【試合結果】10・21 PANCRASE新木場スタジオコースト大会 佐藤天vsマット・ベイル カイル・アグオンvs田中半蔵 高橋“Bancho”良明vsルシオ・アブレオ 翔兵vs秋葉太樹 谷野一樹vs栗秋祥梧

  • はてなブックマークに追加
  • LINEでシェア

『PANCRASE 299』
日程:2018年10月21日(日)
開始:16:30
会場:新木場 スタジオコースト
観衆:1972人

【プレリミナリーファイト】
▼第1試合 ストロー級 3分3R
○御代川 敏志(パラエストラ八王子)
判定3-0
●宮澤雄大(K-PLACE)

▼第2試合 フライ級 3分3R
○渋谷和樹(NEXUSENSE)
3R 2分31秒、腕十字
●立花恵介(スーパータイガージム田中塾)

▼第3試合 フライ級 3分3R
●廣中克至(RBアカデミー)
2R 0分34秒、KO(スタンドの蹴り)
○岡野竜己(KRAZY BEE)

▼第4試合 フライ級 3分3R
●水谷健人(AACC)
判定0-3
○三澤陽平(ALLIANCE)

▼第5試合 バンタム級 3分3R
○平田純一(DAMM FIGHT JAPAN)
判定2-1
●大谷啓元(パンクラスイズム横浜)

▼第6試合 フェザー級 3分3R
○TAG(ERUPT)
1R 2分52秒、KO(左フック)
●齋藤拓矢(ALLIANCE)

▼第7試合 フェザー級 3分3R
○小島勝志(STYLE PLUS GYM)
2R 1分40秒、チョークスリーパー
●ANG SHIN(NOVA UNIAO JAPAN)

【本戦】
▼第1試合 フライ級 3分3R
●倉岡幸平(蒼天塾)
2R 0分14秒、TKO(グラウンドのパンチ→レフェリーストップ)
○和田教良(ZOOMER)

▼第2試合 バンタム級 5分3R
●アラン“ヨシヒロ”ヤマニハ(ブルテリア・ボンサイ)
3R 1分54秒、TKO(グラウンドのパンチ→レフェリーストップ)
○金太郎(パンクラス大阪 稲垣組)

▼第3試合 ウェルター級 3分3R
●奈良貴明(パンクラスイズム横浜)
1R 2分50秒、腕十字
○中村勇太(T-Rex Jiu-Jitsu Academy)

▼第4試合 ライト級 5分3R
●冨樫健一郎(パラエストラ広島)
3R 3分46秒、TKO(パンチによるカット)
○上迫博仁(チームクラウド/和術慧舟會HEARTS)

▼第5試合 REBELSルール 58キロ契約 3分3R
●古谷野 一樹(クロスポイント古河)
判定0-2
○栗秋祥梧(クロスポイント吉祥寺)

▼第6試合 フライ級 5分3R
○翔兵(升水組)
判定3-0
●秋葉太樹(総合格闘技道場reliable)

▼第7試合 ライト級 5分3R
○高橋“Bancho”良明(パラエストラ八王子)
3R 0分23秒、TKO(ヒジによるカット→レフェリーストップ)
●ルシオ・アブレオ(CERRADO MMA)

▼第8試合 セミファイナル フェザー級 5分3R
○カイル・アグオン(Spike 22)
判定2-1
●田中半蔵(FUN’S)

▼第9試合 メインイベント ウェルター級 5分3R
○佐藤 天(TRIBE TOKYO M.M.A)
2R 3分35秒、TKO(グラウンドのパンチ→レフェリーストップ)
●マット・ベイル(CORE MMA)

佐藤天がメインイベントで快勝し「パンクラスからUFCを目指していく」と夢に向け驀進!3年ぶり復帰の高橋“Bancho”良明が鮮烈逆転勝利!

