“苦節22年”苦労人の木藤裕次がトーナメント制しWNC王座戴冠!「TAJIRIさん、AKIRAさんが巻いたベルトを獲れて嬉しい」

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 この3月でデビュー22年目を迎えた苦労人の木藤裕次が、TAJIRIメモリアルといえるWNCチャンピオンシップ王座を奪取した。

 3月24日、ASUKA PROJECTが東京・新木場1stRINGで『旗揚げ4周年記念~WNC王座ベルト争奪1DAYトーナメント』を開催。
 同王座は、TAJIRIがエースに君臨したWNC管理の下、12年9月に創設された由緒あるベルト。同団体は14年6月に活動を停止したが、それに伴い王座は海外に流出。昨年11月、フィンランドでベルナルド・ヴァンダムから王座を奪還したスターバックが「TAJIRIチルドレンが切磋琢磨するために、このベルトを使ってほしい」とASUKAにベルトを譲渡した。

 王座決定トーナメントには、篠瀬三十七、木藤、松田慶三、アズールドラゴン、児玉裕輔、瀧澤晃頼、藤原ライオン、佐山駿介の8選手が出場。同団体所属の若手である瀧澤、佐山以外の6選手がWNC出身者、または参戦していた選手で同王座を争奪するにふさわしいメンバーが集結した。

 97年3月に、TAJIRI同様IWAジャパンでデビューした木藤は、07年フリーに転向。11年からTAJIRIが中心となって旗揚げされたSMASHに参戦。その後に設立されたWNCにも定期参戦しており、TAJIRIとは切っても切れない関係で、同王座へのこだわりは誰よりも強かったようだ。

 1回戦で篠瀬をスクールボーイに丸め込んで勝利した木藤は、準決勝でのアズールドラゴン戦でも劣勢に回りながら、再びスクールボーイで3カウントを奪い、あれよあれよという間にAブロックを制覇。

 Bブロックでは、デビュー11ヶ月に満たない佐山が、1回戦で藤原ライオンをバズソーキックで破る大金星を挙げデビュー初勝利。準決勝では児玉と対戦したが、セコンドの立花誠吾が再三介入し、レフェリーがたまらず佐山の反則勝ちを宣しよもやの決勝進出を果たした。

 キャリアで約20年差の木藤と佐山の決勝戦となったが、木藤がベテランの意地を見せ前半戦はグラウンドレスリング、右足への攻めで終始優勢に進めた。10分過ぎ、佐山は得意のキックで攻め立てるも、勝負を決めるには至らず。最後は木藤が渾身の足4の字固めで絞め上げ、佐山はたまらずギブアップ。キャリアの差を見せつけた木藤が、見事に復活したWNCベルトを手にした。

 マイクを持った木藤は「佐山、オマエは恐ろしい。あと2、3年やったら、どこでも通用する。でも、佐山、瀧澤、仲川(翔大)! 私はまだまだ壁になる。まだ若手には負けない」とアピール。
 バックステージに戻った木藤は「この年になると、1試合でもハードなのに、3試合はきつい。決勝では、最後の4の字を逃したらまずいと思って絞め上げました。意地で勝った。防衛戦の相手は誰でもいい。リスペクトしてるTAJIRIさん、AKIRAさんが巻いたベルトを獲れてうれしい。あの2人はまだバリバリやってるし、近づけるようにがんばります」とコメント。
 若手時代に米国遠征でBZWヘビー級王座を獲得したことこそあるが、国内では22年目にしてシングルベルト初戴冠となった“遅咲き”の木藤。初防衛戦は、5月4日の横浜・ラジアントホール大会か、7月26日の東京・新宿FACE大会で行われる見込みだ。

 惜しくも、決勝で散った佐山は、「最後の最後で力尽きました。バルトに懸ける思いが強かったので悔しい。決勝に残っても、負けたら、何の意味もない。今回は1DAYトーナメントでしたけど、いつかまたタイトルマッチをやりたい」と前を向いた。

 代表の篠瀬は「個人的には、油断してたわけじゃないけど、大一番に懸ける技で、木藤さんにかなわなかったということでしょう。佐山は1回も勝ったことがなかったけど、初勝利を挙げた。いずれ化ける感がありますね。WRESTLE-1勢(児玉、立花)は、向こうの出方次第ですけど、若い選手がやられましたから、彼らもこのまま黙ってないでしょう。WNCという団体のムードも、すごく出せた。いつもと違うASUKAの雰囲気を感じ取ってもらえたならよかった」と総括した。

 メインイベント終了後、篠瀬代表が、5月4日、横浜・ラジアントホール大会の決定カードとして、佐山VS鈴木秀樹、「瀧澤晃頼試練の5番勝負最終戦」瀧澤VS高橋匡哉(大日本プロレス)を発表した。
 その他、所属外選手で、黒潮“イケメン”二郎(WRESTLE-1)、児玉(同)、田中稔、松田慶三の参戦が決定した。
 右ヒザ前十字じん帯断裂で欠場中の仲川は、4月24日に予定される担当医の診察で、OKサインが出れば、同大会で復帰する予定だ。

『旗揚げ4周年記念~WNC王座ベルト争奪1DAYトーナメント』
日時:2018年3月24日(土)
開始:12:00
会場:東京・新木場1stRING
観衆:143人

▼WNCチャンピオンシップ王座争奪1DAYトーナメント Bブロック1回戦 10分1本勝負
○佐山駿介
3分46秒 バズソーキック→片エビ固め
●藤原ライオン(フリー)

▼同 Aブロック1回戦 10分1本勝負
○アズールドラゴン
6分54秒 スクールボーイ→エビ固め
松田慶三(フリー)

▼同 Aブロック1回戦 10分1本勝負
○木藤裕次
3分57秒 スクールボーイ→エビ固め
●篠瀬三十七

▼同 Bブロック1回戦 10分1本勝負
○児玉裕輔(WRESTLE-1)
8分56秒 マッドスプラッシュ→片エビ固め
●瀧澤晃頼

▼アクトレスガールズ提供試合 20分1本勝負
○茉莉
9分40秒、オモプラッパ
●有田ひめか

▼WNCチャンピオンシップ王座争奪1DAYトーナメント Aブロック準決勝 30分1本勝負
○木藤裕次
7分2秒 スクールボーイ→エビ固め
●アズールドラゴン

▼同 Bブロック準決勝 30分1本勝負
○佐山駿介
11分5秒 反則勝ち(セコンドの乱入)
●児玉裕輔(WRESTLE-1)

▼30分1本勝負
○ヒート
11分26秒 ヒートクラッチ
●趙雲子龍(新北京)

▼WNCチャンピオンシップ王座争奪1DAYトーナメント 決勝戦~王座決定戦 60分1本勝負
○木藤裕次
16分47秒 足4の字固め
●佐山駿介
※木藤が第7代王者となる

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