CIMAがPANCRASE道場出身の佐山駿介とシングルマッチで勝利も「2020年に食らった蹴りで一番効いたぞ」と太鼓判!
5日、東京都・新木場1stRINGにてTTT『SCRAMBLE 10』が行われ、佐山駿介とCIMAがシングルマッチを行った。
TTT(TOTAL TRIUMPH TEAM)とは、ターザン後藤に薫陶を受け、ミスター雁之助を師に持つ黎明期インディープロレスの後継者的存在であるガッツ石島が今年1月に“インディープロレス統一”を掲げて旗揚げした新団体。その次期エースとして期待を集めるのが佐山駿介だ。
佐山はTAJIRIに憧れてプロレスラーを志し、パンクラスP's LAB横浜で総合格闘技の素養を培ってからWNCの血を引くASUKA PROJECTで高校3年生ながらデビュー。総合仕込みの鋭い蹴りや巧みなグラウンドテクニックには定評があり、フリーとなった2019年には年間135試合に出場する業界随一の売れっ子となり、その場数と24歳という若さに可能性を見出したガッツにスカウトされ、TTTへ旗揚げとともに入団。
6月に現エースのTORUが試合中に右肩を脱臼して長期欠場となったことから佐山はメインイベンターに抜擢され、舞台度胸も付いた佐山は“次期”ではないエースと呼ぶ声も大きくなってきた。
佐山は満を持してガッツ石島の持つCCWカナディアンヘビー級王座挑戦に名乗りを上げるが、ガッツは最後の試練としてCIMAとのシングルマッチをセッティング。至宝挑戦に向け、佐山がCIMAにどれだけ爪痕を残せるのかに注目が集まっていた。
試合が始まるとCIMAはじっくりとしたグラウンドで佐山の足を潰しにかかるが、対する佐山は速攻を狙いミドルキック、PK、サッカーボールキックと各種キックで猛攻。
連打を受けたCIMAがダウンしてあわやTKO負けという場面もあったが、CIMAはコーナーに上った佐山のアゴをヴィーナスでかち上げると、ゴリコノクラズムで叩きつけ、マッドスプラッシュで圧殺して3カウント。
勝利したCIMAは勝ち名乗りを受けても苦悶の表情でうずくまるが、その状態でもマイクを要求。「おい、佐山!名前、覚えさせてもらったぞ。2020年で食らった蹴りで、お前のが断トツ1番効いたぞ!アレで俺の動きがピタっと止まって、最後は経験値だけで……。まさか、マッドスプラッシュ出すとは思わんかったよ」と佐山に太鼓判を押す。
そして「お前が思い切り顔面を蹴飛ばさなアカン男は、ガッツ石島ちゃうんか?聞くところによると、石島選手の持ってるベルトに挑戦表明してるらしいな?俺が断言しよう。佐山、お前なら……獲れるよ!また試合するの楽しみにしてるから。……次は、レガースもう1枚付けてきてくれや」と語って去り、佐山はその背中に向けて深々と座礼。
ガッツは「佐山はコロナ禍の状況下でメインイベンターを続けて成長してくれた。ホント佐山にとってはTORUが欠場していたこの期間は良い経験値を積む期間になった」とCIMAにお墨付きをもらった佐山を認め、来年1月16日の旗揚げ1周年大会で挑戦を受けることを決定し、目を細めつつも団体の長として王座防衛を誓った。
対する佐山はCIMA戦を振り返って、「今までいろんな選手と戦ってきましたが、CIMAさんはオーラが違った」と語りつつも、自信を得た蹴りの威力を高めていき、王者となって2021年のTTTを背負う覚悟を述べた。