PC･携帯･スマホで見る “無料”プロレス・格闘技ニュースサイト

　7日、東京都・新宿FACEにて希月あおい引退興行『ファイナルハッピー』が行われた。

　希月あおいは、我闘姑娘の旗揚げ戦を観たその場でさくらえみに入団を直訴し2005年にデビュー。その後に移籍したアイスリボンではエースとして成長しICE×∞王座を戴冠するなど活躍したが、2016年にフリーとなり数多の団体を転戦。常に笑顔でプロレス界に幸せを振りまく姿から“ハッピーメーカー”と呼ばれ、選手や観客から愛されていた選手だ。
　この日、14年に渡る選手生活にピリオドを打つあおいのために、あおいのキャリアに寄り添ってきた先輩選手や、あおいを慕いプロレスラーになった後輩選手など25名が参戦した他、あおいの引退に華を添えようと引退セレモニーには現役選手や女子プロレスOG、あおいの家族も含め数十人が駆けつけた。

　あおいは引退試合のパートナーとして、9歳でデビューした頃から可愛がっていた里歩、あおいが「昔の自分を見ているよう」とその姿を重ねる我闘雲舞の新人・駿河メイと自らを慕う後輩を抜擢。対戦相手には、師匠であり自身がプロレスラーになる切っ掛けとなったさくらえみ、一番近い後輩である真琴、アイスリボンのアイドルプロジェクトからデビューした後輩の志田光がラインナップされた。
　
　試合前から感極まって涙ぐむあおいに対し、真琴は手向けとばかりに序盤から全力でぶつかっていくが、メイと里歩がアシストして形勢逆転するとあおいとともに青春ピラミッドを決める。
　あおいに縁ある選手たちが次々とトレイン攻撃＆抱擁をしていく中、メイが救出に入り、あおいが志田に、メイがさくらにローリングクレイドルから変形グラビア固め。その後、志田と対峙したあおいは「いままでありがとー！」とエルボー連打も志田は「うるせー！」と延髄斬り。
　その後、あおいはさくらへの想いを叫びながらバチバチとエルボーを打ち合い、ムーンホーププレッシャーを投下するも決まらず。最後はさくらが2階からのニャンニャンプレスを投下し、愛弟子の選手生活に引導を渡した。

　ジャンピングラリアットを伝承した椎名由香さんからの電報に始まり、元NEOメンバー、元JWPメンバー、アイスリボンメンバー、WAVEメンバー、SEAdLINNNGメンバー、OZアカデミーメンバーなど垣根を超えた豪華メンバーによる引退セレモニーが行われ、マイクを取ったあおいは「プロレスが大好きでした。ここまでやってこれたのは、皆さんに出会えたからです。ツライことも苦しいこともたくさんたくさんあったんですけど、今振り返れば楽しいことしか無くて、プロレスがもっと大好きになりました！負けそうになった時、背中を押してくれてみんなどうもありがとう。感謝してもしきれない気持ちでいっぱいです。私がこうしてハッピーメーカーでいられるのも、皆が私のハッピーメイカーだから！ここまで頑張ってこれたんだと思っています。怪我なくリングを降りれること、引退ロード正直きつかったところもありました。でも、こんなに頑丈な体に生んでくれてお母さんありがとー！後悔、悔しくて泣いて這い上がった希月あおいですけど、もう後悔はありません！プロレスをやりきったぞー！14年間、本当に、本当に、ありがとうございました！」と最後の挨拶。
　10カウントゴングが鳴らされ、皆があおいの新たな門出を祝福。真琴＆志田＆メイによる騎馬にあおいが乗って会場をぐるりと回る中、ガトームーブが『青色の地図』を歌い、あおいをプロレス界から見送った。

　バックステージに戻ったあおいは、「もう本当にやりきって悔いはありません！自分がハッピーメーカーでいられたのも皆さんが応援してくださったからですし、本当に負けそうになったときに背中を押してくれたときの応援は忘れないし、一生モノだと思っています。自分の青春時代はプロレスでした。中々今思うと寂しいこともあるんですけど、みんなに想いは繋げられたかなって思ってるし、今こうして終えて、安心感っていうのと、今までやってきて本当に良かったってことしか今は出てこないです。プロレスラーになれてよかったです！悔いもないし、やり残したこともないし、私は新たな“青色の地図”を埋めにハッピーな道を行きたいと思います。プロレスは辞めたけど、ハッピーメーカーは絶対に卒業しませんので！」とコメントし、師匠のさくらえみや、後輩の里歩＆メイへの想いを語った。

　引退後は「お母さん孝行したいなって思ってます」と語るあおいに、今後プロレスに関わっていく気があるかを聞くと、「もちろんあります！なにかプロレスに携われるものがあるのであれば、バンバンやらせていただきたいと思っています！」と笑顔で即答した。