【試合詳細】6・9 全日本プロレス後楽園ホール大会 【世界タッグ】宮原健斗&青柳優馬vs石川修司&佐藤耕平 【世界ジュニア】CIMAvs岩本煌史 諏訪魔&芦野祥太郎&田村男児vsジェイク・リー&土肥こうじ&羆嵐 斎藤ジュン&斉藤レイvs大森隆男&本田竜輝
『2021 DYNAMITE SERIES』
日程:2021年6月9日(水)
開始:18:30
会場:東京都・後楽園ホール
観衆:475人
▼タッグマッチ
青柳亮生/●ライジングHAYATO(愛媛)
8分5秒 Yukata→片エビ固め
○フランシスコ・アキラ(ICW)/アレハンドロ(フリー)
▼シングルマッチ
○ブラックめんそーれ
5分28秒 反則
●デビル紫
▼斉藤兄弟 ジュン&レイ デビュー戦 タッグマッチ
○大森隆男/本田竜輝
11分6秒 逆エビ固め
斉藤ジュン(兄)/●斉藤レイ(弟)
▼6人タッグマッチ
[PURPLE HAZE]ゼウス/●イザナギ/UTAMARO(フリー)
6分43秒 マッドスプラッシュ→片エビ固め
[TOTAL ECLIPSE]TAJIRI/大森北斗/○児玉裕輔(フリー)
▼三冠ヘビー級選手権試合前哨戦 6人タッグマッチ
●諏訪魔/芦野祥太郎/田村男児
12分55秒 バックドロップ→片エビ固め
[TOTAL ECLIPSE]○ジェイク・リー/土肥こうじ(フリー)/羆嵐(フリー)
▼世界ジュニアヘビー級選手権試合
【第54代王者】●CIMA(GLEAT)
14分21秒 シットダウン式ラストライド→片エビ固め
【挑戦者】○岩本煌史
※CIMAが3度目の防衛に失敗。岩本が新王者となる。
▼世界タッグ選手権試合
【第88代王者組/NEXTREME】宮原健斗/○青柳優馬
23分43秒 エンドゲーム
【挑戦者組/ツインタワーズ】●石川修司/佐藤耕平(フリー)
※王者組が3度目の防衛に成功。
宮原&青柳が世界タッグ防衛も元W-1タッグ王者の土肥熊が襲撃し挑戦表明!岩本がCIMAから意地の世界ジュニア奪還を果たしアキラと頂上決戦へ!斉藤ジュン&レイの双子大型新人が待望のデビュー!
第1試合
アキラと亮生でゴングが鳴ると、互いにロープに飛んでリープフロッグやアームドラッグの応酬となり、アキラがティヘラからのドロップキックで先制。さらにコーナーに振っていくが亮生がひらりとバク宙して着地し人工衛星ヘッドシザースホイップ。場外に逃れたアキラへ場外飛びのフェイントからポーズを決める。
両組代わりHAYATOとアレハンドロの対面となると、腕の取り合いからアレハンドロが転がして十字架固め。HAYATOがキックアウトしてショルダータックルも、アレハンドロはアームドラッグからのドロップキックでHAYATOを場外に蹴り出しトペ・コンヒーロを狙うが亮生がカット。アレハンドロは亮生もティヘラで場外に放り出し、2人にまとめてトペ・コンヒーロ。アレハンドロはHAYATOをリングに戻してコーナートップから飛びつくが、HAYATOはこれをキャッチして自軍コーナーへやり投げのように突き刺し亮生にタッチ。
亮生はボディシザースでアレハンドロのスタミナを奪い、HAYATOとともにダブルのヒップトス。さらにHAYATOが低空ドロップキックで吹き飛ばし、亮生がその場飛びムーンサルト。2人でロープに振っていくがアレハンドロはブーメランアタック式ミサイルキックで2人まとめて吹き飛ばしアキラにタッチ。
アキラは2人をそれぞれ対角コーナーへ振り、往復串刺しラリアットを連発。さらに亮生へスリングブレイドからライトニング・スパイラルを狙うが、亮生が振り払って延髄斬り。HAYATOへタッチ。
HAYATOはスワンダイブで飛んでいくが、アキラはこれを回避してトラースキック。さらにコーナーへ振っていくがHAYATOはひらりとエプロンに逃れてスワンダイブ式ミサイルキック。亮生とのトレイン攻撃を決め、亮生の旋風脚からHAYATOのトラースキックが立て続けにヒット。カットに来たアレハンドロは亮生がハンドスプリング式旋風脚で蹴り出してからのトルニージョで排除しHAYATOへ勝負を託す。
