【試合詳細】2・4 ジャイアント馬場23回忌追善興行後楽園ホール大会 武藤敬司&諏訪魔&小島聡vs天山広吉&カズ・ハヤシ&河野真幸 永田裕志&青柳優馬vs鈴木みのる&佐藤光留 渕正信&大仁田厚&グレート小鹿&越中詩郎vs2代目タイガーマスク&大森隆男&嵐&菊地毅
『ジャイアント馬場23回忌追善興行』
日程:2021年2月4日(木)
開始:18:00
会場:後楽園ホール
観衆:未発表
▼ザ・リーヴPRESENTS 6人タッグマッチ 30分1本勝負
○新崎人生(みちのく)/長井満也(ドラディション)
6分25秒 念仏パワーボム→エビ固め
西村修(フリー)/●アンディー・ウー(フリー)
▼大隅興業PRESENTS 追善特別試合8人タッグマッチ 30分1本勝負
○渕正信(全日本)/大仁田厚(フリー)/グレート小鹿(大日本)/越中詩郎(フリー)
8分55秒 首固め
2代目タイガーマスク(フリー)/大森隆男(全日本)/嵐(フリー)/●菊地毅(フリー)
▼ジャイアント馬場23回忌追善特別試合
ジャイアント馬場
vs
スタン・ハンセン
▼ステーキハウス寿楽PRESENTS シングルマッチ 30分1本勝負
○BUSHI(新日本)
10分14秒 エムエックス→エビ固め
●青柳亮生(全日本)
▼ReOStaff株式会社PRESENTS タッグマッチ 30分1本勝負
○永田裕志(新日本)/青柳優馬(全日本)
12分23秒 バックドロップホールド
鈴木みのる(パンクラスMISSION)/●佐藤光留(パンクラスMISSION)
▼6人タッグマッチ 60分1本勝負
○武藤敬司(フリー)/諏訪魔(全日本)/小島聡(全日本)
13分51秒 シャイニング・ウィザード→片エビ固め
天山広吉(全日本)/カズ・ハヤシ(GLEAT)/●河野真幸(フリー)
ジャイアント馬場23回忌追善興行のメインで武藤全日本オールスターが揃い踏み!馬場vsハンセンのPWF王座戦を徳光アナが実況し場内熱狂!大仁田が「1から10まで馬場さんの世話をしたのは俺」と豪語!
オープニング
大会開始前、第2試合に出場予定だった井上雅央が体調不良のため急遽欠場することがアナウンス。その代打としてかつてジャイアント馬場の付き人を務めたこともある嵐が参戦することが発表された。
そして、大会オープニングには天龍源一郎がリング上に登場して挨拶を行った。
天龍「本日はジャイアント馬場さんの23回忌追善興行にご来場、誠にありがとうございます。また、テレビを御覧の皆様、ご視聴ありがとうございます。今日は選手たちが必ず馬場さんが作った明るく楽しく激しいプロレスを馬場さんに届けていただけることでしょう。馬場さん、見ていてください!みなさんも天国の馬場さんに届くように、精一杯ご声援よろしくお願いします!」
第1試合
西村と人生でゴングが鳴ると、クリーンな握手からロックアップで組み合い、西村が押し込んでクリーンブレイク。西村がエルボースマッシュを入れていくと人生はリストを取り、ロープへ上がって拝み渡りからブレーンチョップ。両者タッチ。
長井とアンディの対面となると、ロックアップからアンディがヘッドロックに捕らえてショルダータックルでぶつかっていくも、体格に勝る長井が逆になぎ倒す。ならばとアンディはドロップキックで場外に蹴落とし、場外飛びのフェントから一回転してポーズを決める挑発。長井は観衆へ「なんで拍手してんだコノヤロー!」と怒ってからリングに戻ってアンディにブレーンバスター。本間にタッチ。
本間はアンディに逆水平チョップを連打していき、アンディがエルボーで反撃するとヘッドバッドで黙らせる。さらにブレーンバスターを狙うが、アンディが着地してハイキックのフェイントから水面蹴りを決め、西村にタッチ。
西村は本間にスピニング・トゥーホールドでギブアップを迫るが、本間はなんとかロープへ。西村はさらにエルボースマッシュ連打からコブラツイストに捕らえるが、本間は腰投げで切り返し、小こけしを西村の頭にヒットさせる。両者タッチ。
人生とアレハンドロの対面となると、アレハンドロが人生をコーナーに振ろうとするが圧倒的な体格差から触れずに断念。ならばとロープへ飛んでブーメランアタック式ドロップキックからスワンダイブ式ダイビングボディプレス。さらに突っ込んでいくが、人生がキャッチして喉輪落としで叩きつけ、極楽固めで絞り上げるがアンディがなんとかカット。長井がアンディをブロックバスターで放り捨てると、西村が長井をエルボースマッシュで撃退。さらにその西村へ本間がラリアットを見舞い、人生と本間がアレハンドロを取り囲む。アレハンドロは2人を相手にチョップで立ち向かってロープへと飛ぶが、本間がカウンターのこけしロケットを叩き込み、最後は人生が念仏パワーボムを決めて3カウントを奪った。
<試合後コメント>
新崎人生
