【試合詳細】2・16 PANCRASE新木場スタジオコースト大会 堀江圭功vs内村洋次郎 中島太一vsボリス・フェドロフ 福島秀和vsブラッディ・ファン 荻窪祐輔vs猿飛流

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『PANCRASE 312』
日程:2020年2月16日(日)
開始:14時45分
会場:新木場スタジオコースト
観衆:2040人(超満員)

[プレリミナリーファイト]
▼第1試合 バンタム級 5分3R
●魔破DATE(Team DATE)
1R 3分20秒、TKO(チョークスリーパー→レフェリーストップ)
○鹿志村 仁之介(ストライプル茨城)

▼第2試合 ウェルター級 5分3R
●真王DATE(Team DATE)
判定0-3
○高橋 弘(パンクラスイズム横浜)

▼第3試合 ライト級 5分3R
○後藤文治(TRIBE TOKYO M.M.A)
1R 4分24秒、TKO(グラウンドのパンチ→レフェリーストップ)
●力也(KRAZY BEE)

[第26回 ネオブラッド・トーナメント1回戦]
▼第1試合 フェザー級 5分3R
●松井幸太(東京イエローマンズCUTE)
1R 1分47秒、TKO(グラウンドのパンチ→レフェリーストップ)
○井上雄斗(パラエストラ加古川)

▼第2試合 フェザー級 5分3R
●堂園 悠(修和館)
判定3-0
○DARANI DATE(Team DATE)

▼第3試合 フェザー級 5分3R
●立成洋太(パラエストラ千葉)
1R 2分18秒、TKO(グラウンドのパンチ→レフェリーストップ)
○岩本達彦(BLOWS)

▼第4試合 バンタム級 5分3R
●宮平 守太郎(トイカツ道場)
1R 2分14秒、腕十字
○井村 塁(NEXUSENSE)

▼第5試合 バンタム級 5分3R
●上野惇平(ハイブリッドレスリング八戸)
1R 2分11秒、KO(スタンドのパンチ)
○MG真介(パラエストラ東大阪)

▼第6試合 バンタム級 5分3R
●高杉遼介(新潟イエローマンズ)
3R 3分42秒、TKO(スタンドのパンチ→レフェリーストップ)
○宮島 夢都希(KRAZY BEE)

▼第7試合 バンタム級 5分3R
●聖王DATE(Team DATE)
判定0-3
○大谷啓元(パンクラスイズム横浜)

▼第8試合 バンタム級 5分3R
○修我(総合格闘技スタジオSTYLE)
判定3-0
●山本敦章(パラエストラ千葉)

▼第9試合 フライ級 5分3R
○山中憲次(FREEDOM@OZ)
判定3-0
●川北晏生(TRIBE TOKYO M.M.A)

▼第10試合 フライ級 5分3R
●竜己(KRAZY BEE)
2R 2分50秒、KO(スタンドのパンチ)
○井上暉也(パラエストラ加古川)

▼第11試合 フライ級 5分3R
○前田浩平(GRABAKA)
2R 3分19秒、チョークスリーパー
●竹内直矢(ベラトレオ函館)

▼第12試合 ストロー級 5分3R
○山北渓人(リバーサルジム新宿Me,We)
1R 4分51秒、アームロック
●大城正也(T-REX JIUJITSU ACADEMY)

▼第13試合 ストロー級 5分3R
●平賀正孝(TEAM URESPA)
1R 0分19秒、TKO(グラウンドのパンチ→レフェリーストップ)
○佐原弘汰(WIZARD MMA GYM)

▼第14試合 ストロー級 5分3R
●楠美貴嗣(T-Pleasure)
1R 1分01秒、フロントチョーク
○谷村泰嘉(禅道会)

[メインカード]
▼第1試合 ストロー級 5分3R
○八田 亮(ストライプル オハナ)
2R 2分50秒、フロントチョーク
●永井 美自戒(総合格闘技道場コブラ会)

▼第2試合 ストロー級 5分3R
●宮澤雄大(K-PLACE)
2R 0分39秒、チョークスリーパー
○髙島俊哉(リバーサルジム新宿Me.We)

▼第3試合 ウェルター級 5分3R
○村山暁洋(GUTSMAN)
判定3-0
●近藤有己(パンクラスイズム横浜)

▼第4試合 フライ級 5分3R
●荻窪祐輔(K-PLACE)
判定0-3
○猿飛流(リバーサルジム川口REDIPS)

▼第5試合 バンタム級 5分3R
●福島秀和(BLOWS)
判定0-3
○ブラッディ・ファン(DRAGON HOUSE MMA)

▼第6試合 セミファイナル フェザー級 5分3R
○中島太一(Lotus世田谷)
判定3-0
●ボリス・フェドロフ(ロシアパンクラチオン ハバロフスク)

▼第7試合 メインイベント フェザー級 5分3R
○堀江圭功(ALLIABCEg)
判定3-0
●内村 洋次郎(イングラム)

UFC帰りの堀江が内村に3-0の判定勝利!村山と近藤の7年ぶり2度目のベテラン対決は村山に軍配!

