【試合詳細】6・30 全日本プロレス後楽園ホール大会 【三冠ヘビー級】宮原健斗vsヨシタツ 【世界タッグ】諏訪魔&石川修司vsパロウ&オディンソン 岩本煌史&大森北斗vs佐藤光留&和田拓也
『2019 DYNAMITE SERIES【最終戦】』
日程:2019年6月30日(日)
開始:18:30
会場:東京都・後楽園ホール
観衆:1630人(超満員札止め)
▼シングルマッチ 20分1本勝負
○岡田佑介
6分6秒 フィッシャーマンズスープレックス・ホールド
●田村男児
▼6人タッグマッチ 分1本勝負
秋山準/●丸山敦/西村修(フリー)
9分18秒 アックスボンバー→片エビ固め
○大森隆男/渕正信/ブラックめんそーれ
▼タッグマッチ 分1本勝負
青柳優馬/●青柳亮生
4分40秒 ブラックホール・スラム→エビ固め
○ギアニー・ヴァレッタ(マルタ)/鈴木鼓太郎(フリー)
▼タッグマッチ 分1本勝負
岩本煌史/●大森北斗
9分4秒 腕ひしぎ逆十字固め
[変態アブソリュート]○佐藤光留(パンクラスMISSION)/和田拓也(フリー)
▼6人タッグマッチ 分1本勝負
ゼウス/●ディラン・ジェイムス(フリー)/ノビー・ブライアント(PWR)
10分24秒 マキシマム→片エビ固め
ジェイク・リー/○野村直矢/崔領二(ランズエンド)
▼世界タッグ選手権試合 60分1本勝負
【第85代王者組/暴走大巨人】諏訪魔/○石川修司
18分15秒 ジャイアントスラム→片エビ固め
【挑戦者組/THE END】パロウ(EVOLVE)/●オディンソン(EVOLVE)
※第85代王者組が2度目の防衛に成功
▼三冠ヘビー級選手権試合 分1本勝負
【第62代王者】○宮原健斗
26分15秒 シャットダウン・スープレックスホールド
【挑戦者】●ヨシタツ(フリー)
※第62代王者が5度目の防衛に成功
三冠王者・宮原が長州力公認の革命狂戦士・ヨシタツを退けV5達成!諏訪魔&石川が新合体技解禁で世界タッグ王座防衛!故・青木篤志さんの遺志を継ぐ光留&和田がタッグ戦線に参入?!
第1試合
ゴングが鳴ると、手4つからグラウンドでのバックの取り合いとなり、男児が押し込んでクリーンブレイク。再び向き合ってロックアップからヘッドロック、ショルダータックルの攻防となり、男児が雄叫びを上げながら何度もぶつかっていき岡田をなぎ倒す。男児はボディスラムで叩きつけ、エルボー連打。ロープに走るが岡田がガットショットで止めてDDT。
岡田は男児にスイングネックブリーカーからスリーパーホールド。男児は足を伸ばしてブレイク。岡田は後頭部にエルボースタンプを落とし、コーナーに振って串刺しランニングブート。さらにスリーパーホールド。これをブレイクされるとブレーンバスターを狙うが、男児が耐えると岡田はコーナーに振って突撃するが、男児がブートで止めてコーナーに上がりダイビングショルダー。
さらにショルダータックル、俵投げと続けてコーナーに上るが、岡田がデッドリードライブで切り返す。さらに岡田は男児の顔面にブートを叩き込んでいくが、男児も意地を見せエルボー連打。岡田は「もっと来いや!」と挑発し、男児も何度もエルボーを打ち込んでいく。男児はロープに走るが岡田はキチンシンクでカウンターし、バックドロップからフィッシャーマンズスープレックス・ホールドで叩きつけ、カウント3を奪った。
<試合後コメント>
田村男児
――今日は気持ちをぶつけるという試合だったのではないかと思いますが?
「思い切り気持ちをぶつけて。タックルなど一発一発に気持ちを込めていったんですけど。やっぱ相手の方がでかかったんで。まだまだ、まだまだ未熟で力不足でした。まだ実績もないので頑張っていかないといけないです。」
――最後のバックドロップをカウント2で返したところに成長を感じましたが?
