【RIZIN.17】矢地封じた朝倉未来、今後の階級は!?
(文/フリーライター安西伸一)
7月28日(日)、さいたまスーパーアリーナで行われた「RIZIN.17」のラストを飾った第12試合では、朝倉未来が矢地祐介に3-0で判定勝ち。3Rの終了ゴング直前、未来の左フックで矢地が倒れたシーンは、両者の力量差を見せつけるものだった。
試合の中で優劣の差はハッキリしていて、試合直後、コーナーのロープを登って観客にアピールする未来の表情にも、感情がたかぶっている様子は見えなかった。
「分析した通りの前足のローキック、こっちが先手打っていったので、うまくいきましたね。構えの前足が内側向いていて、(ふくらはぎを蹴る)カーフキックが弱点だなってまず思ったんですよね。それと、圧をかけられた時のリアクションが全部大きいので、フェイントを多く出して、出させた攻撃にカット合わせるっていうことと、ボディ。全部うまくいきました。(相手のテイクダウンは)力強かったですけど、まあ俺の腰も相当強いと思うので、なかなか倒せないと思います」と未来。試合中に何度か笑顔を見せていたのは、「楽しくなっちゃって。今回二人ともすごいリスク背負ったので、お互い本気で殴り合っている時に、なにか楽しいなっていう感じでしたね」
元々、未来は矢地を認めているという。「まあでも、性格的にはちょっと仲よくできないかもしれない (苦笑)。僕の弱点を何個か見つけたって言っていたので、自分の分析をしたんですよね、何試合か。そうしたら、俺もちょっと内側向いてるわと思って。ローのカットとか、あんまり出来ていないから、(相手が)打ってくるだろうなっていうのは思っていましたね。でも入りのカーフキックで来ると思っていたら、普通のローキックでしたね、だいたいが」
それを距離を取ってはずしたりしていた未来。想定内の攻防を冷静にしていたのだ。
試合直後のリング上では、未来は「CRAZY BEEのこと、(試合前の)あおりでバカにしちゃいましたけど、全然リスペクトしてるんで、また出稽古で教えて下さい!」とマイクを通して話す。
続けて「喋るよりコブシまじえたら、色々伝わるものがあるので。矢地君も強い選手で、たまたま今、連敗が続いていますけど、年末(の2大会で)ベラトールと対抗戦やるんだって!? 一緒に闘って日本、盛り上げましょう!」
12月のさいたまに向けて一気にアピールしたものの、バックステージのコメントブースでは取材陣に対し「まあ、ファイトマネー次第で、出たいと思います」と、ややトーンダウン!?
なお、開催されるライト級GPに対しては「そこまで興味はないですねえ。俺の基準として、フェザー級ならUFCとかの奴でも通用すると思っているんですよ。だけどライト級でやった時に、UFCのトップどころに勝てる気がしない。そういう気持ちを持ったまま、トーナメントに出るのは良くないと思うので。そこは自分の階級(フェザー級)でやりたいとは思っています」と心情を話した。
これに対してはRIZINサイドの榊原CEOは「フェザー級GPは今年やるつもりもないので、(出場してくれるよう)毎晩口説きに行く」と明言。ライト級GPは10月12日、「RIZIN.19」大阪で開幕する。