第1試合


 元ZST王者の八田は、2016年よりパンクラスに参戦している。2017年から連勝していたが、2018年11月、アンソニー・ドゥにTKO負けを喫し、連勝は3でストップ。2019年11月、1年ぶりの復帰戦に臨むも、体重オーバーした曹竜也に3R膝蹴りでTKO負けしている。今回はキャッチウェイトではなく、正規の階級での試合で出直しとなる。

 一方の永井はパンクラス初参戦。修斗、DEEPで闘ってきたが、初めての舞台で、どのような試合を見せるか。

 1R。軽くローを出す八田。永井は左右パンチ。八田が左パンチからタックルに入るが、これは切られた。再び八田がタックルからテイクダウン、側頭部を殴る。腕、ヒールを次々に狙って行くが、これは極まらず。
 立った永井だが、八田が引き込んでフロントチョークに取るが、外れる。八田が上体を引きつけるが、外した永井。ハーフになり残り1分。ボディ、側頭部を細かく殴る八田。永井は肩パンチを連打して終了。
 ジャッジは二者10-9で八田、1人が10-9永井を支持。

 2R。左右の蹴りからタックルに入る八田。しかし潜った永井が上になりパウンドを落とす。しかし、八田は立って離れる。
 組みに来た永井に対し、八田がフロントチョークに取る。ガッチリ極まり、永井がタップした。

第2試合


 2018年に初参戦した宮澤は3連勝中。前山哲兵、リトル、佐勢乃花に判定で競り勝ち勢いに乗る。

 対する髙島は2016年から参戦し、2017年にはNBT優勝を飾っている。2018年は2連敗で終えたが、昨年は早坂優瑠に判定勝ち。ランキング上位を狙う両者がぶつかる一戦。

 1R。プレッシャーをかけ合い、様子をみる両者。髙島がいくつかパンチを出すが、宮澤がタックル。尻もちをつかせる。髙島が立とうとした瞬間に宮澤がミドルキック。髙島のタックルを切った宮澤がパンチ、右ハイキックとたたみかける。
 宮澤が右ストレートをヒットさせると髙島がダウン! 宮澤はすかさずパウンドのラッシュ! しかし、髙島がしのぎ終了。
 ジャッジは二者10-9、1人が10-8といずれも宮澤を支持。

 2R。宮澤がパンチを当てていく。しかし、髙島は片足タックル。倒してバックに回り、チョーク! 宮澤がタップ。髙島がギリギリのところで鮮やかな逆転勝ちを収めた。

第3試合


 村山は2009年、DEMOLITIONでプロデビュー。続いて修斗で活躍したあと、2012年よりパンクラスに参戦。2016年には第9代ウェルター級KOPとなり、修斗の環太平洋王座と合わせ2団体で戴冠している。

 対する近藤は、1996年パンクラスでデビュー。初期のUFCやPRIDE、戦極などにも上がり、文字通りパンクラスを背負って闘ってきた。さらに、無差別・ライトヘビー級・ミドル級の3階級を制覇。まさにミスターパンクラスの名にふさわしい選手だ。

 村山と近藤の対戦は約7年ぶり2度目。前回(2013年6月)は判定で近藤が敗れているが、お互い7年を経てどう変わったのか、そしてどのような闘いを見せるのか。2人のレジェンドが再び相見える。

 1R。ローを出す近藤に対し、村山はパンチで距離を縮める。近藤は村山のパンチを防ぎながらローを打っていく。近藤が左ミドルを放つと、その蹴り足を取った村山がテイクダウン! バックに回り、チョークを狙う。鉄槌を落とし、逃がさない村山。残り2分。
 何とか立ち上がろうとする近藤だが、村山は逃がさず、殴って終了。
 ジャッジは三者10-9で村山。

 2R。距離を縮めていく近藤。左パンチがヒット! 村山はやや下がる。前に出ていく近藤。村山は組んでケージに押し込む。バックに回り、近藤が膝をつく体勢に。村山が再び首を狙うが、外す近藤。そして立った! だが、村山はバックをキープしている。倒して両足をフック。村山が殴り続けて終了。
 ジャッジは三者10-9で村山。