「今までああやって一発で獲られてたんですけど、今日は無理矢理なんとしても返そうと思って。まだまだ頑張ります。これからも成長していきます。以上です。」
第2試合
大森と西村が先発に出てゴングが鳴ると、ロックアップで西村が押し込んでクリーンブレイク。続けて西村がヨーロピアンエルボーを放つと大森もヨーロピアンエルボーで反撃し両者打ち合っていく。これを大森が制してフォールに入るも秋山がカット。これにめんそーれが飛び出してくると秋山は目の色を変え、めんそーれを場外に放り出し、南側客席まで追い込んでいき、客席内でボディスラム。西村は大森をコブラツイストで絞り上げるが、大森は自力でロープへ。丸山にタッチ。
大森は観客に渕コールを求めると、渕が仕方なしといった様子でタッチを受けてリングへ。
渕は丸山を場外に放り出し、丸山を観客席に連れ込んで場外ボディスラム。「もう一回!」コールが起きると渕はもう一度方角を変えてつらそうに場外ボディスラム。さらに「もう一回!」コールが起きるが、流石の渕も苦笑い。渕はリング内で3発目のボディスラムを放ってへたり込むが、丸山をロープに振ってドロップキックをクリーンヒットさせる。続いて秋山が出てきて恒例のドロップキックの空振りを誘うが、今日の渕は事前に踏みとどまって頭を指差し頭脳派をアピール。ここに大森とめんそーれが入ってきて秋山を押さえつけ、渕にドロップキックを打たせようとするが、丸山が渕にトラースキックを放って阻止。これには場内大ブーイング。渕は改めて丸山をロープに振ってドロップキックを放つが、丸山がロープに捕まって空振りさせ、渕は自爆。大森とめんそーれと、なぜか秋山も加わってストンピングで丸山に制裁を加え、渕が丸山に首固め。これは西村と秋山がカット。渕は大森にタッチ。
丸山は大森の攻撃をスカして延髄斬りを放ち、飛び出してきためんそーれにもバズソーキック。丸山はたっぷりと時間を掛けて力をためてからロープに飛ぶが、大森がビッグブートでカウンターし、即座にアックスボンバーで試合を決めた。
第3試合
亮生と鼓太郎でゴングが鳴るとロックアップで亮生が押し込んでクリーンブレイク。再び向き合って腕取りの攻防から亮生がアームドラッグからドロップキックと決め手見せ、青柳兄弟が鼓太郎にトレイン攻撃。さらに優馬がボディスラムでセットして亮生がミサイルキック。亮生は続けてバックドロップを狙うが、鼓太郎が耐えるとドロップキック。しかし鼓太郎は」亮生の足をキャッチしてそのまま逆エビ固め。亮生は自力でブレイクし、エルボー連発で意地を見せていくが、鼓太郎が強烈なエルボーでなぎ倒してヴァレッタにタッチ。
ヴァレッタは亮生にショートレンジラリアットからフォールも優馬がカット。ヴァレッタは優馬に噛みつき攻撃も優馬が振り払ってジャンピングエルボー。さらに亮生を助け起こしてダブルのブレーンバスター。亮生は首固め、逆さ押さえ込みと連続し、これを返されるとロープに走るがヴァレッタがドロップキックでカウンター。続けてヴァレッタが急角度のブラックホール・スラムで亮生の後頭部をマットに突き刺しカウント3を奪った。
<試合後コメント>
青柳優馬&青柳亮生
「大丈夫か?後楽園で組むのは初めてで、楽しみにしてくれていた方も一部いるんじゃないかと思うんですけど。まだまだちょっと・・・出直そうな。もっと頑張ろう。」
第4試合
光留と岩本でゴングが鳴ると、光留がローキックで距離を刻んでいき、岩本は低空タックルで足を刈って対抗。そのままグラウンドで腕関節の取り合いとなり、岩本が腕十字に持ち込むと光留は慌ててブレイク。再び向き合って光留がローキック、ミドルキックを的確に当てていくが、岩本は自軍コーナーに押し込んで北斗にタッチ。光留も和田にタッチ。
和田は北斗と濃密なグラウンド戦を展開し、北斗のバックマウントを取ってヒザ十字、ホクの体制に合わせて肩固め、ヒールホールドと変幻自在のグラウンドテクニックを見せる。北斗が下から蹴り上げると和田は距離を取り光留にタッチ。
光留は北斗のバックマウントを取り、肩固めから腕十字。北斗がブレイクすると和田にタッチ。
和田はミドルキックを放っていくが、吹き飛ばされた北斗が距離を取ってドロップキック。これをガードした和田は組み付いてノーザンライト・スープレックスホールド。さらにフォールを返した北斗の腕を取ってアームロックに持ち込むが、北斗が腕を極められたまま和田を持ち上げて強引にボディスラムで叩きつけ、岩本にタッチ。