HAYATOはアキラへファルコンアローからスワントーンボムを発射も、アキラが回避してロープへ飛ぶ。HAYATOは追走ドロップキックから組み付いていくが、アキラがバックを取って後頭部へのジャンピングハイキック。さらにロープに飛んで蒼魔刀からYukata(※オスカッターと同型)で3カウント。
第2試合
獣のような咆哮を上げながら荒ぶるデビル紫をイザナギが制御しながら入場。
ゴングが鳴るとめんそーれは「シャーッ!」と威嚇していくがデビル紫は構わずガットショットから両手でバチンバチンとめんそーれの背中をたたき、ショルダークローから頭のハブへの噛みつき攻撃。さらに掴みかかってくるデビル紫を前転でかわしためんそーれは「シャーッ!」とハブクローで目潰しし、ドロップキックで場外に蹴り出してプランチャ。これは回避されるものの、めんそーれはすぐにリングに戻ってエプロンに上がってきたデビル紫へドロップキックで再び場外に叩き出す。
場外戦となるとラフ殺法に長けるデビル紫が鉄柵へ叩きつけるなどの反則攻撃で勝り、リングの下からイスを持ち出す。レフェリーに咎められるとリングの隅に起き、めんそーれをコーナーに押し付けながら首を絞め上げる。
めんそーれはビッグブートで突き放しコーナー上からブレーンハブクローを発射も、デビル紫がキャッチ。めんそーれはドロップキックで突き放してセカンドコーナーからのスネークスパイク。さらにトップロープからのスネークスパイクを狙うが、デビル紫がロープを揺らしてめんそーれのバランスを崩し、デッドリードライブからイスで殴りかかる。めんそーれはこれをかわしてイスごとドロップキックで吹き飛ばし、十字架固め、首固めと丸め込みを連発も、イザナギがレフェリーの気を引いて注意をそらすとデビル紫がめんそーれへ急所蹴り。さらにイスでイザナギを滅多打ちにしていき、慌てて止めに来たレフェリーも突き飛ばしてイザナギへイス攻撃を加えたため、レフェリーがデビル紫の反則負けをコールした。
第3試合
全日本プロレスから期待の超大型新人“斉藤兄弟”ジュン&レイがデビュー。同じ配色・デザインながら、兄のジュンはロングタイツ、弟のレイはツーショルダーと形の違うコスチュームで登場した。
ゴング前にジュンがレイの胸板にエルボーを打ち込み、2人で気合を確かめあう姿を見せてから4人でそれぞれしっかり握手を交わし、ジュンと大森でゴング。
ロックアップでの押し込み合いからリストの取り合いとなり、腰投げでのテイクダウンからヘッドシザースで抜ける攻防からクリーンブレイクし両者タッチ。
レイと本田の対面となるとロップアップで組み合い、レイが押し込んで離れ際にエルボー連打。さらにショルダータックルでなぎ倒してボディスラムも見せるが、2発目を狙ったところを本田が逆にボディスラムで投げつけ、レイのエルボー連打を受けきった上でエルボーでなぎ倒し大森にタッチ。
大森は本田とともにダブルのショルダータックルを見舞い、エルボードロップ。続けてサーフボードストレッチを狙うが、レイが振り払ってエルボー連打。大森も正面から受けて立ってエルボー合戦で打ち勝ち、本田にタッチ。
本田はバックエルボーで倒してヒップトスから逆エビ固め。なんとかロープにたどり着いたレイはエルボー連打からヘッドバッドを見舞ってジュンへタッチ。
ジュンは高身長を生かして上から打ち下ろすエルボー連打から突っ張りでコーナーに押し込み強烈な縦チョップから串刺しボディスプラッシュからブレーンバスター。さらにチョークスラムを狙うが、本田が耐えてスピアー。両者タッチ。
大森とレイがショルダータックルでゴツゴツとぶつかり合い、レイが打ち勝つと、ジュンと並んで蹲踞からのダブルショルダータックル。さらにジュンが足を抱えて大森を固定した上でレイがサンセットフリップを見舞う連携攻撃からダブルのチョークスラムを狙うが、本田がカット。レイは四股を踏んでからのぶちかましを狙うが、大森がビッグブートで迎撃し、ニールキックからバックドロップ。さらに逆エビ固めで腰を落とすとレイは無念のタップ。
