【試合結果】12・24 PANCRASE大阪大会 平田丈二vs河村泰博 土肥潤vsハンセン玲雄 加マーク納vs藤田健吾 瀧口脩生vsMG眞介
『PANCRASE パンクラス大阪主催大会』
日時:2018年12月24日(月・祝)
開始:14:15
会場:大阪市・大阪市立阿倍野区民センター大ホール
観衆:574人(満員)
[パンクラスゲート]
▼第1試合 フェザー級 3分2R(延長1R)
○堂園 悠(修和館)
1R 1分16秒、三角絞め
●大川淳希(総合格闘技闇愚羅)
▼第2試合 フライ級 3分2R(延長1R)
●桐山康平(パンクラス大阪)
判定0-3
○坪内一将(総合格闘技道場コブラ会)
[3対3道場対抗グラップリングマッチ]1試合2分、勝敗は一本のみ
▼パラエストラ東大阪VSパンクラス大阪
・先鋒戦
△岸田海輝(パラエストラ東大阪)
時間切れドロー
△長屋正悟(パンクラス大阪)
・次鋒戦
△高谷奨一(パラエストラ東大阪)
時間切れドロー
△一ノ本 大空(パンクラス大阪)
・大将戦
△野崎晋吾(パラエストラ東大阪)
時間切れドロー
△求 寿也(パンクラス大阪)
▼総合格闘技道場コブラ会VS BLOWS
・先鋒戦
△村上貴将(総合格闘技道場コブラ会)
時間切れドロー
△中務雄太(BLOWS)
・次鋒戦
△手塚基伸(総合格闘技道場コブラ会)
時間切れドロー
△深澤 駿(BLOWS)
・大将戦
○キャプテン☆アフリカ(総合格闘技道場コブラ会)
1分17秒、腕十字
●小松寛司(BLOWS)
[本戦]
▼第1試合 バンタム級 3分3R
●修我(総合格闘技スタジオSTYLE)
判定0-3
○増田拓真(総合格闘技道場reliable)
▼第2試合 バンタム級 3分3R
●綿谷 誠(BLOWS)
3R 1分56秒、TKO(グラウンドのパンチ→レフェリーストップ)
○浅利孝政(BURST)
▼第3試合 ストロー級 3分3R
○尾﨑龍紀(総合格闘技道場コブラ会)
判定3-0
●Red Pine☆大助(BURST)
▼第4試合 フライ級 3分3R
●後藤琢也(パンクラス大阪 稲垣組)
判定1-2
○杉原光世(チームプログレス)
▼第5試合 ライト級 3分3R
●野副忠佑(UBF)
2R 0分33秒、TKO(スタンドのパンチ→レフェリーストップ)
○木村俊也(BLOWS)
▼第6試合 フェザー級 3分3R
●名田英平(総合格闘技道場コブラ会)
3R 0分58秒、フロントチョーク(タップアウト)
○森 宏之(総合格闘技闇愚羅)
▼第7試合 フェザー級 3分 3R
○岩本達彦(BLOWS)
1R 1分31秒、TKO(グラウンドのパンチ→レフェリーストップ)
●鈴木敦順(総合格闘技スタジオSTYLE)
▼第8試合 バンタム級 3分3R
○瀧口脩生(総合格闘技スタジオSTYLE)
判定0-3
●MG眞介(パラエストラ東大阪)
▼第9試合 バンタム級 3分3R
○加マーク納(総合格闘技道場コブラ会)
3R 2分43秒、TKO(グラウンドのパンチ→レフェリーストップ)
●藤田健吾(総合格闘技道場reliable)
▼第10試合 セミファイナル バンタム級 3分3R
○土肥 潤(総合格闘技道場MIBURO)
判定3-0
●ハンセン玲雄(総合格闘技道場reliable)
▼第11試合 メインイベント バンタム級 5分3R
○平田丈二(総合格闘技闇愚羅)
判定3-0
●河村泰博(新潟イエローマンズ)
年内最後の大阪大会メインで平田丈二が完勝!セミでは“寝技聖帝”土肥潤が貫禄勝利!4選手がデビュー、初の道場対抗グラップリングマッチなど新風が巻き起こる!
