【試合結果】6・30 GOING-UP王子大会 藤原秀旺&松崎和彦vsガッツ石島&井土徹也 兼平大介vsマスクドミステリー 松田慶三&YUJI KITOvs近藤“ド根性”洋史&室田渓人 大谷譲二&ジョシュ・オブライエンvsアミーゴ鈴木&飯塚優
『middle edgeシリーズvol.1』
日時:2018年6月30日(土)
開始:19:00
会場:東京・王子BASEMENT MON☆STAR
観衆:96名
▼エキシビジョンマッチ 5分
田村和宏
エキシビションのため勝敗なし
レッドイーグル(CTW)
※田村4分11秒腕ひしぎ十字固め、4分52秒飛びつき腕十字固めでタップを奪う。
▼第1試合 満開のmiddle edge~ストロングスタイルとは何ぞや~ シングルマッチ15分1本勝負
○黒田哲広(フリー)
7分7秒 ラリアット→片エビ固め
●渡辺宏志
▼第2試合 熱波のmiddle edge~梅雨をブッ飛ばせ!~タッグマッチ20分1本勝負
○松田慶三(IWA熱波軍)/YUJI KITO(ASUKA PROJECT)
10分55秒 慶三ロックボトム→片エビ固め
近藤“ド根性”洋史/●室田渓人
▼第3試合 彼方より友来たる~勝ち取れ主役の座!~タッグマッチ30分1本勝負
○大谷譲二/ジョシュ・オブライエン(シアタープロレス花鳥風月)
11分37秒 腕極めノーザンライト・スープレックス・ホールド
アミーゴ鈴木(SECRET BASE)/●飯塚優
▼第4試合 光り輝く銀色~七色に咲く紫陽花の露が如く~シングルマッチ30分1本勝負
○兼平大介
11分58秒 HEATクラッチ
●マスクドミステリー
▼第5試合 中高年的世直し~越えろ!コンプライアンスの壁~タッグマッチ60分1本勝負
○藤原秀旺(プロレスリングメジャーズ)/松崎和彦(フリー/アライヴァル)
14分34秒 100%メロ~ンジュース→エビ固め
ガッツ石島/●井土徹也
藤原秀旺&松崎和彦の王者コンビがGOING-UPを支配し「客も選手もみんなしょっぱい」と侮辱!中高年の中で18歳の井土徹也が躍動!
オープニング
弥武芳郎&マグナム野毛による前説の後、ガッツ石島とマスクドミステリーがリングに上がる。新コーナー「中高年ビックリドッキリプレゼント」がスタート。ミステリーがトランプで、石島がサイコロで19○○年の下二桁を出し、その年に誕生した観客は次回大会の観戦が自由立ち見限定になるが無料となるというもの。
当日の館内で当選者は出なかったが、次回7月29日王子大会では1955年及び1989年に誕生された方は観戦無料となるので、証明できるもの(運転免許証や保険証等)を受付にて提示の事。今後もホスト役が入れ替わりで登場し継続される。
エキシビジョンマッチ
業務提携を結んだHEAT-UPとCTW、記念のエキシビジョンと言うべきか。GOING-UPの大会で初めてリングに上った田村和宏。
ゴング、南側後方から「GO! EAGLE! GO!」コールが上がり上機嫌のイーグル、混ざる田村コールだが、ぱたっと止んでしまいコールを煽る。時間がないのでコール合戦はお預け。田村のグラウンドにしっかり反応するイーグル、串刺し攻撃をブロックしコーナーからのクロスボディで先制する。続けてカウンターのドロップキックを放つイーグル。田村は串刺しミドルからPK、かわしたイーグルスクールボーイ、カウント2。田村ソバットコンビネーション、アックスボンバーをかわしたイーグルはソバットから不知火を見せる。次にイーグルはグラウンド卍、しかし田村は押さえ込みから腕十字で返しタップを奪う。「勝っちゃった」と田村はポツリ。試合は続行、続いてヘッドロックから飛びつき腕十字でもう1本タップアウト。残り10秒、コーナーのイーグルを踏みつけると館内からブーイング。ここで終了のゴング。指を2本掲げてリング内を回る田村、「2本取ったぞ」のアピール。最後は互いの健闘を称え合った。