岩本は突っ込んでくる和田を誘い込み一本背負いからそのまま覆いかぶさって肩固め。これをローリングして抜け出した和田が腕固めに持ち込むと、岩本は立ち上がって反撃を狙う。和田は裏拳を叩き込み、ジャンピング・パイルドライバー。光留にタッチ。
光留は岩本にミドルキックを連打してコーナーに振ろうとするが、岩本が振り返し際に一本背負い。北斗にタッチ。
北斗は鬼気迫る怒涛のエルボー連打で光留をダウンに追い込むと、反撃にエルボーを放ってくる光留の腕をキャッチして三角絞め。しかし光留が足を掴んで持ち上げ、ターンオーバーして逆エビ固め。北斗がブレイクすると水車落としから延髄斬り。岩本が救出に突っ込んでくるが、これは和田がせき止め、ビクトル式ヒザ十字の体勢からアキレス腱固め。その間に光留が北斗を腕十字で絞り上げ、タップを奪った。
<試合後コメント>
佐藤光留&和田拓也
光留「不思議な縁ですよ。17年前?初めて多分後楽園ホールで会って、そこから口聞くようになるまで、13年……?これも青木さんがくれた縁だからね。青木さんと和田さんが同級生だったから、青木さんに『なんとかならないですかね』って言ったら(和田さんが)プロレスしてくれて。見たろ?ポテンシャル!うかうかしてられないんじゃないの?他の人も」
和田「俺はタッグリーグ出ないけど、正直出たかったなって。もっと他のやつがしっかりしないと。俺にこんな事言われてるようじゃダメだけどさ」
光留「それこそ、青木篤志が残した言葉じゃないのか?青木さんがいなくなったからって、悲しい顔をしてりゃあ、思い出すフリしてりゃあ、なんとかなると思ってるやつもいるんじゃないか?そうはさせないぞ。俺たちの中には、プロレスの中には、青木篤志がいるんだ。少しは楽しみたかったけど、生意気なやつがいたんで、イっちゃいましたね。もっと青木篤志っぽいことやる予定だったんですけどね(笑)」
――今後2人のタッグチームの活動について
光留「チーム名がありますからね!変態アブソリュートっていう」
和田「はっはっは(笑)はじめは違ったのに、急に変えてるからビックリしちゃって(笑)」
光留「SKアブソリュートとパンクラスISMで“SK ISM”だと思ったんですけど、なんかちょっとお肌ツルツルになりそうだったからさ。やっぱ“変態”って入れて、アブソリュートは“究極”だから」
和田「変態の究極、最高だよお前」
光留「(和田は)独身だからなまだな!どっかで聞いたことあるけど」
和田「全日本の奴らも変態の究極に負けてちゃダメだよ」
光留「まあとにかく、これで終わりじゃないでしょう」
和田「これが始まりだよ」
光留「死ぬまでプロレスラーですから、私」
岩本煌史&大森北斗
岩本「大丈夫か?まぁ、個人的な意見、言わせてもらおうかなと思ってて。今月の中場にアジア(タッグ王座)を取り返した。TAJIRI、KAI組と取り返す前からやりたいと言ってきた。獲ってから全日本内部でアジアタッグって口に出した人間、何人いる?どこにいる?いないでしょ?
みんな賢いと思うよ。だってタッグチーム、いないもん。だから俺はTAJIRI、KAIというタッグチームを指名した。全日本プロレス、何も言わないんだったら早くTAJIRI、KAI組と、俺とジェイク組でアジアタッグ選手権試合、組んでくれ。俺からは以上。」
大森「今日の試合で、プロレスしかできないんじゃなくて、プロレスもできる。総合(格闘技)とか柔術とかそっちの方よりもプロレスの方が強いって証明したかったんですけど。まだまだ自分の力が足りなかったですね。成長してから和田拓也とやって一本獲ってやりたいですね。」
――ジュニアタッグリーグの開幕戦では佐藤選手と対戦します。借りを返すチャンスですね。
大森「借りは溜まりに溜まっているんで、デビューしてから何回も試合してますけど、やられっぱなしなんで。このままやられっぱなしではいけないので、光留さんからも一本獲ります。」
第5試合
崔とゼウスでゴングが鳴ると、崔がいきなり飛びついて三角締め。ゼウスはこれを持ち上げてバスターしようとするが崔はロープを掴んで着地。再び向き合ってロックアップで押し込んでいき、崔が中々離れず挑発し、離れてから両者タッチ。
