船木誠勝が田村潔司の孫弟子を絞め落としUWF魂を伝承!「生のUWFを経験して次に続けていって欲しい」
1日、東京都・東京ドームシティホールにて『GLEAT Ver.1』が行われ、船木誠勝が飯塚優を相手にUWFルールで完勝した。
『GLEAT』とは、2019年にプロレスリングNOAHの親会社としての役割を果たしたリデットエンターテインメントが旗揚げした新団体。
リデットが「NOAHの中に“強さ”を強調したいと考えたときに田村潔司が出てきた」ということでNOAH時代から田村との交流が始まり、2020年にリデットがNOAHから離れたことをきっかけに田村との新団体設立に向けて始動。ついにこの日に本旗揚げを迎えた。
昨年10月15日に後楽園ホールで行われたプレ旗揚げ戦の時点では、所属選手が元WRESTLE-1の伊藤貴則、同じくWRESTLE-1で皇壮馬やペガソ・イルミナルの名で活躍した渡辺壮馬のみとなっていたが、プレ旗揚げ戦で松井大二郎の入団が発表され、HEAT-UPから飯塚優が円満移籍、フリーとして全国を飛び回っていた田中稔が入団、#STRONGHEARTSのCIMA、T-Hawk、エル・リンダマン、鬼塚一聖の入団、さらには河上隆一が大日本プロレスから金銭トレードで移籍するなど旗揚げまでの約8ヶ月間で続々と戦力を拡大。
純プロレスを追究する“G PROWRESTLING”と、令和の時代に新たなUWFを創るための“LIDET UWF”の2部門を設立するに至り、両部門に出場する選手も存在する。
選手陣だけではなくフロントにはED(最高経営責任者)に田村潔司、CTO(最高技術責任者)にカズ・ハヤシ、CSO(最高戦略責任者)にCIMA、UWFルールテクニカルオフィサーに田中稔、オブザーバーに長州力が就任するなど隙のない豪華な布陣で旗揚げ戦を迎えた。
この日は後半戦でUWFルールの試合が4試合実施され、セミファイナルでは船木誠勝vs飯塚優のシングルバウトが実施。
船木は新日本プロレスから第二次UWFに移籍して活躍し、その後PANCRASEを旗揚げした経歴を持つ言わずとしれた格闘プロレスの立役者。
対する飯塚は田村潔司の弟子であるTAMURA(田村和宏)の弟子。デビュー前からプロレスと格闘技の練習を並行して行い、デビュー半年で佐藤光留が主催するハードヒットに出場して格闘プロレスの場数も踏んできた24歳の期待の若手。
試合は、船木が飯塚を試すかのように好きなように攻めさせ、返す刀であっという間に三角絞めやアキレス腱固めで捕らえるという熟練のテクニックを見せつける。船木が腕固めでエスケープを奪い1点、飯塚の低空タックルにミドルキックを合わせてダウンを取り1点と着実に点数を奪っていくが、飯塚も船木の掌底をキャッチして飛びつき腕十字に捕らえでエスケープを奪うなど健闘。
しかしこれが船木に火を点けてしまい、直後に船木が顔面への掌底からローキックを連打。飯塚がキャッチすると顔面への張り手からボディ掌底、怯んだ飯塚に浴びせ蹴りを錯節させてから即座にチキンウイングフェイスロックで絞り上げ、飯塚が落ちてしまい試合終了。
試合後、船木は「久しぶりに緊張感のある試合ができたなと。やっぱり、田村に言われてるんでしょうね。UWFスタイルをやってた人とやった方が若い人は多分理解できる。自分はやってた人ですから。今日はそれを教えに行きました。(飯塚は)自分がちょうどPANCRASE旗揚げした後ぐらいに生まれているので、リアルタイムではまったく経験してないと思うんですね。まだ(UWF経験者の自分が)生きてますから、生で体験して、次に続けていってもらいたいと思いました。そのまんま練習を積んでいけばいいと思いますよ。中々ポジションを取るまでに手こずりましたのでね。しっかりやれば大丈夫だと思います」と余裕を残した涼しい顔で語りつつも飯塚を評価。
対する飯塚は「試合の中で初めて落とされるという経験で……『もうなにからなにまで違うんだな』って今、思い返してすごく悔しい気持ちです。でも、僕は船木さんみたいな本物に近付くために、そして近付いて追い越すためにプロレスラーとしてデビューしてきたので。諦めず、絶対に這い上がります。ここから絶対に船木さんの目線、いやそれ以上の高さまで這い上がっていきます」と悔しさをにじませながらも、いつかの船木超えに向けて闘志を燃やした。