パンクラス237のメイン、セミでタイトルマッチを行う4選手は公開計量から既に戦闘モード!1年半ぶりに帰ってくる川村「明日は“パンクラス生まれの自分”を見せる」
12月12日、都内武蔵野市のクロスポイント吉祥寺で、『PANCRASE 273』(13日、ディファ有明)の公開計量がおこなわれた。本戦第1部は、第7試合の渡慶次幸平(P’sLAB吉祥寺)が400gオーバーした以外は全員初回でパスした。渡慶次は午後3時のタイムリミットまでに落とす。
メイン、セミファイナルの2大タイトルマッチの4選手は、気合い十分。既に戦闘モードに入り、ピリピリ感を醸し出していた。特にセミの神部建斗(ALLIANCE)は、武蔵幸孝(フリー)を睨み挑発。武蔵は大人の落ち着きを見せながらも睨み返す視線は鋭かった。
第1試合の伊藤崇文(パンクラスism)は、ツーショット写真もコメントも拒否、プロレスラーぶりを見せつけた。第3試合、3年前のリベンジとなる荻窪祐輔(K-PLACE)は、リベンジよりも先を見据える。第9試合では、川村亮(パンクラスism)が約1年半ぶりの復帰を果たす。足の怪我以降、総合格闘技から遠ざかり、佐藤光留主宰の「ハードヒット」等に上がっていたが、ついにパンクラスに帰ってくる! しかも、この大会でデビュー10周年を迎える。
第11試合のタクミ(パラエストラ大阪)は、2月にフェザー級王座を失って以来の参戦となるが、相変わらずのハイブリッド・ボディ。とても42歳には見えないたくましさだった。
注目選手のコメントは以下。
荻窪祐輔(第3試合、vs.上嶋佑紀/フライ級)
コンディションはバッチリ。この試合は3年前のリベンジ(2012年10月=判定負け)だけど、でも、リベンジという思いはそんなに強くない。今日、相手を見ても特に何も思わなかった。それよりも、この間の試合(今年10月、清水俊一戦=ノーコンテスト)が中途半端になってしまったので挽回したい。再び上に行くために、きっちり仕留めるつもり。作戦はあるけど、試合前なので言わないでおく。
1本取る気持ちで闘っているが、自分はこれまでの勝ちは全て判定。判定のイメージがついてしまっているかも知れないけど、今回も1本取るつもりで闘う。もし判定になったときも、圧倒して文句ない勝ちをつかみたい。
川村亮(第9試合、vs.フランシスコ・ジバゴ/ミドル級)
1年半ぶり。ずっと弱い自分がいて、今の状態や取り巻く環境に負けていた。ここでもう1つ成長したくて出ることにした。
相手の印象は、「ブラジル人っぽい」感じ。自分は本当にブラジル人選手との試合が多くて、ブラジル人は隙。明るいし、試合が終わったらワーワー言ってフレンドリーだし。いつか自分もブラジルで試合をしてみたい。何時間もかけて日本に来て、調整して試合をしてくれる。そのお返しをしたい。
パンクラスは金網になろうがどうなろうが、僕はパンクラスで生まれてパンクラスで育った。そして、ここにいる。人がどういう見方をしようと自由だし、それぞれのパンクラスがあると思う。でも、僕がパンクラスで育ってきたということは覆せないし、今さらやめたなんて言えない。
自分が一番身近な先輩が佐藤光留さんだが、とにかくすごい。年間200試合もやって、総合もやるし、いろんなところで活躍している。その姿を見ていたら、自分の悩みなんか小さいなと思った。鈴木(みのる)さんが始めた「パイルドライバー」で、鈴木さんはシャチョー、佐藤さんがカチョー、ぼくがテンチョーなんて言ってやっているが、このことで2人をより近くに感じられた。小さな自分を覆すのは今しかないと思うし、成長していこうと思っている。
10年前の12月、ism主催興行でデビューした。いろんなことが変わっていく中で、明日は「パンクラス生まれの自分」を見せてやろうかなと思う。
パンクラスは川村亮のエンターテイメントです!
タクミ(第11試合、vs.田村一聖=フェザー級)
前回(今年2月)、ナム・ファンに負けてしまったが、今回は田村選手が相手で、2戦連続元UFCファイターと組んでいただいた。高いレベルを経験してきた選手とやらせていただけるのは光栄。
自分はベルトを失って、今守るものはない。堅くなく、見てくれる人に楽しんでもらえるような試合をできたらと思う。
年齢も、この11月で42歳になって、いつやめてもおかしくない年だと思う。でも、幸い身体は動くし、練習していても、まだまだやれると思う。田村選手はパンクラスをステップにして再びUFC参戦を目論んでいるかも知れないけど、踏み台にならないよう、ちゃんと立ちふさがりたい。
まわりの人は、自分の打撃よりも組み技を見たいと思っていると思うが、期待をいい意味で裏切りたい。打撃も見せてみたい。相手はテイクダウンを取りにくる印象があるので、テイクダウンされてしまっては相手の土俵で闘うことになる。テイクダウンさせない方向へ持っていきたいし、そういう練習もしてきた。四つなら負ける気はしないが、とにかくタックルを切って、先に打撃を当てていきたい。
今後やっていって、ベルトを狙えるところまで行けるかはわからない。でも、試合をするからには負けるわけにはいかない。いい勝ち方をしたいし、全力を尽くします。
清水清隆(第12試合、vs.神酒龍一=フライ級王者査定試合)
相手を倒して、有明の埋め立て地に埋めてきたいと思います。
神部建斗(セミファイナル=ライトフライ級第2代王者決定戦)
明日は絶対オレが勝つし、ぶっ飛ばす。
武蔵幸孝(セミファイナル=ライトフライ級第2代王者決定戦)
明日、54.5kgさいごで最高の試合にしたい。
石渡伸太郎(メインイベント、vs.ビクター・ヘンリー=バンタム級キング・オブ・パンクラス タイトルマッチ)
お前には何もやらない。覚悟しろ。
【写真・文/佐佐木 澪】