ノビーと野村となると、グラウンドで腕の取り合いとなり、ショルダータックルの攻防からノビーがヒップトスからスライディングエルボー。ディランにタッチ。
ディランは野村に強烈な逆水平を見舞っていき、コーナーに押し込むと肩口へエルボースタンプを連打。野村もエルボー連打で反撃していくが、ディランは逆水平一発で野村をなぎ倒してゼウスにタッチ。
ゼウスは野村をリフトアップスラムで放り捨て、コーナーに控える崔を挑発。ゼウスは逆水平で自軍コーナーに押し込んでノビーにタッチ。
ノビーは野村をコーナーに振ってドロップキック。観客に丁寧にお辞儀をしてからフォールに入り、これを返されるとスリーパーホールド。野村は足を伸ばしてロープブレイク。ノビーは逆水平からロープに振ってブートを狙うが、野村がジャンピングエルボーで迎え撃ち崔にタッチ。
崔はノビーを敵コーナーに振り、ノビーに串刺しラリアットを見舞うと見せかけて控えているゼウスにラリアット。激怒したゼウスがタッチを受けてリングへ。
崔はゼウスにミドルキックを連打してロープに振るが、ゼウスはジャンピングラリアットからサソリ固め。これはジェイクがミドルキックでカットも、怒りのゼウスは逆水平一発で撃退。ゼウスはコーナー上からダイビングラリアットを狙うが、崔が下から地対空ジャンピングキック。さらに雪崩式ブレーンバスターを狙っていくが、ゼウスがヘッドバッドで叩き落としてジャンピングラリアット。さらにブレーンバスターを見舞い、ロコモーション式でもう一発を狙っていくが、崔が逆にブレーンバスター。両者タッチ。
野村とディランとなると、ディランが逆水平連打で押し込んでいきエルボードロップ。ここでゼウスが飛び出してきてコーナーに控える崔に一撃入れてから野村をコーナーに振り、3人それぞれ串刺しラリアットのトレイン攻撃。ディランがフォールもジェイクがギリギリでカットし、崔とゼウスがやり合いながら場外へ出ていくと、ノビーがノータッチ・プランチャでゼウスに援護射撃。
ディランは野村にチョークスラムを狙うが、野村は着地。ディランは逆水平で追撃していくが、ここでジェイクがリングに飛び込んできてディランにニーリフト、ゼウスにエクスプロイダー、ディランにレッグラリアートを見舞って援護すると、野村がディランにスピアーからフロッグスプラッシュを2連発。最後はマキシマムで試合を決めた。
試合後、崔は野村に歩み寄り、何かを耳打ち。その後ジェイクが野村に握手を求めると、野村は少しためらいながらもその手を握り返した。
<試合後コメント>
野村直矢&ジェイク・リー
野村「今日、試合後にジェイクと握手して、それがどういう意味か。Sweeperには入らないし、入ろうとも思わないし。だけど、ジェイクとだったら世界タッグのベルト狙えると思ったから。俺はシングルのベルトはもちろん狙ってるけど、世界タッグのベルトも欲しいんです」
(後からふらりとジェイクが現れる)
ジェイク「その話、乗るぜ。そう言ってくれたのであれば、その話乗りますよ」
野村「OK!」
ジェイク「お互いに力を認めあっての今日の握手だと思って下さい。けど、対角線上に立ったら、思い切り俺らはぶつかりあいます。仲間仲間って感じじゃなく、お互いを高め合うため……あの握手はそういう意味だと俺は捉えている。次、世界タッグって言いましたね?OK。その話、俺は乗ります。俺はアジアタッグを保持しているけど、世界タッグも、三冠もほしいんだ。俺はほしがりな男だ。だからこそ、野村直矢の力、最大に引き出した上で世界タッグも俺が巻いてみせる。崔さんは、あのリング状で見ていたとおり、新しいターゲットは出来てしまったから、それどころじゃないだろう。だからこそ、野村直矢、今からまた、世界タッグを俺らの手に」
(両者はしっかりと握手)
野村「俺たちで動き出しますよ!」
ゼウス
「まぁそうですね。7月10日、崔領二と試合が決まってるんで、あいつも熱くなってる部分はあると思うけど、いつでもやってやるって心があるから。いつでもやってやるぞ、かかって来い。まぁそう言うこっちゃ。」
第6試合
ゴングを待たずにTHE ENDが暴走大巨人を襲撃し、そのまま場外戦となって観客席になだれ込む。ラフファイトにも心得がある諏訪魔&石川はこの場外戦で反撃して優位に終えると、リング上は石川とパロウに。