――ジャイアント馬場さんの追善興行での試合でしたが、終えてみていかがですか
「やはり、馬場さんのゆかりというか、全日本プロレスの馬場さんに、自分が言っていいのか分からないですけど、愛弟子の方たちが今日控室にもたくさんいらっしゃっていまして、馬場さんが亡くなって22年ですか。22年経った今も、つい最近、馬場さんと試合をしたこととか、一緒にツアーを回ってていたりということがつい最近のように感じて、こういう空間があると余計に、その感じが蘇りました。懐かしい感じがしました」
――オープニングでは天龍さんが「馬場さんが見ててください」と仰っていました。馬場さんを感じることはありましたか
「もちろんそれは、今日は馬場さんのために合掌も捧げましたし、試合前から、あれから数十年経ってますけど、リングに上ってますよっていうのを知ってもらいたかったですね」
第2試合
試合開始前にザ・グレート・カブキによる追善の舞が行われ、ヌンチャクの演武を行った後に天に捧げるグリーンミストを噴射。
越中と大森の対面でゴングが鳴ると、大森がロックアップでロープに押し込み、ヘッドロックからショルダータックルの打ち合いに。越中のヒップアタックをすかした大森がビッグブートを叩き込みロープに飛ぶが、越中がカウンターのヒップアタックをヒットさせ、両者タッチ。
渕と嵐の対面となると、運動靴にジャージのまま試合をする嵐にツッコミを入れながら嵐にショルダータックルでぶつかっていくが、圧倒的な体格差で倒れず。ならばと渕は顔面ひっかきからヘッドロックで捕らえ、レフェリーの死角を突いてグーパンチ。両者距離を取り、タッチへ。
大仁田とタイガーの対面となると、大仁田が握手を求めタイガーもこれに応じてクリーンファイトを誓う。大仁田はロックアップでタイガーをロープに押し込みクリーンブレイク。今度はタイガーが押し込んでいきクリーンブレイク。三度ロックアップから大仁田がショルダータックルを見舞うとタイガーはドロップキックで場外に蹴り出し、トンボを切ってから場外へスライディングキックも、大仁田はこれをかわし「何がタイガーマスクだコノヤロー!」と場外鉄柵に叩きつけ、リングに戻してDDO。小鹿にタッチ。
小鹿はタイガーにボディブローを連打し、打撃合戦を誘う。小鹿はサミングで怯ませ、コーナーに押し込んでチョーク攻撃から顔面噛みつきを狙うが、時勢に配慮してか寸前で止めて越中にタッチ。
越中はヒップバッド連打も、タイガーが自軍コーナーに引き込んで菊池にタッチ。
菊池が対角に控える渕に突っかかっていくと、越中は苦笑しながら背後からひっぱたき、大仁田とともに菊池へ太鼓の乱れ打ち。
小鹿に代わると、菊池へニードロップからダブルチョップを連打。菊池もエルボー連打で反撃していくが、小鹿が顔面ひっかきから顔面噛みつき。菊池が「くせーっ!」と悲鳴を上げる中、渕にタッチ。
渕はビッグブート連打から菊池にバックドロップを狙うが、菊池が耐えてスクールボーイ。これは越中がヒップバッドでカットすると、渕が首固め。これはタイガーがカットするも、渕は素早く首固め。これをタイガーらがカットするとリング上全員上がってきて入り乱れ、タイガーが越中らを場外に落としてプランチャでアシスト。しかし渕が菊池をしつこく3度目の首固めでおさえこむとこれでカウント3。
<試合後コメント>
大仁田厚&菊地毅&大森隆男
大森「自分なんてまだまだまだ若手かと思うような大先輩ばっかり。でもこうやっていろんな選手が集まって試合ができるってことは、僕はそれを含めての馬場さんのご縁だと思うんで。ホント最初、全日本プロレス、プロレス界に入ったときに全日本プロレスに入って、馬場さんの弟子として試合やったことが本当に自分の財産だと思ってます。こうやって今日大会に出たことは僕にとっての名誉です。菊池さん、生涯爆発ですよね」
菊池「おうっ!」
(※ここで大仁田が「大森!大森!」と叫びながら合流)
大仁田「大森!大森!ホントの弟子は俺だよ!」
大森「あぁ?!邪道とか言って飛び出して!」
大仁田「お前らぁ!」
大森「なんだぁ!」
大仁田「馬場さんのこと1から10まで世話したのは俺だよバカヤロー!」
大森「やっぱり今日汚いことやったなぁ!」
大仁田「汚いことやってねーよお前!」
大森「邪道っぷりを発揮しやがってぇ~!」
大仁田「なにが邪道だ馬鹿野郎!オイ!菊池!」
菊池「ハァイ゛!なんすかセンパァイ!」
大仁田「焼肉屋やってたのか」
菊池「関係ないでしょ!」
大仁田「あぁ?!」
菊池「焼肉屋やってますよ!」
大仁田「そうかぁ。よかった」
菊池「それで終わりかあ゛?!センパァイ!」
大仁田「大森。1から10まで俺が世話したんだ、馬場さんのぉ。お前らにガタガタ言われる筋合いないよ!」
(※大仁田は去っていく)
大森「……1から10まで馬場さんの世話したのかぁ、大仁田厚が。そんなわけねぇだろ!それは間違ってる!」