<試合後コメント>
大森隆男&本田竜輝
本田「全日本プロレスの大型新人、力も身体も体力もなにもかもすごかったです」
大森「桁外れだなオイッ!」
本田「でも僕も全日本に入って、いつまでも負けてるわけには行かないので、しっかり追いつかれないように僕は全日本のトップを狙っていきます。今日はありがとうございました」
大森「超大型ド級新人だなぁ、桁違いだよ!あんなお前、デビュー戦!デカくてパワーが有ってルックルも良いと来てるじゃねーかよ。あんなお前お前、いねーよ!中々やるじゃねえか。だけど、ここだけの話だけど、ジュンとレイ、俺は未だにどっちか分かんねーよ」
斉藤ジュン&斉藤レイ
――デビュー戦を終えていかがですか
ジュン「リングに上って闘うのは本当に気持ちよかったです」
レイ「自分も同じです。人前に立って闘うのは相撲取り以来だったので、緊張よりも嬉しい気持ちのほうが強かったです」
――持てる力は全部出せましたか
ジュン「いや、全部出せたかと言うと、全部は出しきれてないんじゃないかなと思います」
レイ「当たり負けはしていなかったと思うんですけど、やろうとしていたことがうまく止められたというところが何回もあったので、それがこれからの課題だと思います」
――試合では連携技も繰り出しました
ジュン「長年相撲をやっていたので、タックルするんだったら2人で一緒にタックルをしようと考えていました」
レイ「ホントはもっと色々やりたいことがあったんですけど、それはうまく出せずに終わりました」
――プロレスラーとしてデビューを果たしましたが、これからどんなレスラーを目指しますか
ジュン「とにかく力強いレスラーを目指したいです。今、体重は相撲をやっていたときに比べたら少し落としたんですけど、また全日本らしい選手になれるよう体重を増やして、とにかくスケールの大きいプロレスを取るレスラーになりたいです」
レイ「自分もあまり器用なことが出来るタイプではないと思うので、これからもたくさんプロレスを勉強して、あまり今いないタイプだと思うので、昔の外人レスラーみたいにこれからも身体をドンドン大きくしていきたいと思います」
――初勝利が最初の目標だと思いますが、その先の目標があれば教えて下さい
ジュン「とにかく今は一番でも多く勝てるように試合に取り組みたいんですけど、今日の試合で2人でチョークスラムを決めようとしたところがあったと思うんですけど、アレが決まってたらまた違う結果になってたんじゃないかなと思うんで、次はガッチリ決めたいと思います」
レイ「まだデビューしたばかりですけど、後々はトップの先輩方にしっかり対抗できるようになっていきたいです」
――たくさんの観衆の前で試合をするということ自体は相撲時代から慣れていて緊張はなかった?
レイ「正直そこまで緊張はしなかったです」
ジュン「もうちょっと緊張するのかと思ってたんですけど、実際お客さんの前に立ってみるとそこまでは緊張しませんでした」
レイ「8年間相撲をやっていたので。でも、プロレスは負けはしましたけど、素直な気持ちで楽しかったです」
ジュン「楽しかったです!」
レイ「楽しかったです!」
第4試合
PURPLE HAZEとTOTAL ECLIPSEのヒール軍対決は、ゴングを待たずに全員入り乱れる場外戦から始まり、体格に勝るゼウスが児玉に狙いを定めてリングに戻して猛攻。代わるUTAMAROも脱いだTシャツで児玉の首を絞め上げ、代わるイザナギも顔面を激しく踏みつけてロープに飛ぶが児玉がカウンターのバックエルボーを見舞って北斗にタッチ。
TAJIRIがレフェリーの気を引いている間に北斗と児玉がイザナギのマスクの紐を緩めていき、さらにTAJIRIと児玉が両サイドからイザナギの足を無理やり開脚させるレッグスプレッド。代わる児玉がエルボーを連打していくも、イザナギはヘッドバッドを叩き込んでゼウスにタッチ。