パロウと石川はエルボーでゴツゴツと打ち合い、ロープに走る石川のヒザにブートを入れてコーナーに押し込み、オディンソンとともに串刺しクロスボディ。オディンソンがフルネルソンバスター、パロウがセントーンを放っていく。
オディンソンに代わり、石川にフットスタンプを見舞ってスライディングラリアット。パロウにタッチ。
パロウは石川を踏みつけながらリングを歩く挑発行為からボディプレス。オディンソンにタッチ。
オディンソンは石川に張り手とエルボーの連打を見舞い、コーナーに押し込んでヨーロピアンエルボーを連打。石川は崩れ落ちてダウンするも、オディンソンはさらに顔面を踏みつけて容赦のない追撃。さらにオディンソンはヨーロピアンエルボーを連打してからパロウにタッチ。
パロウは石川に張り手を見舞うと、石川も雄叫びを上げて打ち返すが、パロウの強烈な張り手がクリーンヒットすると膝から崩れ落ちてダウン。オディンソンにタッチ。
オディンソンは石川をコーナーに振って串刺し攻撃を狙うが、石川がカウンターのショルダータックルを見舞い、諏訪魔にタッチ。
諏訪魔はオディンソンにフライングショルダー、「投げるぞオイッ!」とラストライド宣言も、ここにパロウが入ってきてカット。諏訪魔は2人に交互にダブルチョップを見舞い、パロウをラリアットで撃退。さらにオディンソンに串刺しラリアットからスロイダー。さらに諏訪魔は串刺しラリアットを狙うが、オディンソンがブートで止めてコーナー上からダイビングヨーロピアンなエルボー。パロウにタッチ。
パロウは諏訪魔にブレーンバスターからデスバレーボムを狙うが、諏訪魔が着地するとラリアット合戦を挑み、さらにエルボーの打ち合い。諏訪魔がダブルチョップ連打からのジャーマンで投げ捨てるも、パロウも即座に起き上がってラリアット。両者タッチへ。
石川は突っ込んでくるオディンソンをショルダータックルで迎え撃ち、串刺しラリアットからダイビングフットスタンプ。さらに諏訪魔を呼び込んでサンドイッチラリアットを見舞い、2人揃って「投げるぞオイッ!」の掛け声も、THE ENDが2人それぞれショルダースルーでこの窮地を打開。
オディンソンは石川にスパイラルネックブリーカーを放ち、顔面にニードロップを二発入れてから背中に錐揉みエルボー。さらにロープに走るが、石川がキチンシンクでカウンターし、ランニングニー。そこへパロウが飛び込んできて石川にラリアットを見舞うと、諏訪魔が重爆ドロップキックでパロウを撃退。諏訪魔&石川はオディンソンに境川を見舞い、石川がランニングニーからファイヤーサンダー。さらに2人をコーナーに振って諏訪魔と石川が交互に串刺しラリアット。
しかしパロウ&オディンソンは追走して攻守を入れ替えると交互に串刺しラリアットを放っていき、パロウが石川を、オディンソンが諏訪魔を投げっぱなしパワーボムで空中激突させる荒業を放ち、オディンソンがパロウを担いで石川の上にハリケーンドライバーで叩きつける。そしてTHE ENDは合体技であるエンド・オブ・デイズを狙っていくが、諏訪魔がコーナーに上ったオディンソンを引き倒し、パロウにバックドロップ。
続けて諏訪魔がオディンソンをコーナーに上げて雪崩式スロイダーの体勢に入り、石川が諏訪魔の下から潜り込んでパワーボムの体勢に。石川が諏訪魔をパワーボムで叩きつけ、諏訪魔が2階建ての雪崩式スロイダーを決める新・合体技“アルティメット・デストロイ”をお披露目。オディンソンに致命的なダメージが入るも、諏訪魔にも甚大なダメージが入り、諏訪魔が石川にアイコンタクトで痛みを伝えると石川は苦笑いしながら「ごめんね」のジェスチャー。
続けて石川がオディンソンをドラゴン・スープレックスで叩きつけ、さらにラリアット、宮原殺し2019、カミゴェ、ランニングニー、ジャイアントスラムと怒涛のラッシュをかけ試合を決めた。
試合後、諏訪魔は喜びを爆発させ顔をくしゃくしゃにしながら満面の笑みで石川と握手。そして好敵手と認めたTHE ENDを呼び止めて再戦を誓った。
<試合後コメント>
諏訪魔&石川修司、野村直矢&ジェイク・リー
石川「スゲェきついけど、スゲェやりがいが……」
(突如コメント会場に野村直矢とジェイク・リーが入って来る)
野村「暴走大巨人の2人、まずはおめでとうございます。この俺、野村直矢がアンタたちの持ってる世界タッグのベルトに挑戦表明をします」
諏訪魔「……なんなんだ」
野村「暴走大巨人を倒せるのは俺とジェイク・リーだけだと思ってる。俺たちの挑戦を受けて下さい!」