第1試合
両者ともに黒のショートタイツとレスリングシューズ、GOING-UPのオープニングに相応しいコスチューム。腕を取り合っている最中本部席から「今日も髪型をきれいに固めている黒田哲広」と野毛の解説に対し「要らねえ事言うんじゃねえよこの野郎!」と黒田のツッコミ。腕、首の取り合いから一旦両者が離れると館内から拍手。タックルで倒し手四つから押し込む黒田、今度は弥武が「元気な中高年の二人ですね」と言うと「さっきから要らねえ事言うんじゃねえこの野郎!」とまたもやツッコミを入れる。体格差のある黒田をブリッジで支える渡辺、押し戻してレッグブリーカーから足攻めでペースを奪う。更にローキックを放つ渡辺、耐える黒田がチョップを放つと渡辺は胸板へのパンチで応戦。ヘッドバットで返した黒田、場外に引きずり出し鉄柱足殺しへ。観客の「もう一丁」コールに両足を攻めるサービスをする黒田、これには村杉レフェリーが「いつまでやってんだ!」と突っ込む。ここで5分が経過。
コーナーに押し込む黒田、村杉レフェリーのチェックが入るが「堅い事言うなよ!」と抗議する。黒田ロープスローからショルダースルー狙い。これを渡辺が回転エビで返す。黒田も逆転させてエビ固め、カウント2。すかさず渡辺首固め、黒田をロープに押し込んで後方回転エビと丸め込み連発でフォールを奪おうとする。しかし立ち上がった瞬間黒田のラリアットが炸裂。渡辺返せずカウント3。
第2試合
前日に10月31日HEAT-UPとどろきアリーナ大会での引退を表明した近藤"ド根性"洋史だが、室田と一緒に慶三の熱波エールの最中に背後からドロップキックの奇襲という掟破りを敢行する破天荒ぶりを披露。返す刀でKITOにWショルダータックルと先制に成功する近藤&室田組。しかし弥武は「この大会僕の楽しみの一つが失われました。1億6千万人を敵に回しましたね」と近藤の行為に悲観。KITOにドロップキックを放った近藤、室田にタッチ。KITOカウンターのジャンピング・ショルダーからまだハッピを脱いでいない慶三と交代。「COME ON YOUNG BOY!」干支が一回り以上下の室田を挑発、真正面からチョップを放っていく室田だが慶三の厚さは"半端ない"。徐々に熱くなっていく慶三、タックルを食らっても倒れない。「もっと来い!」と室田に喝、ラリアットをかわした室田はタックルでなぎ倒す。これには慶三コーナーに腰を下ろして「タイム」。だが熱波軍のコンビネーションからペースを取り返す慶三、ボディスラムを連発。KITOに交代、ヒップトスからコーナーに詰めてナックル連打、ブレーンバスターと室田を攻め慶三にタッチ。膝を室田の喉笛に押し当てたりチンロックを決める等スタミナを奪っていく慶三。クイックタッチで室田を攻める熱波軍、KITOは近藤に見せつけるような逆エビから逆片エビ、STF。慶三が立ちはだかり近藤のカットを妨害、窮地に追い込まれる室田だがロープに手を伸ばす。
