【試合結果】1・29 新日本プロレス後楽園ホール大会 KUSHIDAvs棚橋弘至 鷹木信悟&BUSHI&SANADA&“キング・オブ・ダークネス”EVIL&内藤哲也vsエル・デスペラード&金丸義信&タイチ&ザック・セイバーJr.&鈴木みのる YOSHI-HASHI&オカダ・カズチカvsバッドラック・ファレ&ジェイ・ホワイト

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『Road to THE NEW BEGINNING』
日程:2019年1月28日(月)
開始:18:30
会場:東京都・後楽園ホール
観衆:1,732人(札止め)

▼シングルマッチ 15分1本勝負
○成田蓮
6分24秒 フロントスープレックスホールド
●上村優也

▼タッグマッチ 20分1本勝負
中西学/○天山広吉
7分30秒 アナコンダバイス
海野翔太/●吉田綾斗(K-DOJO)

▼タッグマッチ 20分1本勝負
田口隆祐/●トーア・ヘナーレ
8分50秒 ピンプジュース→片エビ固め
[BULLET CLUB]石森太二/○高橋裕二郎

▼6人タッグマッチ 30分1本勝負
本間朋晃/矢野通/○真壁刀義
10分23秒 キングコングニードロップ→片エビ固め
[BULLET CLUB]●チェーズ・オーエンズ/タンガ・ロア/タマ・トンガ

▼タッグマッチ 30分1本勝負
[CHAOS]●YOSHI-HASHI/オカダ・カズチカ
11分52秒 グラネード→片エビ固め
[BULLET CLUB]○バッドラック・ファレ/ジェイ・ホワイト

▼10人タッグマッチ 30分1本勝負
[L.I.J]鷹木信悟/BUSHI/SANADA/○“キング・オブ・ダークネス”EVIL/内藤哲也
16分41秒 EVIL→体固め
[鈴木軍]エル・デスペラード/●金丸義信/タイチ/ザック・セイバーJr./鈴木みのる

▼スペシャルシングルマッチ 60分1本勝負
○棚橋弘至
24分34秒 テキサスクローバーホールド
●KUSHIDA

KUSHIDAが新日本退団前に棚橋と最初で最後のシングル戦も試合後にジェイが乱入し観衆は激怒!内藤がタイチに復讐を果たしIC王座&ヘビー級王座の二冠獲りを宣言!

第1試合


 ゴングが鳴ると手4つから首の取り合い、バックの取り合い、腕の取り合いからグラウンド戦と堅実な立ち上がり。成田が上村の足首を極めていけば上村もマウントを取り返してフォールも2。
 一旦ブレイクするも、成田が即座に攻撃に転じ逆エビ固め。上村はプッシュアップしてロープへ。
 成田はストンピング連打からボディスラムを狙うが、着地した上村がドロップキック、さらに成田のアゴを捕らえる高さのある串刺しドロップキックからフォールも2。上村はロープに振ってショルダースルーから逆エビ固めに入り、成田は必死のプッシュアップでロープへ。
 上村は成田を起こすが、成田はエルボー。上村もエルボーでやり返し正面からバチバチと打ち合っていく。これに打ち勝った成田がベリートゥベリーを狙うが、上村は足を絡めて耐え、逆にかんぬきスープレックスで投げ捨ててフォールも2。上村はエルボー連打からロープに走るが、成田は追走エルボーからロープの反動を使ってベリートゥベリーで叩きつけ、これで3カウントを奪った。

