【試合結果】5・27 GOING-UP北沢タウンホール大会 ガッツ石島&バッファローvs兼平大介&大谷譲二 越中詩郎&近藤”ド根性”洋史vsマスクドミステリー&渡辺宏志 藤原秀旺with 秀・オブ・ザ・イルミナティvs影山道雄
GOING-UP旗揚げ戦『Go Go GOING-UP!』
日時:2018年5月27日(日)
開始:18:00
会場:東京・北沢タウンホール
観衆:135名
▼第1試合 GOING-UPはじまりのはじまり 15分1本勝負
○黒田哲広(フリー)
7分44秒 逆片エビ固め
●室田渓人
▼第2試合 転生シャドーサタン 20分1本勝負
○藤原秀旺(プロレスリングメジャーズ) with 秀・オブ・ザ・イルミナティ
8分50秒 バックドロップ→片膝乗せ体固め
●影山道雄(チームでら)
▼第3試合 検証!プロレス的世代間格差 30分1本勝負
松田慶三(IWA熱波軍)/○YUJI KITO(ASUKA PROJECT)
13分26秒 バルス→片エビ固め
飯塚優/●井土徹也
▼第4試合 特別試合〜ミッドライフ・クライシス〜45分1本勝負
○越中詩郎(フリー)/近藤”ド根性”洋史
13分21秒 侍パワーボム→エビ固め
マスクドミステリー/●渡辺宏志
▼第5試合 Go Go GOING-UP〜俺達の決意〜60分1本勝負
○ガッツ石島/バッファロー(MAKAI/鳥取だらず)
20分36秒 フェイスバスター→片エビ固め
兼平大介/●大谷譲二
GOING-UP旗揚げ戦で藤原秀旺が大暴走!大谷&兼平が意地を見せ「若い力でこの団体を盛り上げる」と宣言!越中詩郎の尻が下北沢に舞う!
オープニング
実況・弥武芳郎、解説・マグナム野毛、リングアナ・どら増田のトリオが北沢で復活。軽妙なトークのやり取りに増田のコールが加わるとガッツワールドの面影が蘇ってくる。対戦カード発表時、藤原秀旺や松田慶三&YUJI KITOの名が告げられると南側後部列に座った一部の観客が熱狂しコールを送る。
GOING-UP代表ガッツ石島が聖飢魔II「THUNDER STORM」に乗り登場、真紅のマットで旗揚げの代表挨拶。
石島「え~皆さん、ご来場ありがとうございます!(一礼、館内拍手)今日ね、GOING-UP旗揚げということで、僕らは熱く、無骨に、そして『中高年に元気を与える』プロレスをしていきますんで、皆さん今後も応援の程宜しくお願いします!(礼)今日もですね、自信を持った5試合組んでますんで、皆さん今日は楽しんでいってください!宜しくお願いします!(館内拍手、石島マイクを置き四方に礼)」
第1試合
GOING-UP勢で期待されているという室田。「武骨さがにじみ出ている」団体のコンセプトに合っている点が理由だとか。裁くレフェリーはニード手島、リングサイドに立つてっしー手島との「W手島」が実現する。
午後6時7分、GOING-UPの「はじまりのはじまり」ゴングが鳴る。室田が黒田の片足を取りテークダウン、レッグロックで絞っていく。切り返した黒田逆にレッグロック、悲鳴をあげる室田と比べて黒田は涼しい顔。ゴング後室田のセコンドには近藤"ド根性"洋史と大谷譲二が就き声を掛ける。黒田ヘッドロックへ、互いに切り返して腕を取り、室田が逆にヘッドロック。黒田ロープにスルー、室田タックルを放つが倒れない黒田。胸を払って効いてないぞとアピール、室田にもう一丁来いとアピール。館内からは室田への声援。もう一発、黒田まだまだと指でアピール。黒田ラリアット、かわした室田ロープに走ってタックル、体重差のある黒田をふっ飛ばすと館内から大きな拍手が送られる。続けて室田ヘッドバット連打、思わずコーナーに下がる黒田。室田ストンピング、しかし黒田は気合を入れて起き上がる。室田のチョップに黒田も応戦、やはり一発の重みが全く違う。打って来いと挑発する黒田、室田も打っていくが効かずガットショットからカウンターのバックエルボーで大きく倒れる。黒田場外から室田の足をすくいコーナーに叩きつける。「もう一丁!」館内からのコールを受けエルボーを落とすムーブメントは黒田好調の印。足を押さえて悶絶する室田、リングに戻った黒田はレッグロックから珍しく膝十字固めへ。室田がロープを掴むと館内から拍手。黒田は自分の膝を支点にしてレッグロック、室田上体を起こして横っ面にエルボー、「もっと来い!」と叫ぶ黒田、更に絞り上げると悶絶する室田。
5分経過、黒田コーナーに詰めて足へのストンピング連打から胸板へのチョップ、コーナースローから「室田ー!」と叫んで串刺しラリアット、室田かわしてヘッドバットからボディスラムへ、持ち上げさせない黒田、背中へのハンマーで振りほどきロープに走るがここで室田カウンターのドロップキック。やや低く当たったが「無骨さのにじみ出る」一発に館内から拍手が。「舐めんなオラ!」と叫んだ室田ボディスラムを連発、ガッチリと片エビで押さえ込むがカウント2。黒田の脇腹をホールドする室田、ロックボトムを狙ったのだろうか。こらえた黒田、背中へのハンマーから河津落とし。「お前そんなもんか!」と室田を引きずり起こしチョップを放つ黒田、必死にチョップを連打する室田、胸が真っ赤になりながらも打たせる黒田。ロープに走る室田、黒田はカウンターのラリアット一閃。片エビで押さえ込む黒田、これをカウント1で返した室田に館内、セコンドから拍手が送られる。ならばと黒田は逆片エビへ、室田も両腕で這ってロープに近づくが、鯱のように絞り上げられギブアップ。決まった瞬間てっしーが感嘆の表情を見せていたのも印象的。
