜き、前回の王座決定戦(6月12日)で敗れたHUBの必殺アルマゲドンを切り返し、起死回生のブレーンバスターからの強引なエビ固めで逆転勝ち。悲願のIJ(インターナショナルジュニア)王座を手にすると同時に、栄光の歴史の第2代王者として名を刻むクリス・ジェリコ(米国)との防衛戦を訴えた。また第3試合で組まれた因縁の「佐藤光留vs矢野啓太」は、高度な寝技技術を競い合う展開から、互いにノーガードで頭突きを打ち合い、リングサイドから見守る総帥・天龍源一郎も思わず絶句する予想だにせぬ展開に突入……。最後は両者意識もうろうとなりつつ、無意識のまま上になった佐藤が3カウント奪取で勝利。ともにプロレス界屈指の「変態」と「変人」を自称する佐藤と矢野が、現プロレス界の主流である「流れるように綺麗なプロレス」に強烈なアンチテーゼを投げかける形となった――。
第1試合
最後に入場した菊タローは、マイクを握りつつLEONAの父・藤波辰爾が36年前(1985年)にリリースした『マッチョ・ドラゴン』を熱唱、しかもその歌唱ぶりをも限りなく完コピしつつディナーショーの如く花道を歌い歩きつつ入場。この“おちょくり系”の挑発に、頭に血が上ったLEONAが進を制して先発し、菊タローと初対決。だが動じぬ菊タローは、我が意を得たりとばかりに、藤波辰爾の独特な呼吸法や「ドラゴン・リングイン」まで完コピしつつLEONAを挑発し続ける。
スピードと変幻自在な技術に定評のアンディ・ウーが登場し、試合は一変。進と一進一退の技術比べを見せれば、全体重を浴びせたサマーソルト・ドロップを見舞ってきたLEONAを、鋭いスピンの水面蹴りで引っ繰り返す。
最後は体重差で進を捕獲した菊タローが、余裕たっぷりにブレーンバスターで勝利予告スピーチまで披露したものの、進にそのまま空中で体勢を入れ替えられて3カウント。進&LEONAが勝利した。
<試合後コメント>
LEONA「今日はすみません。あれだけのこと(「マッチョ・ドラゴン」を歌いながら入場)をやられたら、ちょっと頭に血がのぼってしまって…。この天龍プロジェクトで、いろんなタイプのレスラーと出会って、今日また一癖も二癖も…自分の性格を知ってか?おちょくってくる。これも一つの、自分にとって、天龍プロジェクトから与えられた一つの課題だと思っています。このリングでは正直に、ワガママに自分の気持ちをぶつけていきたい」
進祐哉
「LEONAさんは真っすぐな人なんで、怒りをぶつけてくれて良かったかと。ぜひ、我を通してください。また、よろしくお願いします」
第2試合
勢いにのるIJタッグ王者「ハッとして!Good」が、ともに新生・天プロ初参戦となる高岩とKAMIKAZEとノンタイトル対決。素早いタッチワークと、小柄な翔太がスライディング気味に背後から丸め込むスクールボーイ連発で勝利を狙ったものの、パワーで圧倒する高岩、高身長のKAMIKAZEには通用せず…。
リーチで勝るKAMIKAZEの再三のコブラツイスト、新井に見舞ったムーンサルトプレスは翔太のカットで、何とか回避できたものの、最後はその翔太が高岩に捕まりデスバレーボムで叩きつけられ3カウント。
第9代王者(パートナーは大谷晋二郎)の高岩、そしてレッスル夢ファクトリー時代に「足利エクスプレス」を結成していた後輩・福田雅一さん(2000年4月に27歳で死去)が第8代王者だった縁から、IJタッグ王座に興味を抱くKAMIKAZEがリング上で高らかにIJタッグ王座挑戦をアピールした。
だが王者組は「負けるの分かってて挑戦受けるバカがいるかよ!」(翔太)、「全日本プロレスの若手とやらせろ!」(新井)など、気骨のカケラもない理由で高岩とKAMIKAZEの挑戦を拒否…。そんな思惑とは反対に、嶋田紋奈代表が挑戦を認める方針を示してしまったことで、意気消沈しつつ会場から姿を後にした。
<試合後コメント>
新井健一郎&翔太&嶋田紋奈代表
翔太「NO、NO、タイトルマッチ。今日みたいにコテンパンにやられた相手との防衛戦なんてリスクが高すぎる。新井さん、止めましょう!」
新井「そ、そうやな。だいたい、何の権限があって、アイツらに…」