 
 今年は、1993年に船木誠勝、鈴木みのるらがパンクラスを旗揚げしてから25周年のメモリアルイヤー。さらに今回は、なんと300回目の大会を迎える。
 現在は月1回開催が通常となっているが、黎明期には月2回開催されたり、2日連続興行や1日2興行など、さまざまな形で日本の格闘技界を支えてきた。
現在、世界では多くの格闘技団体が活動しているが、パンクラスはその中でも最も息の長い団体の1つと言える。
 パンクラスは、これまで多くの選手を育て、国内外の舞台にも活躍の場を拡げてきた。「世界標準」を掲げているいま、世界で活躍する選手たちを育てると同時に、世界からもますます注目され、目標とされる団体となっていくよう願ってやまない。

 さて、今大会では、ビジネスマンとして活躍し、試合から遠ざかっていた高橋“Bancho”良明が3年ぶりに復帰。パンクラスとREBELSのグループ化に伴うケージでのキックの試合、8ヶ月ぶりに怪我から復帰となる翔兵、また、タイトルマッチ敗戦からの再起となる佐藤天のメインなど話題が満載の大会となり、会場は熱く盛り上がった。

 また、久しぶりに4名のラウンドガール全員が勢ぞろい。会場を華やかに盛り上げた。
 しばらく海外修行などプロレスに専念し、ラウンドガールを休業していたHANAは、今年初めてケージに上がった。長くなった髪をドレッドヘアにし、ワイルドな雰囲気に変身。少し大人になったHANAに、会場から「HANA!」「HANAちゃん!」と声がかかると、手を振り笑顔で応えていた。

山本“KID”徳郁さん追悼式


 本戦開始に先立ち、9月18日にガンで急逝した山本“KID”徳郁さん(享年41歳)の追悼式が行われた。実姉の山本美憂はじめ、朴光哲、矢地祐介らKRAZY BEE所属選手がケージイン、テンカウントゴングを聞いた。
 山本さんの遺影を抱いたジム代表の服部氏は「11月4日にお別れの会を行います。返礼品として特製Tシャツをご用意しておりますので、多くのファンの皆さまにお越しいただくようお待ちしております」と挨拶した。
 お別れ会は青山葬儀場(東京都港区南青山2-33-20)にて、14時〜15時。

第1試合


2017年よりパンクラスに参戦している倉岡は、今年に入り2連敗中。ここで勝って連敗を脱したいところ。
 対する和田は2016年より参戦。大阪、北海道で闘って来たが、これが東京デビューとなる。東京のファンにインパクトを残せるか。

 1R。和田がパンチを見せてタックル、ケージへ押し込む。倉岡が入れ替えてヒザ。和田もヒザを打ち込むが、展開なくブレイクに。
 再開するが、和田のヒザがローブローとなりタイムストップ。しかし、ダメージは少なくすぐ再開される。
 倉岡はロー、左ハイキックからパンチを出しタックル。和田は回って組みつくと首を狙うが、これは極まらない。ケージへ押し付けていく倉岡。両者立ち上がると、倉岡が入れ替え。ケージへ押し、片足をつかもうとするが終了。

 2R。倉岡はハイキック、ローと足を使うが、和田の右パンチがヒット、倉岡ダウン! 和田がパウンドに入るとレフェリーが止めた。

第2試合


 このカードは、もともと3月に組まれていたが、金太郎の負傷により中止となっていた。今回は金太郎VSトビー・ミセッチが組まれていたが、ミセッチが負傷。そのため、ヤマニハが代打として組まれ、本来組まれていた対戦が実現する形となった。

 ヤマニハは2013年、石渡伸太郎との対戦がパンクラスデビュー。負けはしたものの、石渡を苦しめ注目された。グラップラーだが打撃にも光るものを持ち、瀧澤謙太、清水俊一らに勝利。しかし、ここ2戦は上田将勝、藤井伸樹に連敗中。ランカーの意地を見せるか、金太郎にランキング入りを許してしまうのか。