いつものように四方に向かって礼をする黒田、室田に向かって何か言葉を放つと健闘を称えて握手、右手を挙げて館内にアピール。黒のショートタイツに黒のレスリングシューズを着用した漢同士のゴツゴツした戦いに館内から惜しみない拍手が送られる。旗揚げ戦のオープニングマッチ、叩き潰された室田だったがGOING-UPとは何かを身体で表現できたと言ってもいいだろう。
<試合後コメント>
黒田哲広
「室田くん、まだデビューしてそんなに試合してないし、あんなもんじゃないかな。まだまだこれからの選手。そして僕はもう辞める選手……かどうかはわからないですけどね(笑)でもやっぱり、ラリアットを1でキックアウトしたときはビックリしたけどね。まあ、それはそれで、素質があるってことでしょう」
室田渓人
――GOING-UPの先鋒として出ていきましたが、惜しくも敗れてしまいました
「惜しかったかどうかはわからないですけど、勝ちたかったです。キャリアとか関係なくて、勝ちたかったです。旗揚げで、第1試合じゃないですか。ガッツから見てくれてたお客さんもいるし、今回はじめましてのお客さんもいるでしょうけど……勝ちたかった!勝って試合を終えたかったです、旗揚げを飾りたかったです」
――先程、黒田選手がラリアットをカウント1で返したことを評価していました
「もちろんそれはありがたく受け止めるとして、負けは負けですから」
――今後の抱負は
「もっと練習します!もっと練習して次は勝ちます!勝ちます!お客さん盛り上げて勝ちます!」
第2試合
これまでに全く絡みのなかった影山道雄と藤原秀旺。影山は終盤のガッツワールドに登場していた事もあり観客にも認知されていたが、まさか旗揚げのリングに秀旺が登場するとは誰が予想しただろうか。先に入場する秀旺、「汚れた英雄」のテーマがかかると南側後方から声援が。と、秀旺の前に浴衣を着たマスクマン、秀・オブ・ザ・イルミナティが姿を現す。秀旺はサーベルを片手にCCWカナディアン・ヘビー級のベルトを巻き堂々の登場。レフェリーはてっしー手島、イルミナティの扱いに少々戸惑っているような感じが見られる。
戸惑っているのは影山も同じ。ジャケットは脱いだが緑のYシャツにマスクの秀旺相手にどう対処するのか。と、挨拶代わりの右下段蹴りを放つ影山、大きく倒れる秀旺。組み合うと腕の取り合いから秀旺足を取ってテークダウン、レッグロックを切り返しキーロックに持っていく影山とオーソドックスな展開に。秀旺身体を反転させキャメルクラッチ、立ち上がってフロントネックロック、腕を取って切り返す影山、秀旺ヘッドロック。影山ロープスロー、体格で勝る秀旺のタックルに倒されるがロープに走った秀旺目掛けてカウンターの右中段蹴り。思わず場外にエスケープする秀旺、リング内で吠える影山。場外でマスクとYシャツを脱ぎ捨てた秀旺、イルミナティとロックアップしくるくる回りだす。場内からは「わっからないっ、わっからないっ」コールが沸き起こりイルミナティがリング内へ…誰が見てもあからさまな入れ替わりに頭を抱えるてっしー、「何だコイツは!?」と文句をいう影山、指で△印を作り微動だにしないイルミナリティ…真紅のマットにカオスな空間が作られる。と、場外で様子を伺っていた秀旺が影山の背後から襲いかかる。クレームを入れるセコンドの近藤に蹴りをかます秀旺、不意打ちをもらって膝立ちの影山は秀旺のボディに正拳を放つが効き目はない。「マスクを脱いで裸になった方が悪いことするって珍しいですね」と野毛のツッコミが冴える。高い位置からのボディスラムを放った秀旺、ステップを踏んで場内にアピール。もう1発ボディスラム、カウント2で返されてもニヤリ。秀旺チンロック、手を離されるとサーフボードストレッチ。「チェックチェック」と秀旺が告げるとイルミナティがエプロンへ、秀旺ジャケットを着て胸ポケットからスキットル(ウイスキーなどを入れる携帯用ボトル)を取り出しリング上で酒をかっ喰らう。と、そのスキットルを手にして影山を攻撃、イルミナリティを排除しようとする近藤に残った酒をぶちまける。「いやあ~不思議ですね!」秀旺ワールドの奥深さを目の当たりにした野毛が感嘆のツッコミ。
5分経過、リング中央でチョップのラリー、両手を広げて気合を入れる影山の一撃に思わず顔をしかめる秀旺、「蹴りがあるんだよ!」と叫び右中段蹴りで対抗する影山、さすがに劣勢になった秀旺だが倒れると見せかけて急所への正面蹴り。クレバーな秀旺の攻めに場内の一部からブーイングが出始める。エプロンに出て仁王立ちする秀旺、何もせずリング内に戻るという謎の行動。影山をロープに振り、カウンターで頸動脈へのクロスチョップ、そのままグラウンドで絞めていく秀旺。両腕をスイングしてのし歩くというどこかで見たようなウォークを見せる秀旺、影山を抱え上げ「死んどけ!」とサイドバスター。ニヤリと笑い余裕でブレーンバスターの体勢、ここは影山が一気に投げ返して反撃の狼煙。影山コーナースロー、振り返されるが串刺し攻撃をかわして串刺し右上段蹴り、ロープに振ってレッグラリアットを炸裂させる。更に真っ逆さまに突き立てるDDTから両手を広げてバズソーキック、波状攻撃で勝負あったかと思われたその時。場外にいたイルミナティがてっしーの足を引っ張ってカウントを阻止。「三つ入っただろ!」場外のてっしーに向かって叫ぶ影山、背後で秀旺はベルトを手にしてフレンチキス。「おい影ちゃん!」と叫ぶ秀旺、振り向きざまベルトで影山の顔面を殴打。イルミナティがてっしーを押さえているため反則攻撃はノーチェック。首を掻っ切った秀旺、高角度のジャンピングバックドロップを決める。すかさずてっしーをリング内に戻すイルミナティ、右膝を乗せた状態でフォールする秀旺、カウント3。