翔太「NOってことでいいですよね」
嶋田紋奈代表「私としては、ぜひ、やっていただきたい」
翔太「見たでしょう? ボクらのどこに勝算があるって言うんですか? 分かってんのか?」
新井「全日本プロレスの若手とやらせろ、この野郎!」
翔太「今日は勝って、アサヒ・スーパードライのシャープな切れ味を……と思いましたけど、お預けです(手にした缶ビールを地面に置く)」
新井「あっ…あああん(嗚咽する)」
翔太「防衛して、このアサヒ・スーパードライで祝杯をあげましょう。逃げ道はありません。不本意ながら、やってやる!」
新井「うっ…うううん(嗚咽しつつ絶句)」
高岩竜一&KAMIKAZE
高岩「オレたちに挑戦権はある。オレがあのベルトを巻いていたのは、もう10何年前ですかね?(※実際は23年前)もっと前か。だいぶ間が空いているけど、これはもう挑戦決定。次の大会(8月25日)で決定ということで。即挑戦! 同じジュニアと言っても、だいたい体格が違い過ぎるんだよ。もう四の五の言わせないから」
KAMIKAZE「ボクらが巻いたほうがね、IJタッグのベルトも喜びますよ。かつて福田が巻いていたベルト(パートナーは小坪弘良)で、夢ファク時代も彼が自慢げに、それはそれは大事そうにベルトを持っていたのを思い出します。そんなベルトをあんな奴らに巻かせちゃいけない。福田からも「先輩(※KAMIKAZEは名門・足利工大付属高校レスリング部でも福田さんの1学年先輩にあたる)、お願いしますよ!」と言われているような気がしてね。これはボクも巻くしかない」
第3試合
紫色の吊りパンで出陣した矢野と、鋭い眼光の佐藤はゴングが鳴るも簡単には組み合わず、距離を取りつつ互いの一挙手一投足を警戒。腹にパンチで先制した矢野のタックルを切った佐藤は、顔に圧をかけつつコーナーに押し込めば、矢野は長いリーチを活かしてバックを取りフェースロックで反撃する。
静まり返る場内。佐藤がアキレス腱固め、矢野が肩固めで蛇のようにからみつき、腕のサポーターを外せば、佐藤はカウンターの右ハリ手でダウン9を奪い打撃の鋭さを見せつける。蹴り足をキャッチした矢野がそのまま佐藤を押し倒せば、佐藤は下から逆十字固め狙い、矢野は佐藤の左足首をヒザで押し潰しつつ、上体をコブラツイストで捻り上げるなど一進一退の攻防が続いた。
10分すぎ。睨み合いから佐藤が矢野の頭髪をつかんで頭突きを放ってダウン9を奪うと様相が一変。両者はパンチと頭突きのみの攻防に終始。特に佐藤は両手を後ろに組んだまま、ノーガードで頭突きを連打し、両者ともにダメージが深くダウン。たまたま上になっていた佐藤が「体固め」にて3カウントを奪う格好となり、無意識のまま勝者となった。
体裁や理屈をも超えた本能むき出しの闘いぶりに、リングサイドで配信中継の解説を務めていた総帥・天龍源一郎も、思わず絶句するばかりだった。
<試合後コメント>
矢野啓太
「負けた……。悔しい」
佐藤光留
「ザマーミロ!全部のプロレスにだよ、ザマーミロ! パンクラスこじらせた佐藤光留と、バトラーツこじらせた矢野啓太。今にこの「痛みの伝わるプロレス」が本流になる時代が本当に来るんだよ。なんでか分かるだろう、ここは天龍プロジェクトなんだよ。いろんなプロレスがあっていいよ。でも、オレと矢野啓太のプロレスは、いろんなモノをこじらせて這い出して……今の(主流の)プロレスじゃないよ。でも、これがオレたちのプロレスだ。お前たちの常識なんて、オレたちの…オレと矢野啓太の人生には必要ねえんだ。一言も話したことないし、言葉じゃ何も返して来ないけど。でも、矢野啓太が大好きだ。(オレの眼は)間違ってなかった。(天龍プロジェクトのポスターを指差し)この中で戦いたい相手って言ったら、1位は矢野啓太だ。天龍さんは殿堂入りだからな。試合前、天龍さんから「芸術のようなプロレスを見せてくれ」って言われたけど、これが芸術だ。天龍源一郎と大仁田厚を見て育った佐藤光留の芸術とはコレですよ。頭突きをあんなに思いっきり、何発もやったことあります? オレも初めてですよ。矢野啓太ともっともっと戦いたい。次は余計な調味料なしで、矢野啓太って素材を味わいたい。天龍プロジェクトの代表、いるんでしょ? よろしく頼むよ」