菊池「オ゛ォ!」
大森「1から10まで世話してもらったんじゃないのか、それは。ねえ、菊池さん」
菊池「オ゛ォ!俺らが入ったとき大仁田さんいないんですよ。たしかにあの人先輩かもしれないけど、俺らとなんも……」
大森「(※菊池の言葉を遮るように)そして今日!こうやってセコンドに来てくれた橋誠元選手は!今日来てくれたおかげで心強かったよ!橋さん、セコンドありがとな!……セコンド来たんじゃないのか?」
菊池「あ゛りがとな!」
第3試合
スクリーン上ではジャイアント馬場とスタン・ハンセンがリング上で初邂逅を果たした39年前の1982年2月4日に東京体育館で行われたPWFヘビー級選手権試合の映像が放映され、その模様をアナウンサーの徳光和夫氏が生実況。
そして、映像終了後にはスタン・ハンセンがモニターに登場し、この試合を振り返ってメッセージを送った。
スタン・ハンセン(映像)
「1982年2月4日、ババと初対決をしたその日は、何千の試合をした私の中で永遠に忘れることの出来ない日となりました。私にとって本当に素晴らしい思い出になっています。日本のすべての人々がババと私にエキサイトしてくれたことを鮮明に覚えています。私はババと闘っていくという新しい機会を得ることが出来ました。彼は常に握手だけで契約を結ぶことが出来る信用のおける男でした。日本のすべての人々が彼がとった行動のすべてを今でも讃えています。またいつか日本に帰ってくるのを楽しみにしています。サンキュー!」
ジャイアント馬場さん追悼セレモニー
続いて、ジャイアント馬場23回忌の追悼セレモニーが行われ、リング上へジャイアント馬場が愛用していたリングシューズが運び込まれる。
歴代付き人がスクリーンで紹介された後、故人に縁を持つ様々な選手たちから会場スクリーンを通してメッセージが送られた。
佐々木健介(映像)
「ジャイアント馬場23回忌追善興行をご観戦に会場に来られた皆様、日テレジータスにてご観戦いただいている皆様、日々プロレス界を応援いただきありがとうございます。佐々木健介です。馬場さんに初めてお会いしたのが18歳のときでした。いつもリング下から馬場さんを見ながら、『頑張ればいつか馬場さんと同じリングに立てるかも知れない』と当時は夢抱いておりましたが、その夢は残念ながら叶うことはなく、今でもプロレス界に残した未練の1つです。きっと馬場さんは現在のプロレス界を見て、選手が大きな怪我をしないように祈りながら、選手たちの健闘を喜ばれているのではないでしょうか。そしてもし今馬場さんに1つお伺いできるとしたらお聞きしたいことがあります。マサ斎藤さんは無事そちらに着いて馬場さんとお会いできたでしょうか。あまり酒を飲みすぎないように見守っていただけたら幸いです。最後になりましたが日々健闘を尽くし頑張ってくださる医療従事者の皆様に心よりお礼申し上げます。観戦に来られた皆様もコロナ感染に気をつけ、マスクを外さず、大きな声を出さず、より一層の拍手で選手の応援をよろしくお願いします。本日はありがとうございました」
丸藤正道(映像)
「こんにちは、プロレスリングNOAHの丸藤正道です。ジャイアント馬場23回忌追善興行ということで、僕も馬場さんの最後の弟子として少しの時間でしたが接する機会がありました。僕にとって本当に基調な経験でありますし、今の丸藤を作り上げた基本ともなっております。馬場さん、本当にありがとうございます。この大会に携わるスタッフの皆さん、そして選手の皆さん、素晴らしい空間を作り上げてください。きっと馬場さんも天国で見ていると思います。ありがとうございます」
太陽ケア(映像)
「(※日本語で)こんにちは、太陽ケアです。よろしくお願いします。馬場さんの23回忌公演、この記念大会で私も皆さんと馬場さんとの素晴らしい思い出の時間に浸りたかったです。日本の皆さん、今でも馬場さんと私を応援してくださってありがとうございます。2021年も体に気をつけてお過ごしください。早く皆さんと再会したいです」
川田利明(映像)
「こんにちは、川田利明です。今回は会場に顔を出すことは出来ませんけど、馬場さんに関係した選手の皆さんみんな集まって、今日はそういう大会ということなので、馬場さんのことを思い出して選手の皆さんに頑張っていただいてファンの皆さんはちゃんと応援してください。馬場さんといえば、奥さんであった元子さんのことも皆さん思い出していただけるとありがたいと思ってます。今日は顔を出せませんけど、次回はまたそういう機会がありましたら顔を出して自分も応援したいと思います。今日はみなさんありがとうございました」
ドリー・ファンクJr. (映像)