まだまだとてっしー、駆け込んできた近藤を蹴散らす秀旺、イルミナティはサーベルで影山をいたぶっている。コーナーに登るイルミナティ、秀旺のボディスラムを受けてスワントーン…いや、イルミナトーンボムを炸裂させ影山をノックアウト。まだまだピンピンしてるぜ、とリング中央でスクワットを披露する秀旺とイルミナティ。南側後方からの秀旺コールに意気揚々とベルトを掲げ、影山を介抱しようとする近藤に蹴り、中指を突き立てる。拳を挙げて場内にアピール、初登場で北沢タウンホールを秀旺ワールド一色に染めた藤原秀旺であった。
<試合後コメント>
藤原秀旺with 秀・オブ・ザ・イルミナティ
藤原「なに?GOING-UP旗揚げ?くだらないなぁ。“中高年に元気を”だっけ?お前らにまず言いてぇのはよぉ、ガッツ石島。客選んじゃダメだよお前。俺達みたいによぉ、藤原秀旺withアライヴァル。子供からお年寄りまで全員会場に来たやつぶっ殺せばいいんだよ。それだけだよ馬鹿。くらだないよぉホント。もう来ないかも知れない、俺。客もしょっぱいし、もうこの団体の格付……昔の蓮舫で言わせてもらえば、いわゆるインディープロレス団体行政刷新会議、蓮舫の言葉を借りれば『即刻廃止』!以上!GOING-UPの未来、今日までェ!」
(秀がイルミナリティポーズを見せつけ、退席)
影山道雄
(喉を押さえ、声をだすのも辛そうな様子で登場)
「藤原秀旺……ふざけんなよ……!事前に見た動画ではよ、中国で真面目なオーソドックスな試合してたのに、反則ばっかじゃねぇか!(激しく咳き込む)旗揚げ戦で、こんな……納得できねぇよオイ!次!もう一回やらせろもう一回!ふざけんな藤原!」
第3試合
HEAT-UP本戦でもあまり見られない飯塚優と井土徹也のコンビ。GOING-UP旗揚げ戦への餞(はなむけ)か、武骨の中に華やかなフレッシュコンビが登場。相手はかつてガッツワールドを荒らしまくったIWA熱波軍、松田慶三とYUJI KITOのコンビ。特にYUJIは「中高年に元気を与えるって言ったら、俺達しかいないだろう」と公言しやる気を見せている。「The Secret of My Success」に乗せて観客は「ヘイ!ヘイ!」の声。南側後方客席から熱狂的な「IWA」コール、YUJIが慶三にそちらを指差すが…「うるせえ」のツッコミに爆笑。手を合わせて「ごめん」のポーズから村杉レフェリーが両陣営に握手を求めるが、「その前に!」恒例となっている熱波道コールを館内にお願いする慶三。一番盛り上がった所で「5980円のバスタオル」で館内を煽る。ついていけないとヤングヒートアッパーズはエプロンに避難。場内をバスタオルで煽る慶三、避難した飯塚&井土も煽っていく。村杉レフェリーも、サムライのカメラも。更にYUJIを指差し「サマーバージョンコスチュームだぞ」と告知(?)する慶三。
そんなこんなで試合開始、先発はYUJIと井土。「(IWA熱波軍のやり取りが)新木場の時より盛り上がってませんか?」と思わずツッコミを入れる実況の弥武芳郎。体格こそ井土が上回るが、キャリアの差でグランドコントロールするYUJI。タックルで井土を倒し向かい合った時点で両軍交代。慶三が手を叩きマットを踏み鳴らし、観客の「ヘイ!ヘイ!」コールがその音に合わさる。「Come on! Young Boy!」21歳の飯塚は慶三からしたらまさしくYoung Boy。何故かこの声で湧く南側後部座席。グラウンドの動きはキレている飯塚だが、慶三のパワーの前に押され気味。自軍コーナーに慶三を押し込む飯塚、代わった井土はコーナーで慶三にストンピング。「なんぼのもんじゃい!」と立ち上がる慶三に井土のエルボー連打、クイックタッチから飯塚&井土ふたりがかりでコーナーの慶三を蹴りまくる。前のめりにダウンする慶三、エプロンで寝そべった状態で「タイム!」戸惑う飯塚。膝立ちの慶三、胸板に左ミドルを連打する飯塚。フォールをカウント1で跳ね除ける慶三、飯塚のヘッドロックをロープスローしタックルへ。倒れない慶三にムキになって向かっていく飯塚、「どうしたヤングボーイ!」慶三がガウディングからタックル一発でなぎ倒す。YUJIに交代、Wでカウンターのエルボー。
5分経過、YUJIが飯塚をコーナーに詰めてチョップとキック、高速ブレーンバスターから喉元に膝を突き立てる。チンロックからのスリーパーはロープに逃げられ慶三に交代。予告付きボディスラムとブレーンバスター、「ブレーンバスターと見せかけて」首固めはカウント2。クイックタッチの熱波軍、太鼓の乱れ打ちからYUJIロープに振ってアームホイップ。エルボーからサイド・スープレックス、慶三に交代。串刺しラリアットを前蹴りで止めた飯塚、突っ込むが慶三バックエルボーで動きを止め、ロープに走った慶三に飯塚ドロップキック、吹っ飛ぶ慶三。ようやく井土にタッチ、慶三のラリアットをかいくぐり控えのYUJIにエルボーパッド、慶三のブレーンバスターは背後に降り立ってランニング・エルボーパッド。コーナーにもたれた慶三に串刺しバックエルボー、その場でエルボー連打からコーナースロー、串刺しエルボーからヒップトス、ジャンピング・エルボードロップ。フィッシャーマンを狙うが慶三こらえてエルボー、ロープに走るが井土ドロップキック、気合を込めたフィッシャーマンズ・スープレックスへ。尻餅をついた慶三、ロープに走る井土、しかしYUJIが井土の背中にキック、慶三ラリアット。YUJIにタッチ、首筋へのパンチからロープスロー、振り返されるがカウンターのジャンピングショルダー。続くバックドロップはこらえた井土、YUJIボディへの横蹴りからロープスロー、振り返した井土カウンターでドロップキック、飯塚にタッチ。
