12・24PANCRASE横浜武道館大会でバンタム級暫定KOP戦に臨む河村泰博と透暉鷹が調印式を実施!栄冠を掴むのは里帰りしてチャンスを掴んだ河村か、手術明けのリスタートを切る透暉鷹か

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 12月23日午後、都内目黒区のU-NEXTにて、『PANCRASE 340』(24日、横浜武道館)のコーメインとなるバンタム級 暫定王者決定戦の調印式が行われた。
 調印式は計量終了後に行われ、河村泰博(和術慧舟會AKZA/第2代Fighting Nexusバンタム級王者・1位)と透暉鷹(ISHITSUNA MMA/第2代フェザー級王者・2位)が出席。廣瀬隆司・パンクラス評議委員長の立ち会いのもと、出場誓約書にサインした。

 河村は2015年よりパンクラスに参戦。大阪大会ではメインイベントも務めたが、2020年10月を最後にパンクラスを離れ、修斗、RIZIN、Fighting Nexusを歴戦。今年9月にパンクラスに復帰すると、1位の井村塁をフロントチョークで下し、このチャンスをつかんだ。

 対する透暉鷹は第9代フェザー級KOP。昨年7月、亀井晨佑を破り王座に就いた。しかし、同年12月にパン・ジェヒョクに判定勝ちした後、ケージを遠ざかっていた。
 怪我の手術を終え、フェザー級のベルトを返上。1年ぶりの試合は、階級変更初戦にして暫定王者決定戦となった。

 両選手との質疑応答は以下。

――まず、両選手より一言ずつお願いします。
透暉鷹「石綱ジムの透暉鷹です。バンタム級初戦でタイトルを組んでいただき、本当にありがとうございます。パンクラスの期待にしっかり応えるように、最高のコンディションで試合を迎えられました。河村選手、明日は最高の試合をしましょう。よろしくお願いします」

河村「Fighting Nexusバンタム級チャンピオンの河村です。 前回、1位の井村選手を倒して今回のタイトルマッチが決まりました。パンクラスさんの方から透暉鷹選手という、かなり強い選手を準備していただいてますので、しっかり立ち向かいたいなと思っております。よろしくお願いします」

――では、質疑応答に移ります。最初に透暉鷹選手からおうかがいします。バンタムの身体ですが、実際に練習で動いている手ごたえはいかがですか。
透暉鷹「自分、手術を2月、3月にしたんですけど、それ以降、スパーリング(の間隔)を開けて、5月、6月ぐらいから、しっかりバンタム級の身体を作ってきました。バンタムの方が練習の質も上がって、実力もフェザーの時よりどんどん上がっていると実感しています。今回、フェザー級よりコンディションが良い状態で試合に臨めそうなんで、全然問題ないです」

――両選手にお伺いします。今回の試合に向けての練習環境を教えてください。透暉鷹選手からお願いします。
透暉鷹「そうですね、名古屋で日沖(発)さん率いる名古屋のチームと、春日井(寒天 たけし)さんのチーム、プラス石綱ジムで、いつも通り、ずっと一緒にやってきた仲間たちと練習をしてきました。自分と仲間をしっかり信じて勝とうと思います」

――ありがとうございます。河村選手お願いします。
河村「僕は、タイトルマッチに向けて特別なことはしなくて、今まで通りの練習をしてきました。まあ、ただ1つ言えるのは、僕は寝技が得意で、一本決着がすごく多いんですけど、打撃も今、結構、力を入れて練習しているので、そこの部分も見せられたらなと思ってます」

――カード発表会見の時にも少しお聞きしたんですが、この試合が決まった時の気持ちをお聞かせください。
透暉鷹「そうですね、相手はまさか河村選手とは思ってなかったです。(ブランクが空いたので)前回勝ったからといってランキング1位の選手とはやると思ってなかったですし、しかもいきなりタイトルマッチになるとは考えてなかったです。今回は、相手どうこうよりも、自分がしっかり今まで作ってきたものを出すっていう試合になると思います」

河村「前回(今年9月)出た時に、僕の試合まで会場があんまり盛り上がってなくて、僕の試合で火がついた感じがしたんですよね。それで、パンクラスの選手たち、悔しくないのかなっていうすごい気持ちを持っていたんです。これは計量の時にもちょっと言ったんですけど、(このカードは)僕のそういう発言の中で決まったカードだと思っています。そんな中、パンクラスさんが今回準備してくださってる相手が透暉鷹選手っていうことで、この試合はパンクラスさんと僕との闘いでもあると思ってますし、透暉鷹選手と僕との闘いでもあると思ってます。なので、パンクラスが準備してくれた最強の相手に、しっかり立ち向かっていきたいなと考えています」

――透暉鷹選手にお伺いします。一度ベルトを返上されて、また新たにベルトに挑戦されますが、このベルトに対する気持ち、いかがでしょうか。
透暉鷹「そうですね。パンクラスっていう団体のベルトは、今までの歴史も長いですし、すごく価値があるものだと思っています。なので、自分もしっかり実力を出してベルトを懸けて闘いたいですし、パンクラスのベルトにふさわしい試合をしたいです」