第4試合
混乱必至の6人タッグ戦は、佐藤耕平と鈴木の初対決からスタート。試合中も悪態の尽きない鈴木は前回同様、コーナーに控える河野を挑発しつつ、河野が登場すると場外乱闘でイスを手に威嚇し合う。
リング内ではTORUがMAZADAとFUJITAを相手にテクニックを披露。テクニシャンのMAZADAは後方受け身を取るフリをしてTORUの急所を蹴り上げ、FUJITAはTORUの後頭部に低空ドロップキックを見舞うなど、ベテランならではの細かいダーティテクニックで翻弄。吉野恵悟レフェリーの厳格なレフェリングにより、佐藤と河野がカットに入れないことも災いし、TORUがローンバトルを強いられる展開が続く。
素早いカットでリングを支配する鈴木組と比べて、まったくカットに入ってこない味方に不信感を抱いたのか?TORUと佐藤の間がギクシャクし始め、河野が仲裁に入る展開に。敵味方が入り乱れる乱戦模様の中でも、佐藤と河野の息はピッタリ。ジャイアント馬場&ジャンボ鶴田の「師弟コンビ」ばりの合体カウンターキックを鈴木、MAZADA見舞って文字通り蹴散らすと、最後は河野がMAZADAの顔面にランニングニーを炸裂さて3カウントを奪った。
勝利が告げられるも、孤軍奮闘を強いられたTORUは佐藤と河野を無視して場外で鈴木と乱闘を繰り広げていた。
<試合後コメント>
鈴木みのる
「おい、あの小僧(TORU)、喧嘩の仕方も知らねえのか? いつ、どこでとか場所を指定しないとできねえのか? 時間指定しないと喧嘩できねえのか? なんで? 準備できてねえから? ダメージがあるから? 馬鹿野郎、喧嘩ってのは今すぐやるんだよ。おい、いつやんだよ? 今でもいいぞって言ったら、「いつかお前と~」だってよ。何言ってんだよ、喧嘩売ったのはお前だろ。相手がどんなドブネズミだろうが、ゴキブリだろうが、オレは全力で踏み潰す主義なんだよ。跡形もなくな。ブチ殺すぞ」
佐藤耕平&河野真幸&TORU
佐藤「お前なあ…」
TORU「大体な、仲良しこよしやってんじゃねえんだよ。そもそもな佐藤耕平、お前から勝つために(天プロに)上がり続けているんじゃ」
河野「まあまあ(と言って、佐藤とTORUを分ける)」
佐藤「だらしねえ試合しやがって、この野郎。いつでもやってやるから(コメントブースから一人立ち去る)」
TORU「定期参戦選手って言って、ただなんとなく毎回試合に出ているようなレスラーにはなりたくないって最初から言ってんだよ。じゃあ、オレがどうしたらいいか? 喧嘩を売り続けるしかないんだ。鈴木みのるにも、佐藤耕平にも、喧嘩を売り続けるしかない。佐藤耕平には絶対、天龍プロジェクトのリングで1対1で勝つから」
第5試合
安定感のあるレスリングに定評の王者・HUBに対して、拳剛は喧嘩腰ではなく、手四つから始まる正統派レスリングで挑む。HUBのストレッチ技をアームロックで切り返せば、落ち着き払ったHUBはレッグロックで反撃と、めまぐるしい展開が続く。
尻尾(?)ビンタでアクセントをつけたHUBは体重を乗せたセントーンで拳剛を圧殺するとネックロック、突き刺すようなDDT、ストラングルホールドγとαで、首に爆弾を抱える拳剛に悲鳴を上げさせる。青息吐息の拳剛は高速ブレーンバスターからバタフライロックで反撃すると、落ち着き払ったHUBはフェイント技で拳剛を場外に叩き落とすと、矢のようなトペを発射。王者が完全に主導権を握った。
もはや後がない拳剛は、エプロンでパイルドライバーを見舞いリングアウト勝ちを狙うも、HUBはカウント9でリングイン。頭突き、雪崩式フランケンシュタイナーを見舞うも、難攻不落のHUBは尻尾を振り回しつつ勝利の雄たけび。20分過ぎ、前回の対戦(6月12日)同様、必殺アルマゲドンでフィニッシュを狙ったが、拳剛は間一髪のタイミングで技を遮り、HUBの腹にフットスタンプを見舞う形になる。