 対する金太郎はまだ25歳と若いが2012年よりパンクラスに参戦。現在2連勝中で、前戦は大阪でメインも務めた。勢いに乗り、一気にランキング入りを果たしたいところだ。

 1R。前蹴り、右ハイキックのヤマニハ。金太郎も左ハイキック。冷静に見ている印象だ。ヤマニハはロー。すると、金太郎が中に入って右フック! さらにパンチを打つと、ヤマニハは尻餅をつくがすぐに立つ。
 お互い打撃を出し合うが、ヤマニハがテイクダウンを狙う。しかし、すぐに逃げて立ち上がる金太郎。ヤマニハはパンチを振っていき、ケージへ追い込む。金太郎が入れ替えて逆にケージへ押すと、ヤマニハがヒザを打ち込んで終了。
 ジャッジは二者10-9でヤマニハ、1人が金太郎を支持。

 2R。金太郎が大きくパンチを振っていくと、ヤマニハが組みついてテイクダウン!しかし、 逃げる金太郎。パンチを打ってすぐ距離を取るが、ヤマニハに組みつかれ尻餅をついてしまう。立って突き放す金太郎。
 ヤマニハは再び組みつきテイクダウン、さらにマウント! 金太郎はエビで逃げるが、攻撃はできないまま終了。
 ジャッジは三者10-9でヤマニハ。

 3R。ヤマニハが長い距離からタックル、テイクダウン! ハーフマウントで固めるヤマニハ。金太郎は細かく殴る。ヤマニハが腕十字に入ると、金太郎、抜けて立った! パンチで前に出ると、ワンツーから左パンチがヒット、ヤマニハがダウン! すかさずかぶさりパウンドラッシュをかける。ヤマニハは打たれるままとなり、レフェリーが止めた。
 ヤマニハのテイクダウンに苦しんだ金太郎だが、大逆転劇で見事なTKO勝ち。2年ぶりの東京勝利を手にした。爆発的なポテンシャルは、まだまだ上がるはず。今後の活躍が楽しみだ。
 また、負けはしたものの、ヤマニハのグラップリング力は素晴らしい。これで3連敗となってしまったが、再び奮起を期待したい。

第3試合


 2016年、ネオブラッド・トーナメントエントリーでパンクラスに初参戦した奈良。その後は近藤有己、窪田幸生、高木健太、村山暁洋ら名だたる選手と闘っている。昨年7月大会からはパンクラスイズム横浜所属に。しかし、現在2連敗中。年内に連敗を脱しておきたい。

 対する中村は2005年よりパンクラスに参戦、14戦している。他イベントにも積極的に参戦し、戦歴は45戦とも50戦ともいわれる。ただ、パンクラスでは7連敗中。計量でも「オジさんの強さを見せてやります」と話していたが、そのキャリアを見せつけるか。

 1R。中村が右パンチから組みにいき、ケージへ押し付けてボディにヒザ。奈良もヒザを打ち込み突き放すが、中村は再びケージに押し込む。さらにヒザを打ち込み奈良に尻餅をつかせると、バックに回る。バックマウント。ゆっくりチョークを狙うが、防ぐ奈良。
 起き上がる奈良。しかし中村は腕十字! 奈良は防ぐが、中村がゆっくり寝かせて伸ばし、奈良がタップ。

第4試合


 冨樫は2001年に修斗でデビューした38歳のベテラン。ちょうど10年目の2012年からパンクラスに参戦し、早くも6年が経つ。前日計量では「DEEPの元チャンピオンに、パンクラシュ―トとして勝ちます」と話していた冨樫。DEEP元チャンピオンを下し、2連敗を脱したいところだ。

 元DEEPフェザー級王者・上迫は、今年5月、パンクラスに上がる予定だったが、計量オーバーで試合中止という失態をおかしてしまった。今回はライト級に階級を上げ、仕切り直しの一戦となる。マイナスイメージを払拭する試合内容を期待したい。

