2年前の地獄を見てきたアーロン・ヘナーレがUNITED EMPIREに加入し豪快勝利!「2週間前の俺はファンから拍手なんてもらえなかった」
4日、東京都・両国国技館にて新日本プロレス『SAKURA GENESIS 2021』が開催され、トーア・ヘナーレ改め、アーロン・ヘナーレがUNITED EMPIREに加入した。
UNITED EMPIREは、ウィル・オスプレイを中心に新日本プロレスで誕生した帝国。
オスプレイはオカダの進言から2016年に新日本に上陸し、またたく間にジュニア戦線のトップを獲るばかりかジュニア戦士としてヘビー級戦線で闘うなど階級を超えた闘いを繰り広げた。しかし、オスプレイは「俺はずっとあいつの影に隠れていた。俺が素晴らしい試合をしても、いつだってスポットライトを浴びるのはオカダだった」と不満をつのらせ、昨年10月にオカダを裏切って“THE EMPIRE”を結成。紆余曲折の末に現在は“UNITED EMPIRE”としてグレート-O-カーン、ジェフ・コブの3人で活動している。
帝国の面々は因縁の相手との大一番での決戦に敗れ続け“ゼンパイ(全負)ア”と呼ばれるなど結果が振るわずにいたが、オーカーンと天山広吉の“モンゴリアンチョップ争奪戦”や、オスプレイのNJC制覇などで勢いを増し、両国国技館大会で新メンバー“X”の投入を宣言。
新メンバーについてオーカーンは「おそらく2年前の地獄を見てきた者達だ。面構えが違う。復讐心は帝国同盟者随一の恐ろしい子!」と通過儀礼の必要無い兵であることを示唆しており、オスプレイのIWGP世界ヘビー級挑戦とともに帝国のXの正体には注目が集まっていた。
オーカーンの「ハッ!なんだ愚民ども?そんなに帝国の新たな同盟者が気になるか?ハッハッハッ、ほんとに貴様ら愚民は、世の手のひらで簡単に踊ってくれるな?貴様らの大好きな、言葉を、英語で教えてやる。カームダウン、あっせんなよ。そろそろだ、これが、帝国の、兵器だ!」という演説から呼び込まれた新メンバーは、正規軍の一員として活躍していたヘナーレ。本名の一部である“アーロン”を付けたアーロン・ヘナーレの名で帝国入りを果たした。
帝国の奇襲から試合が始まると、オーカーンは内藤を相手に一気に攻め込み大空スバル式羊殺しやモンゴリアンチョップで猛攻。鷹木とコブはNEVER無差別級王座戦でも見せたバチバチの肉弾戦を再現して観衆を沸かせていく。
そしてヘナーレはもとより兼ね備えていた馬力に自信が合わさり、SANADAをMMA仕込みのパワーとテクニックで圧倒。オーカーンがイス攻撃で内藤を押さえ込む中、コブがSANADAのスワンダイブ攻撃をキャッチしてのツアー・オブ・ジ・アイランドを見舞うと、最後はヘナーレが新技のStreets of Rage(変形デスバレーボム)で叩きつけて3カウント。
帝国の一員となって覚醒したヘナーレは、「5年間、本体でやってきたが、きっとファンのお前たちには俺が日々どれだけの努力を重ねて来たのか想像もできないだろう。棚橋も真壁も誰も責めるつもりはないが……いや、もしかしたらあいつらの後ろに隠れていなければ……いいや、責めるべきは自分自身だ。ずっと自分で自分を抑えつけていた。本当の自分の姿を見せられずにいた。(本隊として)求められるイメージに合わせないといけないとばかり思っていた。でもそれが間違っていたんだ。自分を偽ってまで他人が望む自分を演じる必要はない。今日拍手が聞こえたけど、2週間前の俺はファンから拍手なんてもらえなかった。それぐらいみんなに注目されてなかった。興味を持たれるのは(マオリ族の民族舞踊の)”ハカ”だけ。でもこれからはもう自分を偽らない。俺の人生で戦いより大事なものはない。本当の俺はこんなもんじゃない。俺はもっと危険だ。(カメラに向かって)何だ、また俺のコメントをカットしようってか?やっと自分の進むべき道がわかった。その道は、血と金と栄光で覆われている。それがUNITED EMPIREだ!」と、新たな自分の姿に自信を見せた。