5分経過、チョップからドロップキックで反撃する室田だがKITOラリアット、コーナースロー。室田キックで突進を止めタックルでなぎ倒しようやく近藤にタッチ。逆水平でコーナーに詰め、コーナースローから串刺しバックエルボー2発、投げっぱなしバックフリップ、スライディングヒップ。ド根性デスロックは回避されるがスピア、KITOバックブリーカーからネックブリーカーで反撃、慶三にタッチ。手招きする慶三、室田をカットしロープに走るが近藤ジャンピング・ショルダー、室田にタッチ。タックルからボディスラム2発、気持ちを全面に押し出す室田の攻めに館内から声援。バックドロップ狙いを読まれるが河津落としから張り手をぶち込み今度こそのバックドロップ。フォールはKITOがカット、フォローに入る近藤を場外に落とし、慶三が担ぎ上げた室田に合体ネックブリーカー。一発で流れを引き戻した熱波軍、慶三が高速ブレーンバスター連発、サイドバスター、ストレッチボムと集中攻撃。それでも返す室田に慶三ロックボトム、粘る室田を仕留めた。
近藤「俺はまだやれる!俺はまだ!負けたけど競れる、全然元気だよ!しかも二人共一発が重いっすよ!けど俺は負けないんだ負けない、何度でもやってやりますよ。熱波軍、前も見ましたけど熱いっすね!熱波!熱いって言ったら熱波よりもド根性の方が熱いっすよ!!(館内歓声、ド根性コールを煽る近藤)いいですか、僕はとにかく先のこともありますけどそんなの関係ないっすよ。今日来た皆さんを盛り上げるため、命懸けでやってますよ!熱くなってますよ!!(館内拍手)聞く所によりますとね、松田さん、大和?近いです僕相模原市で。(慶三が)『大和のスーパースター』って言われてますけど、僕は自称『相模原のスーパースター』ですよ!同じ小田急線…」
慶三「(KITOを指差し)コイツは小牧だ、愛知県の小牧!」
近藤「名古屋関係ないっすよ!今は小田急線の話をしてるんすよ。(しつこく中京地区をアピールする慶三)まあまあまあいいでしょう、とにかく熱波軍が熱いんで僕はGOING-UPでこの熱波軍に食いつきたいっすよ(館内拍手)。競らせてくださいよ、ガッツさん聞いてますよね!次、(慶三&KITO)二人と、室田でも誰でもいいですよ。僕と室田の熱いコンビで試合どうですか?(館内拍手)」
慶三「どうですか?お客さんに聞きましょうよ。熱波軍と…またこの若造、また戦い見たいですか!?(館内拍手)オーケーオーケーよ~くわかった!お前らの気持ちなあ!KITO、次回俺とお前が組んで、そしてお前(=近藤)、そして誰でもいいや連れてこいや。2対2やってやろうじゃねえか!」
KITO「松田さん!次回…ちょっと無理です(館内から悲鳴が上がる)。え~っとね…北都プロレスって所からオファーがだいぶ前からあって、ちょっと次そっちに行かないといけないんで、次の大会は無理っすね、ハイ。」
慶三「北都プロレスって、クレイン中條か。クレイン中條のとこかお前(館内笑い)。ああ…じゃ次回来れないなお前。じゃどうするよお前!俺ひとりになっちゃったぞおい!(館内から「シングル!」の声が上がる)」
館内を見渡す慶三、「お願いします!」と握手を求める近藤、「ちょっと待て」と手をかざす慶三。
慶三「お客さんに聞きます!俺とこのド根性のシングルが次回大会観たい人、声上げろ!(館内から大きな歓声)…競るか?」
近藤「お願いします!」
慶三「よっし競ろう!(館内歓声と拍手、ガッチリと握手する慶三と近藤)じゃあお前…見とけよ。俺のネーネーネーパーパーパー、邪魔すんじゃねえぞ今回は!1億人が楽しみにしてるんだよ!(館内笑い)邪魔すんなお前背中お前…KITO、お前やる気ないんだったら背中…俺の背中見とけ。」