「PWF会長のドリーファンクJr.です。ジャイアント馬場メモリアル大会がやってきました。誠にありがとうございます。今でも毎日馬場さんを思い出します。馬場さんは永遠です。PWFも永遠です。日本のプロレスファンの皆様、お願いがあります。決してあきらめるな!決してあきらめるな!決してあきらめるな!日本のプロレスファンの皆様、イツモガンバッテクダサイ!日本のプロレスファンの皆様、マコトニアリガトウゴザイマス。アリガトウゴザイマシタ!ガンバッテクダサイ!イツモ、ガンバッテクダサイ!」
その後、徳光アナによってジャイアント馬場の経歴が読み上げられ、追悼の10カウントゴングが打ち鳴らされた。
<セレモニー後コメント>
渕正信&和田京平
渕「22年になるんだね。勘違いしててさ、さっき馬場さんとハンセンの試合、『もう30年経つんだなあ』って話ししてたら、『30年じゃないですよ、足掛け40年ですよ』って言われてさあ(笑)『そんなに経ったのか?!』って感じて(笑)俺達から見たら40年ってあっという間に感じてね」
和田「あっという間だね」
渕「馬場さんが亡くなって22年っていうのは」
和田「そんな早く、って感じで」
渕「だから驚いてますよ。若い人から見たら40年ってすごい年月だと思うんだろうけど、もうね、70近くなってくると40年ってついこないだって感じ。姿形は変わってるかも知れないけど、気持ちの上では、まだなんか馬場さんが側にいるような気がする」
和田「今この年になって、馬場さんによく言われたのが、『お前も年取りゃ分かる』って。今は『なるほどなぁ』って考えるように鳴った。それから22年以上経ってんだね。でも今日は同窓会みたいなもんで、みぃ~んななんか懐かしい人ばっかりで、なんか控室にいるのがちょっと入りづらいもんね、みんな先輩ばっかりで」
渕「はっはっは(笑)」
和田「ホントこんな機会でもないと会えないもんねえ」
渕「馬場さんって名前のもとに皆さんが集まってくれてるのが嬉しいですね」
和田「うん、ホントだねえ。今日来てる人が馬場さんを知ってる人が何人くらいいるんだろうって感じで」
渕「そういうのあるけどね、確かに(笑)でも、『実際に会ってみたかった』っていうのはレスラーの間でも聞きますね」
和田「貴重だよね。今日のこの出場するレスラーで馬場さんを知らない人がいるわけで、それで馬場さんのイベント出られたら『えっ』て思うんだろうけど、今日流したテープを見れば『あぁ、昔のプロレスってすごいな』って考えるんじゃないかなあ。馬場vsハンセンなんてスゴいもんねえ。今やってほしいくらいだよ」
渕「俺らの試合、あの試合の前の2試合目でよかったですよ(笑)」
和田「ホントだよねえ(笑)」
渕「あの試合の後にやるのはキツいと思うよ、ハッキリ言って。あの画面に流れてるあの声援で、あの迫力で、あの後の試合はかなりやりづらいと思うよ。画面で、LIVEじゃなくても改めてあの2人の偉大さが見えるね」
和田「ホントだねえ。みんな声だして応援したいだろうね、マスク取ってね。そういうときが早く来てほしいなって思いますよ。拍手だけでなくてね。もうちょいの辛抱だね」
第4試合
ゴングが鳴るとロックアップで組み合い、BUSHIが押し込むも亮生はリバースしてエルボー。両者エルボーで打ち合っていき、目まぐるしいロープワーク合戦を制した亮生がドロップキックで場外に蹴り出してトルニージョで追撃。
亮生はBUSHIをリングに上げるとコーナー上からの攻撃を狙うが、BUSHIは反対側へゴロゴロと転がって再び場外に落ちてバタリと倒れ込む。亮生は追っていってTシャツを剥いだ上で場外鉄柵に叩きつけようとするが、三味線をひいていたBUSHIが突如勢いを取り戻して逆に亮生を何度も場外鉄柵に叩きつけて痛めつけ、リングに上げてエルボーを誘う。
亮生のエルボー連打を受け止めたBUSHIが強烈なチョップでコーナーに追い込んでいき、ボディスラムから逆エビ固め。しっかりと腰を落としていくが、亮生がプッシュアップしてなんとかロープへと辿り着く。
BUSHIは亮生を引き起こしてブレーンバスターを狙うが、亮生が背面着地して延髄斬り。さらにスワンダイブ式ミサイルキックを叩き込み、串刺しバックエルボーから串刺しドロップキックを2連発。さらにフィッシャーマンズ・スープレックスを狙うが、BUSHIはこれを振り払うとDDT。亮生はBUSHIの追撃をかわしてコーナーに突っ込んでいくが、BUSHIはひらりとこれをかわしてロープを使った逆上がり式オーバーヘッドキックからミサイルキックを見舞って亮生を場外に蹴り出し、トペ・スイシーダで追撃。BUSHIはさらにバックドロップから逆エビ固め。何度もリング中央に引き戻されながらも亮生はなんとかロープへ。
BUSHIはフィッシャーマンズスクリューを狙うが、亮生は首固め、回転エビ固めと切り返していき、BUSHIがロープに振るとハンドスプリング式オーバーヘッドキックで反撃。亮生はロコモーション式フィッシャーマンズ・スープレックス・ホールド3連発からコーナーに上ってムーンサルト・プレスを発射も、BUSHIが剣山で迎撃。