 1R。上迫は遠い距離から飛び込んでパンチを当てていく。さらにボディ、ヒザ、ロー。冨樫もパンチを返すが、上迫が手数で上回っている。さらに圧力をかけていく上迫。冨樫もパンチを返して終了。
 ジャッジは三者10-9で上迫。

 2R。お互いパンチを打ち合う。飛び込んでいく上迫。冨樫は組みにいくが、上迫は付き合わずロー。冨樫もジャブを出しているが、上迫ペース。今度は上迫が片足タックルを仕掛けるが、冨樫はこれを切る。上迫はロー、左ハイキック、右ミドルと攻め、冨樫に捕まることなく終了。
 このラウンドもジャッジは三者とも上迫を支持。冨樫は状況を打開できるか。

 3Rも上迫がペースを握り打撃で攻めていく。冨樫もジャブを振っているが、上迫はもらわない。上迫がパンチを当てていくと、冨樫にドクターチェックが入りタイムストップ。眉間をカットした模様。チェックの結果、続行不可能と判断され、上迫がTKO勝ちを収めた。
 上迫は「前回、試合を飛ばしてしまって、やっとここで闘うことができました。リングに上がるのは怖かったです。でも応援団がいてくれるので頑張りました。今日はクソつまらない試合をしてしまったので、次はガッツリ試合をして盛り上げて、ライト級のベルトを狙っていきます」とタイトル奪取宣言をした。

第5試合


 パンクラスとREBELSのグループ化により、今後パンクラスの大会の中でキックボクシングの試合が組まれることとなった。今回はその第1弾。ケージの中でのキックの試合は珍しい。
 古谷野は10勝のうち7勝がKOというハードパンチャー。また、栗秋は九州のイベントで5冠王となり、KNOCK OUTでも活躍中。MMAファンも熱くさせる激しい試合となりそうだ。

 1R、古谷野がローからパンチでボディを攻めていく。一瞬組むとすぐブレイク。栗秋の左フックがヒット! 一気にラッシュをかける。速い! しかし、古谷野も右ストレート! お互い攻め、終了。

 2R、古谷野がロー、アッパー。栗秋が前蹴りで応戦。栗秋はさらにロー、ハイ、右ボディと立て続けに攻める。古谷野はプレッシャーをかけていく。栗秋バックハンド、古谷野がバックキックで終了。

 3R。お互いに攻める両者。古谷野が中に入ってヒザ! 打ち合うと、栗秋は前蹴りで突き放す。クリンチが解かれると、古谷野がラッシュ! 再びクリンチが解かれると両者激しい打ち合いに。手数の古谷野、一発を狙う栗秋に会場が沸くが、終了。
 判定は2-0で栗秋が勝利。栗秋はケージに登ると最上段から宙返りを見せ、最後まで会場を盛り上げた。

第6試合


 翔兵は2014年ネオブラッド・トーナメント バンタム級ウィナー。しかし2016年7月よりフライ級に転向し3連勝。昨年は春日井健士、若松佑弥に敗れたが、今年2月、小川徹に勝利して連敗を止めている。2月の試合で手に負傷を負っていたために試合間隔が開いたが、万全のコンディションで8ヶ月ぶりの試合に臨む。

 秋葉は2015年よりパンクラスに参戦。大阪を中心に闘ってきたが、今年ついに東京進出。3月に安永有希、8月に荻窪祐輔をTKOで下し、東京のファンに大きなインパクトを残した。ここで勝てば、タイトル挑戦も見えてくる。そのイキのいい闘いっぷりで上位ランカーを食うか。

 1R。翔兵は距離を取り、飛び込んでパンチを打ち込んでいく。秋葉は前蹴り。翔兵はさらに入ってジャブ。さらに左ハイキック、パンチ。秋葉も蹴りやパンチを返していくものの、距離感を掴みにくいか、手数が出ていない。
 翔兵はペースを守って飛び込みパンチを重ねていく。さらにプレッシャーをかけると、やや下がり気味となってしまう秋葉。翔兵のパンチに合わせて狙っていくが、思うように攻められず終了。
 ジャッジは二者10-9で翔兵、1名が秋葉。