ゼウスは児玉へボディスラム、ショルダータックル、串刺しラリアットからのベアハッグスープレックスと続け、カットに来たTAJIRIと北斗をフライングダブルラリアットで排除。さらにUTAMAROとのダブルバックエルボーからコーナーに叩きつけるチョークスラム。さらにUTAMAROへハンマースローし、UTAMAROがジャンピングハイキックからバックドロップ。
イザナギと児玉の対面となると、イザナギがエルボーを連打していくが、児玉がドロップキックで反撃。この際に吹き飛んだイザナギがレフェリーへぶつかってしまいレフェリーが昏倒。この隙をTOTAL ECLIPSEの面々が見逃すはずもなく、デビル紫がイスを持ち込んでリングに上がるとイザナギが「押さえとくからな!」と児玉を羽交い締めに。デビル紫が打ち下ろしたイスは案の定イザナギに誤爆し、児玉はTAJIRI&北斗が場外へと放り出していたゼウス&UTAMAROへトペ・コンヒーロ。リング上のイザナギへ、北斗がRKO、TAJIRIがバズソーキック、児玉がマッドスプラッシュを投下し3カウントを奪った。
第5試合
26日の大田区総合体育館大会での決戦が迫る諏訪魔とジェイクの三冠ヘビー級王座前哨戦。諏訪魔がジェイクの眼前にベルトを掲げ、両者は至近距離で睨み合う。
諏訪魔とジェイクの対面でゴングが鳴ると、ロックアップでの押し込み合いとなり、これを制したジェイクが首投げからPKを放つフェイントからの後頭部へのサイドキック。この挑発的な攻撃に怒った諏訪魔がハンマーパンチでメチャクチャに殴りつけるが、ジェイクは諏訪魔をコーナーに押し込むと、心底楽しそうに声を上げて笑いながら諏訪魔の頭頂部へエルボースタンプを落とし続けたかと思いきや、スッと真顔になって冷酷に顔面を踏みつけていくなどその心中の狂気を覗かせる。
土肥と男児の対面となると、ショルダータックルのぶつかり合いとなり、互角と見るや土肥が強烈な逆水平チョップを見舞うも男児がこだわりのショルダータックルでなぎ倒す。続けてボディスラムを狙うも土肥が耐えて逆にボディスラムで叩きつけエルボードロップで追撃して羆嵐にタッチ。
羆嵐はその巨体で男児に乗っかって踏みつけ、男児のエルボー連打をほほえみとともに受けきってからセントーン。土肥にタッチ。
土肥は男児をロープに振ってパワースラム。羆嵐にタッチ。
羆嵐はマッケンローからボディスラムを狙うが、男児が耐えてボディスラムで叩きつけ芦野にタッチ。
芦野は羆嵐にサイドスープレックスから串刺しエルボースマッシュ、スライディングエルボースマッシュと連撃し、羆嵐とカットに来た土肥へそれぞれ投げっぱなしジャーマン・スープレックス。さらに羆嵐へスライディングエルボースマッシュを発射も、羆嵐はこれをキャッチして担ぎ上げバックフリップ。ジェイクにタッチ。
ジェイクが諏訪魔を手招きして挑発すると芦野は諏訪魔にタッチ。諏訪魔は突っ込んでいってガットショットからコーナーに振って串刺しラリアットからのスロイダー、さらにスリーパーホールドもジェイクがDDTで切り返し、土肥のラリアットに羆嵐がマッケンローを合わせる合体攻撃。ジェイクはロープに飛んでジャイアント・キリングを狙うが、諏訪魔がラリアットで迎撃。続けて芦野がフロントスープレックス、男児がダイビングショルダーから場外の土肥熊へプランチャ。
リング上では諏訪魔がジェイクを万力スリーパーで捕らえ、失神寸前まで追い込むが土肥がなんとかカット。諏訪魔は串刺しラリアットからジャーマン・スープレックス、さらにローリングラリアットを発射もジェイクがこれをキャッチ。しかし諏訪魔は残る左腕でショートレンジラリアットを叩き込み、バックドロップを狙っていくもののジェイクが持ち上げられた反動を使ってゼロ距離ジャンピングニーからハイキック、さらにはバックドロップで叩きつけて3カウント。