両者膝立ちになりながらエルボーで打ち合っていき、BUSHIは「どうしたコラ!」と煽りながら厳しい攻撃を入れる。亮生も「ナメんな!」と叫んで連打を見舞ってからロープに飛ぶが、BUSHIが追走ドロップキックからフィッシャーマンズスクリュー。さらにBUSHIがテリブレからエムエックスを決め、これでカウント3を奪った。
<試合後コメント>
青柳亮生
「・・・クッソ。何かしたかった。・・・このでっかいチャンスをもらい、何にもできなかった。もう一回、チャンスがいただけるなら。もう一回、もう一回だけチャンスをください。」
BUSHI
「正直なめてたね、彼のことを。デビューそこそこの新人だと思ってなめてかかったら痛い目にあったよ。でもさ、こうして他団体の選手と絡めるんだったら、ましてや全日本のジュニアと絡めるんだったらね。正直もっとやりたいヤツが他にいたから・・・。青柳亮生とのシングル、決まった時はちょっとガッカリしたけどさ。ふたを開けてみたら面白いね。伸びしろしかないね、彼には。ただ今は若いっていう伸びしろしかないから。数年後はわかんないよ。ただ俺がやりたかった全日本のジュニアとの試合、機会があれば俺の願いが叶うなら、また違ったかたちでリングで会えたらいいなと思いますよ。エッセリオ、マジで・・・。」
第5試合
永田と青柳がどちらが先発で出ていくか話し合っている中、みのるは「早くしろよ。お前だろ?」と永田を誘い出し、みのると永田でゴング。
手4つから永田がロープに押し込み、離れ際にバックの鳥から腕の取り合い、グラウンドでの首の取り合いに発展し、永田がみのるのヘッドシザースを抜けてPKを発射もみのるは余裕を持って回避。両者にらみ合いながらタッチへ。
光留と青柳の対面となると、じりじりと距離を詰めていくが、光留が内ももへのローキックを決め、青柳が足をかばった瞬間に低空タックルで足を刈る。青柳は冷静にヘッドロックで返して対処し、ショルダータックルで光留をなぎ倒す。さらに引き起こそうとするが、光留が下から組み付いて捕獲式腕十字。青柳は決まり切る前にロープにたどり着く。光留は青柳を押し込んでみのるにタッチ。
みのるは青柳をじっくりとした腕固め、ヘッドロックでいたぶっていく。青柳はロープに押し込んで離れ際にエルボーを見舞うと、みのるは「なんだお前」と怒って強烈なエルボー。両者エルボーで打ち合っていくが、みのるが顔面に張り手を入れ「どうした?終わりか?」と笑うと、青柳は怒って怒涛のエルボー連打で自軍コーナーまで押し込み、顔面をメチャクチャに踏みつける。青柳はなおもエルボーで打ち込んでいくが、みのるは「来いよ来いよオラ!」とニタニタ笑い、強烈なエルボーで応戦。さらにみのるは串刺しビッグブートからPKを叩き込み、ニーリフトでコーナーに押し込んでボディブローを連打。さらにコーナーに振っていくが、青柳がブーメランアタックで反撃し、ドロップキック。青柳はコーナーに上ってダイビングクロスボディを見舞い、「投げるぞオラッ!」とジャーマン・スープレックス・ホールドを狙う。みのるはバックエルボーで脱出すると、青柳の胸板に強烈なチョップ。青柳もエルボースマッシュで応戦して打ち合っていくと、みのるは「来いクソガキオラッ!」と挑発しながらロープに落ち込んでゴツリと音の響くエルボー。さらにロープに振るが、青柳はフライングフォアアームでやり返し、永田にタッチ。
永田はミドルキック連打でみのるをコーナーに追い込むと串刺しビッグブートを発射。みのるはこれをキャッチして振り払うが、永田は怒りのコーナーエルボー連打でみのるをコーナーダウンに追い込む。しかしみのるも雄叫びを上げて立ち上がり、永田をコーナーダウンさせるまでエルボーを連打し「終わりか?永田?」と笑う。永田も起き上がって再びエルボーの打ち合いとなると、みのるのフルスイングエルボー3連打に永田が片膝をつく。みのるは光留にタッチ。
光留はみのるとともにサンドイッチ式で永田にエルボー、キックを見舞っていき、みのるのスリーパーホールドから光留の延髄斬り。さらに「せーの!」と永田のそれぞれの腕を取って同時の腕十字。これをレフェリーに止められると光留は永田へブレーンバスターを狙い、永田が投げ返そうとすると脇固めから腕へのオーバーヘッドキック。永田がローキックで返していくと光留は「全然痛くありません!」と延髄斬り。さらに水車落としで叩きつけ、永田へ体固め、そして永田がキックアウトした際に上げた腕を取っての捕獲式腕十字。これを青柳がダイビングエルボードロップで豪快にカットし、みのるをドロップキックで場外に蹴落とすアシスト。
永田はロープに飛ぶ光留へキチンシンクを見舞い、串刺しニーリフトからブレーンバスター。永田はミドルキックからバックドロップホールドで叩きつけ、これで3カウントを奪った。
<試合後コメント>
