KENTAが棒をめぐるYOSHI-HASHIとの一騎打ちに勝利し「『物事が変わるのは一瞬』って言葉は一瞬一瞬をしっかり積み重ねてきた人だけが使っていい言葉」と諫言

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 19日、東京都・後楽園ホールにて新日本プロレス『Road to レスリングどんたく 2021』が開催され、NEVER6人タッグ王座戦での対決を控える6人がそれぞれシングルマッチで対戦した。

 現在、新日本プロレスではCHAOSとBULLET CLUBの抗争が激化している。
 KOPW2021保持者である矢野通をNEW JAPAN CUPで暗闇葬にしたEVILは、闇へのトラウマを抱えてしまった矢野のKOPWに狙いを定めて挑戦表明。今月28日の鹿児島大会で“暗闇創造黒頭巾マッチ”での争奪戦が決まっており、日々前哨戦で火花を散らしている。
 そして、BULLET CLUBはYOSHI-HASHI&石井智宏&後藤洋央紀が持つNEVER6人タッグ王座にも狙いを定め、KENTA&高橋裕二郎&石森太二が挑戦を表明し20日の王座戦が決定。今シリーズではこの2つの栄冠を巡っての前哨戦が展開されてきた。

 中でも、YOSHI-HASHIとKENTAの棒を巡った因縁は熾烈を極めている。
 棒とは、YOSHI-HASHIが2012年の凱旋帰国後から入場時に手にしている相棒であり、東急ハンズで仕入れたカーテンレール用の棒をYOSHI-HASHI自ら加工して作るこだわりの愛棒。「初めて試合を見る人にとっての目印になればいい」と基本的には入場時とアピール時のみに使われるものであり、約9年もの間YOSHI-HASHIをYOSHI-HASHIたらしめるアイテムとして親しまれてきた。
 そして以前よりYOSHI-HASHIに強い関心を抱いているKENTAは、YOSHI-HASHIを「ブス」と罵倒したり「ずっと棒の横にいらっしゃる人」とまるで棒が本体かのように扱ったりとからかい続けてきたが、先月21日の仙台大会の試合後についに棒を強奪。そしてSNSにて「かねてより想いを寄せておりました棒さんとお付き合いすることになりました」と棒とともに写った笑顔のツーショットをアップして堂々の交際宣言。棒を「俺の女」と呼んでSNS含め所構わずイチャつく態度には元カレのYOSHI-HASHIも激怒しており、以降2人の間で棒をめぐる因縁戦が展開されてきた。

 この日は、6人タッグ王座戦を翌日に控えた両組の6人がそれぞれシングルマッチで対戦。石井智宏vs高橋裕二郎、後藤洋央紀vs石森太二、YOSHI-HASHIvsKENTAの3試合が行われた。

 石井と裕二郎の試合は、序盤こそ裕二郎がステッキ等を用いたラフファイトを展開するものの終盤は真っ向からの打ち合いとなり石井が垂直落下式ブレーンバスターで勝利。後藤と石森の一戦は、石森が体格差を覆す腕攻めを蓄積させ、勝負を焦る後藤がGTRを狙ったところで逆さ押さえ込みが決まり石森の技アリ勝利。


 メインイベントのYOSHI-HASHIvsKENTAの一戦では、15日にYOSHI-HASHIが一時棒を奪還したことにより棒が怖がってしまったということで、この日のKENTAは棒を無手で入場。
 試合が始まるとKENTAは場外に逃れながらのらりくらりとYOSHI-HASHIの攻撃をスカしていき、YOSHI-HASHIが追ってくると板の間でのDDTを見舞い、グリーンキラーやトルネードスタンガンなどで頭部へのダメージを蓄積させていく。
 そして終盤、KENTAの体固めをYOSHI-HASHIがキックアウトした際に大げさに吹っ飛んだKENTAがレフェリーにぶつかっていきレフェリーが昏倒。KENTAはその隙に控室で待たせていたはずの棒をリングの下から取り出して殴りかかる。YOSHI-HASHIはこれを防いで棒を奪還するが、KENTAがレフェリーを起こして注意させ、YOSHI-HASHIが抗議している間にYOSHI-HASHIとレフェリーにぶつかって再びレフェリーを昏倒させる。
 KENTAはYOSHI-HASHIを棒で殴りつけると、YOSHI-HASHIの反撃を余裕で受けきった上でブサイクへの膝蹴り、go 2 sleepと畳み掛けて勝利。

 マイクを取ったKENTAは、「うわぁ、久しぶりだな、こうやってマイク持つの。前回のときはめちゃくちゃブーイングする奴いたのよく覚えてるよ。この辺にまだいんだろ誰だオイ手ぇ挙げろ?!まあいいや。こんな日が来るなんて俺は、信じられない。まさか、お前たちの前で俺の彼女を紹介できるなんて……。はじめまして。俺の女の棒ちゃんです!来月、俺はデビューして21周年になるんだけど、21年前の自分に教えてやりたいよ。『お前21年後、棒と一緒にリング立ってるぞ』って。でもね、そんな自分も嫌いじゃないんだ、実は。なんでかっていうと、俺はプロレスラーであり、エンターテイナーだからだよ。俺は誰に何を言われてもやりたいようにやるし、俺はコイツを本気で愛してるんだよ。明日、俺達の愛の証、NEVERの6人タッグも獲って、またお前らにもっとラブラブな俺たちでお前らの前に現れるから楽しみにしとけよ。まあ結局、俺が何を言いたいかって言うと、まん延防止だからさっさと家に帰れってこと!」と語って大会を締め、退場中に放送席の棚橋弘至の目の前で棒と熱いキスを交わして愛を見せつけた。

 試合を終えたKENTAは、愛しの棒と勝利の余韻を楽しんだ後、「『物事が変わるのは一瞬』だ?ふざけたこと言ってんなよ、テメェ。それはなぁ、日々、しっかりと積み重ねて、一瞬一瞬を積み重ねてきた人だけが使っていい言葉だよ。お前みてぇなヤツがなぁ、そんななぁ、エラそうにカッコつけた言葉でなぁ、ごまかしてんじゃねぇよ、テメェ!お前なんかまだバカなんだよ。現実見ろ」とYOSHI-HASHIへの諫言を残して去っていった。

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