ジェイクは大の字になった諏訪魔の顔を笑顔で覗き込み、踏みつけて天に指を突き立てるも芦野と男児が怒りのカット。これを土肥熊が排除するとジェイクは改めて諏訪魔を見下ろしながら天に指を突き立てた。
ジェイク「諏訪魔、一言言ってやるよ。バックドロップはあなただけの武器じゃないんだぜ?26日、俺は楽しみでしょうがない。オイ、お客さん。見に来い。以上だ」
第6試合
ゴングが鳴ると腕の取り合いからCIMAがグラウンドに引き込んで足関節を狙い、岩本が抵抗しようとすると十字架固めで抑え込むという巧みなグラウンドテクニックで翻弄。
さらにグラウンドヘッドロックでじっくりと絞り上げていくが岩本はショルダータックルで吹き飛ばし、ニードロップで追撃。さらにコーナーに振って突っ込んでいくが、CIMAはコバクニで迎撃して岩本の頭をコーナーに叩きつけ、いきなりのメテオラ。CIMAはフィニッシュのスパルタンカットへの布石を打つべくネックロック、ネックツイスト、首4の字固め、河津落としからのターキー、ロープスタンガンと首へのダメージを集中させてロープに飛ぶが、岩本はカウンターの一本背負い。
岩本はショルダータックル、マジックスクリューからの肩固めでCIMAを追い込んでいき、CIMAをエプロンに出して奈落式マジックスクリュー。リングに戻してブレーンバスターからロープに飛ぶが、CIMAは追走してドロップキック。さらにCIMAがロープに飛ぶが、岩本はニーアッパーで迎え撃ちジャーマン・スープレックス・ホールド。
これを返されるとハリケーンドライバーを狙うが、CIMAがスイングDDTで切り返し、ヴィーナスから雪崩式フランケンシュタイナー。さらに雪崩式変形ブレーンバスター、マッドスプラッシュと畳み掛け、再びメテオラを発射も岩本が回避。
岩本は孤高の芸術で叩きつけるもCIMAが下から首固め。これを返した岩本がもう一発孤高の芸術で叩きつけ、最後はシットダウン式ラストライドで叩きつけて3カウント。
CIMAはセコンドのエル・リンダマンの介抱を受けて目を覚ますと3カウントを奪われたことを聞かされ、納得行かず岩本に掴みかかる。しかし、コミッショナーからベルトを受け取ると一度はそれをリンダマンに渡そうとするユーモアを交えつつ岩本の腰に巻いて讃え、岩本とリンダマンのタイトル戦を要求してから去っていった。
そして、2021 Jr. BATTLE OF GLORY優勝を果たしたフランスコ・アキラが現れてマイクを取り、日本語と英語を交えて岩本に語りかける。
アキラ「イワモトサン、オメデトーゴザイマス。今、あなたは全日本ジュニアのトップスターだ。しかし、ワタシは、アタラシイトップスター。あなたのベルトに挑戦させてほしい。26日の大田区総合体育館大会での世界ジュニア王座戦はどうでしょう?マイ・ジャパニーズ・ドリーム!YES or NO?!」
岩本「アキラ、2021 Jr. BATTLE OF GLORY優勝者。ワールド・ジュニアヘビーウエイト・チャンピオンシップ、チャンピオン、コウジ・イワモト、チャレンジャー、フランスコ・アキラ。レッツ・ホットファイト!(※アキラとしっかり握手を交わす)」
<試合後コメント>
岩本煌史
「CIMA選手、決して他の選手を甘く見てるとかは一切ないですけど、CIMA選手を自分が最初に挑戦者に迎えたときのオンライン会見では、CIMA選手は『俺は世界のCIMAじゃない』と言ってましたけど、俺からしたら紛れもなく“世界のCIMA”なんですよ。だから、どうしても勝ちたかった。どうしても勝ちたかったし、2月に名古屋でやったときに根こそぎ持っていかれてからなにか歯車が狂った感じがしたし。だから、世界ジュニアを取り戻すのは大前提として、俺はなんとしても世界のCIMAから一本取りたかった。そのためにいっぱい頭も使ったし、大田区が延期になって生きた心地がしない毎日が伸びたし、今日のこのタイトルマッチを迎えて、今日このタイトルマッチを終えるまで、ものすごく苦しんだし、苦しかった。ただ、大田区が延期になったことによって出たアイディアもある。延期になったことで救われたってのも1つある。だからこの世界ジュニアを手に入れたのは4回目ですけど、すごい表現が簡単ですけど、すごい嬉しいですね、今日は。