2018年のパンクラスはイブの大阪で締め。会場は満員の大盛況となった。
今回は初の試みである道場対抗グラップリングマッチも組まれ、大阪の名だたる4道場が参加。特に総合格闘技道場コブラ会からは、元UFCファイターでHEATならびにグラチャンのバンタム級二冠王者・手塚基伸が5年ぶりにパンクラス参戦、また、修斗で活躍中のキャプテン☆アフリカが参戦するという豪華な顔ぶれが揃った。
試合時間が2分と短いことから、決着をつけるのは難しかったが、キャプテン☆アフリカが腕十字で一本勝ちをあげ、コブラ会に勝利をもたらした。
本戦も大盛況。今大会では新たに4選手がデビューし、ベテランと対戦した2選手が勝利。来年以降の成長が楽しみな試合が続出した。
また、最近は、パンクラス大阪稲垣組の選手に加え、福島秀和、秋葉太樹、冨田翔市ら、大阪大会から東京へ羽ばたくきっかけをつかむ選手が増えており、大阪勢に勢いがついている。次は自分だと、虎視眈々と東京進出のチャンスを狙う選手たちの繰り広げる熱戦で、大阪のイブは熱く燃えた。
第1試合
デビュー戦同士の一戦。来年に向け、一歩先に進むのはどちらか。
1R、何度もケージへ押し込み、攻めていく増田。終盤でバックマウントを奪い、チョークを狙うが、極めきれず終了。
2R、パンチを出していく修我だが、増田はかいくぐってタックルからテイクダウン! 修我が回って上になると、増田は立ってケージへ押し込み、ヒザ連打。入れ替えた修我だが、蹴りがローブローとなってしまう。
増田の回復を待ち、再開。増田が組んで投げるが、すぐに立つ修我。お互いに蹴って終了。
3R。お互い打ち合うと、増田がテイクダウン。修我は下から殴るが、増田はハーフマウントへ。さらにバックマウントから殴ったところで終了。
判定は3-0で増田。試合のペースを握り、デビュー戦を勝利で飾った。
第2試合
1R、浅利がパンチを効かせ、上を奪取。しかし、綿谷はすぐに立つ。浅利はパンチから片足タックル、ケージへ押し込むが、綿谷は離れて立つ。綿谷の右パンチがヒット! さらに首を狙うが、これは極まらず終了。
2Rも浅利がパンチから組んでケージへ。バックを奪い、押し潰すように倒す。立ちたい綿谷だが、あさりはバックを奪い首を狙う。綿谷は回って回避するが、浅利は再び首を狙う。頭を抜かれるが、浅利は上になり殴る。
3R。パンチを振っていく浅利。綿谷は起死回生のチョークを狙うが、浅利はボディを殴り、サイドを取る。ヒジ、鉄槌を落としてマウントへ! パウンドを連打する浅利をレフェリーが止めた。
第3試合
1R。大きくパンチを振る大助。片足タックルに入るが、尾﨑は落ち着いて潰し、すぐに立つ。尾﨑が攻めに転じ、パンチを振るっていく。前に出る尾﨑、下がる大助。大助がスリップすると、尾﨑はすぐさま上からパンチを落とす。大助が蹴り上げて終了。
2R。お互いパンチを打っていく。大助が組みつくが、尾﨑が上に。しかし、尾﨑は立ってロー。蹴り上げる大助。尾﨑がパンチを落としてかぶさると、足を狙う大助。さらに上になる。しかし、尾﨑が上を奪い返し、ハーフマウントから殴って終了。
3R。やや斜めに構え、タックルを仕掛ける大助。これを潰し、すぐ立つ尾﨑。大助は蹴り上げるが、尾﨑はサイドを取りボディにヒザ連打。上体を引きつける大助だが、尾﨑は抜けて立つ。
大助も立ち、パンチを返していくが、スタミナが切れているか? 大助はタックルに入るが、潰されてしまう。なんとか返して上になったところで終了。
判定は3-0で尾崎が勝利。
第4試合
2015年にパンクラスデビューした後藤。大阪大会を中心に闘ってきているが、そろそろ先輩の後を追い、稲垣組第三世代として東京にも進出したいところだ。
対する杉原は、これがデビュー戦だ。まだ21歳と若い杉原。どんなポテンシャルを見せるか。
1R。ローでプレッシャーをかけていく後藤。杉原は体を左右に振り、パンチを出していく。後藤はミドルから組むが、杉原がバックに回り、ケージ際で背中に乗っていく。離れてパンチで突き放す後藤。組みたいが、杉原は入らせない。さらにパンチで攻める後藤に、杉原は再びおぶさる。離れたところで終了。