第2試合


 試合前から海野と吉田が中西と天山に突っかかっていき、海野と中西でゴング。
 ロックアップで組み合うも中西は即座に海野を突き飛ばす。再び組み合った海野はロープに押し込んで離れ際にチョップ。さらにショルダータックルでぶつかって行くが中西はびくともせず。逆に中西がショルダータックルで海野をなぎ倒す。海野はボディスラムを狙うが、中西が逆に投げ返し、天山にタッチ。海のも吉田にタッチ。
 吉田と天山は張り手を打ち合い、吉田がロープに走ってショルダータックルで天山をなぎ倒しミドルキックも、これを受け止めた天山は吉田のヒザにヘッドバッドからモンゴリアンチョップ。中西にタッチ。
 中西と天山は吉田をロープに振って2人でショルダータックル、続けて天山がヘッドドロップ、中西がボディプレス。フォールも2。中西は吉田にヘッドバッドも、吉田は張り手で突っ張っていき、中西もチョップで応戦。エプロンから天山が吉田を押さえつけ、中西が逆水平チョップ。それでも吉田は張り手で突っ張っていき、ミドルキックからの延髄斬り。激しくタッチを求める海野にタッチ。
 海野は中西にエルボー連射からランニングエルボー。入ってきた天山もコーナーに振ってランニングバックエルボー。さらに中西をボディスラムで叩きつけフォールも2。海野はジャーマンを狙っていくが、中西はこれを耐えてスピアー。両者タッチ。
 吉田は天山にランニングエルボーからコーナーに控える中西にジャンピングハイ。天山にはランニングネックブリーカードロップからフォールも2。吉田はエルボー速射からのミドルキック、さらにロープに走るが、天山は水車落としで迎え撃ち、中西にタッチ。
 天山と中西は吉田にトレイン攻撃を狙うが、吉田はブートで二人ともなぎ倒し、海野とともに天山にトレイン攻撃。吉田がドロップキックからフォールも中西がカット。中西に海野が場外へ吹き飛ばされ、吉田はローンバトル。吉田に天山と中西の合体フェイスクラッシャーが炸裂し、海野には中西がアルゼンチンバックブリーカー。そして天山が吉田にアナコンダバイス。これで吉田が無念のタップアウト。

第3試合


 石森と田口の前哨戦となるこの試合、入場して決めポーズを取る石森の背後から田口が忍び寄り、自身のヘッドギアをこっそり石森の頭にかぶせる。
 田口と石森のマッチアップでゴング。腕取りからヘッドロック、ショルダータックルから互いを馬跳びでかわし合い、田口がヒップアタック。場外に逃れた石森を、田口はセーラーボーイズのダンスを真似て挑発。戦意を削がれた石森は裕二郎にタッチ。田口もヘナーレに代わる。
 ヘナーレは裕二郎にアームドラッグからのボディスラム、さらにショルダータックルで吹き飛ばしてフォールも2。さらにジャーマンを狙っていくが、裕二郎はヘナーレの指関節をひねって外し、怒って突撃するヘナーレにロープスタンガン。さらに石森とのコンビネーション低空ドロップキックを決め、踏みつけフォールも1。裕二郎はヘナーレを挑発して立たせていくと、ヘナーレは逆水平。裕二郎も応戦し、顔面にビッグブーツ。フォールも2。石森にタッチ。
 石森はヘナーレにネックロックからフォールも2。続けてコーナーに叩きつけていくが、かわしたヘナーレが串刺しラリアットから水車落とし。田口にタッチ。
 田口は裕二郎と石森にヒップアタック。場外に逃れた石森をプランチャで追撃し、スワンダイブ式ヒップアタックからフォールも2。さらに小刻みはヒップアタックから突撃するが、石森はエプロンに逃れてからスワンダイブ式雷電ドロップ。バックを取る石森だったが、田口は回転エビ固めからのオーマイアンドガーアンクル。これを前転で抜け出した石森はハンドスプリング式オーバーヘッドキック。両者タッチ。
 ヘナーレは裕二郎の攻撃をかわしながら走り、フライングショルダーからバックブリップ。フォールも2。ここで田口がラグビーボールを持ったまま加勢に入り、裕二郎にボールをパス。思わず受け取ってしまった裕二郎にヘナーレがスピアー、ヘッドバッドと畳み掛けるが、石森がカット。これを田口がヒップアタックで撃退すると、ヘナーレは裕二郎にスパインバスターからブレーンバスターを狙うが、裕二郎が逆にブレーンバスター。フォールも2。ならばと裕二郎はピンプジュースでマットにヘナーレの頭頂部を突き刺し、カウント3を奪った。
 試合後、石森は田口のラグビーボールをリング内から観客席に思い切り蹴り込むが、天井から吊り下がった後楽園ホールの照明器具に当たってしまい、場内からは悲鳴が上がった。

