長州力公認“革命狂戦士”のヨシタツが三冠ヘビー級王座に挑戦も革命ならず!「これからも全日本プロレスに革命を起こしていく」
30日、東京都・後楽園ホールにて全日本プロレス『2019 DYNAMITE SERIES【最終戦】』が行われ、三冠王者・宮原健斗がヨシタツの挑戦を退けV5を達成した。
宮原は、今春のチャンピオン・カーニバルで三冠王者として優勝するという天龍源一郎が2001年に成して以来18年ぶりの快挙を達成し、先月にはチャンピオン・カーニバルで自身を破った石川修司の挑戦を退けてV4を達成。“令和のエーズ”としてその地位を不動のものとしていた。
そして、次に挑戦名乗りを上げたのは“ヨシケン”として宮原とタッグを組み、ともに世界タッグ王座を獲得したこともある盟友・ヨシタツ。ヨシタツは2017年に新日本プロレスを退団後に“外敵”として全日本プロレスの王道トーナメントに参戦して宮原と邂逅し、幾度もの戦いを経て絆を育んでいった。
その後、ヨシタツは地方巡業にも帯同しフル参戦していることもあり、今ではファンもヨシタツを全日本の仲間として受け入れて温かい声援を贈るまでになっている。
そしてヨシタツは2日の神戸大会で宮原の三冠王座に挑戦を表明。現在自身が持つコロナ・プレミア・インターコンチネンタル王座、GAORA TV チャンピオンシップに三冠王座を加えた“シングル五冠王”となることを宣言し、今月18日の後楽園ホール大会での前哨戦では宮原を失神KOに追い込むなど先の読めない展開を見せていた。
この日はヨシタツを応援する大勢のファンが詰めかけ、超満員札止めの後楽園ホール内にはヨシタツの応援ボードを掲げる観客の姿が数多く見られた。
試合は終始宮原が攻め込んでいく流れで進行していくものの、要所要所でヨシタツが的確な反撃を加えていき、20分過ぎの終盤にはお互いに満身創痍で互角の状態に。ヨシタツは宮原が攻め疲れを見せた瞬間に飛びついてヨシタツ幻想で失神KO寸前まで追い込み、コードブレイカー・フロム・ジェリコから再びヨシタツ幻想を狙う。しかし宮原がこれを回避しブラックアウトを3連発からこだわりのシャットダウン・スープレックスホールドで叩きつけて試合を決めた。
試合後、これでV5を達成した宮原は「ヨシタツさんと出会えたのは俺にとってもプラスになってるし、このタイミングでヨシケンで三冠戦をやれたということを誇りに思います。ヨシタツさんという選手は歴史があって、いろんな団体で戦ってきた選手だ。俺はその素晴らしいキャリアを尊敬してる。でもヨシタツさんは、そのキャリアに驕らず今を生きている。だから僕はずっと組んでるんだと思う」とパートナーでもあるヨシタツへ賛辞を贈る。
対するヨシタツは、「俺はあんなすごいヤツと組んでたのかって改めて今日再認識しましたよ。俺はタッグパートナーに恵まれる人生だね。すごいよ。本当に強い。真のチャンピオンだね。次に三冠に挑戦する時は“ヨシタツが獲らないと暴動が起きる”というくらいにお客さんの支持率を得てからしたいと思います。革命失敗!」と宮原を評価しつつ早くも前を向く。
そして、「長州さんが引退して、“革命戦士”と呼ばれる選手がいなくて。俺は“革命狂戦士”って少し前から名乗り出して、長州さんに『使っていいですか?』って聞いたら、下向いて笑って『お前はいつまで経ってもバカだな』って言われたんですよ。これはOKという意味だと思うんで。長州選手が引退されたいま、天龍さん(天龍源一郎)もいないんで、“革命”っていう言葉、俺の独占、専売特許にさせてもらおうと思います。革命狂戦士、革命第一弾、達成ならず。でもこれからも、この全日本で革命を起こしていきますよ」と6月に引退した長州力の意志を継いでいくことを改めて宣言。
そしてヨシタツは「今日の応援ボード見たでしょう?あれは全日本にはない文化だから。俺は全日本の選手の誰とも生まれも育ちも違うから。俺にしかできないことってああいうことだと思うから。全日本に新しいものをドンドン取り入れて行こうと思います。例えああいう細かいことでもいいから、とにかく俺は新しい風を全日本に吹き込んでいきたい。毎日が革命ですよ。毎日が革命記念日。WE CAN DO IT!ステイ・チューン!」と爽やかに去っていった。
宮原は、自身がヨシタツに負けている部分として“自己プロデュース力”を挙げている。宮原がパートナーのヨシタツからそれを学び取ってモノにしたときが、宮原が最高を超える最高の三冠王者となるときなのかもしれない。