ただね、もう4回目なんですよ、自分。俺が客なら思うよ。『また岩本か……』って。多分、ほとんどが思ってる。俺だって客観的に見てて思うもん。見てるやつも見方を切り替えろ。『また岩本か』じゃなくて『他のやつなにやってんだ』『岩本にばっかりやらせてんじゃねえ』って。そんな中で次、アキラでしょ?1ヶ月しないうちに次、大田区。今、ジュニアトーナメント獲って勢いあるし、保土ヶ谷でやったときとは絶対違うし俺も心してかかる。心してかかるし、新しいジュニアをアキラと見せてやる。それから、リンダマン。セコンドにいないで、もっかいリングに上ってこいよ。待ってるぞ。最初興味無いって言ったけど、おもしろいなぁ。とりあえず、今日はCIMA選手、ありがとうございました」
第7試合
宮原と石川でゴングが鳴ると、ロックアップで組み合って石川が押し込みクリーンブレイク。宮原も押し込み返して離れ際にエルボー連打。宮原がフロントハイキックを叩き込むも石川が耐えてランニングニーを狙い、宮原が回避。両者睨み合いながらタッチ。
青柳は耕平をヘッドロックで絞り上げていくが、耕平はショルダータックルで圧倒。さらに耕平が突っ込んでいくが、青柳がカニバサミで倒して耕平をロープに倒し、宮原がエプロンから低空ドロップキック。場外戦で耕平を痛めつけ、宮原にタッチ。
宮原は青柳とダブルのバックエルボーを見舞ってスリーパーホールドで絞り上げ、耕平がブレイクすると青柳にタッチ。
青柳がエルボーを連打していくも、耕平が強烈なエルボーを叩き込むと青柳はダウン。石川が入ってきてコーナーを背に倒れ込む青柳へ上から殴り下ろすようにエルボーを連打し、宮原がカットに来ると宮原を重ねてエルボーを連打。耕平は青柳をキャメルクラッチで痛めつけてから石川にタッチ。
石川は青柳とのエルボー合戦に打ち勝ち、青柳のカウンター狙いのドロップキックも一度はスカして自爆させる冷静さを見せるが、もう一度ロープに飛んだ際に青柳のカウンタードロップキックを被弾。
タッチを受けた宮原は得意のドロップキックコンビネーションからポーズを決め、ノーザンライトスープレックスを狙うが石川が振り払ってバックブリーカー。耕平にタッチ。
耕平は宮原にミドルキックを連打し、強烈なボディブロー。うずくまる宮原へ耕平が突っ込んでいくが、宮原はフロントハイキックで迎撃。耕平は倒れずキチンシンクで反撃するが、宮原に串刺し攻撃を狙ったところを回避され、宮原が串刺しブラックアウト。さらにシャットダウン・スープレックスを狙うが、耕平がヒザを蹴りつけて脱出し裏投げで叩きつけると両者タッチ。
青柳は突っ込んでくる石川にドロップキック、フライングフォアアームと見舞い、宮原とのトレイン攻撃からダイビングクロスボディ。続けてエンドゲームを狙うが耕平が強烈なミドルキックでカット。石川と耕平が青柳へトレイン攻撃から石川がニーリフトからバックドロップ。さらにファイヤーサンダーを狙うが青柳が振り払ってコーナーに叩きつけ、そこへ宮原が飛んできて石川の後頭部へ串刺しブラックアウト。宮原のブラックアウト+青柳のトラースキックの同時攻撃から青柳がジャーマン・スープレックス・ホールド。これを返されるとコーナーに上っていくが、耕平が雪崩式ファルコンアローで叩きつけるアシスト。
石川&耕平は2人同時のニーリフトを見舞い、ヒザから崩れ落ちた青柳の頭にサンドイッチエルボー。石川が体固めに入ると宮原がブラックアウトを叩き込む豪快なカット。さらに耕平もブラックアウトで排除し青柳に勝負を託す。