10分経過、右ミドルでYUJIをコーナーに追い込む飯塚、コーナースローを振り返されるが反動を使ってドロップキック。ロープに走ってPK、カウント2で返されると「投げるぞ!」と見栄を切ってコマンド・スープレックスへ。これもカウント2、飯塚すかさず腕十字へ、慶三カット。その慶三に飯塚ナイマン蹴り、立ち上がってくるYUJIに右ハイを叩き込んだ飯塚、カウント2。飯塚ロープスロー、切り返したYUJI抱え式バックドロップ、飯塚は井土にタッチ。YUJIとのエルボー合戦は互角、ブレーンバスター狙いを逆に投げ返しスライディングD、エビで固めるがカウント2。井土高角度のジャーマン狙い、こらえるYUJI、振りほどかれ突っ込む井土にYUJIビッグブート、場外から慶三が入ってきてファイヤーマンズキャリー、YUJIがローリング・ネックブリーカーを合わせる合体攻撃へ。慶三が飯塚を押さえ、YUJIラリアット、飯塚間に合ってカット。ならばと慶三フロントネックロック、グロッギーの井土にYUJIがバルスを決めてカウント3。
若い飯塚&井土の波状攻撃に押される場面もあったが、気がつけば一気にたたみかけるベテランの経験を活かしたIWA熱波軍が勝利。だが慶三とYUJIの記憶に若い二人の名が刻み込まれたのは確か。下からの圧力に対し気合と経験で押し切る、中高年世代に対する大きなアピールを見せた慶三とYUJI、試合後は満足そうな表情をしていた。
<試合後コメント>
井土徹也&飯塚優
井土「GOING-UP、自分はHEAT-UP所属ですが、こうやってHEAT-UPの別ブランドの団体に上がって、普通の選手では体験できないことを体験してるんで、それでGOING-UPに勢いをつけたかったんですけど、ラリアット……いや、すべての技の重みが全然違いました」
飯塚「GOING-UPっていうベテランが中心に揃った団体で上の人とぶつかることが出来てすごくいい経験になったんですが、やっぱり悔しいですね。単純に鍛え抜かれた身体とかすごく差を感じたので、沢山練習してちょっとでも追いつけるように頑張りたいです!」
井土「まだまだ、まだまだこれからGOING-UPに出場して絶対勝ってやるから、まだまだこれからだ」
飯塚「GOING-UPで活躍しよう!」
(二人は固く握手)
松田慶三&YUJI KITO
KITO「今日はHEAT-UPの若手二人と初めて試合したけど、いやぁ、ホント一、ニ年目とは思えないですね。自分らが一年目のときとかと比べたら全然違いますね」
松田「そうだなぁ。ただ勢いがあるだけじゃプロレス通用しねぇぞ。こっちは二十何年間プロレスやって鍛えに鍛えて、そして色んな苦行をかかっ、かぞ、乗り越えて来たんだぞ」
KITO「噛み噛みじゃないですか」
松田「ああ疲れてるからなぁ。そして良いもん食らってるからなぁ、奴らから」
KITO「ホントね、サブミッションも腕ピーンとなってね……おかしいっすよ、今も(腕を抑えながら)」
松田「腕大丈夫か」
KITO「最後もね、持ち上げようと思ったら力入らなくてね、変な落とし方しちゃったんですけど、それが逆に効いたかなって。頭から落ちてね。危なかったですよホントに」
松田「臨機応変になぁ、そうやって角度を変えて落とすんだよ。すげぇだろ!若い奴ら見とけよ。俺達をマークしろよ。まだまだ熱波軍、引かねぇぞ。いつまでもやってやるぜ。KITO、ありがとな!サンキュウ!」
(二人は固く握手)
第4試合
マスクドミステリーがガッツワールド解散興行以来久々のリング登場。会場のファンも待ってました、と声援を送る。初タッグとなる渡辺&ミステリーに対し、2016年10月31日とどろきアリーナ以来2度目のタッグ結成となる越中詩郎&近藤"ド根性"洋史のコンビ、「SAMURAI」が鳴り響くと館内から越中コール。インディー選手の中に入ると際立って大きい越中、渡辺の握手を拒否。先発を買って出る近藤だが、「お前顔じゃねえんだ!レジェンド出てこい!」と珍しく挑発する渡辺。場内から「やってやるって!」の声も加勢したのか、越中に任される形で先発した近藤。
同門同士の対戦となった渡辺と近藤、まず近藤がきちんと腕を巻き込むアームドラッグで投げ飛ばして先制。続けて至近距離からのスピアが綺麗に決まる。アイコンタクトから越中詩郎がリングイン、ヒップバット連打からチンロック、「汚え顔しやがって」と言いながら顔面をかきむしり、再びヒップバットからチンロック。ロープに足を伸ばした渡辺だが「何がロープだこの野郎!」と構わずストンピングを打ち込む越中。近藤が攻勢の時に見せた動きといい、この日の越中はGOING-UPという空間を楽しんでいるように感じられた。近藤にタッチ、Wショルダータックルで渡辺をなぎ倒す。逆水平からロープに走った近藤、しかし渡辺はショルダースルー、一発で流れを変える武器を持っているのが渡辺の強み。ミステリーにタッチ、コーナーに近藤を詰めて首筋や顎を狙ったナックル、ストンピングから頭頂部にエルボースタップ、越中に見せつけるように額に肘をグリグリ押し当てていく。エルボーを放つミステリー、下からド根性で耐える近藤、エルボースマッシュで倒したミステリーはスリーパー、額へのニードロップから渡辺にタッチ。近藤をロープで磔にし、胸板に腕パンチ連発からカウンターの逆水平、ボディスラムからダイビング・ニーは越中に見せつけるように放った渡辺。