 2R。翔兵はペースを崩さず飛び込んでパンチを放っていく。しかし、秋葉は少しずつタイミングを読めてきたか? ハイキック。翔兵は飛び込んでの打撃からタックルを仕掛ける。秋葉はこれを切るが、スリップしてしまう。一瞬、猪木アリ状態となるが、秋葉が立って打ち合いに。蹴り、パンチを打っていく秋葉だが、やや疲れが見えるか、タックルに入るが、翔兵が切り、パンチを打つ。
 翔兵が主導権を握ってはいるが、秋葉のタイミングが徐々に合ってきている。しかし追撃はできず、翔兵が距離をうまく保って終了。
 ジャッジは三者10-9で翔兵。

 3R。疲れが見える秋葉。翔兵がプレッシャーを強めていく。秋葉は翔兵が飛び出すとパンチを合わせるが、翔兵はペースを変えず距離を保ってパンチ。2分経過したところで翔兵のパンチに秋葉がぐらつく。翔兵はすかさずケージへ追いパンチ。しかし秋葉のパンチもヒットしてきている。
 翔兵がタックル、しかし秋葉はこれを切る。残り30秒、翔兵がタックルからバックについてケージへ。お互い殴って終了。
 判定は3-0で翔兵が勝利。新興勢力の台頭を止めた。

翔兵 試合後コメント
「KOか一本で勝つと思っていましたが、秋葉選手は予想以上に打たれ強くて根性もありました。ただ持っている自力で僕の方が上回っていたと思います。秋葉選手はまだまだ伸びる選手だと思いました。

 今回、カギは中間距離の打撃にあると考えていました。“パンチをもらう距離”にいたら、もらうのは当たり前ですよね。ビックリするような攻撃、思い切って振ってくるような打撃っていうのは、中間距離なんです。キックを捌ける距離をわかっていれば、打撃は全く怖くないという考えです。
 もちろん、作戦はいつも通り遂行できました。作戦通りに身体が動かなかったことは、怪我をしている試合以外は今までで一度もありません。幸い、相手も作戦通りに動いてくれて、落ち着いて自分のペースで闘うことができました。
 ただ、判定となったことは大誤算でした。必ずKOか一本で勝つと決めていたので、ポイントで勝っているとわかっていても少し無理をして前に出てしまいました。正直なところ、KOか一本でないと今回の試合は負けたも同然だと思っていましたので、あまり素直に喜べないです。相手が想像以上に強かったということですね。
 負けた試合からこそ学べるというのが僕の信条ですが、あまり負けが続いてはそれも困りますし(笑)、勝負として勝ちに徹するということも試合前に心していましたので、ここからも学んで次に生かしたいと思います。

 今回、入場曲を変えました。ファイナルファンタジー6の「仲間を求めて」という曲なのですが、試合前のルーティーンを変えると同時に曲も変えました。ルーティーンを変えたのは覚悟を決めて試合に挑むため。これからベルトを取るために、僕にとって必要なことでした。
 また、僕が今こうして闘えるのは、一緒に練習してくれる仲間、練習場に行くのが憂鬱になるくらい厳しい練習をやってくれたり、セコンドについてくれたりする仲間のおかげです。そんな気持ちも込めて選びました」

小笠原瑛作あいさつ


 小笠原瑛作(クロスポイント吉祥寺)がケージイン。来年2月17日の「PANCRASE REBELS RING」(仮称)で試合をすることを発表した。
 「PANCRASE REBELS RING」は、パンクラスとREBELSのグループ化に伴い実現した大会で、パンクラスの全面協力のもと行われる。MMAは 11行わず、完全にREBELSのみの内容となる。この大会は来年9月と12月にも行われることが決定しており、将来的にはREBELSのみのテレビ中継を目指していく。
 2月の大会では、梅野源治(PHOENIX/BARK in STYLe)がメインを務めることが既に決定しているが、初代REBELS52.5㎏級王者、初代REBELS-MUAYTHAIフライ級王者、初代MuayThaiOpenスーパーフライ級王者、ISKA K-1ルール世界バンタム級王者と、そうそうたるタイトルを持ち、現在はKNOCK OUTで活躍中の小笠原が参戦となれば、ますます注目度も上がることは間違いない。

