【インタビュー】NBTに挑むパラエストラ八王子の若手、荒田大輝・鈴木悠斗にインタビュー!二人の目指す今後を聞いた!
今年も大詰めを迎えた、パンクラスのネオ・ブラッド・トーナメント(以下、NBT)。多くの名選手やチャンピオンを生み出しているパラエストラ八王子から、今年は2選手がエントリー。ライト級では鈴木悠斗が5月に優勝を決めており、今回初めてメインカードで闘う。
また、バンタム級にエントリーしている荒田大輝は準決勝に臨む。荒田は腕十字、チョークスリーパーと一本勝ちで勝ち上がっている。今回も一本で決勝へ進むか。
鈴木の初メインカード、荒田の準決勝戦は『PANCRASE 346』(7月21日、立川ステージガーデン)で行われる。試合を間近にした2選手に話を聞いた。
荒田大輝
――コンディションはいかがですか。
荒田「コンディションは、まあまあ。まあまあです」
――アマチュア時代は階級が違いました(フェザー級)ね。今のバンタムは、やってみていかがですか。
荒田「元々あんまり減量がなかったので、 ちょうどいいですね」
――NBTは長いので大変だと思うんですけど、次の試合に向けていかがですか。
荒田「次の相手はNBTの中で一番強い相手だと思っているので、しっかり勝ちたいと思います」
――NBTの相手っていうのはなかなか情報も少ないと思うんですけど、対策はどうされていますか。
荒田「情報はないし、前回の試合を見た感じでやってます」
――ここまで一本で勝ち上がって来られていますが、MMAの前に何かスポーツをされていたのでしょうか。
荒田「柔道をやっていました」
――それで極めが強いんですね。
荒田「今回のNBTは全部一本で勝って、年末に試合できたらと思っています」
――柔道からMMAを始められたきっかけは何だったんですか。
荒田「中学生の時にRIZINを見てMMAに憧れました」
――そうなんですね。どの選手の、どんな試合が良かったですか。
荒田「特にこの試合が、とかはなくて、全体的にですね。RIZINを初めて見て、ここで自分も試合したいな、とすごく思いました」
――MMAの、それも大きい大会を生で見に行く機会って、中学生ぐらいだとなかなかないと思うんですけど、どんなきっかけで行かれたんでしょう。
荒田「きっかけは、ほんとにたまたま大晦日に、那須川天心とメイウェザーの試合(2018年12月31日、『RIZIN.14』)があるって聞いてて、これは見たら学校で自慢できるぞと、そういう不純な動機で(笑)。『見に行ったんだぞ』って言いたかっただけなんです」
――大きいイベントでの超有名選手の試合ですからね。そこでMMAにハマってしまったと。そこから実際にMMAに転向されたっていうのはいつだったのでしょうか。
荒田「2年前ですね」
――2年前にパラ八に入られてMMAを始めて、パンクラスに出られたという経緯ですか。
荒田「そうですね。アマチュアから全部パンクラスです」
――MMAにはいろんな団体がありますけど、パンクラスを選ばれた理由っていうのは何だったのでしょうか。
荒田「アマチュアからできたんで、身近な存在だったんです。それから、ベルトを獲れるんじゃないかなと思ってたので」
――なるほど。バンタムは強い選手がたくさんいますけど、やってみたい選手、闘ってみたい選手はいますか・
荒田「田嶋椋選手とやってみたいですね。田嶋選手は、NBTで勝ち上がって(2022年10月)、すぐに暫定王者決定戦(同年12月)が組まれてたんで」
――そうですね。NBTで入賞したら、大体ご褒美マッチみたいな試合が組んでもらえるじゃないですか。それでいい感じになったらいいですね。
荒田「うーん、田嶋選手はランキング上位(現在3位)なんで、いきなりは組まれないと思いますけど、地道にやっていきたいですね。そのためにも、全部フィニッシュで優勝することが必要だと思ってます」
――そうですね。さて、普段の練習とかで力を入れてることとか、ここをすごく磨いてるっていうところはありますか。
荒田「自分は打撃をやったことなかったので、打撃は多めに練習しています」
――でもやっぱり寝技で決めたい?
荒田「そうですね。自分はまだ、一発で倒しきれるほどのパンチを持ってないので」
――パラ八さんは強い選手が本当にいっぱいいらっしゃいますが、雰囲気とか練習の内容とかはいかがですか。
荒田「ちょっと家からは遠いんですけど、入ってみてめちゃめちゃいいジム見つけたなって思ってます」
――館長さんがすごく指導力もお人柄も良い方ですからね。
荒田「めちゃめちゃいいです。練習も、楽しくもあり、厳しくもありで」
――では最後に、今後の目標を教えてください。まだNBTが終わっていませんが、その先にどんなことを考えていらっしゃいますか。
荒田「来年、パンクラスのベルトを巻きたいです」
――おお〜。まずはNBT優勝ですね。あと2試合、頑張ってください。ありがとうございました。
鈴木悠斗
――コンディションはいかがですか。
鈴木「コンディションはいつもと変わらないですね」
――この間もすごくお元気そうでした。
鈴木「アハハ、元気です」
――前回お話聞いた時よりも大人っぽくなられたというか、プロっていう顔になって来られましたね。
鈴木「大人っぽくなったかもしれないです。でも、まだまだまだです。はい」
――5月にNBTで優勝されて、やはりそういうことが自信になっているのでしょうか。
鈴木「そうですね。でも、もともと自信はあるので」
――おお〜。前回お話をうかがった時には多分お聞きしてなかったと思うんですけど、格闘技を始めたきっかけは何だったのでしょうか。
鈴木「そうですね、きっかけは、中学校の時の友達が格闘技好きだったんです。キックボクシングやK-1を見ていて、そこから入ったって感じですね」
――一緒に大会を見に行かれたりしましたか?