5分経過、渡辺のアシストから同じくストマックへのダイビング・ニーを放つミステリー。苦しむ近藤に越中は檄を飛ばす。ミステリー脇腹へのニーからフェースロック、ロープに近づくとダブルレッグロックとキャメルクラッチの複合技。場内の「ミステリー!」の声に拳を握って応えるミステリー、エルボースマッシュで更に近藤を追い込む。逆水平で返そうとする近藤だが、コーナースローから串刺しバックエルボーを食らいリング中央でうつ伏せになる。続いてミステリーサイド・スープレックスからリング内へのアトミコ、ボディを集中的に攻められた近藤だがミステリーのブレーンバスターを逆に投げ返し、カウンターのドロップキックを叩き込んでローンバトルを脱出。越中ミステリー、渡辺にジャンピング・ヒップアタック連発、場外に転げ落ちたミステリーにはエプロンからダイビング・ヒップアタック。リング内に戻ると河津落としから近藤を呼び込みスローイングヒップアタック、更には幻の合体攻撃とも言われるサンドイッチ・ヒップアタックを爆発させた。
10分経過、越中ブレーンバスターから近藤にタッチ。近藤投げっぱなしバックフリップ、重いミステリーを持ち上げる際若干崩れそうになるが見事に投げきる。更にロープに走ってスライディングヒップ、このまま押し切るかと思われたがミステリーがカウンターのパワースラム。続けてコーナーからダイビング・エルボードロップ、カウント2。そして右手を天に掲げチョークスラムの予告、喉笛を捕らえたが近藤肩を押してかわし「ド根性!」と叫んでジャンピングショルダー。両軍交代、渡辺トーキックからエルボースマッシュ、ロープに走ってドロップキック。そしてワンハンド・バックブリーカー、身長差のある越中を高く持ち上げられなかったがバックブリーカーは成功。エルボースマッシュを仁王立ちで受けた越中、額へのナックルからロープに振って正調ジャンピング・ヒップアタック。ミステリーも排除しコーナーに登った越中、ミサイルヒップを炸裂させる。しかしフォールに行かず、ボディスラムから近藤のピョン吉スプラッシュを呼び込み、その勢いで近藤はミステリーをカット、首を掻っ切るポーズからなんと侍パワーボム。伝説に残る技で渡辺宏志からピンフォール勝ちを収めた。
カウント3が入った瞬間両手を突き上げる越中、大喜びの近藤が近づいてくるとポンポンと軽く頭を抱える。北沢タウンホールでド演歌ファイターとド根性の揃い踏み、ミステリーには悪いが完全に越中の掌で弄ばれていたようであった。かくして大盛り上がりの北沢、メインイベントを迎える。
<試合後コメント>
越中詩郎&近藤“ド根性”洋史
近藤「ありがとうございました!越中さん!僕、覚えてます!とどろきアリーナで一緒にタッグさせていただいて光栄です!」
越中「もういっちょだ!オラァ!」
近藤「ありがとうございました!!まだまだ!ド根性!尻を鍛えて越中さんと同じくらい、いや、それ以上に強くなって!そして俺は!もっと!もっと!強くなるんだ!ド根性ーッ!」
渡辺宏志&マスクドミステリー
渡辺「やっぱりね、いくつになっても越中詩郎さんは越中詩郎さんだね。いやぁ、恐れ入った。まあ、俺もアレだね。もっともっと稽古を積んで身体作って、ああいう年のとり方したいね。今日は渡辺宏志、完敗でした。ありがとうございました」
ミステリー「GOING-UP旗揚げ戦で、俺のホームタウン下北沢で、レジェンド越中詩郎さんと試合をしたんだよ!ガッツワールド終わってGOING-UPが始まって、初戦で越中詩郎って選手と戦える……プロレスって、辞めずに続けていくといいもんだなって思ったよ。まあ、あそこまで芯の通った一つのことを極めた選手と俺はまだまだぶつかりあいたいと思った!このGOING-UPのリングで!旗揚げ戦で終わりじゃねぇ。これからも続いていくから旗揚げ戦なんだ。いいか、GOING-UPとマスクドミステリー……目を離すんじゃねぇぞ!渡辺さんからもだ!いいな!俺達は終わらねぇ!まだまだ行くからな!行くぞッ!」
第5試合
譲二、兼平、バッファロー、石島の順で一人ずつ入場。兼平は5.16新百合で奪取したHEAT-UPユニバーサルのベルトを掲げ、石島のコール時には「悪魔道改め鬼将軍」という新しいキャッチフレーズがついた。レフェリーはニード手島、石島と譲二の先発で午後7時25分試合開始。
互いにロープ際とコーナーに押し込んでいくが、両者共にクリーンブレーク。腕取りからグラウンドの展開、石島の重さには譲二のスピード、互角のまま離れる両者。タックルで倒される譲二、体格差は如何ともし難い。石島対角線でアームホイップ、こらえる譲二、ヘッドシザースホイップで投げ飛ばす。控えのバッファローを場外に落とし、兼平も入ってきてツープラトンのフェースクラッシャー。譲二から兼平に交代、GWCシングル戦以来の対戦となる石島と兼平。まず兼平が逆水平、石島もチョップで返すと兼平の膝がボディへ、続いてサッカーボールキック、自軍コーナーに石島を叩きつけ譲二に交代。譲二はコーナーで石島目掛けて振り下ろすチョップ、乾いた音が北沢に響き渡る。観客の声からも痛みが感じられるような一発。2発食らって片膝を付いた石島だったが、ヘッドバットで対抗し前に出ていく。頭突きに押されたか再び兼平に交代、膝が石島のボディをえぐる。二人がかりで石島をロープに振るが、クロスラインをぶっちぎってWラリアット。勢いがついていたため思い切り腕を食らってしまう兼平と譲二。石島はバッファローと交代、出鼻をくじくようにツープラトン攻撃を仕掛ける兼平&譲二だが、上手くすかして譲二にラリアット、兼平にバックドロップといきなりフィニッシャーを繰り出すバッファロー。弥部いわく「怖いモードのバッファロー」は譲二にヘッドバット、カウンターのバックエルボー。兼平は不意打ちのバックドロップでダメージが大きい模様。