 3R。近藤は距離を詰め、三日月蹴りを放つ。さらにミドルを蹴るが、村山が足をキャッチして尻もちをつかせる。立ち上がる近藤。しかし、村山が再び尻もちをつかせ、首を狙う。近藤は外す。ディフェンスするだけでなく、何とか正対したい、またスタンドに戻したいところだが、村山はガッチリ捉えて離さない。
 振り切ろうとする近藤だが、じわじわと時間が過ぎていく。残り1分。バックマウントから村山が殴って終了。
 ジャッジは1人が30-26、二者が30-27で村山が勝利。
 近藤の打撃は良かったが、村山のバックキープを崩せず。また、村山も、体勢はキープし続けたものの極めることはできなかった。

 レジェンドと呼ばれる2人の対戦。会場には、この2人を知らない若いファンもいるかも知れない。「大きな舞台へ」「世界へ」がスローガンのようになっている昨今の格闘技界だが、その礎を築いて来たのは、近藤や村山のようなベテラン選手なのだ。しかも、ただ長くやって来ただけではない。各団体のベルトを巻いたり、世界や他団体で闘ったりと、現在の若い選手たちがやろうとしていることは、ベテランたちが10年以上も前、既にやってきたことなのだ。

 そして、村山は自分の道場を開き、後進の指導をするとともに切磋琢磨し、さらに成長していこうとしている。また、打撃のイメージが強い近藤は、44歳にして柔術を始め、昨年10月にはヒカルド・デラヒーバ杯2019に出場、アダルト白帯ミドル級で3位入賞を果たしている。
 この貪欲さ。年齢も経験も関係なく良いものを取り入れようとする貪欲さと、小さなプライドにとらわれず良いものを受け入れる素直さ。それを持っているからこそ、村山も近藤も、これまでのような足跡を残してこられたのではないだろうか。
 楽しみなのは、若い選手の成長だけじゃない。レジェンドと呼ばれる選手たちが生み出すさらなるレジェンドにも注目していきたい。

第4試合


 荻窪は2012年よりパンクラスに参戦。2014年にはNBTスーパーフライ級で優勝している。2016年の3連敗は脱したものの、その後は勝ちと負けを交互に繰り返している。前戦は南アフリカのレスリングナショナル・チャンピオンのボカン・マスンヤネの投げに翻弄され判定負け。しかし、今年最初の一戦で勢いをつけ、若手の踏み台にはならないつもりだ。

 一方の猿飛流は2017年に初参戦。昨年はNBTフライ級で優勝を飾り、この試合は“優勝ご褒美マッチ”となる。荻窪を食い、上位に食い込みたいところ。

 1R。荻窪のミドルをキャッチした猿飛流がケージへ押し込む。後ろに投げた猿飛流が上になり、ハーフマウントに。荻窪はボディを殴り、ヒジを入れる。猿飛流もボディを殴るが、荻窪は冷静に対処。ネルソンにとるが、抜けた猿飛流。立った荻窪に組みついていく。バックを奪い殴る。荻窪はヒジを打ち込み終了。
 ジャッジは三者10-9で猿飛流。

 2R。ローで距離をとる荻窪に対し、猿飛流はパンチを出していく。距離を縮め、押し込むようなタックルでテイクダウン! 大きくパンチを振り下ろす猿飛流、細かくパンチを入れる荻窪。さらに猿飛流がボディを殴って終了。
 ジャッジは三者10-9で猿飛流。荻窪にやや疲れが見えるか。

 3R。あとがない荻窪は思い切ってハイキック。しかし、猿飛流はパンチから組んでケージへ押し込む。投げるが、立ち上がる荻窪。しかし猿飛流が再び倒す。荻窪はヒジ連打。じわじわとケージ際へ押していく猿飛流。立ちたい荻窪だが、猿飛流は離さない。立ち上がりかけた荻窪を投げ、ヒザ連打。
 さらに投げを打つ猿飛流だが、立ち上がる荻窪。背中に乗った猿飛流を荻窪が前に落としたところで終了。
 ジャッジは三者30-27で猿飛流が勝利。

 鼻から出血しており、ダメージのあった猿飛流だが、3R通して荻窪をコントロールし、ほとんど何もさせなかった。これで5連勝。今後の飛躍が楽しみだ。

 荻窪はもっと早い段階で勝負をかけたかったところだろうが、猿飛流のグラウンドに阻まれ、見せ場を作れなかった。試合前に「思い切って自由に行きたい」と話していたが、残念ながら出しきれずに終わってしまった。しかし、2020年はまだ始まったばかり。巻き返しに期待したい。