第4試合


 タマは試合前から「アイム・グッドガイ!」とアピールし、クリーンファイトを誓う。
真壁とロアのマッチアップでゴング。ロックアップで組み合おうとしたところへロアがハンマーパンチ。ロアは「マーカーベ! マーカーベ!」とコールを煽って挑発。しかし真壁はショルダータックルで吹き飛ばし、両者タッチへ。
 本間とタマのマッチアップ。タマは笑顔で握手を求めるが、本間は警戒して付き合わず。しかし、タマがひざまづいて握手を求めると本間はこれに応じ、タマは本間を抱きしめる。しかしここで背後からチェーズが本間を奇襲。タマは「Nooo!!」と激怒しつつ本間にブレーンバスターからフォールも1。タマは本間に「ソーリー!」と謝りながらエルボーを入れ、「アイラブユー」と囁いてからチェーズとロアとタッチを回しながら本間にストンピング。
 ロアとチェーズはナックルを入れていくが、タマは自分の番になっても攻撃せずタッチを回す。
 チェーズが本間にネックロックからコーナーに叩きつけ、ロアにタッチ。ロアは本間の腰にエルボーを入れ、チェーズもこれに加勢するが、タマは加勢せず。ロアは本間にブレーンバスターを狙うが、本間は着地。ロアは本間にラリアットを放つが、本間は一発耐え、ヘッドバッドからラリアット。矢野にタッチ。ロアもタマにタッチ。
 矢野はコーナーマットを外しにかかるが、タマは「NO!」とコーナーマットをもとに戻す。矢野は反対側のコーナーマットを外し、タマに殴りかかり、タマがこれをかわすとコーナーマットをパスするが、受け取ったタマはそれで攻撃することなくレフリーに返却。矢野はランニングネックブリーカードロップでタマを倒して真壁にタッチ。
 真壁はタマに串刺しラリアットからコーナーに上がりテンカウントパンチ。さらにノーザンライトスープレックスもカウントは2。真壁はロープに走るが、チェーズが下から足を引いて倒し、強引にタマとタッチ。
 チェーズはロア、タマとともにトレイン攻撃から合体バックドロップ、チェーズがPKを入れてフォールも本間がカット。チェーズは真壁にパッケージドライバーを狙うが、真壁が耐えるとレフリーに真壁をぶつける。昏倒したレフリーをタマが介抱。チェーズが真壁を押さえつけるが、タマは攻撃に参加せず。その隙に矢野がタマとロアをジグザグで引き倒し、小こけしを狙ってロープに走るが、セコンドの邪道が下から竹刀で本間の背後から攻撃し、グリーンキラーを狙う。これは真壁がカットし、タマとロアをダブルラリアットで吹き飛ばす。さらに本間がこけしロケットでチェーズを倒し、真壁がキングコングニードロップでカウント3を奪った。