諏訪魔「あ?何だお前?あぁ?お前何だ。おぉ?なんなんだ野村よぉ。やんのか?おぉん?やりてぇのか。どうなんだよ」
ジェイク「やりたいです」
諏訪魔「いつでもいいよ、やってやるよお前らよ。生意気なんだよ。オメーらみてーのな、俺らがぶっ潰してやるからな。出る杭は全部俺らが打ち返すんだよ。生意気言ってんじゃねーよ。あぁん?」
(野村とジェイクが退席)
石川「ジェイク、野村、美味しくなってきたと思うんですけど、美味しくなった二人を食ってまた俺らは強くなるから。養分だ。お前らは。……諏訪魔さん、どうしても乾杯したくて。神戸大会のときもね、僕ら応援して、アピールして帰ろうと思ったら、青木さんが『乾杯しましょ』って言ってくれたんで、やっぱり乾杯しましょう!」
(諏訪魔と石川が缶ビールで乾杯)
――新合体技が決まりました
石川「出来れば使わなくても良い技かなと思ったんですけど、ちょっとね、ホントにもうやられすぎたんで、ここで逆転するしか無いなと思って。考えてはいたんですけど、使わなきゃ済む技なんですよね、ダメージ大きいんで(笑)……だいじょぶっすか?今更っすけど(笑)」
諏訪魔「こんなねぇ!嬉しい痛みはないね!痛くて笑うっていうのは初めてなんだけどさぁ……ちょっと俺から言いたいなあ」
石川「なんですか?(笑)」
諏訪魔「俺さ、『試合権利ないやつがコーナー上がって~』とか聞いてたじゃん。アレさぁ……」
石川「……思い出しました(笑)すみません(笑)」
諏訪魔「まあ、結果的にはね」
石川「あのとき僕が真ん中にいたら負けてましたね(笑)、間違いないです(笑)諏訪魔さんのダメージの様子見てると(笑)」
諏訪魔「まあ、勢いで上がっちゃったってのはあるよね」
石川「アイコンタクトで、『お願いします』って顔したんで(笑)技名も決まってて、“アルティメット・デストロイ”って技って決めてて、前日には完成してたんですけどリスクがあまりにも大きいので。でもホントTHE END強かったですね。これでまた日本一のタッグチームに近づいたんじゃないですか」
諏訪魔「へっへへへ……(笑)笑うところじゃねぇんだけどさ、痛くて嬉しくて。いやぁ、ありがとう!首がいたいよぉ……。でもさっきの若いのが出てきたのはおもしろくねーよな。せっかく気分いいときに出てきたわけだから。ただ養分吸っちまうぞ」
石川「もっとね、美味しくなってもらうにはね、試合のファイトはすごいと思うんですけどね、今の挑戦アピールとか、ただの若手でしょ。もっと諏訪魔さんみたいに濃いプロレス人生を歩んでもらわないと。薄いっすよね」
諏訪魔「ま、濃いぃ~のがいいね(笑)」
石川「フフフッ(笑)」
諏訪魔「俺ら全盛期だから」
THE END
パロウ「・・・スワマ、シュウジ。まだまだ始まったばかりだ。なぜなら・・・」
オディンソン「ジ・エンドはまだここにいるからな!」
第7試合
ヨシタツは気合の現れか、かつての顔半分だけのフェイスペイントで試合に臨み、会場全体からヨシタツの応援ボードを持った観客が熱い声援を贈る。
ゴングが鳴ると両者対角線でじっくりと睨み合い、ゆっくりとリングを回ってからロックアップで押し込んで力比べ。互いにクリーンに離れてから再びロックアップで押し込み合い、ヨシタツが押し込んでショルダータックルからPKを放つが宮原が回避。両者距離を取り、再びにらみ合う。
ロックアップからロープに振り合う攻防となり、宮原のドロップキックをヨシタツがかわし、エプロン上の宮原をドロップキックで突き落とすとプランチャで追撃。ヨシタツが場外で宮原を鉄柵に叩きつけるなどして優位に進め、場外カウントが進むと一旦宮原をリングに戻してからもう一度場外に放り出すが、宮原はヨシタツをファイヤーマンで担いで鉄柵に顔から落ちるようにホイップ。
宮原は先にリングに戻ってヨシタツを待ち受けるが、ヨシタツが中々上がってこないとヘッドバッドを見舞ってから自らリングに戻してスリーパーホールド。ヨシタツは苦戦するも足を伸ばしてロープへ。ヨシタツは奮起してエルボーを連打していくが、宮原がカニバサミから顔面に低空ドロップキック。
宮原はさらにヨシタツの顔面を蹴飛ばして挑発していくが、ヨシタツは延髄斬りからバッククラッカー。これでペースを掴んだヨシタツはランニングブート3連打で宮原をなぎ倒すとスワンダイブ式ミサイルキック。さらにロープに振っていくが、宮原がドロップキックのコンビネーションでヨシタツの勢いを止める。
