魔界倶楽部が長井満也の30周年記念試合で復活!家族との夢を叶えた長井が「星野勘太郎総裁が天国で一番喜んでくれていると思います」
16日、東京都・後楽園ホールにて『DRADITION UPRISING 2021~MITSUYA NAGAI 30th ANNIVERSARY~』が行われ、長井満也がデビュー30周年記念試合をプロレス結社魔界倶楽部の仲間たちとともに勝利を飾った。
1989年、長井はシュートボクシングのプロ経験(7戦5勝2KO)を引っさげ、186cm・90kgという恵まれた体躯を武器に新生UWFへ入団。ところがスパーリング中に負った第五頚椎脱臼骨折という大ケガによりデビューが遅れ、リハビリを乗り越えて1991年8月1日に前田日明率いるRINGSにてデビューを果たした。
その後キックボクシングのプロライセンスも獲得しK-1に出場した際には武蔵と対戦。全日本プロレスでの垣原賢人や川田利明、成瀬昌由とのタッグや、新日本プロレスでの魔界倶楽部“魔界5号”としての活躍が知られ、その後は無我ワールド・プロレスリングへ入団。同団体がドラディションとなってからも所属選手として活躍してきた。
この日の第1試合では、長井満也こと魔界5号が登場し新井健一郎とシングルマッチで対戦。コミカルな口論も交えながら会場を盛り上げつつ、最後はキッチリとキャプチュードバスターで勝利。観衆は久々の魔界5号の勇姿に大喝采を贈った。
そして、この日のメインイベントで行われた長井の30周年記念試合では魔界倶楽部が久々の復活。藤波辰爾&越中詩郎&高岩竜一vs長井満也&村上和成&魔界2号の6人タッグマッチが組まれた。
現在魔界倶楽部のメンバーで現役なのは長井、村上、魔界2号(筑前りょう太)の3人だけであり、「ドラディションのリングでいつか魔界倶楽部を復活させたいと思っていた」という長井の強い想いで実現したカードだ。
亡き星野勘太郎総裁の写真とともに入場した魔界倶楽部の奇襲により試合が始まり、3人がかりの反則攻撃など悪の限りを尽くした攻撃を展開。越中が多彩なヒップ攻撃で奮闘すると、藤波もドラゴンスクリューやドラゴンスリーパーとドラゴン殺法で続き、高岩もラリアットやデスバレーボムで畳み掛け一気に逆転。
しかし、ここで魔界2号がマスクを脱ぎ捨て筑前りょう太としての素顔を顕にすると、高岩にまわるばい(スリングブレイド)を炸裂させ、村上もナックル連打のラッシュをかけて高岩にヒザを付かせる。最後は強力なアシストを得た長井が魔界ドライバーからハイパーニー空牙と豪快な大技連撃で3カウントを奪った。
試合後、マイクを取った長井は「プロレスの世界で何も結果残せなくて、何も成し遂げられないまま30年やってきましたけど、皆さまの応援のおかげでここまでやってこれました。私は後楽園ホールで記念試合をさせていただくような選手ではないのですが、藤波さんのご厚意で、今日一生記念に残る試合をさせていただきました。藤波さんありがとうございました。今日出場していただきました全選手、それからメッセージくれた柴田選手、魔界倶楽部をドラディションのリングでさせていただいた新日本プロレス様、感謝致します」と満面の笑みで感謝の言葉を述べる。
そして、盟友・柴田勝頼からのビデオメッセージや、長井のコスプレをした山田邦子さんからの花束贈呈が行われ、そして最後は「リング上で家族写真を撮るのが夢だった」という望みを叶え、家族4人での記念撮影を行った。
バックステージに戻った長井は「新弟子のときに首の骨を怪我したので、ホントにデビューする時は30周年なんて夢にも考えてなかったし。本当にデビューした時は『記念に数試合だけでもやりたい』って気持ちだけだったので、こんなに長くできるなんて思ってませんでした。魔界倶楽部の復活も、星野総裁が天国で一番喜んでくれていると思います。星野さんが……総裁がいらっしゃったときは、勝っても負けてもどんな試合をしても控室に帰ってきたら『お前ら良かった』って褒めてくれてたので。今日も褒めてくれるんじゃないかなって思います。これからもビッシビシ行くスタイルで頑張っていきます」と笑顔で語った。
ドラディションは、昨年は新型コロナウイルス感染拡大の時勢を鑑みて大会を中止しており、今大会が約1年半ぶりの開催。2021年は、藤波辰爾のデビュー50周年イヤーであり、倉島信行の25周年記念イヤーでもある年ということで、ドラディションの選手たちにとっては重要な意味を持つ1年だ。
今大会では、会場スクリーンにて藤波デビュー50周年記念ツアー第1弾として10月31日の大阪大会、11月9日の後楽園ホール大会が発表。今年のドラディションも熱い戦いが繰り広げられることになりそうだ。