第5試合


 ファレとジェイが奇襲して場外乱闘から試合開始。
 YOSHI-HASHIをリングに戻したジェイは串刺しバックエルボーからフォールも2。ジェイはYOSHI-HASHIをコーナーに叩きつけて再び串刺し攻撃を狙うが、YOSHI-HASHIは逆水平で迎撃。しかしジェイもYOSHI-HASHIをコーナーに叩きつけてやり返す。ファレにタッチ。
 ファレはYOSHI-HASHIの腰にエルボーを入れていき、悶絶するYOSHI-HASHIを場外に放り出してジェイにタッチ。ファレがレフリーの気を引いている間にジェイが場外でYOSHI-HASHIを痛めつける。YOSHI-HASHIをリングに戻し、ジェイがYOSHI-HASHIをロープに振ってバックエルボーからフォールも2。ジェイはボディスラムからファレにタッチ。
ファレはロープに掴まってYOSHI-HASHIを痛めつけ、これを止めに来たオカダがファレにおぶさったことでさらにYOSHI-HASHIにダメージ。ジェイはYOSHI-HASHIをグラウンドヘッドロックで絞め上げ、さらにブレーンバスターを狙うが、YOSHI-HASHIは着地して延髄斬り。一度はかわされるがもう一発は成功させ、オカダにタッチ。
 オカダはジェイにランニングバックエルボー。ここにファレが介入するもジェイにエルボーが誤爆。オカダはファレにDDT、ジェイにフラップジャックからフォールも2。オカダはジェイにボディスラムからコーナーに上がるが、ジェイが追いすがってバックドロップ。ファレにタッチ。
 ファレはオカダの髪を掴んで挑発し、エルボー合戦を仕掛ける。これに応じたオカダがこれを制してロープに走るが、ファレはショルダースルーで放り捨てコーナーに控えるYOSHI-HASHIにボディスプラッシュ。オカダはファレに正面から胴締めフロントスリーパーで組み付くも、ファレが耐えて前に叩きつけエルボードロップ。ファレはバッドラックフォールを狙うが、オカダが耐えてショルダースルー。YOSHI-HASHIにタッチ。
 YOSHI-HASHIはファレのヒザに低空ドロップキックからヘッドハンター。さらに串刺しラリアットからの串刺しトラースキック、さらにコーナー上からの雪崩式ヘッドハンター。ここにジェイが入ってきてYOSHI-HASHIにブレードランナーを狙うが、オカダがドロップキックでジェイを撃退。2人でファレに狙いを定めるが、ファレはショルダータックルで吹き飛ばし、YOSHI-HASHIにボディプレス。フォールも2。ファレはYOSHI-HASHIにグラネードを狙うが、YOSHI-HASHIはコードブレイカーで切り返し、ファレにラリアット勝負を挑む。しかしファレはあっさりラリアットで打ち勝ちグラネード。これでカウント3。
 ジェイは場外でオカダを痛めつけてリングに放り込み、ファレはオカダにグラネード。さらにバッドラックフォールを狙うが、ヤングライオンたちが必死に止めにかかる。しかし、上村がファレに捕まってしまいグラネードを食らい大の字に。自力で動けなくなった上村を成田が介抱しながら退場していった。

第6試合


TAKA「ウェルカム・トゥ・鈴木軍タ~イム!改めてご紹介しましょう!ネクスト!IWGPジュニアヘビー級チャンピオン!金丸&デスペラード!ネクスト!IWGPタッグチャンピオン!ボス&ザック・セイバーJr.!そして、ネクスト!インターコンチネンタルチャンピオン!聖帝タイチ!BUSHI、鷹木、SANADA、EVIL、内藤、カモン!オーバーヒア!」