第5試合


 2014年から参戦している福島は現在5位。2018年に2連勝のあと、昨年は5月に春日健士に判定負けして以来、1年近くぶりの試合となる。勝って上位に食い込みたいところだ。

 対するファンは初参戦。カンフーがベースだが、レスリングも経験しているという。2017年9月にはURCCバンタム級王座を獲得し、2018年8月に現UFCファイター、マーチン・デイに敗れるまで10勝7KO3一本勝ちという戦績を誇っていた。果たしてどのようなファイトを見せるのか。

 1R。お互いにパンチを振る。早くも福島の右目の下が赤くなっている。パンチで入って来たファンの中にうまく入った福島がテイクダウン。しかし、ファンは持ち上げるようにして立つ。
 ファンはパンチ、右ハイ。片足を取る福島だが、ファンは付き合わない。プレッシャーをかけていくファン。福島が放った右パンチがヒット! 効いたようだが、パンチ直後に終了のホーンが。
 ジャッジは三者10-9でファン。

 2R。お互い距離を取り合う。ファンが飛び膝を打つが、これは不発に。フェイントをかけながらタックルのタイミングを狙う福島だが、入って行けない。お互いパンチ。福島が片足タックルからテイクダウン! お互い殴るが、レフェリーが試合を中断。ファンが後頭部を殴っており、注意が与えられた。
 再開。殴る福島。下から足を狙うファンだが、福島が足を抜いた。ここでスタンドとなり、ファンが強いパンチを打つ。さらに組んでケージへ押して行くと、福島が入れ替えてヒザ! しかし、これがローブローとなり、タイムストップ。
 再開。ファンのパンチで福島の腰が落ちる。しかし、上に。ハーフマウントから殴るが、パスできない。すると、ファンが上になり、ボディを殴る。終了。
 ジャッジは1人が10-9でファン、二者10-9で福島と割れた。

 3R。福島がパンチから片足タックル、テイクダウン。さらにハーフマウントへ。ガードに戻したファンがパンチを落とす。ファンが立ち、ケージへ押し込んでいく。突き放した福島は片足を取るが、ファンが外した。
 足を取りに行くが、取れない福島。ファンは距離を取り、入らせない。福島が切られ続けて終了。床を叩いて悔しがる福島。
 ジャッジは二者29-28、1人が30-27。3-0でファンが勝利。

ファン コメント
「相手はすごくタフで、めちゃくちゃタフな試合でしたが、初めての日本で試合ができたことに感謝しています。前から、相手はタフだと思って準備していました。とても楽しかったです」

第6試合


 2012年から参戦している中島は、昨年カイル・アグオン戦、ユータ&ロック戦と2連敗中。今年1月から八隅孝平の主宰するLotus世田谷に移籍。心機一転の一戦だ。

 対するフェドロフは、プーケットのタイガームエタイジムで練習を積んで来たという。強者揃いのロシア・パンクラチオンの選手だけに、油断はできない。

 1R。ローからパンチを繰り出すフェドロフ。中島は、パンチを潜り片足タックルからケージ際へ持って行きテイクダウン。下から殴るフェドロフ。中島はガッチリとキープして逃がさない。殴りながら立とうとするフェドロフだが、中島は逃がさない。
 立ったフェドロフだが、すぐに片足をつかむ中島。逃がさず倒す。下から殴るフェドロフ、中島は肩パンチ、ヒジを入れて終了。
 ジャッジは三者10-9で中島。

 2R。中島が右パンチから片足タックルに入り、ケージへ押し込む。細かく殴って離れるフェドロフ。しかし、中島が再びケージへ押し込んで行く。お互いヒザ、パンチを出し合う。
 中島が組みに行き、バックに回る。ヒザを入れるフェドロフ。パンチを増やし、中島が鼻から出血。しかし、また組んでケージへ。フェドロフが首相撲からヒザを打ち込む。離れてパンチを打ったところで終了。
 ジャッジは2Rも三者10-9で中島。

 最終ラウンド。初めてフェドロフがタックルを仕掛けるが、中島は切る。再びフェドロフがタックルに入り、ケージへ押し込む。しかし、中島が入れ替えた。ヒザを打つ。フェドロフもヒザ連打。
 中島が離れると、パンチを出し合う。フェドロフのタックルを切り、中島が片足タックルからケージへ押す。バックに回り、崩すが立つフェドロフ。中島が投げ、首を狙ったところで終了。
 ジャッジは二者30-27、1人が29-28。3-0で中島が勝利。