鈴木みのる
「クソ野郎・・・。永田のクソ野郎。なんでことあるごとに俺の前に出てきやがる。・・・わかった!板の間が古くなると釘が飛び出てくるだろう?何べん打っても飛び出てくるだろう?あれ邪魔でしょうがねぇよな?抜いて捨ててしまうか?なんなら板ごと張り替えて新しい板に張り替えようか?おい!お前は不要な不燃物なんだよ。消えろ、この野郎。さぁ!そんなことより今日はジャイアント馬場、23回忌。縁も所縁(ゆかり)もないけどな。この長い33年か?このキャリアで一度も会ったことないけどな!顔も見たことない。だからなんの縁も感じない。俺が10年以上前に全日本プロレスに初めて上がった時、試合後のバスの中に和田京平が飛び込んできた。「テメェのやってるのはプロレスじゃねぇ。テメェなんかプロレスラーじゃねぇ!馬場さんが生きてたらお前なんか全日本プロレスに上がれねぇ。今すぐ帰れ!お前なんかプロレスラーじゃねぇ!」と言った。和田京平が。その和田京平に呼ばれて今日来たんだ。和田京平が言ってたよ。馬場さんが生きてたらお前なんか呼ばれねぇ。俺が呼んでやったんだよ」。・・・何言ってるんだよ(笑)。俺を呼んだらジャイアント馬場も必ずこう言うはずだ。「あいつ、面白いな」って。それだけの自信と力と体を持って今も最前線で生きてるんだ。」
――その全日本プロレスでの活躍でプロレス大賞のMVPも受賞されていました、
「忘れたよ、そんなの。昔のことだろう?いいよ別に、昔のことは昔のことで。そんな昔のことは忘れたよ。いつのことだっけ?」
――2006年です。
「さっき調べたんだろう?そんな大昔のことはどうでもいいんだよ。俺にとって大事なのは今だ、今。そう今。たった今。なぜ俺が今日メインイベントじゃない。鈴木みのるが出るプロレスの大会。俺以外のヤツがメイン。こんな腹ただしいしいことはない。俺がデビューしてこのかた、1988年にデビューしてから全部の試合。勝ちたくて勝ちたくて全部勝とうと思ってやってきた。今日もそうだし明日からもそうだ。だからMVPだとかチャンピオンだとか、誰のなにとかどうでもいいんだよ。今日の試合を勝つ!どんな手を使っても。それだけだ。まぁ負けたヤツのセリフじゃないけどな(ニヤリ)。」
永田裕志&青柳優馬
永田「全日本プロレスに上がったことはあるけれど、ジャイアント馬場さんとはご存命中にご挨拶したこともありませんしね。馬場元子さんとは会場にいらしているときはご挨拶させてもらいましたけどね。全日本プロレスに参戦した時とかね。まぁ今日の試合というのは全日本プロレス生え抜きの青柳選手とかいますけどね、ちょっとジャイアント馬場さんがどういう試合を望むのかはわからない。あの試合をジャイアント馬場さんがどう思うかはわからないけれど、自分の試合ができた。永田と鈴木みのるの対戦はジャイアント馬場さんがお好みかどうかはわからないけれど、とりあえずマット界に響くカードなんじゃないかな。そんなには当たりませんでしたけど。逆に青柳くんは鈴木みのるに対してガンガンいっていたけれど、数年前にライオンズゲートやアジアタッグで戦った時の「ちょっと物足りないな。まだ若いな」というのが今日は横で見ながら、掛け声とか相手に向かっていくとかやっぱり成長している証なんだなって思いましたね。」
青柳「ありがとうございます。」
永田「わずか3年2年前だけどね。俺みたいなジャイアント馬場さんとは接点のない人間が組まれたかと思えば、本来現役でやっている選手で、ジャイアント馬場さんの教えを受けたちょっと前まで社長をやっていた人間がここに来ていないというのはどうなのかなって。これだけは疑問でした。やっぱり何年か空いてもリングで遭遇した時にはお互いの元気さを確認できていた。それを楽しみにしていた部分もあったので。今日、かつての盟友に会えなかったのはすごく残念でした。本来上がらなくちゃいけないはずなんですけどね。いろいろな事情はあるんだろうけどね。それが俺にとってきょう非常に残念でした。まだまだ俺は元気だぞって伝えたかった。以上です。今日はありがとう!」
青柳「ありがとうございました!」
永田「強くなったよ!」
青柳「また機会があればよろしくお願いします。」
*ここで永田は退席
青柳「本当に先ほど永田さんがおっしゃったように、4年前になりますね。ライオンズゲートとアジアタッグで永田さんと対戦したご縁もあって。馬場さんの今回の23回忌の追善興行でタッグを、初タッグを組ませていただくことになって。馬場さんからいただいた縁なのかなって、僕が言っていいのかはわかりませんけど、そんな感じがしましたね、プロレスのご縁というか。こういう場で永田さんとタッグを組ませていただいたことはすごくうれしかったので、次はぜひ対角線でやりたいなと。成長した姿を反対側で次は見てもらいたいなと。」
――初対戦となった鈴木選手についてはいかがですか?