 内藤は中々リングに上がらず、タイチは内藤のためにロープを上げて入場を促す。内藤も一礼してそこからリングイン。タイチはロープに走って内藤に奇襲を仕掛けようとするが、それを読んでいた内藤がドロップキックで迎撃し、乱闘から試合開始。
 リング上ではEVILとザックが腕関節を取り合い、テクニックで勝るザックに対しEVILはパワーで振りほどきチョップ合戦を仕掛ける。ザックがヨーロピアンエルボー連発からビッグブーツを放っていくが、EVILはかわしてショルダータックル。両者タッチ。
 SANADAとみのるのマッチアップ。両者エルボーを打ち合い、素早いロープワークからSANADAがみのるのヒザに低空ドロップキックからパラダイスロックを狙う。しかしみのるは下から張り手でこれを阻止すると、静かにキレたSANADAは正面からエルボー連打。さらにコーナーからスワンダイブ式の攻撃を狙うが、みのるがプッシュしてエプロンに落とし、ロープを使った三角絞め。ここから全員入り乱れた場外乱闘へ。
 先にリングに戻ったみのるに対し、SANADAは息も絶え絶えでカウント19でリングに戻る。デスペラードに代わり、デスペラードがレフリーの気を引いている間にみのるとザックが場外でSANADAの腕を交互に捻り上げて攻め立てていく。リングに戻してデスペラードがSANADAをロープに振ってバックエルボーからフォールも2。金丸にタッチ。
 金丸はSANADAをボディスラムから腕をハンマーロックで固めながらのボディスラム。
ザックに代わり、ザックがSANADAの肘を足で捻り上げ、みのるにタッチ。
みのるはSANADAに脇固めから腕十字に移行して絞り上げていくが、SANADAはなんとかロープへ。みのるはSANADAの頬をペチペチと叩いて挑発し、ゴツゴツしたエルボーからミドルキックを放っていくが、SANADAはキャッチして延髄斬り。内藤にタッチを求めるが、みのるがこれを妨害。しかしSANADAもミサイルキックで一矢報いて内藤にタッチ。タッチを受けたタイチも飛び出してくる。
内藤はタイチをコーナーに振り、振り子式ドロップキックのフェイントを交えた低空ドロップキック。さらにバックを取っていくが、タイチはレフリーを掴んで耐える。タイチも内藤を投げようとするが、内藤もレフリーを掴んで耐える。この攻防を終えて、内藤は拳を突き上げるが、タイチはその手を取ってコーナーに叩きつけジャンピングハイ。内藤もスイングDDTでやり返し、両者タッチ。
 鷹木と金丸のマッチアップとなるが、同時にデスペラードも飛び出してくる。鷹木はそれぞれタックル、ボディスラムでなぎ倒し、金丸にスクラップバスターを狙うが金丸はこれを髪を掴んで回避。しかし鷹木もブレーンバスターで投げ捨て、代わるBUSHIとともに金丸にトレイン攻撃から合体バッククラッカー。鷹木はパンピングボンバーを狙うが、金丸が低空ドロップキックで切り返し、デスペラードとともに合体バックドロップ。ここに金丸がBUSHIにディープインパクトもカット。さらに金丸がムーンサルトを放つがBUSHIはこれを回避しライトニングスパイラル。EVILにタッチ。EVILはコーナーに控えるザックに突撃。ザックはEVILの腕を取るが、EVILはロープを使ったアームブリーカーで切り返し、金丸にダークネスフォールもカウントは2。さらにEVILを狙うが、ザックがカット。さらに内藤、みのるが入り乱れ、タイチがパンタロンを脱いで天翔十字鳳を放つが、内藤がキャッチしてツバを吐きかけ、股間を蹴り上げデスティーノ。さらに鷹木が金丸にパンピングボンバーからEVILがEVILで金丸を沈めた。
 試合後、リング下で倒れるタイチに内藤は肩を貸して助け起こすが、その後すぐに鉄柵に叩きつけ、タイチのマイクスタンドで殴りかかるフリをしてからツバを吐き、リングを後にした。

<試合後コメント>
内藤哲也
「札幌大会にて行われるIWGPインターコンチネンタル選手権まで後5日。タイチ選手、そしてタイチ選手を応援している皆様には申し訳ありませんが、皆様の予想通りの結果、そしてIWGPインターコンチネンタル王座を僕は防衛することになりますよ。内藤哲也はIWGPインターコンチネンタル王座を保持しながら一体何を見据えているのか……。皆様、去年10月の両国大会を思い出してみてくださいよ。当時のIWGPヘビー級チャンピオン、ケニー・オメガに飯伏幸太、そして当時のUSヘビー級王座のCodyが挑戦したわけですよ。つまり、他の王座を保持しながらIWGPヘビー級王座に挑戦することは可能ってことでしょ?じゃあ俺はそこを狙っていこうかな。IWGPインターコンチネンタル王座とIWGPヘビー級王座を同時に保持すること。俺はその史上初の偉業を目指していきますよ。ところで!今日はKUSHIDAのラストマッチ?どうでもいいよ。いなくなるならさっさといなくなれ。そして二度とこのリングに帰ってくんな!カブローン!」

