杉浦貴が20周年記念試合で45分超えの大激闘を制し勝利!「29で公務員辞めてNOAHで20年やってみんなの前で20周年を迎えられて本当に嬉しい」

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 29日、東京都・後楽園ホールにてプロレスリングNOAH『杉浦軍興行 犬ども全員集合!2 杉浦貴デビュー20周年記念大会』が行われた。

 杉浦は自衛隊出身の選手であり、アマレスでは国体や全日本選手権で実績を残し、アトランタ五輪代表の有力候補とされたが惜しくも出場には至らなかった。その後、子供の頃からのプロレスラーになる夢を諦められず、2000年に30歳でNOAH初の新人としてデビュー。
 NOAHでは5種のGHC王座を戴冠するグランドスラムを達成した唯一の選手となり中核選手として活躍。昨年には自身のユニットである杉浦軍を結成し、現在のNOAHの一大勢力に成長となっている。デビューから20年経ち50歳を迎えた杉浦だが、その力は未だ健在。今年8月には杉浦軍入りした桜庭和志とGHCタッグ王座を獲得して大きな話題を呼び、今年のプロレス大賞ではこの2人で最優秀タッグチーム賞を受賞した。

 オープニングでは杉浦軍の最高顧問である蝶野正洋がスクリーンに登場し、「今日来ているお客さんのすべてが杉浦ファンではないとは思いますが、彼も20周年。今日1日だけでも杉浦選手を応援してもらいたい」と観衆へメッセージを贈り、最後にちゃっかりと杉浦軍とアリストトリストのコラボパーカーの宣伝をしてから大会がスタート。

 メインイベントでは、杉浦貴&桜庭和志&ケンドー・カシン&NOSAWA論外&カズ・ハヤシ&村上和成&中村大介vs拳王&中嶋勝彦&マサ北宮&征矢学&タダスケ&覇王&仁王という7vs7でのイリミネーションマッチが実施。
 ゴングを待たずに14人全員が入り乱れての場外戦で試合開始が開始されると、最初にリング上に上がったのは注目の村上。対する中嶋は容赦なく顔面を踏みつけてシャッターチャンスを作り出すが、これに激怒した村上がナックル連打で倒してから顔面踏みつけで意趣返し。その後も村上は中嶋、拳王と格闘スタイルに長けた選手との対面にこだわり、1vs2の蹴撃戦を展開するも拳王との打ち合いのさなかに中嶋に蹴落とされOTR。
 中村は卓越したグラウンドテクニックでタダスケからあっという間に腕十字でタップを奪うも、続く征矢に三角締めを狙ったところでバスターされ、そのまま3カウントとなり敗退。
 カシンは杉浦への意図的かつ不可解な誤爆で敵味方を翻弄し拳王をゆったりとしたローリング・クレイドルで戦闘不能寸前まで追い込むが、カシンが杉浦と揉めている中で拳王がカシンを場外に放り出してOTR。
 カズは覇王、仁王とNOAHジュニアらしいスピーディな攻防を展開し、覇王からWA4で3カウントを奪うも、仁王に雪崩式攻撃を狙ったところで上から蹴落とされOTR。
 桜庭は仁王をグラウンドに引き込んで変形羽折り固めであっという間にタップを奪うと、続く拳王と格闘戦を展開。激しい打ち合いを制した拳王がP.F.Sを狙うも桜庭がエプロンに突き落とし、ロープ越しのフロントネックロックで弱らせてから蹴落としてOTRさせる。しかし続く北宮からセントーン3連打を被弾すると肩を上げられず3カウント。
 論外は中嶋の強烈なミドルキックを敢えて正面から受け止めていく熱いハートを見せ、中嶋の串刺しブートをキャッチしてエプロンに落とし、奈落式DDTで道連れにする殊勲の相打ち。


 杉浦軍は杉浦が最後の1名となり、金剛で残るは征矢&北宮。
 征矢&北宮は杉浦に集中攻撃をかけ、2人でサンドイッチラリアットを放つも征矢のラリアットが北宮に誤爆。なおもラリアットを放つ征矢に杉浦が隠し技のウラカン・ラナを繰り出してカウント3。
 最後は杉浦と北宮の一騎打ちとなり、互いに倒れず正面から数十発に渡るショルダータックルでのぶつかり合いを展開。そして北宮が一発で自身の額が裂けて大流血する強烈なヘッドバッドからラッシュをかけるが、杉浦も真っ向から迎え撃ちオリンピック予選スラムを決めて3カウント。

 マイクを取った杉浦は「今日はNOAHの年内最後の大会だし、杉浦軍興行、杉浦貴の20周年に集まってくれて本当にありがとう!29で公務員辞めて、わがままでこの世界に入って、NOAHで20年やってきて、今日NOAHのリングでみんなの前で20周年を迎えられたことを本当に嬉しく思います!ありがとうございます!……そして今日突然なんですけど、僕はこの日をもってプロレスを、プロレスを……引退……することはないですから、来年もまた杉浦軍、NOAH、そして杉浦貴をよろしくお願いします!……スベりましたね」と最後のジョークは外しつつ挨拶。
 そして杉浦は杉浦軍全員での記念撮影を求め、「みんな自由なんで集まるか分からないけど」と苦笑しつつ呼び込むと、杉浦軍のメンバーが続々とリングへ。カシンのみ本当に帰ってしまっていたことが判明するも、皆その事実をすんなり受け入れて残るメンバーで記念撮影し、大会は大団円に終わった。

 試合を終えた杉浦は、「20周年だからって感傷に浸ることはないし、通過点なんで。20年目だろうが21年目だろうが普通にやるだけです」と語りつつ、新メンバーの中村大介と村上和成については「中村選手は非常にアグレッシブでいいですね。村上選手は相変わらずですけど、個性はそのまま残して家に馴染んでくれれば」と期待を寄せる。そして、このあと行われる忘年会に向け意気揚々と引き上げていった。

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