“修斗vsPANCRASE”の対抗戦に出場した松本光史が9年ぶりのPANCRASE参戦を発表!「昨年ONE Championshipで負けた久米鷹介選手ともう一度戦いたい」
2月18日午後、都内新宿区のパンクラスで、松本光史(フリー)が記者会見を行なった。
松本は『PANCRASE 314』(4月12日、新木場スタジオコースト)から、パンクラスに参戦する。対戦相手はパンクラス同級9位の松岡嵩志(パンクラスイズム横浜)に決定した。
松本は2011年8月、パンクラスに一度だけ上がっている(高橋“Bancho”良明戦、判定負け)。以来、約9年ぶりの出場となる。
2009年、修斗でプロデビューした松本は、PXC、HEATなどにも参戦。修斗では第8代環太平洋ウェルター級王者(2015年)、第12代世界ライト級王者(2016年)を獲得している。
岡野裕城(2018年3月)、小谷直之(2019年3月)らの挑戦を退け、修斗の王者として君臨して来た松本だが、このたび、2月16日付でベルトを返上。新天地・パンクラスに殴り込みをかけることとなった。
前回は1試合のみの参戦だったが、今回はある目標を持って参戦したという。
松本との質疑応答は以下。
――今回、パンクラスに参戦することになった、きっかけや経緯を教えてください。
「はい。修斗ではずっと防衛もして来ましたし、環太平洋と合わせて長くやって来ました。長くなると、同じ相手ともやっていますし、なかなか次の相手がいなくなってしまって、試合ができなくなってしまうんです。そこで、違う相手、よその強い相手とやってみたいと思ったのが一つあります。
それから、ONE(2019年10月・両国大会での修斗VSパンクラス対抗戦)で久米(鷹介)選手に負けてしまいました。そこで悔いを残してしまったんです。フレッシュな気持ちでパンクラスに上がらせていただいて、久米選手とまたやってみたいと思ったのがもう一つの理由です」
――松本選手は、修斗のファンをとても大切にして来ました。そのファンに対しての気持ちは?
「なかなか試合が組まれない中で外に出てしまうのは、どうなのかという考え方もあると思います。自分としても、キツイ時期に、修斗のファンに励ましてもらったという思いがあります。
でも、自分が外に出たからといって、裏切ったと思う人っているのかな? とも思うんです。外に出ても、そこで勝って行けば、やっぱり修斗は強いという証明になる。そう思ってもらえれば、恩返しになるんじゃないかなと思っています」
――所属がフリーとなっていますが、現在の練習環境は?
「メインは、北岡(悟)さんとLotus(世田谷)でグラップリングを練習しています。それが自分の軸になっているんですが、それが今回はできない(※松岡も同ジムで練習しているため)ので、KRAZY BEEに行ったりとか流動的にやっています」
――パンクラス、また、パンクラスのライト級戦線に対しては、どのような印象をお持ちでしょうか。
「パンクラスのライト級にはキングとして久米選手がいて、暫定で(サドゥロエフ・)ソリホン選手がいて、強い選手が揃っていると思います。一筋縄ではいかないような選手がたくさんいますね。今回9位に勝ったら、次はどんなマッチメイクされるのか楽しみです。
僕の根本にあるのは、自分が強くなること、それが一番です。参戦することで自分が強くなれると思えるところなら出てみたいです。パンクラスに上がると決めたのは、久米選手という強い選手がいるからです」
――久米選手との試合を、改めて振り返っていただけますか。
「正直、試合が始まるまでは、そんなに高ぶった気持ちがなかったんでシウ。でも、久米選手の強さなのか、自分の能力が発揮できていないと試合をしながら思いました。環境の違いかも知れませんが、最後に競り負けた、という気持ちがあります。悔いが残っています。その悔しさや悔いを超えていかないと、強さの証明はできないと思っています」
――久米選手側から見ると、松本選手には一度勝っているので、再戦するメリットはないのではないかと思いますが、実現させるには?
「パンクラスのファンの人に、『コイツ、久米選手より強いんじゃないか』と思わせるような試合をすることじゃないでしょうか。勝ってコツコツとランキングを上げていくっていうのは、つまらない。そうじゃなくて、僕と久米選手の試合を見たい、というムードにさせるようなパフォーマンスをガツンと見せることだと思います」
――怪我をして暫定王座を返上してしまったソリホン選手ですが、どのくらい強いと思いますか?
「外国人選手特有の、何でもないような打撃でガツンとやるという感じですね。でも、総合力はそれほどじゃないんじゃないかと思います。ソリホン選手とも闘ってみたいですね」
――パンクラス次回大会(3月8日『PANCRASE 313』)では、ライト級の暫定王者決定戦があります。このあたりはいかがでしょうか。
「ソリホン選手が欠場するのが残念だなと思いました。今度闘う2人の試合は、ちゃんと見たことがないので、今はどんな選手なのか分かりませんけど、暫定王座を争うからには戦績もある選手なんだと思います。見てみたいです。自分もいつか当たるかも知れないですし。パンクラスのライト級戦線でどんな選手と闘えるのか楽しみです」
――パンクラスのベルトに対する印象は?
「大きいなあと(笑)。持ち運ぶのが大変そうだなと思います」
――さて、4月、相手の松岡選手の印象はいかがでしょうか。
「何回か一緒に練習したことがあって、いい選手だなと思います。北岡さんや八隅(孝平)さんに教わって、丁寧にやって来た選手という印象です。突出して力が強いとは思いませんが、きちんとできる選手だと思います」
――どんなところを見せたいですか。
「修斗の王座を返上してそのまま来るので、負けたわけでも弱くなったわけでもありません。ガツンとでかいインパクトを残して勝ちたいです。浮き足立たないで、芯の強さを見せられたらいいですね」
淡々と質問に答えた松本だが、強さへの強い意志がひしひしと感じられた。
現在、修斗から来た選手が多数活躍しているパンクラスのケージ。松本も修斗の強さを見せるのか。それとも、松岡がパンクラスの意地を見せるか。見逃せない一戦だ。
(写真・文/佐佐木 澪)