青柳「意識したというか絶対おいしい獲物じゃないですか。向こうからしたら僕なんか眼中にないかもしれないけど。すごい緊張しましたよ。フォアアームの一発一発も重いのなんの。怖かったですよ。意識が飛ぶんじゃないかと何回も(思いました)。ぜひ機会があったら対角線に立ってまた打ち合いたいですね。」
第6試合
両軍が入場すると、小島が「来い天山!オラッ!」と挑発。天山もこれに応える形で出ていきゴングが鳴らされる。
天山と小島はロックアップで押し込み合い、互角と見るや両者ロープに飛んでショルダータックルでのぶつかり合いへ。小島が「いてーな!」とチョップを放つと天山もチョップで反撃し、モンゴリアンチョップを狙うが、封印されてしまっていたことを思い出し寸前で踏みとどまる。小島は「やれコラ!やれテメー!」とモンゴリアンチョップを見舞うが、天山はショルダータックル。両者タッチ。
諏訪魔と河野の対面となると、河野が手4つを求め、諏訪魔もこれに応じてがっぷり4つで組み合う。身長で勝る河野が上から押しつぶすも、諏訪魔は意地で押し返してヘッドロックからショルダータックル。諏訪魔が腰投げでテイクダウンを取るも、河野はすぐさまヘッドシザースで切り返し、再びロックアップ。河野が自軍コーナーまでお仕込み、カズにタッチ。カズが対角コーナーの武藤をまっすぐに見つめると、諏訪魔もカズの意図を汲んで武藤にタッチ。
武藤とカズはロックアップからヘッドロックの取り合い、カズが武藤のタックルをスライディングでかわしてグラウンドに引き込み、じっくりとした袈裟固め。武藤が立ち上がってバックドロップなどでの切り返しを狙ってもしつこくグラウンドに引き戻す。武藤がなんとかコーナーに押し込んでブレイクすると、首投げからのフラッシングエルボーを見舞い、小島にタッチ。
小島はカズにスイングネックブリーカーから「バカヤローオイフザケンジャネーゾテメー!」と対角コーナーの天山へエルボー。諏訪魔にタッチ。
諏訪魔はカズへハンマーパンチを連打。カズのチョップ連打での反撃もものともせず、諏訪魔はカズをサイドバスターで叩きつけてから逆エビ固め。これは天山がヘッドバッドを見舞ってカットを狙い、またもモンゴリアンチョップを繰り出そうとして寸前で踏みとどまる。小島は武藤にタッチ。
カズはロープに振られるとスライディングキックで場外に抜け出し、追ってきた武藤にロープを使ったスタナーからスワンダイブ式ボディプレス。天山にタッチ。
カズが武藤を羽交い締めにして「やれ!」と指示されるも天山はモンゴリアンチョップを打てず。河野にタッチ。
河野に代わると河津落としを見舞い、カズにタッチ。
カズは武藤にモンゴリアンチョップを見舞い、武藤に回転エビ固めも、後転して立ち上がった武藤がクイック式のシャイニング・ウィザード。小島にタッチ。
小島は「コノヤローハヤシ!」と叫んでマシンガンチョップ。「いっちゃうぞバカヤローオイ!」とダイビングエルボードロップを見舞い、エルボー連打からローリングエルボー、DDTからラリアットを狙うが、カズはハンドスプリング式オーバーヘッドキックで反撃し、天山にタッチ。
天山は小島をショルダータックルでなぎ倒し、小島へ掟破りのマシンガンチョップ。さらに串刺しラリアットから「OK!ブレーンバスター!」と叫んでからブレーンバスターで叩きつけ、ヘッドバッド連打からアナコンダスラムを狙うが、小島が振り払ってーリングエルボー。天山はヘッドバッドで反撃するも、耐えた小島がコジコジカッター。諏訪魔にタッチ。
諏訪魔はたっぷりロープチャージしてからフライングショルダー。さらに「投げるぞオイッ!」と叫んでラストライドを狙うが、天山がショルダースルーで切り返し、突っ込んでくる諏訪魔にニールキック。河野にタッチ。
河野は諏訪魔をロープに振ってジャンピングニー。さらにロープに振って行こうとするが、諏訪魔が腕を引き返してラリアット。武藤にタッチ。
武藤は河野にドラゴンスクリューから足4の字固め。これを天山がカットすると武藤をコーナーに振り、3人でトレイン攻撃。河野は武藤にビッグブートから脳天唐竹割り、ランニングネックブリーカードロップ。さらにチョークスラムを狙うが、武藤が持ち上げられた反動を使ってゼロ距離シャイニング・ウィザード。河野が怯んだところでエルボーパッドを脱ぎ捨てた小島がラリアット、諏訪魔がバックドロップで続いてアシストし、最後は武藤がプロレスLOVEポーズからシャイニング・ウィザードを叩き込み、これでカウント3。
武藤「今日は俺にとって味方の選手も敵の選手も、みんな今は闘うリングはぜんぜん違う場所なんだけど、同じ釜の飯を食った仲間たちだ。本当に今日はいい空間。心地良い時間だったよ。これもひとえに馬場さんのおかげだと思っております。馬場さん!ありがとう!みなさんも大変な状況の中、来場ありがとうございます。……ところで、お前ら(小島&諏訪魔)俺が最後に見たとき確か仲悪かったよな?うん、(タッグとして)機能してたよ」
諏訪魔「……いや、こういうときじゃないと言えないからちょっと言わせてもらう。小島さん、俺は今まで色んな感情を持ってアンタと接した。だけど、よくこの長い時間、感じてみて分かった。俺の間違いだった。小島さん、これからは先輩、後輩。いい関係でもう1回一緒にお願いします」
(諏訪魔が握手を求めると、小島も警戒しながら手を差し出し、ぎこちない握手を交わす)