鈴木「YouTubeとかで試合とか見て、そこから入って、やっぱり強い男ってかっこいいよなって思って始めました」
――入口はK-1 で、そこからMMAにというのは、どういう理由だったのでしょうか。
鈴木「K-1だと、寝たら何もないじゃないですか。ダウンさせちゃっても何もないんで、やっぱりMMAの方が最強に近いんじゃないかっていう中二病みたいな感じです(笑)」
――MMAはやることがたくさんあって大変ですよね。
鈴木「ですよね! 覚えるとびっくりでした」
――以前は野球をされてたんですよね。
鈴木「そうですね。別にそんな強い中学校とかじゃなかったんですけど、3年間、野球をやっていました」
――運動できる人って、だいたい野球とかサッカーに行っちゃうんですよね。
鈴木「確かに。あと、(MMAに転向したのは)団体競技がちょっと苦手だったので」
――個人競技の方が性に合っているんですね。さて、これまで4戦のうち3戦でKO勝ちしている鈴木選手なんですけど、この間の会見では、一本でも勝ちたいとおっしゃっていました。その自信のほどは?
鈴木「いや、もう絶対フィニッシュできると思います。一本でもKOでもフィニッシュすればいいかなと思っています」
――KO勝ちがほとんどだったので、やはり打撃の印象の方が強いですが、寝技も自信アリですか。
鈴木「自信満々ですね。はい。もう全てに自信満々です」
――練習はパラ八だけですか。
鈴木「今、ここと、あと井上直樹さんのところに出稽古に行かせてもらっていて、そことパラ八って感じです」
――見る人にとっても、やはりKOのイメージが強いと思うので、一本での勝利は新鮮ですね。
鈴木「そうですね。寝技もできるんだぞっていうところを見せたいです」
――そこで、今度の相手なんですけど、どのような印象をお持ちですか。会見では面白い方でしたけど。
鈴木「面白い方ですよね。なんかすごく面白そうな人だなっていうのと、あと結構、気持ちが入ってガツガツ来るタイプ。自分も前に結構行くんで、ぶつかり合いになるんじゃないかなって思ってます」
――他団体ですが、ベルトも巻いている選手です。どんなところに警戒していますか。
鈴木「警戒ですか。あんまり警戒はしてないですね」
――平選手ご本人は「寝技も打撃もできません」とおっしゃってましたが。
鈴木「そうであってほしいですね(笑)」
――でも、そんなわけはないので……
鈴木「はい。そんなわけないんで。やっぱキャリアも全然自分より上。なので、油断せずにしっかりやっていきたいです」
――ご自分の中では、どのような試合にしたいですか。
鈴木「すぐ終わらせたいですね。多分すぐ終わると思います。はい。一本かKOか」
――楽しみです。今回、初めてのメインカードということで、今後、いろいろは選手と闘っていくと思いますが、闘ってみたい選手はいますか。
鈴木「用意された相手は誰でもいいって感じですけど、世界に行くための選手だったら誰でもいいです」
――では、まずはベルトを目指しますか?
鈴木「いや、正直ベルトは巻いても巻かなくてもいいかな。巻けたら巻いて、時間がかかるんだったらそのままUFCに行っちゃおうかなと」
――おお、新しい。最終目標はUFCですか。
鈴木「はい。UFCのチャンピオン。そんなの、まだ誰もいないじゃないですか。やっぱり、ここで一気にいかないと」
――じゃあまずは、1つ1つ勝っていかないと。
鈴木「そうですね。ポンポンポンと勝って、次に行きたいです」
――プロ生活は今年で2年目に入りますね。
鈴木「そうですね。7月9日にプロデビューしたんで、ちょうど1年くらいですね」
――MMAをやってきてみて、何かご自分の中で変わったこととか、MMAをやって良かったなとかいうことってありますか?
鈴木「やっぱり精神的に大人になれたのかなって思います」
――そうなんですね。初めてお会いした時から結構大人っぽい方だなと思ってました。
鈴木「ほんとですか」
――前回勝った後も、18歳には見えないなあと。もう 3〜4年やっている選手みたいな貫禄がありました。
鈴木「アハハ、ドヤ顔してました。カッコつけてました(笑)」
――勢いがあるというのはすごく良いことなので、ぜひこの波に乗って行って欲しいです。
鈴木「はい! 頑張ります」
――どうもありがとうございました。
鈴木18歳、荒田20歳。ともに勢いに乗る。まだ試合数は少ないが、大きな可能性を秘めた2選手。練習からも、旺盛な探究心が伝わってきた。また、話を聞いていても、まっすぐで素直な性格が感じられた。素直に物事を受け入れられる選手ほど、強くなるという。名門・パラエストラ八王子から、また名選手が生まれそうだ。両選手の今後の活躍に大いに期待したい。
(聞き手・写真/佐佐木 澪)