元プロボクシング日本王者・鈴木悟がプロレスデビュー!必殺技“SSC”を引っさげデビュー戦を流麗勝利!
31日、神奈川県・とどろきアリーナで行われたHEAT-UP『障がい福祉青少年育成チャリティー大会~川崎炎上シリーズ とどろきの乱~』にて、鈴木悟のプロレスデビュー戦が行われた。
鈴木悟は、第48代、第50代ボクシング日本ミドル級王者、第4代シュートボクシング日本スーパーウェルター級王者に君臨した実績ある格闘家でありながら、42歳にして「プロレスを一から学びたい」とHEAT-UP道場で鍛錬を開始。必殺技であるSSC(Suzuki Satoru Cyclone)も生み出し、デビュー戦に向けて並々ならぬ覚悟で臨んでいた。
この日は、HEAT-UPの若きサンビスト・飯塚優とタッグを組み、鈴木秀樹&渡辺宏志と対戦。
対戦相手の鈴木秀樹は、「デビュー戦で感動を与えるようなことはしません。プロレスはそんな綺麗なことばかりじゃないよと伝えられると思っています。僕は急所も蹴って、噛みつきもして、目潰しもします。綺麗な試合はしません」と語っており、試合の行方には注目が集まっていた。
試合は飯塚と渡辺のHEAT-UP勢がぶつかり合い、じっくりとしたグラウンド戦でリングの熱を高めていく。
鈴木秀樹と鈴木悟のマッチアップ。秀樹が手4つを仕掛けようとすると悟はミドルキックで牽制。しかし秀樹はキャッチしてそのまま逆片エビ固めに持ち込み、ロープに逃れた悟を場外に蹴り出して、リング外で悟を執拗に攻め立てていく。
こうした乱闘やレフリーのブラインドを突いた攻撃など、プロレスならではの攻撃に苦しむ悟はふらつきながら秀樹に打撃を放っていくが、秀樹は意に介さずフットスタンプ。しかしこれで火が点いた悟は秀樹にSSC(ボディブローを連発してコーナーに追い詰めさらに連打)で猛攻をかけるが、秀樹はこれをカウンターのビッグブートで吹き飛ばし、さらに渡辺がサイドスープレックスで続いて渡辺と秀樹がハイジャックパイルドライバー。
飯塚は対戦前から意識していた秀樹へ飛びつき腕十字で動きを止めて勝負を悟に託す。渡辺はダイビングニードロップ、ドラゴンバックブリーカーと畳み掛けるが、フォールに来た渡辺を下から悟が電光石火のスモールパッケージで丸め込んでカウント3。
これまで格闘技の世界で戦ってきた悟が“プロレス技”で鮮やかな勝利を収めた瞬間だった。
先にバックステージに戻った鈴木秀樹は、悟の指導役も務める渡辺に「もっと激しく教えたほうがいいと思います。まだ出来る」と語るなど、プロレスラー・鈴木悟の将来性に太鼓判を押して会場を後にした。
試合を終えた鈴木悟は、「今出来ることのすべては出せたと思います。試合と練習は違うっていうのは格闘技の世界で闘ってきて分かっていましたけど、本当に死ぬか殺すかというような闘いですね。しんどかったですけど、何事も経験していかないと。また練習に取り組む気持ちも変わると思います。ヤバくなったら打撃でなんとかしようと思ってたけど、打撃だけはできたと思います」とデビュー戦の感想を述べた。
また、今後も継続的にプロレスのリングに上っていくかを問われると「もちろんです。もっとしっかりしたプロレスができるようになりたいですね」と笑顔で即答した。
<写真:鈴木“サモ・ハン”孝>