5分経過、譲二とのエルボー合戦でも冷静なバッファローはドロップキックをすかす。ブレーンバスターからレッグドロップ、石島にタッチ。一人で敵軍コーナーから脱出を試みる譲二だが冷静な石島&バッファローには通用しない。石島の重いバックエルボーで吹っ飛ぶ譲二、続けて石島スリーパー、バッファローにタッチ。容赦ないストンピングから突き上げるニー、額へのエルボースタップ、コーナーで腕パンチ連打、譲二の脳が激しく揺さぶられる。完全に石島&バッファローのペースへ。交代した石島は放り捨てるようなブレーンバスター、毒針エルボードロップ、額へのナックル。復活した兼平の間近で譲二をいたぶる石島、気合で立ち上がった譲二はチョップ、だが石島のアッパーブローで腰砕けに。バッファローと交代。
10分経過、5分以上ローンバトルの続く譲二。用心には用心を、控えの兼平に突進し場外に落とすバッファロー。そして譲二をサードロープにセットし断崖式ギロチン、ヒット寸前でかわした譲二、ロープに走るがカウンターのスリーパーで捕らえられてしまう。そこからバッファロー叩きつけラリアット、カウント2。耐える譲二に場内から譲二コールと拍手が。バッファローパイルドライバーの体勢、リバースで譲二が返すとまたも拍手が。ブレーンバスターを投げ返した譲二、ようやく兼平にタッチ。ボディへの膝蹴りから横っ面に虎王、正面からドロップキック。石島のロープスローを振り返してパワースラム、上手く抱えられず投げっぱなし状態になったが腰に十分なダメージを与える。串刺し攻撃をビッグブートで止めたバッファロー、ラリアットを狙うがキャッチした兼平エクスプロイダー。カウント2でキックアウトされるとすぐに腕十字へ、バッファローの腕が伸び切るが何とか足がロープに伸びる。ロープに走る兼平、バッファロー逆襲の右ラリアット。石島に交代、串刺しラリアットからブルドッキング・ヘッドロック、コーナーに登ってクロスボディと引き出しの多さを見せつける。兼平の逆水平と石島のショートアッパーが交錯、石島ヘッドバットからロープに走るが兼平虎王、気合とともにブレーンバスターで石島を投げきってみせた。HEAT-UP唯一のヘビー級戦士が意地を見せる。タッチを要求する譲二、交代するとコーナーからミサイルキック。串刺しバックエルボーからロープに走り、ラリアットをかいくぐってランニング・エルボーパッド。思い切り叩き込むがカウント2。ノーザンは不発だがフェイントからエルボーを叩き込む譲二、ぐらついた石島にローリング式、石島アッパーブローで切り返す。ロープに走る石島、譲二変則ロープワークから飛びついてRKO、ローリングエルボーからロープへ、石島カウンターのスクープサーモン、カウント2。
15分経過、バッファローに交代する石島。ラリアット、串刺しラリアットは読んでいた譲二だったが、コーナー上に乗った瞬間右腕が襲いかかるまでは読めなかった。場外に転落するが石島がすぐにリング内へ、満を持してバッファローのラリアットが火を噴くが兼平カット。バッファローが兼平を場外へ、フラフラの譲二をコーナースロー、後ろ足を蹴るパフォーマンスからまずバッファローの串刺しラリアット、続く石島も後ろ足を蹴って串刺しバックエルボー。石島のコーナースローからバッファローのラリアット、兼平必死のカットで九死に一生を得る。石島が兼平を場外へ、カットする間にリング中央でバッファローのパイルドライバー、譲二自力でクリア。盛り上がる北沢タウンホール、バッファロー抵抗する譲二をものともせずバックドロップ、これも自力でカットする譲二。今度こそのラリアット狙いなバッファロー、ロープに走るが兼平が腰をキャッチしてカット、バッファローのバックドロップは譲二空中で身体を反転させ逆に叩きつける。バッファロー石島にタッチ、譲二は交代できず。「ゴーストバスター!」予告付きの一発をかわした譲二、バックを押さえ兼平が正面から虎王、そしてバックドロップへ。立ち上がった石島、兼平のエルボーにチョップ、ヘッドバットで返すと譲二が再び石島のバックを取る。兼平にトス、持ち上げて顔面にニー、よろめいた石島に譲二エルボー、兼平の虎王、そして譲二の投げっぱなしジャーマン。エビで固めるがバッファローがカット。譲二に勝負を託した兼平はバッファローを場外へ、譲二石島をコーナースロー、反動で石島ラリアット。両手を挙げた石島フェイスバスターの体勢、譲二リバースで投げ返す。そこに兼平が入ってきてランニング・ニー、続けて譲二がスライディングDを炸裂させる。電光石火の打撃技連発で勝負あったかと思われたがよろめきながらバッファローがカット。感嘆が漏れる北沢タウンホール。再びバッファローを兼平が場外へ、天を仰ぎ気合を入れた譲二腕極めノーザンへ、これで決まったか…しかし石島カウント2で意地のキックアウト。もう一度腕極めを狙う譲二、石島ボディへの膝蹴りからゴーストバスターを炸裂させる。これも自力で返した譲二、石島両手を挙げてラリアット、かわした譲二だが振り向きざま全体重をかけた重い右腕が喉笛に突き刺さる。そしてダメ押しのフェイスバスターがリング中央で決まると、譲二にフォールを返す力は残っていなかった。20分超えの激闘、GOING-UP旗揚げ戦で意地を見せつけた鬼将軍であった。
エンディング
リング中央で大の字に寝そべっている譲二、青コーナーで腰を落としている兼平とは対象的に、諸手を挙げて勝利を噛みしめる石島、称えるバッファロー。四社四様の中石島がマイクを握る。
石島「おい譲二!そして…大ちゃん(=兼平)!お前ら…強すぎるよ(館内笑いと拍手)。俺らもな、必死こいてお前ら打ちのめしたけど、お前らだいぶ成長したな(館内拍手)。だけどな!このGOING-UP、『中高年に元気を与える』(館内笑い)、俺達中高年が頑張らなくて、誰に元気を与えられるっていうんだお前!(館内拍手、『中高年』コール)バッファローさん…」