そう言って熱波エールを行う慶三、しかし近藤は最後の場面で背中にドロップキック。1億人を敵に回した近藤、場外でパネッパを客席に放った慶三は「次回よろしくな!」と告げ去っていった。
第3試合
HEAT-UP系列のリングにアミーゴ鈴木が登場するのは2年2ヶ月ぶり、当時まだデビューしていなかった飯塚とのタッグはもちろん初めて。花鳥風月のジョシュ・オブライエンは4年半ぶり、近藤や兼平がデビューする前に上がって以来。クリーンに握手する両陣営、先発は譲二と飯塚。GOING-UPの大谷譲二としてはHEAT-UPの飯塚優に負けたくない所、挨拶程度の交わりで両軍タッチ。ここで意外だったのがジョシュ、武骨ぶりを発揮しGOING-UPのカラーに似合う事がわかる。タックルからスリーパーを決めたジョシュだが、アミーゴはチンクラッシャーで脱出、テクニックで押そうとするがジョシュは無理せず譲二と交代。譲二はコーナーのアミーゴにチョップ、ジョシュのアシスト付きの一発に膝をつくアミーゴ。ボディスラムで投げさせないアミーゴ、エルボースマッシュからフェイスカット、額へ低空ドロップキックと繋いで飯塚にタッチ。右ミドルを譲二の胸板に打ち込む飯塚、スリーパーから譲二の右腕を取り頸動脈を絞めつけ、続けて腕十字へ。飯塚クラッチを切るが譲二ロープへ。アミーゴに交代、見かねたジョシュがフォローに入るが、倒れざまのローブローを入れられてしまう。アミーゴキャメルクラッチ、ロープに逃げられるがサードロープを使ったスタンガンで追い打ち、飯塚にタッチ。
5分経過、飯塚ロープスローから右ミドル、だが譲二がガットショットからブレーンバスターで投げ切る。飯塚はアミーゴと交代するが譲二は叶わず、まだローンバトルを強いられる。だが直後のフライング・ショルダーがヒットしようやくジョシュにタッチ成功。コーナーから舞い降りたジョシュはエルボー乱れ打ち、コーナースローを振り返され串刺しラリアットを食うがすぐ右腕を叩き込みお返し。ロープスローからアミーゴを持ち上げて叩きつけるジョシュ、足刈りからスリーアミーゴスに繋いだアミーゴ。コーナーに登ったアミーゴだがジョシュがロープを揺らし、座り込んだアミーゴに雪崩式ブレーンバスター。両軍交代、エルボー合戦は譲二が優位。ミドルにスイッチする飯塚、バックを取るが譲二取り返し振り向かせて強烈なエルボー。コーナースローを振り返した飯塚、串刺しを譲二が阻止しランニング・エルボー。吠えた譲二、腕極めノーザンを狙うが飯塚コマンドサンボ式のスタンディング腕極めからコブラクラッチへ。ロープに手を伸ばした譲二、ブレークするや飯塚グルジア投げ。フォールに入るがジョシュがぶっこ抜きジャーマンホイップでカット。
10分経過、ジョシュとアミーゴがエルボー合戦。「あっちを見ろ」とアミーゴを振り向かせるジョシュ、そこに譲二がミサイルキック。上手い連携を見せるジョシュと譲二。飯塚を立ち上がらせる譲二、しかし飯塚右ハイを打ち込む。ロープに走る飯塚、だが譲二のラリアットに吹っ飛ぶ。ここで譲二スライディングD、これを返す飯塚。最後は満を持して腕極めノーザンを決めた譲二が勝利。GOING-UPのマットで初めての自力フォール勝ちであった。
第4試合
GOING-UP勢の中で初めてHEAT-UPユニバーサル王者兼平とのシングル、またとないチャンスを掴んだミステリー。ガッツワールド時代からのファンが大きな期待を持って出迎える。グラウンドでお互いを探る両者、腕の取り合いから兼平が珍しいブリッジでミステリーの力を受け流す。タックル合戦から兼平がヒップトス腕十字、まさかの速攻に慌てるミステリーだがロープエスケープ。コーナーを背にしたミステリーに兼平は逆水平、ガットショット。腰をついたミステリーに串刺しニー、かわしたミステリーはエプロンでのドラゴンスクリュー。