宮原はヨシタツにブラックアウトを狙おうとするが、その前にヨシタツがランニングブートで止め、コーナーに押し込んで顔面ウォッシュ。エプロンに転がり出るヨシタツを追ってエプロン上の攻防となり、ヨシタツが硬いエプロンへフェイスクラッシャー。さらにエプロン上を走って場外の宮原に飛び込んでいくが、宮原が地対空ブートでカウンターし、さらに場外でブレーンバスター。両者場外でダウン。
先に復活した宮原はリングに戻り、ヨシタツがリングに戻ると串刺しジャンピングニー。さらに走るがヨシタツが追走してジャンピングブートからブレーンバスター。ヨシタツはヨシタツ幻想を狙って組み付くが、宮原がこれを振り払う。しかしヨシタツは即座にヨシタツ幻想。宮原は即座にロープブレイク。
ヨシタツは宮原をコーナーに上げ、雪崩式ブレーンバスターを狙っていくが、宮原はヘッドバッドでヨシタツをひるませ、逆に雪崩式ジャーマンスープレックス。さらに顔からコーナーにもたれかかるヨシタツの後頭部にブラックアウトを突き刺し、さらに正面からブラックアウト。そして宮原はシャットダウン・スープレックスを狙っていくが、ヨシタツは頭を思い切り振り上げて後頭部で宮原の顔面を痛打し、たたらを踏む宮原に組み付いてスイングDDT。ダブルダウン状態に。
両者は起き上がると膝立ちでエルボーを打ち合い、ヨシタツが打ち勝って高速ジャーマン。さらに宮原のエルボーをキャッチして組み付き、ヨシタツ幻想。宮原が中々ギブアップしないと見るや何度も何度も片エビ固めでフォールして宮原のスタミナを削っていき、ブレーンバスターを狙うが、逆に宮原がブレーンバスター、さらに後頭部へのブラックアウト。
宮原は再びシャットダウン・スープレックスを狙っていくが、両手をクラッチされたヨシタツはトップロープに噛み付いてなりふり構わぬロープブレイク。宮原が一旦離して数歩下がると、ヨシタツは振り向きざまのハイキック一閃。しかし宮原は倒れず踏ん張り、即座にブラックアウトで反撃。ヨシタツもCBJで反撃し、二発目のCBJを狙って飛びついたところを宮原がキャッチ。ヨシタツを前に放り投げ、ヨシタツの着地狩りでブラックアウトそして正面から正調のブラックアウトを三発叩き込み、ジャーマンスープレックスホールド。これを返されると最後は。こだわりのシャットダウン・スープレックスホールドで沈め、V5を達成した。
エンディング
宮原「帰ってきたぜ!後楽園~ッ!そしてV5達成だァ~!今日は最後まで最高のご歓声をありがとう!」
宮原がマイクで叫ぶと、崔がゆっくりとリングに上がりマイクを取る。
崔「チャンピオン、おめでとう。1つ俺から提案したいことがある」
崔がそう語りだすと反対側からゼウスが大股でリングに歩み寄りマイクを取る。
崔「1つ提案がある……」
ゼウス「次の挑戦者は、俺や」
崔「……挑戦表明の邪魔すんなや」
ゼウス「オイ、何やったら今やってもええんやぞ」
ゼウスがシャツを脱いでコスチューム姿になると両者はしばらくにらみ合うが、ゼウスが崔を襲撃してリング上は乱闘騒ぎに。
状況に取り残された宮原はリングの隅で面食らったような表情でこの模様を見守り、2人が去っていくと再びマイクを取る。
宮原「忘れかけてたでしょ!忘れかけてたでしょ俺のこと~ッ!V5を達成したのはこの俺!宮原健斗ダァ~ッ!次、挑戦者は誰が来るのか……後楽園ホールの皆様の正直な声を聞かせてくれ!宮原健斗と誰が闘うところを見たいですか?!誰が闘うところを見たいですか?!誰と闘うところを見たいですか?!(観客から様々な選手の名前が挙がる)……明日にしてくれ!今終わったばかりなんだ!次から次へと次のことを考えるのは日本人の悪い癖だ!今日はこのベルトをヨシタツに対して防衛したんだ!ハッピーでしょう!明日以降、7月のスケジュールに関しては!……明日にしてくれ。そして今日高らかに宣言する!2019、MVP候補ナンバーワン!宮原健斗!……以上です。(マイクを置いて帰ろうとすると観客が健斗コールで呼び戻す)最後に!後楽園ホールの皆さんに聞きた~い!全日本プロレス、最高ですか~ッ!(会場から大歓声が上がる)……今日すごーい聞こえるゥ~♪全日本プロレス……最高ですかァーッ?!OKラスト!全日本プロレス最高ですかーッ!宮原健斗、そして後楽園ホール、最高ッ!」