バッファロー「(マイクを奪い取る)俺も今日、ガッツさんが必死で、やられ続けても力振り絞って戦う、まさに中高年に対するこの大会のコンセプト、熱い思いが伝わってきましたー!(館内拍手、石島バッファローに対し一礼)ガッツさん!俺、アンタの試合見て、もっともっと頑張らなきゃと思ったよ!(ガッチリと握手を交わし)ガッツさん!アンタ何歳!?」
石島「37歳です!」
バッファロー「37!俺43!!(館内爆笑と拍手)俺ももっと頑張らなくっちゃ!(場内から『中高年』コール)おい若い二人!悔しかったら俺らより先に中高年になってみな!(館内爆笑)」
石島「ま、中高年になるのは難しいだろうというか無理だろうけど(館内笑い)、おい!喋れるかわかんないけど、逆に、俺達の今熱い思い聞いてくれてたな。今度は逆にお前らの熱い思い聞かせてもらおうか!(館内拍手)」
バッファロー「若者たちよ、熱い思いを告げよ!(館内拍手)中高年が聞いてやろう!お客さんも、中高年の皆さん聞いてあげてください!!(館内拍手)あと…ひとつ。真剣な事。GOING-UP参戦させてもらって、兼平選手と競らせてもらったけど、正直大谷君はまだまだ勉強が要るな。ただ…兼平君とはじっくり競ってみたいと思いました(場内どよめき)。」
譲二「(バッファローの「へたばるな!年寄りか!」の言葉を受けて)GOING-UPは僕が引っ張るとか、散々生意気なこと言わせてもらいましたけど、まだ俺の心は折れてない。まだ折れてない(館内拍手)。ガッツさん達から『頑張んなきゃ』って、俺とか兼平さんとかがもっと若い力で、GOING-UPは盛り上がる可能性がある団体だと思ってるんすよ(館内拍手)。もっと…もっと強くなる。ガッツさんとか、田村さんとか、観てくれてるお客さんとか、あと…観に来てるダイスケさんとか(館内笑い)、みんなが引く位強くなってやる。強くなって盛り上げてやるんだよ。そん時は…また壁になってください。超えてみせますんで!(館内大きな拍手)」
と、そこに秀・オブ・ザ・イルミナティと藤原秀旺が何の前触れもなく凶器を持って乱入、場内の秀旺コールを身に受け石島を除く全てを排除。
秀旺「ヘヘッ…『中高年に元気を』って…おい、プロレスはよ、客選んじゃダメなんだよ(館内どよめき)。あ?どうしようもないよ。何かさ、潰れそうな凄い雰囲気がする団体だよお前ら。って言うか、ダメそうだよな、何だかもう。もうダメだなこりゃ。もうダメだ。そして客!(南側後方から「おおっ」の声)『おお』じゃないいいんだよお前(館内笑い)。あの~俺メジャーでやってんのにお前らが…お前ら、俺の勉強しとけもうちょっと(館内笑い)。おい、あとお前らよお、第2試合って何だこら?…どうしようもないよこれ。…もういいかそろそろ?そして!もういっこ、パンフレットに俺載ってるみたいだけども、一切俺の許可なくやってる。この団体、コンプライアンスどうなってんだよおい!(館内笑いと感心)ちゃんとやろうぜおい!中高年元気にするんだったらちゃんとやろうぜおい!え?まそういうことで、まあね、ありがとね、(館内笑い)マジで。今日来ている…おい、超満員の北沢タウンホール、お客!(南側後方から「おおっ!」)そして、その家族!(「おおっ!」)そして!親戚一同!(「おおっ!!」)…言っていいのかおい?言っていいのか?全員…」
最後の言葉を告げようとした瞬間、リング下から井土徹也が入ってくる。イルミナティを場外に排除し、秀旺にドロップキック。二人をリング内から排除する。ちょっと残念そうな南側後方の観客はおいといて、石島がマイクを握る。
石島「おい!藤原秀旺!黙って聞いてりゃいい気になりやがって!!お前にひとつ言いたいことがあんだよ!おい!お前な!あの入場テーマ曲(汚れた英雄)!誰の許可で使ってんだこの野郎!!コンプライアンス違反だこの野郎!!」
秀旺「お前のなんだその許可…そのガタイ、何だそのコスチューム?お前もだろおら!」
石島「このコスチュームなあ!許可はなあ!取ってねえよ!!(館内笑いと歓声)おい!てめえこの野郎!おい覚悟があるんだったらなあ!次の6月30日、来いコラァ!俺となあ!バッファローさんが組んでなあ!お前らとやってやっかんな!覚悟して…」
バッファロー「(またもマイクを奪って)おい!ふざけた真似して藤原秀旺!今日お前らのこと、しっかり覚えたからなおい!次の6月30日!俺は、琉球ドラゴンプロレスにオファーを受けていてここには来られないよガッツさん(館内爆笑)。もっと言うなら、6月30日空いてますかってメールが来た時に、すいませんその日は琉球ドラゴンプロレスにオファー受けてますって、困りましたよ(頭を抱える石島、館内爆笑)。おい!お前らぶっ潰してやる、ガッツさんが!(館内爆笑)覚悟決めて6月30日来い!1対2でもいいぞ!ね!ね!ね!ね!」
秀旺「おいしょっぱいなお前!身体も、心も。おい誰呼ぶんだオラ!誰でもいいぞ。」
石島「パートナーがいない…」
秀旺「おいそのガキでもいいぞそのガキ!おい、俺に面と向かってきたそのガキでもいいぞ!(館内拍手)ガキ!小僧、簡単だこんなの殺んのコラ!てめえ、どの面下げてやってんだコラ!人生潰してやるよ!」
石島「(井土に対して)おい、おい…おい、やれんのかお前?」
井土「俺がガッツさんと組んで、あいつらを倒します(館内とバッファローが拍手)。」
石島「おーい!!今の聞いたかこの野郎!!俺と井土徹也が組んでなあ!お前ら、6月30日ぶっ潰してやるから、首洗って待ってろー!!(館内拍手)」
秀旺「どうでもいいけどよお、おい、今日ここに来ている客(「おっ!」)、そしてお前ら(「おっ!」)、そしてその家族(「おおっ!」)そして親戚一同!!(「おおっ!!」)全!員!死ねっ!!!!(南側後方より拍手、去っていく秀旺とイルミナリティ)」