5分経過、右膝に照準を絞ったミステリー、リング中央でリバース・インディアンデスロック。膝裏へのエルボー、インローで右膝を攻め、立ち上がる兼平の首筋にエルボー。ロープスロー、振り返した兼平カウンターでエクスプロイダーを見せる。膝の痛みに耐えて突進、かわすミステリーが突進、抱え上げた兼平はコーナーにミステリーを乗せボディを突き上げるニーリフト。ブレーンバスターで投げ切りstrike of the knee(ランニング・ニー)を繰り出す兼平、ブロックしたミステリーは膝裏へのタックル、足四の字固め。絞り込むミステリーだが、兼平身体を反転させてロープへ。立ち上がった両者はチョップとエルボーを打ち合う。
10分経過、ミステリーはかち上げエルボーからロープスロー、パワースラム。しかし兼平下から腕を取り腕十字、ミステリー顔面を踏みつけて脱出。寝そべる兼平にミステリーコーナーからダイビング・エルボー、寸前でかわした兼平strike of the knee、カウントは2。兼平バックドロップで追い打ち、カウント2。両手を広げとどめのstrike of the kneeを放った兼平nキャッチしたミステリーは立ち上がって喉笛を掴む。耐えて回避した兼平にミステリー抱え式バックドロップ。右手を掲げて予告チョークスラムを狙うミステリー、喉笛を掴まれた兼平飛びつき腕十字、極まらないと見るや腕と両足を抱え込んだHEATクラッチでカウント3。
技の数こそ少なかった対戦だったが、説得力のある丸め込み技で王者の威厳を守った兼平大介。「今度はベルトを懸けて」と互いにアピールし健闘を称え合う。敗れたミステリーではあったが、観客の期待を大きく背負った一戦であったことに間違いない。
第5試合
「NWA認定ミズーリ州ヘビー級王者」松崎和彦と「CCW認定カナディアン・ヘビー級王者」藤原秀旺。外敵ではあるがその実績は本物である秀旺&松崎、入場してきた石島&井土に握手を求める仕草。「は?する訳ねえだろそんなもんは!」と完全に拒否する石島。先発は秀旺と井土。ゴングが鳴らされるといきなり場外に出る秀旺、鉄柱の傍でスクワットを披露。井土のやる気を乱そうとするがこれが火に油、組み合った途端秀旺のマスクを剥ぎ取った井土、踏みつけた上に場外に放り投げる大胆な行動に。この挑発に喜ぶ秀旺、ニヤニヤしながら井土と睨み合う。確固たる実力を持っている秀旺、グラウンドで上になるが井土も伊達に道場で鍛えていない。腕十字で捕らえるがブリッジで抜けた秀旺、コーナー際で上になり挑発する。まだ橙のYシャツを脱いでいない秀旺、タックル合戦で互角に渡り合う井土に「舐めんなよ!」と叫んで突進するが、反動の一発で後ろに倒される。これには鬼将軍もコーナーで両手を掲げて称賛。場外にエスケープする秀旺、松崎と組み合うとくるくる回る。当然場内から「わっからないっ!わっからないっ!」コール、誰がどう見てもわかる試合権利のない松崎がリングに上っても許されてしまう、これが秀旺ワールド。売られた喧嘩に喧嘩番長が黙ってはいない。井土を押し込みロープ際で顎への正拳、続けて額や後頭部に正拳を振り下ろしていく。チョップで返す井土にトーキックから膝蹴り、敢えて石島の目の前に井土を連れて行く松崎。鬼将軍に交代、チョップ合戦からショートアッパーを繰り出す石島。これには流石の喧嘩番長も腰砕け、石島「行くぞオラ!」からヘッドバット、タッチを求める松崎だが秀旺はYシャツを脱いでいる最中。石島バックエルボーから「な~にが番長だこの野郎お前!」と叫んで井土にタッチ。