小笠原
「パンクラスとREBELSのグループ化で、来年、自分もここで試合をします。パンクラスも熱いですけど、REBELSも熱いです。2月、ぜひ見に来てください。盛り上げます!」

第7試合


 番長がパンクラスに帰ってきた!
 2015年11月のハワイ大会を最後に、ケージを遠ざかっていた高橋。プライベートではビジネスマンとして活躍する高橋は、仕事が忙しくなり、試合に出るレベルに持って行く練習がなかなかできなかったという。
 しかし、次々育ってくる道場の後輩に「高橋さんの試合が見たいです」と言われ、みんなそれぞれ色々なことをやりながら格闘技を続けている、自分も後輩にダサイところは見せられないと、再びケージに入る決心をしたという。
 いい選手の揃うパラエストラ八王子だが、中でも高橋のポテンシャルの高さはピカイチ。久しぶりの試合で爆発するか。

 1R。プレッシャーをかける高橋に、アブレオがパンチから組み付く。アブレオはケージに押し付け、ボディを殴る。高橋もコツコツ殴るが、アブレオがキープ。高橋はヒザを着くが、すぐに立つ。
 アブレオはボディブローから足をかけてテイクダウン! さらにバックマウントへ移行。引き剥がしたい高橋。残り2分、アブレオはまだバックをキープしている。ここで高橋がリバース! 会場から拍手が起こる。
 残り30秒。アブレオはオープンガード。高橋はパンチ、最後にヒジを落として終了。
 ジャッジは三者とも10-9でアブレオを支持。

 2R。アブレオがパンチから組み付いてくると、高橋はこれを投げてテイクダウン! ケージ際へ引き込むが、アブレオは下から三角絞めを狙ってくる。絡んでくるアブレオ。しかし高橋は腕を抜き、頭を抜いて対処して行く。アブレオは高橋の顔面へパンチを打ち、終了。
 ジャッジはこのラウンドも三者10-9でアブレオ。高橋は逆転できるか。

 3R。パンチから組み付いてきたアブレオに、高橋のヒジがヒット!高橋はさらにヒジを放つが、アブレオが最初のヒジで左目上をカットしており、大流血。ドクターチェックが入ると、続行不可能ということでレフェリーストップ。高橋が劇的な大逆転勝利で復帰戦を飾った。

 番長のポテンシャルは健在だった! 前半こそ苦戦したものの、実力は衰えず、冷静に対処。最後にはヒジ一閃、最高の逆転劇で復帰戦を飾った。
 高橋がパンクラスを遠ざかっている間に、ホームがディファ有明からスタジオコーストに変わったり、テレビ中継が実現したりするなど、パンクラスを取り巻く環境はガラリと変化した。ディファ時代とはファン層もやや変化が見えるが、高橋を知らないファンにも大きなインパクトを与えた一戦。お帰りなさい番長! 今後の活躍に大きく期待したい。

第8試合

 アグオンは昨年2月にパンクラス初参戦。2戦目でISAOに勝地、地味な印象ながら強さを示した。しかし、前回12月は松嶋こよみに判定負けを喫している。今後を考えても、ここは星を戻しておきたいところだろう。

 田中は2016年よりパンクラスに参戦。初参戦で内村洋次郎を下し、2戦目となる2017年5月には、日沖発を秒殺KO。しかし同年10月、中原由貴に判定負けを喫しており、今回が再起戦となる。
 今年5月には上迫博仁戦が決まっていたが、上迫の計量オーバーで試合が消滅。さらに8月のマイク・グランディ戦も直前で流れてしまい、1年ぶりの試合となった。しかし、その間、故郷・福岡県に移り住み、格闘技ジムの責任者としての生活もスタート。心機一転の勝利なるか。