石島「え~、変なのがちょっかい出して水をさしましたが、今日は皆さんご来場ありがとうございました!(館内拍手)譲二、大ちゃん、上がって。近ちゃんも。優君もリング上がって。(ミステリーを見つけて)あ~いるいるいる。侍パワーボム食らった人(=渡辺)は?あ~いるいる。え~…(脇で観ていた慶三とKITOを見つけて)あ、じゃあ熱波も(館内笑い)。すいません、気づかないで、すいません。いっぱいいっぱいで…え~、皆さん、GOING-UP旗揚げ戦、ご来場ありがとうございました!(リング上全員礼、館内拍手)旗揚げ戦、こんなにお客さん入っていただいて、いいスタートが切れました!そして!俺達ここに出たみんな!これからも熱く、無骨に頑張ってまいりますんで、どうか応援の程宜しくお願い致します!(館内拍手)次は6月30日の王子大会です。皆様是非とも6月30日も来てください、宜しくお願いします!!(館内拍手)え、(兼平に)何かこう、HEAT-UP流の締めがあるんだろ?何か…なんとかヒートアップ!っていうやつ。なんとかゴーイングアップ!ってのやろうよ。教えて、教えて。」
兼平「えっと、『いくぞー、おー、下北沢、ゴーイングアップ!』って(館内拍手)。」
石島「…譲二、今日はお前よく頑張った。(手招きして)お前が『下北沢、ゴーイングアップ』をやれ(館内拍手)。」
譲二「(館内の「譲二」コールに促され)じゃあ…ご指名いただきました(館内笑い)。」
石島「(地声で)ホストかお前は!(館内笑い)」
譲二「それではですね…皆様、ご起立をお願いします!(か細い声で)すみません…(石島がやる気を促す)一発で決めましょう、いくぞー!下北沢、ゴーイングアーップ!!ありがとうございましたー!!」
武骨な漢共の船出はこうして始まった。
観客席に元ガッツワールドのダイスケこと瀧田大介さんが来場、「譲二もたくましくなったし、素晴らしい大会だったと思います。このままGの魂を受け継ぎ、盛り上がってもらいたいですね。」との言葉があった。
尚、この日の結果を受け、GOING-UPは次回6月30日の一部カードを決定。
middle edgeシリーズ vol.1
日時:2018年6月30日(土) 開始19:00
会場:東京・王子BASEMENT MON☆STAR
▼"中高年的世直し~超えろ!コンプライアンスの壁!~"60分1本勝負
ガッツ石島/井土徹也
vs
藤原秀旺(プロレスリングメジャーズ)/松崎和彦(フリー/アライヴァル)
<試合後コメント>
大谷譲二&兼平大介
大谷「死んじまうよ……あんな試合してたら、持たないですね」
兼平「普段HEAT-UPでやってる人より、ちょっとサイズが大きいからかわからないですけど、ダメージの一発一発が重くて。でも、最後僕は個人的にはバッファローさんに挑発されたんですけど、僕はHEAT-UPのベルト持ってるんで、僕がチャンピオンなんでいつでもやる準備はできてます。まあガッツさんとも、ガッツワールドでタイトルマッチで一回負けてるのでリベンジしたいと思ってたんで、今後チャンスがあったら僕はあの二人とやりたいと思います」
大谷「さんざん生意気なこと言ってたんですけど、考えは被らなくてもいいんですよね。俺とか兼平さんが盛り上げたほうが面白いと思ってるんで。このままもっと若い世代がGOING-UPを盛り上げていくんで。まだ折れてないっすよ。まだ、始まったばかりだと思ってるんで、よろしくお願いします!」
兼平「中高年ぶっ倒しましょう」
大谷「ぶっ倒しましょう!」
兼平「次の王子で誰と当たるかまだわからないですけど、ガッツリやっていきましょう」
大谷「全然だいじょうぶだぁ!行ける気がする!」
兼平「行けるよ!頑張ろう!」
ガッツ石島&バッファロー
ガッツ「いや、バッファローさん!今日は初タッグありがとうございました!いやぁ、心強い!見たか俺達の力!中高年の力!若い力をなぁ、正面から弾き返してやったぞ!こんだけなぁ、体中傷だらけになったけどまだまだ負けない!俺達はアイツらの壁になる!まだまだ俺達がトップだってことを俺達がこのリングで証明してやるから覚悟しとけよ!」
バッファロー「すごく面白いコンセプトだと思いますよね。『中高年に元気を与える』っていうのはさ。プロレスラーってスーパースターで超人でスーパーマンじゃなきゃいけないところがあると思うんですけど、僕らだって40超えてくるといろいろ考え始めるんですよね。身体がしんどかったり。ただ『中高年に元気を与えるために俺がやらなきゃ!』っていうのは、相乗効果というか、面白いコンセプトだと思います。実験的というか、GOING-UPとHEAT-UP、責任者というか母体が同じというかDDTさんみたいな関係もありますけど、色んな可能性が生まれてくるのかなと。僕は外敵というか外様なんで、色んな意味で楽しめたらなと思います。HEAT-UPさんの方にはアラケンさんだっているわけだし、例えば僕とアラケンさんがなにか企むかも知れないわけで……。色んな可能性が出てくると思います。素晴らしい。これからも僕の力が必要なときには使ってくれたらと思います。……すみません、次は琉球ドラゴンさんですけど(笑)」
ガッツ「次はな!井土徹也と組んで、藤原秀旺!アイツとはガッツワールド時代にやったことなかったから、決着付けてやりますわ。あんなおちゃらけヒールは一発で仕留めてやりますんで。6月30日、期待しといて下さい。藤原秀旺倒して中高年に元気を与えて、俺が“鬼将軍ここに在り”を6月30日の王子で見せていきますんで、皆さんよろしくお願いします!」