第7試合


 ゴングが鳴ると両者はゆっくりとリングを回り、立ち止まって見つめ合う。そして低空タックルを巡る攻防から手4つ、首の取り合いからブレイクとじりじりとした立ち上がり。 KUSHIDAは下から棚橋の足を獲りに行くが、棚橋は距離をとって回避してクリーンブレイク。手4つで組み合い、パワーで勝る棚橋が上から潰していくが、KUSHIDAはブリッジでこれを耐え、棚橋が上に乗ってもブリッジを崩さず逆に上を取り返す。そのままグラウンドに持ち込んだKUSHIDAだが、棚橋が首を取り返すとロープブレイクし、一旦場外にエスケープ。
 リングに戻ったKUSHIDAはロックアップで棚橋を組合い、じっくりと力比べ。一度は棚橋が押しつぶすものの、KUSHIDAは意地で棚橋をロープに押し込み、離れ際に棚橋の足を取ってグラウンドに持ち込む。レスリングテクニックを駆使した首の取り合いを制したKUSHIDAが棚橋の左腕をキーロックで捕らえるが、棚橋は体勢を入れ替えKUSHIDAにレッグロックからのリバースインディアンズデスロック。何度も倒れ込んでいくが、KUSHIDAはなんとかロープへ。
 倒れ込んだKUSHIDAはアリキックで棚橋のヒザを狙うが、棚橋はこれを回避して逆にKUSHIDAのヒザにストンピングからレッグロック、トゥーホールドと足に徹底した集中攻撃。さらにKUSHIDAをコーナーに叩きつけて足を取り、ロープに絡め付けてのレッグロックからヒザへのガットショット。
 これに怒ったKUSHIDAは正面から張り手を見舞い、額と額をあわせてにらみ合う。棚橋も張り手で返してコーナーに叩きつけ、棚橋はKUSHIDAの足を持ったまま場外に降りてコーナーポストにKUSHIDAの足を叩きつける。
 グロッキー状態のKUSHIDAの足を取りドラゴンスクリューを狙うが、KUSHIDAはエルボーからの延髄斬りでカウンター。KUSHIDAは棚橋にミドルキックを連発し、ハンドスプリングエルボー。ヒザを気にするKUSHIDAだったが、さらにバズソーキックを放つ。棚橋にこれをかわされるとセルフ式タイムスプリッターズコンビネーションを放ち、棚橋に飛びついてフロントネックロックを狙う。これをキャッチしてテキサスクローバーホールドに切り返そうとする棚橋だったが、これを丸め込んで返したKUSHIDAがジャーマンからのバズソーキック。フォールも2。
 KUSHIDAはボディスラムからコーナーに上がりミッドナイトを狙うが、棚橋が後ろから足を取ってリバースドラゴンスクリュー2連発。
 15分が経過し、両者は膝を付きながら正面からエルボーを打ち合っていく想いをぶつけるかのようにじっくりと打ち合っていく両者だったが、ついにKUSHIDAのアリキックが棚橋のヒザを捉える。ロープに捕まる棚橋の腕にドロップキックを放ってアームロックを決め、満身創痍の棚橋の古傷を攻め込んでいく。しかし腕を極められながらも棚橋は足を取ってドラゴンスクリュー。両者ダウン。
 先に起き上がったのは棚橋。棚橋は串刺しボディアタックを狙うが、これを交わしたKUSHIDAが延髄斬りからホバーボードロック。形が崩れると即座に腕十字に切り替えていくが、棚橋も体勢を入れ替えてそのまま持ち上げようとするが、KUSHIDAはそれをゆるさず再びホバーボードロックへ。棚橋がブレイクしようとすると持ち上げてバック・トゥ・ザ・フューチャーを狙うが、棚橋はスリングブレイド。そしてコーナーに上ってハイフライアタック。さらにもう一度コーナーに上ってハイフライフローもKUSHIDAが剣山からそのまま持ち上げ、バック・トゥ・ザ・フューチャー。これはギリギリでカウント2。
 ダブルダウンとなるも、なんとか先に起きたKUSHIDAが棚橋のヒザに強烈なキック。起き上がった棚橋も攻撃に転じるが、腕に組み付いたKUSHIDAがホバーボードロックで捕らえ、そのままグラウンドに引きずり込む。棚橋は力技で持ち上げてパッケージジャーマン。カウントは2。続けて棚橋はテキサスクローバーホールド。KUSHIDAはロープに手を伸ばすが、棚橋はどっしりと腰を落とす。これには耐えきれず、KUSHIDAはタップアウト。
 試合後、倒れるKUSHIDAに棚橋が駆け寄り、2人はしっかりと抱き合った。