中島 コメント
「幸せです! 僕のファイトスタイルは打撃というイメージがあると思いますが、自分の強みは組みなんです。それを全面的に出していかないと勝てないと思います。組みを出したら打撃もいけるようになりました。これがMMAだ! けっこう強い相手に勝ったので、もうここからは、フェザー級は2〜3人くらいしかいません。パンクラスのベルトを目指して、強い選手と闘いたいです」

第7試合


 当初、メインとして予定されていたライト級暫定王座防衛戦が、王座返上により消滅したため、セミファイナルがメインに昇格した一戦。

 堀江は 2016年よりパンクラスに参戦。2018年3月の田村一聖戦を除き、8戦全勝している。UFCを目標にしており、昨年7月、憧れの舞台に上がったたが、KO負けを喫し、リリース。しかし、UFCへの憧れは変わらず、また、アメリカでのトレーニングにも手応えを感じているという。古巣のパンクラスで経験を積み、再びUFCを目指すという。

 一方の内村は2012年より参戦。一時パンクラスを離れた時期や連敗が続いた時期もあったが、2017年からは4勝2敗(うち3KO)の戦績を残している。前日計量では「パンクラス推しの相手なんで、食っちゃおうかな?っていう感じです」と笑っていた内村。前戦(昨年4月、亀井晨佑戦)のごとく、ストライカーの凄みを見せるか。

 1R。プレッシャーをかけて行く内村。堀江はロー。内村が入ると、これを受け止めた堀江がテイクダウン。内村はボディ、顔面を殴る。堀江はハーフマウントから側頭部を殴っていく。内村はガードに戻すが、堀江が立ち、大きくパンチを落としながらかぶさる。
 内村も立つが、堀江はすぐ組んでケージへ。内村は離れてパンチ、ロー。堀江もパンチを打って終了。
 ジャッジは三者10-9で堀江。

 2R。内村バックブロー。さらにパンチを打つと、これをくぐった堀江がタックル。さらにバックに回り、ケージへ押し込んで行く。内村、ヒジを入れて離れた。堀江はボディブロー、そして左フックを大きく打ち込む。内村も右フック。さらにフェイントをかけながらパンチと蹴りを打っていく。
 堀江はパンチを振りそのままケージへ。内村が入れ替えてパンチ。堀江がさらに入れ替える。
 内村がヒザを連打し離れると、堀江が大きくパンチを振る。内村バックブローで終了。
 ジャッジは10-9で1人が内村、二者が堀江を支持。パワーのありそうなパンチを振る堀江だが、やや荒いか。

 3R。プレッシャーをかけていく内村。堀江はパンチからタックル、ケージへ押し込む。バックに回るが、内村が手首を取る。正対してケージへ押す堀江。
 離れ、再び組みに行く堀江だが、内村は倒れない。堀江はケージへ押し込み、お互いヒザ。ここで両者離れるが、タイムストップがかかる。堀江が右目の目尻あたりをカット、かなり出血している。
 再開。パンチを打ち合う両者。堀江が一瞬、笑顔を見せた。蹴りから組み、バックを取る。内村はケージまで移動。組んで投げ、バックを取る堀江。再び傷が開き、大出血。内村が立ち上がったところで終了。
 ジャッジは二者30-27堀江、1人が29-28堀江。3-0で堀江が勝利した。

堀江 コメント
「ただいまです! UFCで負けちゃいましたけど、心は全然、折れてないので。自分のミスで負けてしまったので。諦めずにやります。今日の内容だと難しいかもしれませんけど、内村選手のような強い選手と闘えていい経験ができました。また世界に挑戦して、今度はチャンピオンになります!
 特に誰とやりたいというのはないですけど、夢の舞台にまた挑戦できるような経路で行きたいと思っています。今日は、たくさんの応援ありがとうございました」

 打ち合いになると予想されたカードだが、堀江がタックルからのテイクダウンという引き出しを見せた。しかし、内村も容易には決めさせない。さらに、素晴らしい打撃で見せ場も作った。若い堀江の力もあるが、ベテラン内村の力とプロ意識があってこその内容だったのではないか。こんな試合ができる選手は、なかなかいない。タイトルマッチ消滅でメインに昇格した試合だったが、メインイベントにふさわしい内容となった。堀江、内村両選手の今年の活躍に、ますます期待したい。

(写真・文/佐佐木 澪)

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