<試合後コメント>
宮原健斗
「よっしゃあ!Vッ!ファイブッ!いやぁ、キツいな……。毎度のことながら、V5、毎度のことながらキツい!ヨシタツ……ヨシタツさんと出会えたのは俺にとってもね、プラスになってるし、そしてこのタイミングでヨシケンで三冠戦をやれたということを誇りに思います。ヨシタツさんという選手は歴史があって、いろんな団体で戦ってきた選手だ。ただね、そのキャリアっていうのを俺は尊敬してるし、素晴らしいことだと思うし、そのキャリアに驕らず今を生きている。だから僕はずっと組んでるんだと思う。この独り善がりで自分が大好きな宮原健斗が、こんなに同じパートナーと組むのは、なにか意味があるはずなんですよ。それを昨日考えたときに、やはりあっち側のキャリアをリスペクトしてるから。そして僕にとっても、彼のキャリアが僕のプラスになってるんで。まあ、ヨシケン第一章のフィナーレかなと。今日なにか1つ区切りがついたかなと。それがこれからどうなるのかはわかりませんけど、1つヨシケンの第一章が終わった感じがします。そして、次ね、早速挑戦者らしきものが現れて、乱闘寸前になってたよね。休む時間ねぇなあ。ホントに思います。次から次へと来て、次から次へと来るレスラーは、みんな挑戦者としての資格がある。どうなるのかは明日決まると思いますんで、明日を楽しみにしていて下さい。ヨシタツvs宮原健斗ということで、ハッピーエンドで良かったんじゃないですか。ただ俺には、2019年MVPという大きな目標があるんで、このベルトを離す訳にはいかないんでね。今日V5出来て、一安心。そして明日から7月!新たな宮原健斗、ヒストリーが始まる。とにかくありがとう、ヨシタツ!」
――ヨシタツ選手のフェイスペイントについて思うことは
「彼の自己プロデュース能力ですよ。『何かしてやろう』って考えはプロにとって絶対に必要なことだし、俺はヨシタツさんの今日に向けての自己プロデュースに関しては負けてますよ。やはりああいった、僕らがプロである以上、見た目で変わるのも一つの方法だから。やっぱり流石ですよ。あれは“対宮原健斗”というより、“対世間”!ヨシタツという生きざまを見せたかったんでしょう」
――シャットダウン・スープレックスを意外な形で2回脱出されました
「俺は後ろにいたから見えない。あのお客さんの反応は今までに味わったことのないものだったから、流石はワールドフェイマスですよ」
ヨシタツ
「いやねぇ、俺はあんなすごいヤツと組んでたのかって。改めて今日再認識しましたよ。俺はタッグパートナーに恵まれる人生だね。すごいよ。本当に強い。真のチャンピオンだね。いやぁぶっちゃけね、最初に三冠を巻きたいって言ったのは全日本の象徴だから。ぶっちゃけた話、最高位っていうだけでそこまでのこだわりはなかったんだけど。今日ね、そのこだわりができました。
今日初めて口に出しますから。俺、三冠を巻きたいです。できるなら健斗から取りたい。もうね、次に三冠に挑戦する時はヨシタツが獲らないと暴動が起きる。そのくらいのお客さんの支持率になってからしたいと思います。革命失敗!
長州さんが引退して、革命戦士と呼ばれる選手がいなくて。俺は革命狂戦士って少し前から名乗り出して、長州さんに『使っていいですか?』って聞いたら、下向いて笑って『お前はいつまで経ってもバカだな』って言われたんですよ。これはOKという意味だと思うんで。長州選手が引退されたいま、天龍さんもいないんで革命という言葉を使うレスラーがいないから、革命っていう言葉、俺の独占、専売特許にさせてもらおうと思います。
革命狂戦士、革命第一弾、達成ならず。でもこれからも、この全日本で革命を起こしていきますよ。今日の応援ボード見たでしょう?あれは全日本にはない文化だから。俺は全日本の選手の誰とも生まれも育ちも違うから。俺にしかできないことってああいうことだと思うから。俺全日本に新しいものをドンドン取り入れて行こうと思います。例えああいう細かいことでもいいから。とにかく俺は新しい風を全日本に吹き込んでいきたい。毎日が革命ですよ。毎日が革命記念日。WE CAN DO IT! ステイ・チューン!」
ゼウス
「次の三冠は俺がやる。チャンピオン・カーニバルも俺がアイツ(崔)から取ってるんや。松江で。俺に権利があるやろ。アイツ何しに上がって来た?ナメとったらあかんど。」