青柳は石川とのエルボー合戦で劣勢が続くも雄叫びを上げて連打し、投げっぱなしジャーマン。しかし石川も即座に起き上がってドラゴン・スープレックスからランニングニー、ファイヤーサンダーと猛攻。さらにカミゴェの体勢に入ろうとするが、青柳が完全にダウンしてしまっていたため引き起こすことが出来ず、苛立ちながらレフェリーへ青柳のダウンカウントを取るよう詰め寄る。石川が背を向けた瞬間に青柳がガバリと起き上がって石川にスクールボーイ。しかし石川は冷静にキックアウトすると再びランニングニーからスプラッシュマウンテン。さらにジャイアントスラムの体勢に入るも、担ぎ上げられた青柳がフロントネックロックで切り返し、そのままエンドゲームで絞り上げてギブアップを奪った。
王座防衛に成功し、それぞれコーナーに上ってファンに向けてベルトを掲げる宮原&青柳の元へ、かつてWRESTLE-1のタッグ王座戦線で猛威を奮った“土肥熊”こと土肥こうじ&羆嵐が登場。
羆嵐「チャンピオン、防衛おめでとうございます。いやいや、あのツインタワーズを倒すなんて、ホントにすげーよ。エレーよ!改めまして、NEXTREMEの宮原健斗選手、青柳優馬選手。痛みに耐えてよく頑張った!感動した!だから俺たちに祝福させてください!」
土肥熊は王者と握手を交わし、その手を掲げあげて祝福するも、突如として担ぎ上げて2人同時にバックフリップ。さらに2人でメチャクチャに踏みつけてポーズを決める。
羆嵐「祝福なんてするわけねーだろ!バーカ!」
土肥「オイ、宮原健斗、青柳優馬。お前らに宣戦布告だ。耳の穴かっぽじってよう聞いとけよお前ら!チャンピオン・カーニバル2020、勝ち点2の羆嵐と、チャンピオン・カーニバル2021勝ち点2の土肥こうじがお前らのその勲章、奪い取ってやるよ!ちょうど大田区大会があるな?そこで俺らに挑戦させろや」
土肥はベルトを倒れ込む王者の腹に叩きつけるように投げ落とし、羆嵐が「荒々しい!(笑)」と囃すなかで退場していく。
宮原「この野郎!手荒い挑戦表明だな!土肥こうじと羆嵐か。お前らがこの全日本プロレスでチャンスを伺ってるのは知ってたけどな、このプロレス界でエースを返上した男、並びに今マスコミがなんと呼べばいいかわからない男!宮原健斗に挑戦したいとはいい度胸じゃねえか。その勝負、乗ってやろうじゃねえか。オイ!会場!そして全日本プロレスTV見てるみんな、俺がここでチャンピオンの特権で決めさせてもらう!日時はお前らが言ったとおり6月26日、大田区だ!(※大の字のままの青柳を見下ろして)青柳、どうせ聞いてんだろう?お前の声をきかせろ!6月26日、大田区で決定でいいよな?!アイツらにあんだけやられてんだ。6月26日、早々と返り討ちにしてやろうじゃねえか!」
青柳「……なに勝手に決めてンスか?いや、ちょっと勝手に決めないでくださいよ。まあ、そんなことより、ツインタワーズ倒したぞ。もうツインタワーズなんか怖くない!青柳優馬は恐怖を克服し、傷を負ったが強くなった!人間、よく言うよね。負った傷の数だけ強くなるって。そういう、ことです。(※観客の1人の「大田区は?」の野次に)誰が今喋ったの」
宮原「やめとけ!厳しいから、青柳は!」
青柳「オイ、マスクしろ。ルールは守りましょうね?まあいいや。あとはお願いします」
宮原「やりづれーな?!……OK!今日は会場で御覧の皆様、全日本プロレスTVで御覧の皆様、今日は最後まで応援ありがとうございましたァ~!次は6月19日、富山大会!そして6月20日長野・松本大会!そして6月26日、大田区大会!6月も皆様と合えるのを楽しみにしております!最後に!会場および全日本プロレスTVを御覧の皆様に聞きたァ~い!全日本プロレス、最ッ高ですかァ~?!全日本プロレスぅ~……」
(※最後の最後で青柳が宮原からマイクを奪い取る)
青柳「というわけで、皆さん。次回は19日富山でお会いしましょう。バァ~イ♪」
<試合後コメント>
宮原健斗&青柳優馬
(※青柳が「ウォーイ!」「ヨイショォ~!」など雄叫びを上げながらコメント会場に現れてうろうろと歩き回る)