 そこへジェイがイスを持って乱入し、棚橋を殴打。場内は割れんばかりのブーイングから「帰れ」コール。それに応えるかのようにジェイは棚橋の足をイスに挟むと、そこをさらにイスで殴打。ジェイは棚橋のIWGPヘビー級のベルトを奪って掲げるが、場内は怒号に包まれ「帰れ」コール。ジェイはひょうひょうとしながら「バイバイクッシー」と笑いながら去っていった。
 満身創痍の棚橋にふらふらと歩み寄ったKUSHIDAは棚橋と抱擁を交わし、棚橋はヤングライオンたちに肩を借りながら退場していく。その背中にKUSHIDAが語りかける。

KUSHIDA「棚橋さん、最後の最後までプロレスラーとして最高にかっこいい姿、勉強させてもらいました。8年間、この8年間の出来事、新日本のレスラーとの闘い、巡業バスのこと、色んな風景、そして今日のお客さん、未来永劫絶対に忘れません!この最高のお守りとして旅してきます!今まで本当にありがとうございました!行ってきます!」

<試合後コメント>
KUSHIDA
「本来でしたら、棚橋弘至から、IWGPヘビー級チャンピオンから、3カウント、ギブアップを奪って、追ってくる大人たちを振り切って全速力で海外に逃げようと思っていましたんで、この場でコメントするつもりはなかったんですけど、棚橋さんは強かったです。今まで戦ったレスラーの中で一番強かったです。何も通用しなかったっす。空っぽです」

――ファンの方がボードを用意して温かく見送っていました
「最初に入団するときに言いました。『お客さんとも勝負していきたい』と。そういうレスラーでありたいと最初に言ったので、今日の光景を見て、8年間、大変なことも嬉しいこともなんか全てチャラになった。いやあ、すげぇプラスになったと。本当に贅沢な時間、時を見させていただきました。本当にありがとうございました。本当にお客さんも最高!闘うレスラーも最高!リングを作るスタッフ、会社にいる大勢のプロレスを支える人たち、そしてオーナー。これがないと僕らは四角いリングで戦えませんので、何一つ不満がないですね。何一つやめたいと思う理由がないのになんでこの決断をするんだろうって、自分が一番呆れてるんですけど、だけど、この命を授かったからには、ジュニアヘビー級を作った先人たちが居なければ僕なんかはプロレスラーになれてない。リング上でこうやってKUSHIDAを表現できてないから。新しいことを作るのも大事だけど、道場の技術、僕はそういうのに救われてプロレスラーになったから、それを忘れずに、新日本プロレスで培った8年間を最強のお守りにして、そしてデビューのときから応援してくれてるファンの人、支えてくれる人たち、怖いものなしですね。全てが終わったという感じよりは、『明日からやべーぞ』と。『明日からまた走り出さないとこれはやばいことになるぞ』と。期待感、不安も数%ありますけど、ワクワク……早く走り出さなきゃという、そういう気持ちでいっぱいです。振り返ると、新日本に入ったときはジュニアヘビー級の選手が少なくて、ヤングライオンも少なくて、新弟子も少なくて、だから新日本プロレスにこうしてチャンスを頂いたんだなという俯瞰で見ながらも、自分がなにか事をなさなきゃいけない。それはジュニアヘビー級の舞台を、一つでも二つでも、ヘビー級に負けないステージに上げること。ジュニアヘビー級の可能性を俺はこれからも勝手に背負って戦っていきます」

――後楽園ホールという会場には強い思い入れがあると思います
「やっぱり、小さい会場、大きい会場、一試合一試合どれも同じ会場なんですけど、見ている絶対数は東京ドームとか後楽園ホールは多いわけで、そこでの評価っていうのは結構レスラーも上がったり下がったりすると思いますけど、そうじゃないと思います。巡業一つ一つが大事だし、それを僕は新日本プロレスで学んだ。その一つ一つがあるから、後楽園ホールも大事だし。でも、始まりと終わりが後楽園ホールっていうのは、きっと何かあるんでしょうね。それはやっぱりプロレスの聖地だからだと思います。こうして囲んで僕なんかのコメントを写していただけるなんて、僭越ながら本当に嬉しいです。これを裏切っちゃいけない。明日から、肝に銘じてプロレスラーとしてしっかり生きていきます。本当に皆さんありがとうございました!」

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