 1R。前に出てパンチを打つ田中、長いレンジで蹴り、パンチを打つアグオン。田中が左右フックで前へ出るとアグオンが組む。完全にテイクダウンしてはいないものの、殴っていく。尻餅をついた田中は少し鼻から出血している。
田中がケージを背にして立ち上がり、入れ替えると、お互い殴って終了。
 ジャッジは三者10-9でアグオン。

 2R。田中は飛び込んでパンチ。プレッシャーをかける。さらにタックルからアグオンをケージに押し付ける。殴りながら耐えるアグオンだが苦しそう。
田中はバックに回り、ヒザで蹴り上げ。さらに正対してケージへ押し込む。アグオンは離れ、今度はタックル。田中はこれを切り左右パンチ・アグオンも右ミドル、パンチから再びタックル。田中はこれを潰し、片足を抱えてケージへ押し付けて終了。
 ジャッジは三者10-9で田中。

 五分で迎えた最終ラウンド。タックルに入るアグオンだが、田中もタックルを仕掛け、ケージに押し付けていく。しかし、アグオンが入れ替えてケージへ押し込む。田中ヒジ。田中は尻餅を着くが、背中までは着けない。立った田中! アグオンをケージへ押し込み殴る。アグオンもヒジ、パンチ。
 一旦離れると、田中がタックルに入るが、アグオンが切ってケージへ。入れ替えた田中だが離れ、最後は打撃戦に。
 ジャッジは二者29-28でアグオン、1人が田中支持と割れ、アグオンが一進一退の攻防を制した。

第9試合

 佐藤は2013年よりパンクラスに参戦。2014年にはネオブラッド・トーナメント同級を制している。今年7月、グライコ・フランサとの第12代王者決定戦で敗れ、これが再起戦。再びパンクラスのベルトを狙い、さらにUFCを目指すためには、必ず勝たなくてはならない大切な一戦だ。

 マット・ベイルはオーストラリアの選手で、MMA戦績は10勝1敗という。1敗は元UFCファイターのベン・アロウェイに2年前に敗れたもの。

 1R。ベイルはローで様子を見る。佐藤はパンチで応戦。ベイルがパンチから首相撲、ヒザを打ち込むがすぐに離れる。
 パンチを放っていく佐藤。ベイルが少しぐらつく場面も。効き始めているか。ベイルは飛びヒザ、ミドルと攻めるが、佐藤の左ストレートがヒット、ベイルがダウン! 佐藤はすかさず殴る。しかしベイルは立ってタックル、しがみついていく。さらにバックに回り、おぶさる。首を狙うが、佐藤は外して立つ。ケージへ押し込むベイルに、佐藤はパンチで攻めて終了。
 ジャッジは三者10-9で佐藤。

 2R。ベイルはローから入る。佐藤はパンチ。すると、ベイルの左フックで佐藤がダウン! ベイルはパンチとヒジで追撃するが、佐藤は立ち、ケージへ押し付ける。佐藤はベイルの片足をつかんでいるが、少しふらついているか? ベイルはバックに回るも離れる。
 パンチを振ってくるベイルだが、佐藤のヒジがヒット、ベイルがダウン! 佐藤は殴り、バックを取ってケージへ押し付ける。正対すると押し倒してテイクダウン! さらにマウント! 佐藤がヒジとパウンドを連打し、レフェリーが止めた。
 見事なTKO勝ちで再起を飾った佐藤は「海外の選手に日本人も負けないというところを見せたい。これからも、日本から、パンクラスからUFCを目指していく」と語った。

(写真・文/佐佐木 澪)

  • はてなブックマークに追加
  • LINEでシェア

関連記事

サイト内検索

日別

2024年11月
« 10月    
 12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930

月別

ページ上部へ戻る