ミスター雁之助がガッツワールド解散とともに引退!「ハヤブサと次に会ったときに、またリングでもう一度向き合う」
15日、東京都・新宿FACEにてガッツワールド解散興行『ガッツワールド THE FINAL 武骨終焉』が行われ、同団体が13年4ヶ月の歴史に幕を下ろすと同時に、ミスター雁之助もその選手生命に幕を下ろした。
ガッツワールドプロレスリングは、2004年に学生プロレス出身のガッツ石島とダイスケが中心となって旗揚げし13年4ヶ月団体を存続させてきた。しかし、昨年ダイスケが度重なる故障から引退を表明すると、「ダイスケあってのガッツワールドだから」とガッツ石島が同団体の解散を表明。
そして、ガッツワールドの解散とともにミスター雁之助が2度目の引退を表明。藤波辰爾&ヒロ斎藤というレジェンドタッグを相手に、雁之助を慕う影山道雄とタッグを組み引退試合に臨んだ。
試合はクラシカルなレスリングを中心に展開。雁之助は盟友・ハヤブサの技ファルコンアローや雁之助クラッチとラストマッチで全ての力を出し切るが、藤波のドラゴンスクリューに合わせてヒロがセントーンを投下し、さらに藤波がドラゴンスリーパーで締め上げると無念のギブアップ。
試合後、雁之助は「これでホントに終わりなのか?!藤波さん、再試合やりましょう!再試合なら復帰したことにならないから!」と懇願するが、藤波は「次回ね」と言い残して去っていく。雁之助は「引退するから次回無いですよ!」と叫ぶもその声は届かず。
全試合終了後に引退式が行われ、週刊プロレス、唯我、ヤス・ウラノ、新納刃、アイスリボン(藤本つかさ、星ハム子、松本都、藤田あかね、内藤メアリ、新田猫子)、真琴&日向小陽、雫有希、矢野啓太、ミロ・ハダカラス、プロレスリングFREEDOMS(GENTARO、マンモス佐々木、神威)、矢口壹琅、チョコボール向井、gosaku、新宿鮫、ガッツ石島がセレモニーへ登場。記念品や花束などの贈呈を行った。
10カウントゴングを前にマイクを取った雁之助は「平成3年の2月に、FMWにハヤブサと九州から上京して、寮に入り、あれから27年間ですね。プロレス生活27年、こんなに長くプロレスができるとは夢にも思っておりませんでした。その前にですね、自分がプロレス少年だった本田雅史がプロレスで飯を食うなんてですね、素人時代の僕には考えられないことで、それが現実として、こうやって皆さんに支えられて、27年もできたというのは本当に凄いことだと嬉しいことだと思います。はっきり言って、プロレス界から去るのはものすごい寂しいし、この場で言うのはなんですが、プロレスから離れたくないです。それぐらい好きです僕は。大好きですプロレスが。僕と一緒に入った、プロレス界に入ったハヤブサはもういませんけど、彼がいなくなってから今日の試合まで、リングに上がる時は彼の気持ちも背負って毎回リングに上がっていました。彼と一緒にね、リングをおりなかったのは、本当に残念ですが、僕は復帰するときに彼に、『ごめんもう一回リングに上がろうと思ってる』って言ったときに彼は、もう、何も言わずに、『おっさんの思った通りにやれ』と背中を押してくれました。『自分が歩けるようになったらリングでもう一回向き合おうね』って言われましたんで、それは叶いませんけども、また、後々会った時にそれは実現しようと思います。僕は、FMW、WMF、ガッツワールド、この3団体、所属させていただきましたけど、ほんとにこの3つの団体所属して良かったなと心から思える仲間と知り合えて、ファンの皆さんと知り合えて本当に幸せだと思います。これからもガッツワールドの選手たち、プロレスをよろしくお願いします。27年間ありがとうございました!ミスター雁之助はプロレスを愛してます!ありがとうございました!」と挨拶した。
ハヤブサと共にFMWでデビューし、90年代のインディープロレス界を牽引してきたミスター雁之助もついに引退を迎えた。
雁之助は引退後にプロレスから完全に離れて地元・熊本に帰って暮らすことを明言しているが、雁之助の魂は確かにインディープロレス界に根付いている。ガッツワールドの所属選手を始め、雁之助に薫陶を受けた選手は数知れない。彼ら雁之助チルドレンが作っていくプロレス界の未来にこれからも期待したい。