宮原「どうしたどうしたどうした?!読めねーぞ読めねーぞ読めねーぞ?!」
青柳「オォ~ケェ~イ!」
宮原「読めねーわ……」
青柳「見たか!ツインタワーズ倒したぞ!もう俺に何も怖いものはない!次、なんだ?!大田区で?!誰が挑戦してくるんだ?!大森北斗か?!おもしれーじゃねーか!大森北斗!パートナーどうするんだ?!えぇ?!」
宮原「……頭打ってんじゃね―か?教えてやれよ誰か」
青柳「おもしれーじゃねーか大森北斗!大森北斗!」
宮原「頭打ってる」
――土肥熊です
青柳「土肥&北斗?!」
宮原「興奮しちゃってる」
――土肥こうじ選手と羆嵐選手です
青柳「大森嵐?!いいだろう!ツインタワーズを倒したこの青柳優馬に何も怖いものはない!この俺が!貴様の!大森北斗の挑戦を受けてやろう!」
宮原「待て!落ち着け落ち着け!」
青柳「そして次は19日!富山大会!そして20日には僕の地元・松本大会!皆さん、19日、20日にお会いできるのを楽しみにしています。そして大森北斗!貴様の挑戦を受けてやる!」
(※青柳が先に去っていき、宮原は「終わっちゃった……」とつぶやき、仕切り直してコメント)
宮原「おっしゃあ!防衛だ!OK!今日この後楽園ホール、そして全日本プロレスTVで見てくれたみんな、ありがとう!次、大田区がカードが決まってない中、宮原健斗は誰だと日本全国のプロレスファンは思ったことだろう。土肥!羆嵐!お前らの挑戦を受けてやろうじゃねーか。今全日本プロレスはね、弱肉強食時代に入っている。確実にだ。この俺だって気を抜いたら忘れさられるよ。お前ら、あんな挑戦表明してきたけど、心のどこかではチャンスを伺っていたんだろう?そうだろうなあ。俺に挑戦すると一番美味しいもんなあ。そして今一番勢いのある青柳優馬、おいしいだろう。このチャンピオンとしてお前らの挑戦を受けてやるよ。大田区でこの俺のカードがどうなるかと俺も思ってたけど、今日この6月が見えてきたね。彼らのすべてを受け止めてやりますよ、このスーパースターが。なにか質問はありますか?」
――……。
宮原「なにかありますか質問は?」
――……。
宮原「この防衛した俺に質問は?!」
――……。
宮原「防衛した俺に質問はないのか?!どうなってるんだマスコミ各社は?!オイ!質問を求めるレスラーが今までにいたか?!質問を待って座ってるレスラーを俺は見たこと無いぞ!小学校3年生からプロレスファンやってるけど!質問は?!」
――……。
宮原「質問ないの?!もういい!そんな質問がないなら記者会見を開く!記者会見!各社来いよ!記者会見!喋り足りないんだ俺は!クソ!質問もされねえ!」
土肥こうじ&羆嵐
土肥「リングでも言ったとおり、チャンピオン・カーニバルで勝ち点2の男たちが世界タッグ王座を取る。これもプロレスの醍醐味じゃないか?それを俺と羆嵐、土肥熊で宮原青柳に教えてやるよ。タッグってもんを分かってねーんだアイツらは」
羆嵐「あぁ、分かってねー。俺はよ、今年のチャンピオン・カーニバル出てねえからな?メチャクチャ悔しい思いしてんだよ。コノヤロー、当たり前のように出やがって2人は」
土肥「そら所属だからな?」
羆嵐「あ、そっかぁ……。お前、タッグとはどういうものか、タッグの真髄を見せてやるからよ。俺はそんなとこかな。言いたいことは」
――……。
土肥「質問はねーのか!」
――……。
羆嵐「全然期待されてねーじゃねーか!」
土肥「俺らは通りすがりのチャレンジャーじゃねーぞ!」
羆嵐「国道ですれ違っただけか俺らは。これが全日本プロレスのやり方か?記者この野郎!あ、なんかありますか和田サン」
――チャンピオン・カーニバル勝ち点2の2人でも、タッグではまた違う?
土肥「それがプロレスの醍醐味でしょう」
羆嵐「そんな野暮なこと聞かないでくださいよ。プロレス何年見てるんですかあなたは」
土肥「俺らも自信がなかったらよ、出て行かないから。楽しみにしとけ」