5分経過、石島と井土のWタックルが松崎に。本部席から出た言葉が「中高年に少年」、確かに井土だけ18歳。その少年がコーナーで松崎を踏みつける姿は"オヤジ狩り"を彷彿させてしまう。狩られてなるかと松崎はガウディング、客席からブーイングが起こる。秀旺にタッチ、突然エプロンに立ち尽くし一点を見つめる。何もせずに戻って井土を攻撃する秀旺、この意味不明ぶりも秀旺ワールドの一環。ニード手島レフェリーに石島をチェックさせ、入場時シューズの中に仕込んでおいた帯を取り出しチョーク攻撃。ロープに井土が乗り出してもお構いなし、トップロープに噛み付いて観客のブーイングを受ける秀旺。大の字の井土、声を掛けるセコンド陣をも挑発する秀旺。尚も「応援してやれよ!かわいそうだぞこいつ」とふてぶてしく観客も挑発する。松崎にタッチ、太鼓の乱れ打ちから松崎カウンターのスリーパー、強引に倒してグラウンドで絞め続ける。すぐにスイッチして首四の字、若い井土をテクニックで翻弄していく。続けてスリーパー、石島が「徹也!」と叫ぶと秀旺「うるせえバーカ!」、石島「うるせえこの野郎何だてめえこの野郎お前!」と口喧嘩。そんな中でも攻められる井土、松崎フロントネックロックから秀旺にタッチ。ここで秀旺は灰皿を取り出し凶器として使用する。手島レフェリーが来るとしれっと凶器を手放す悪党ファイトの前に若い井土は為す術もない。「喧嘩売ってきたくせしてもう終わりか?」と少々つまらなそうな表情で井土を挑発する秀旺、エルボーを打たせておいて強烈なチョップでお返し。軽くステップを踏んで気合を入れる秀旺、ロープスローからクロスチョップ、そのまま井土を倒しグラウンドで頸動脈を絞めていく。スタンドでバックエルボーを放つ井土、すぐに松崎が入ってきてタッチを妨害。松崎にタッチ、必殺技のひとつバックドロップの体勢、こらえる井土はロープへ。
10分経過、下段蹴りで右大腿部を蹴りつける松崎、ロープに走るが井土ここでスクープスラム。5分以上ローンバトルを強いられていたがようやく石島とタッチ。松崎、秀旺をタックルでふっ飛ばす石島、クロスラインをぶっちぎってWラリアット、ガードされるがWブレーンバスターを逆に投げ飛ばす。館内からはやんやの声援。「な~にが番長だこの野郎お前!」と叫んで串刺しラリアットからブルドッキング・ヘッドロック。そしてWARスペシャルで松崎を攻める石島、絞り込む表情は鬼将軍そのもの。秀旺がカットしようとすると自ら技を解き睨み合い、フェイスバスターの体勢に入ると本性を現した秀旺のサーベル攻撃が背中に突き刺さる。松崎リバースで返し秀旺にタッチ、ラリアットを放つが倒れない石島。相討ちが続くがウエートの差で石島優位、倒れ込む時に正面からローブローを放つ秀旺、コーナースローから「死んどけ!」と叫び突進、しかし石島ラリアットでぶっ倒す。やり返させようと井土にタッチ、エルボーで棒立ちにさせランニング・エルボーからフィッシャーマン・バスター。カウント2でキックアウトされるとマットを叩いて観客を煽り、バックを取ってジャーマン。だがすかさず松崎が入ってきてカット。石島松崎にラリアット、返す刀で秀旺にも一発。井土に試合を託す石島、井土ドロップキックから押さえ込むがカウント2。ここで石島が松崎をロープスロー、振り返した松崎ジャンピング・ネックブリーカー。石島場外へ、松崎は井土に直下式ブレーンバスター。フォールする秀旺、カウント2で髪を掴み強引に引き起こす。「よく見とけ!」と井土を仕留めにかかる秀旺、100%メロ~ンジュース(高角度パワーボム)からエビで丸めて完全フォール勝ち。GOING-UPというリングで藤原秀旺がその存在を存分に見せつけた。