王者の動揺をも逃さなかった拳剛は、一気呵成に反撃開始。フットスタンプ、ブレーンバスターを連発し、尻尾をワシ掴みにしてのブレーンバスターで叩きつけると同時に、そのまま強引にエビ固めで押しつぶす形で3カウント奪取。ダメージは深かったものの歓喜の王座奪取となった。
敗れたHUBは倒れた拳剛の肩にチャンピオンベルトをかけて抱き合い、拳剛の左手を掲げて勝利を祝福。大団円の幕引きとなった。
悲願のIJチャンピオンベルトを手にした拳剛は「最高~っ!夢を掴み取ったぞ。ずっと目の前、真っ暗やったけど、それも今日で終わりや。今日からはオレがみんなの明日を照らすチャンピオンになってやる。前から言っとるけど、この天龍プロジェクトを盛り上げんのは、鈴木みのるじゃない。佐藤光留でもない。このオレ、拳剛だ!」と絶叫した。
<試合後コメント>
拳剛
「(第21代王者決定)トーナメントで決勝まで行って、勝てなかった時には、ドン底まで落ちた気持ちやったんですけど、やっぱり、なんかそこで諦めたらつまんないなと思って…。そんな拳剛、誰も見たくないだろうと。それで怒られるの覚悟して、ガンガンと自己表現と自己主張しまくって挑戦権つかんだんで、このベルトは挑戦権を争ったTORUと一緒に獲ったような気持ちもあります。でも、ホンマにここからなんで。これからは狙われる立場ですから、気持ちを引き締めてやっていきたい。ありきたりの言い方かも知れんけど、オレはずっとチャレンジャーの気持ちのままのチャンピオンでいたい。
(トロフィーに刻まれた歴代王者の名前を目に)凄い名前が歴代王者に刻まれています。この全員と防衛戦やりたいんですけど、特に2代目王者のライハン・ハート、(現在の)クリス・ジェリコと防衛戦をやりたい。やっぱり「世界の男」ですからね。歴史を塗り替えるじゃないですけれど、本物のIJチャンピオンとして、世界が注目する選手を倒さないと、オレ、これ以上、上に行けんかなという気持ちなんで。オレ、SNSとかもやってないですし、マスコミの皆さんの力をお借りしないといけないですけど、どうかこの想いをアメリカに届けて欲しいです。ご協力お願いします。もし対戦する場所がアメリカって言うのであれば、アメリカに乗り込みます。どんな条件でも行きますよ。相変わらずビッグマウスかますけど、それがオレなんで」
<大会総括>
天龍源一郎
「拳剛は今まで貧乏くじ引いていたというか、めぐり合わせもあるんだけど、いつも目の前を通り過ぎていたベルトだったから、「ああ、ベルトを取れて良かったな」というのが正直なところ。試合その物については、「拳剛だから、これぐらいのことはやるだろう」って目で見ていましたよ。(IJベルトが)彼のもとにあって良かったなという安堵感のほうが強いな。
拳剛がクリス・ジェリコと戦いたいって? 彼は今、何してるの? 呼んだって来ないよ。悠々自適の生活だろうからね(笑)。しかし、拳剛には綺麗に飾ったジュニアのチャンピオンじゃなくて、ヤンチャなチャンピオンになって欲しい。綺麗な空中殺法も大事だけれど、その対極にあるヤンチャなジュニア(王者)っても見てみたい。こういう世論、ご時世、世の中だからこそ、癇癪玉のようにババーンと弾けたプロレスを見てみたい。
そういう意味で佐藤光留と矢野啓太の試合(第3試合)。長年、プロレスに関わっているけど、あの顛末にはビックリした。序盤の(寝技を中心とした)攻防は想像できたんだけど、(後半の頭突きの打ち合いは)俺の想像をはるかに超えていた。オーバーでなく、あれを至近距離で見られたお客さんは「いいお土産」を持ち帰ったと思うよ。今のプロレスに対して、何か疑問符のようなモノを投げかけた、表明してくれたっていう部分で、凄く嬉しい。お客さんも一生懸命、リングの中を注視してくれていたしね。かつてボクらが知っている「プロレス」ってのは、こんな感じだった。たまたま佐藤光留と矢野啓太って選手で組める対戦カードがあって、「この選手だったら、そういう闘いになるだろう」と思い、(嶋田紋奈)代表に頼んで一騎打ちを組んでもらったら、俺の想像をはるかに超えた闘いを見せてくれた。前回の6メン(タッグマッチ)に続いて、今回の一騎打ちもお腹いっぱいだ。「(天プロ)見たか!」って感じですよ」