――ありがとうございます。では、河村選手にお伺いします。河村選手は、ずっとパンクラスで闘っていらっしゃって、それからNexusでベルトを獲って凱旋したという形になります。パンクラスを離れていた間に、何か闘いに対する心境の変化とか、パンクラスに対する見方の変化などがあれば教えてください。
河村「闘いに対する心境というところは、パンクラスを離れていた時もずっと同じ気持ちで試合をしていて、たまたま、それがちょっと違う団体だったっていうところですね。今回、僕がパンクラスに戻ってきたのは、ちょっと、パンクラスの選手たち、上位陣が他団体に出たりしていて、ちょっと盛り上がってないなっていう気がしたんですね。
 そこで、僕が戻ってきて、アクセントになればいいなと、そういうふうな気持ちがあって戻ってきて、前回の試合でしっかり結果を残すことができました。そして、こういった形でタイトルマッチを組んでくださっています。自分の気持ちは、パンクラスをもう1回盛り上げたいっていうことなんです。なので、このベルトを獲ってすぐ違う団体にまた出るとかっていう話ではなくて。僕は最近のパンクラスの選手たちとはあんまり闘っていないので、今回このベルトを獲して、しっかりバンタム級のランカーの選手たちと今後闘っていきたいなっていう気持ちも持っています」

――ありがとうございます。前回の会見以降、それぞれが相手を研究して、新たな対戦相手の印象も見えてきたかと思います。そこで、今感じている対戦相手の印象と、何が試合の勝負のカギになるかをお答えください。
透暉鷹「そうですね、やっぱり組みの一発のところもあると思うんですけど、自分はスタンドの部分がすごい鍵になるなと思っています。グラップラーと言ってもスタイルが全然違うんで、スタンドの部分とグラウンドの部分、どっちもそうですけど、スタンドのところがカギになると思っています。

――ありがとうございます。河村選手はいかがでしょうか。
河村「そうですね、相手選手の映像なんかを見ると、フェザー級の時から結構フィジカルが強くて、破壊力、攻撃力がすごく高いなと思っていて、僕がそこにどこまで耐えられるか、耐えて、どこかで一本取れるかどうかっていう闘いになると思っています。それは、前回の会見の時からずっと変わってないですし、最終的に一本を取るっていうところを目標に練習をしてきたので、それを明日、見せたいなと思ってます」

――ありがとうございます。では、明日、どんな形で決着をつけたいか教えてください。理想のフィニッシュですね。透暉鷹選手からお願いします。
透暉鷹「自分もいろいろ経験してきましたし、もちろん、フィニッシュはいつでもできるように狙ってるんですけど、でもやっぱり勝負の世界って、そんなに甘くはないです。今回は5Rあるんで、その中でフィニッシュできるタイミングは、絶対あると思います。相手のミスだったりとか、自分の闘ってるタイミングで、どこかでフィニッシュできればいいなと」

河村「僕の理想的なフィニッシュとしては、4R目で。4R目の序盤で一本勝ちしたいなと思ってます」

――その、4R目の序盤というのは?
河村「タイトルマッチは5Rあるということで、結構スタミナ勝負になってくると思うんです。(ワンマッチの)3Rの闘いは、透暉鷹選手も僕もたくさん経験してきていますけど、それ以降、4R、5Rの闘いって、まだ未知数だと思います。なので、そこを超えたところの勝負を僕は意識していて、その辺りでフィニッシュできればなと考えています」

――それでは、もう1つ質問させていただきます。明日は、パンクラスの30周年記念興行Vol.2ということで、そうそうたるカードが並びました。その中で、こういうインパクトを残したい、またはこういうところを見てほしいということを教えてください。透暉鷹選手からお願いします。
透暉鷹「1年ぶりの試合で、階級変更した初戦で、皆さんも周りの方たちもすごく期待してくれてると思うので、そこに応えたいです。それは、この大会を盛り上げるって意味でもそうですし、期待に応えたいと思います」

――ありがとうございます。河村選手はいかがでしょうか。
河村「この試合に注目って言ってくれてる人がけっこう多くて、僕はあれ? メインじゃないの? って思ってたんですけど。あ、それは冗談なんですけど(笑)、メインと思われるぐらいの試合をこの2人ならできるかなと思ってるので、そういった試合にしたいなと思ってます」

――ありがとうございます。では最後に、応援してくれる皆さんに向かって、意気込みやメッセージをお願いします。
透暉鷹「はい。1年ぶりで、階級変更して、手術もあってっていうことで、この1年間、周りの方にすごく支えられてここまでやって来られました。その感謝の気持ちをもって、今回の試合に臨みます。自分が最高の試合をして勝つことが恩返しになると思ってるんで、試合でしっかり見せたいと思います。明日は応援よろしくお願いします」

河村「僕はNexusの現バンタム級チャンピオンなんですけれども、僕が勝つと、ベルトを2本持つことになるんですね。そうなれば、格闘技界というか、バンタム級界隈は、なんかちょっと混乱するんじゃないかなと思います。僕はその混乱を起こしたいなと思ってます。よろしくお願いします」

――ありがとうございました。

 カード発表会見の時はヒールを演じていた河村だが、「今回はちょっとおとなしくしてみました」と照れくさそうだった。しかし、もしベルトを巻けば、ヒールの王者で行きたいと語った。「パンクラスをもう一度盛り上げたい」と話していた河村。2024年を掻き回す存在となれるか。
 そして、手術からケージに戻ってきた透暉鷹には再スタートの大切な試合となる。両選手の力と気持ちが真っ向からぶつかり合う試合になりそうだ。


(写真・文/佐佐木 澪)

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