2R。プレッシャーをかける後藤。パンチで前に出ていく。潰すが、杉原がバックに回りチョークを狙う。後藤は上になり鉄槌、ヒジ! さらに細かく鉄槌とヒジを落としていく。抜けたい杉原。しかし、後藤は上をキープし、ヒジと鉄槌を打って終了となる。
3R。開始と同時に試合が止められ、右まぶたをカットしている後藤にドクターチェックが入る。再開。
杉原が組んでケージへ押し込む。後藤はすぐ入れ替えるが、戻されてしまう。さらに入れ替えて殴る後藤。しかし、攻めあぐねる。杉原は首相撲、ヒザ。残り10秒で上になった後藤が、細かく殴って終了。
判定は2-1で杉原が勝利を収めた。
後藤はケガでダメージがあったか、ラウンドが進むごとにペースダウンしてしまった。なかなか得意のグラウンドに持ち込めなかったこともあるが、もっと前に出る気持ち、なりふり構わず勝ちをつかみに行く姿が見たい。
デビュー戦の杉原は、ポテンシャルの高さの片鱗が見えた。極めるには至らなかったものの、粘り強く食らいついていく姿勢が光った。今後、どのような面を見せて行くか楽しみだ。
第5試合
初代WARDOG CAGE FIGHTライト級王者・野副に、パンクラスデビュー線の木村が挑む一戦。
1R、打ち合う両者。木村がパンチで飛び込み、組んでケージへ押す。野副はヒザを入れ流が、展開なくブレイク。
再び打ち合うと、野副が片足タックルからケージへ持って行くが、離れる。木村はプレッシャーをかけるが、ホーンが鳴る。
2R。野副がパンチからケージへ押し、ヒザ連打。離れると、木村のパンチがヒット、野副がダウン! レフェリーが試合を止めた。
最初から最後まで勢いのあった木村。スピード感溢れる闘いを見せ、元王者を撃破。今後に期待が高まる一戦となった。
第6試合
名田は昨年大阪でパンクラスデビュー。前戦は今年7月の大阪大会で、1ラウンド、フロントチョークで一本勝ちを収めている。来年に向け、連勝で勢いをつけたいところだ。
対する森は、2014年7月に初参戦して以来、約4年半ぶりのパンクラスマットとなる。
1R。ローで様子をみる森に対し、パンチで飛び込んでいく名田。打撃で距離を縮めるが、組ませず突き放す。プレッシャーをかけていき、右ハイキック、パンチから組む。森は入れ替えてケージへ押し込む。名田が首相撲からヒザを入れて終了。
2Rも、名田がパンチを振って前に出て行く。ロー、さらに大きくパンチを振る。しかし、森が組んでバックに回り、チョーク! しかし、名田は外して立つ。森が立つと、名田は組んでヒザ連打。かぶさって首を狙うか? ガードポジションの森に、肩パンチを打つ名田。両者立ったところでホーン。
3R。ローから組みに行った森が、バックを奪いケージへ。チョークに入る。なんとか抜けようとする名田だが、ガッチリ極まりタップアウト。
第7試合
岩本は昨年よりパンクラスに参戦。デビュー戦では勝利を収めたが、今年7月の大阪大会では判定負けを喫している。連敗を避け、来年につなぎたい。
対する鈴木は、2015年12月、パンクラスに初参戦して以来の試合となる。
ローを出しながらタックルに入るチャンスをうかがう鈴木。しかし、岩本はジャブで入る隙を見せない。
鈴木がロー。やはりタックルに入れない。そこへ岩本が右ハイキック一閃、鈴木がダウン! 追撃に入った岩本をレフェリーが制止。岩本が鮮やかなKO勝ちを収めた。
第8試合
パンクラス初参戦の瀧口と、2戦目のMGの対戦。
1R、テイクダウンを奪った瀧口がバックからチョークを狙う。諦めず極めに行くが、時間切れとなってしまう。
2Rも瀧口がポジションで優位を保つ。終了間際のタックルは切られ、パンチの打ち合いで終了。
3R、鈴木がタックルを切りパンチで攻めるが、瀧口が組んでサイドポジション。さらにハーフマウントに移行し殴る。返せないMG。バックに回った瀧口はチョークに入る。残り1分。バックマウントから殴りながら極めに行く瀧口だが、惜しくも時間切れに。しかし、終始攻め続け、ペースを握った瀧口が判定フルマークで勝利を挙げた。
第9試合
GLADIATOR第2代フライ級王者・加マーク納は2016年7月、大阪大会に初めて参戦して以来のパンクラス。前戦では、秋葉太樹から判定勝利を挙げている。