小島「ありがとうございました!」
最後にジャイアント馬場さんの遺影を持った和田京平レフェリーを中心に記念撮影を行い、大会を締めた。
<試合後コメント>
武藤敬司&天山広吉&小島聡
武藤「諏訪魔と小島は離れろよ!・・・いや本当にね。本当みんなバラバラのリングで活躍してるみんなで。まぁまぁ同じ釜の飯を食った仲間たちでね。本当リング上で言った通り俺自身エネルギーいただきましたよ。この中では俺が一番の年長者であって、馬場さんだっていくつ?60いくつまで現役を続けてたんでしょう?馬場さん(の年齢)を超えて現役はしていたいよな。あとやっぱり俺が先頭切ってやってるわけだから、みんなに背中を見せてやりたいっていう部分で次のGHC取って、みんなに俺の大きな背中を見せてやりたいと思っています。」
天山「スゲー自信ですねぇ。」
武藤「お前らだってそろそろ姥捨て山のように捨てられそうなんだろう?」
天山「まだまだやりますって。武藤さんはいま幾つなんですか?」
武藤「58。」
天山「そんなバリバリの58歳見たことないです。」
武藤「若い子供には生涯やれるスポーツだって就職、この業界に足を踏み入れる見本になりたいじゃないか。生涯できるっていう。お前らだって俺がいなければ新日本プロレスで姥捨て山になって・・・」
天山「武藤さんがそんなに自信満々に言ってくれるのは自分らにも励みになりますし、武藤さんのような高いところに行きたいなって。」
武藤「そのためにもベルトを取ってもう一発。それを取ったらあと5年くらいイケそうだ。」
天山「ホンマですよ。頑張ってください。」
武藤「俺からは以上。あとは各々質問!・・・いいか?じゃあみんなで写真を撮るぞ。・・・ところでここにいる全員、馬場さんと会ったことないんだからな。」
*ほかの選手が退席してから
天山「いやぁなんかいつも組んでいるから正面に(対戦相手として)コジがいるってこっちもビビっと来ましたね。やっぱり全日本プロレスの、偉大なジャイアント馬場さんの残したリング。今日は光栄です、ホンマに。全日本とはあんまり関係ないかもしれないけど、こうして出れて。武藤さんのでっかい背中。やっぱりすごいですよ、先輩として。ホンマに目標にできる偉大な先輩。馬場さんもしかり、武藤さんも追いかけていかなと思いますよ。コジもね。やっぱり強いよ。」
小島「ひさしぶりにいい刺激をもらいましたよ。それにまさか諏訪魔とも仲良く、まぁ仲直りかはわからないけれど、ああいう風になれたのは馬場さんのおかげなのかなって気がします。」
天山「何があったの?」
小島「ずっと前に大ゲンカしてたのを、そういうの含めて。」
――試合中にカズ選手にモンゴリアン・チョップを促されていましたが、やっぱり抵抗はありましたか?
天山「やっぱり名古屋でクソ生意気なオーカーンにやられて。やっぱり約束は約束。男だったら口に出した以上は約束というのは守らなくてはいけない。その通り、今日は自分的には。やっぱり天山と言えばモンゴリアン・チョップ。代名詞になっているからね。それが出せないというのは100%のうち10%フルでいけなかったのがそれが悔しくて。コジにも逆にやられて、何回使ったんやって。ふざけんなよって(笑)。でもいろんな人からパワーをもらいました。
私事ですけど3日前に自分の父親が亡くなりまして、本当に突然というか、急なことだったんですけどね。こんなコロナの時期になんだかんだ、ちょっと落ち込んでいるうちに自分も。モンゴリアンも封印されて、おやじも亡くなってしまって、ほんま自分自身どうしたらいいのか、やっぱり最後はリングに上がって自分を見せるというか、見せたいっていう。今の全部をさらけ出してリングで表現しなくてはいけない。断ることはできなかったですね、出場を。偉大な馬場さんの(興行で)マッチメークされて。ぶつかって試合をしたかった。まぁ親父はプロレスが好きで小さいころから連れてってもらって。新日本はもちうろん全日本も。試合も一緒に見てっていうのもあったし、そういう意味で馬場さんに与えられた「お前、頑張れよ」って(励まし)。馬場さんにも感謝します。もう涙も出尽くして、もうこれ以上はって感じですよ(笑)。あとは残りのレスラー人生。しっかりと天山広吉、ガッチリと頑張っていきたいと思います。コジも頑張って!」
小島「はい、ありがとうございます!」
*小島選手も退席して
天山「名古屋から帰ってきて、その日一日お休みで。前々から心臓も悪くて何十年か前にも心臓の手術はしていて入院退院の繰り返しで。体は強くはなかったんですけど、最後は寝たきりの状態で。老衰っていう感じで。電話がかかってきて新横浜に着いた時にもかかってきて。とにかく(看取るのには)間に合わなかったですけど、最後には送ってあげることができて。告別式ができてなんかその期間もちゃんと見送ることができて、今日も馬場さんの興行にしっかりと出てこれるよう背中を押されました。
心臓が弱かったんで歩くのも困難な感じで。(亡くなった時の年齢は)76です。昭和19年生まれなんですけど。いつかこんな日が来るというのはわかってましたけど、本当にモンゴリアンも封印されて落ち込んでいる時に自分にとってはどん底というか、何もかも失ったっていう。2日間そばにいて「ありがとう。今まで頑張ってくれてありがとう」という感じです。」