エンディング
悔しがる石島の眼前で勝ち誇る秀旺と松崎、大の字のままの井土。気持ちよさそうな表情でスクワットを始める秀旺、マイクを握る石島。
石島「おい!藤原秀旺!そして松崎番長!面白えじゃねえかよ!今日ここで(俺達が)負けて、終わりじゃねえよな。まだな、まあ今日負けたけどな、徹也もまた俺が1ヶ月鍛えて、また!1ヶ月後7月29日、ここで再戦しようじゃねえかてめえこの野郎お前!逃げんじゃねえぞこの野郎!(館内拍手)」
秀旺「気持ちいいなおい、気持ちいいよおい!気持ちいいよ、7月29日は…北都プロレ…ス…(館内爆笑)」
石島「お前もか!お前もか!!」
秀旺「いやいやそもそもよお、松っちゃんなあ、今日よお…なんか客がしょっぱいよ。びっくりしたよ。あの、なんかさあ、王子初めて俺来たんだけども、いや…街も人も…(館内「おおっ!」)ここにいる俺ら以外のレスラーも…」
石島「何だてめえコラァ!」
秀旺「みんなしょっぱい、質が悪い(頷く松崎、館内ブーイング)。」
石島「うるせえお前!」
秀旺「(満面の笑みで)ハ…ハーッハッハ!しょうがないよお前!まあ松っちゃんいいかこんなもんで。もう疲れちゃうよもう、忙しいよ俺だってバカ。お前みたいな小汚いやつとやる訳ねえだろバカ!」
石島「うるせえ!お前小汚えだろ!!」
秀旺「おい今日集まってる王子(「おおっ!」)…おい、全員死ねっ!!(何故か歓声が上がる)」
歓声を上げて喜ぶ観客もいれば、「お前が死ね!」と憎悪を顕にする観客もいる。これがGOING-UPという空間。再びマイクを手にする石島。
石島「え~皆さん、今日はすいませんでした。絶対に、次はね!まあ藤原秀旺来ないみたいですけど、番長と!あとまだアライヴァル、いるんだろなんかメンバー。おうそれとなあ、俺と徹也でやってやっかんなお前(館内拍手と歓声)。おい徹也!今日の負け位でへこたれんじゃねえぞお前。若いお前が元気がなくて、どうやって中高年に元気を与えられるんだお前。若いお前が頑張るから、中高年も『若い奴らに負けてられん!』ってなって、元気になるんだよ。わかるかお前!なあ!なんか俺スポ根の教師みたいになってるけどなあ(館内笑い)、いつからこういうキャラになったかわかんねえけど!おい!…なあ!まだまだ頑張ろうぜ、なあ!よし、徹也、立ち上がれお前!立ち上がってお前、ダメージあるかも知れないけど、おい、元気な声を!ここにいる中高年の皆さんに、聞かせてあげてくださいっ!!」
井土「この18歳の俺が、中高年に元気を与えられるよう、ガッツさんと組んでまた次!アイツ等、ぶっ倒しますよ。」
石島「よし!よし!やれんのかお前?(井土の顔を張る、井土も張り返す)なんか!熱いスポ根ドラマみたいになってるけど!!次もアイツ等ぶっ倒しますんで、皆さん応援宜しくお願いします!!(館内拍手)」
そして井土の音頭で「王子、ゴーイングアップ!」で締められた初のシリーズ。毎月の連戦となるが、次はどんなスポ根ドラマになるのだろうかと期待させられてしまう。不思議な魅力を持っているのがGOING-UPという空間なのだ。