対する藤田は2016年、修斗でプロデビュー。2勝1敗1分の成績を残している。パンクラスには初参戦。
1R、ローを打つ藤田に対し、加マーク納はタックルから大きく持ち上げ、豪快にテイクダウン! 藤田がハーフからガードに戻したものの、加マーク納が上からヒジ、パンチを入れて終了。
2Rも加マーク納が攻める。片足タックルからハーフマウントを奪いヒジ攻撃。立った藤田がタックルに入るも加マーク納が上になり、パンチ連打で終了。
3R、加マーク納のテイクダウンに苦しむ藤田。なんとか立ったものの攻撃に転じることができない。再び加マーク納が上になって殴り続け、レフェリーが試合を止めた。
第10試合
土肥のパンクラス参戦歴は長く、2011年から上がっている。大阪のみならず東京でも闘い、宮地智之、蓮見光らを破っている。無表情で関節技を取りにいくユニークなキャラクターから「寝技聖帝」のニックネームを持つ。
対するハンセンは、2016年、プロ修斗デビュー。3戦し、1勝2敗の成績を残している。前戦は今年7月のパンクラス大阪大会で、綿谷誠からTKO勝利を挙げている。
1R、積極的に前に出るハンセン。タックルに入ってきた土肥を倒したが、土肥は強引に上に乗っていく。下から土肥の頭部を引きつけるハンセン。しかし、土肥がポジションをキープしたまま終了。
2R、ハンセンのパンチが効いた!しかし土肥はしがみつくようにテイクダウンし、ハーフマウントを奪う。さらにサイドに移行し、ヒジ、パンチを入れ続けて終了。
3R、あとがないハンセンは右ハイキック、パンチで押していく。しかし、またも土肥がタックルからテイクダウン! 返したいハンセンだが、土肥は逃さず殴り続ける。終了間際の腕は極まらなかったものの、相手の光を消し去った土肥が勝利。「曲者」の持ち味を十分に見せつけた。
第11試合
平田は2015年にパンクラス初参戦。初戦はNavEに判定負けを喫したが、2戦目はディファでの中村龍之戦が組まれた。前戦は今年7月の大阪大会で、土肥潤に判定負け。しかしメインに抜擢される快挙を果たし、大阪大会の次代エース候補と期待されている。
河村は2014年、プロ昇格トーナメントで優勝しパンクラスデビューを果たした叩き上げだ。以降、コンスタントに参戦ししている。しかし、ここ2年は2勝2敗とインパクトを残せずにいる。大阪で胸を貸したあとは、再び東京で上を目指したいところだ。
1R、パンチで前に出て行く平田に対し、やや下がり気味になる河村。タックルに入りたいが切られてしまう。さらにパンチで出て行く平田。じわじわとパンチを効かせていく。河村はタックルに入れないまま終了。ジャッジは三者とも10-9で平田を支持。
2R、どんどん攻める平田。ボディにもパンチをうまく当てて行く。鼻から出血している河村。タックルはことごとく切られ、思うように攻められない。平田の右パンチがヒット!ぐらついた河村は、倒れながらも組みついて行くが、平田は頭を抜く。
いったんホーンが鳴らされたが、残り1秒の時点で河村にドクターチェックが入り、インターバルへ。ジャッジは3名とも平田。
3R。タックルを潰された河村は下から首を狙うが、抜けて立った平田。打ち合いから、河村が飛びついて引き込み、足を狙う。ようやく自分のフィールドへ持ち込んだ河村だが、極めることはできず、耐え切った平田が期待に応え、嬉しいパンクラス初勝利を挙げた。
平田 試合後コメント
「メインで気張っていたので、今ホッとしています。相手は寝技がすごく強いという印象で、作戦を練っていました。実際に戦ってみても、やっぱり寝技がすごく巧かったです。いろんなバリエーションを持っているので、ちょっと焦りました。特に最後の足関節はめっちゃ効きましたけど、あと1分だったので根性で耐えました。自分のパンチが思った以上に当たってくれたのもよかったと思います。
最近、関西から東京に出て行って活躍する選手が増えていて、すごくカッコ良くて、自分もああなりたいと思っています。来年は、ランカーや強い選手とどんどん試合をして、ランキング入りを目指して行きたいです。そして、関西にもこんな選手がいる、平田丈二という奴がいるんだということをアピールして行きたいです」
(写真・文/佐佐木 澪)