【試合結果】9・2 堀田祐美子自主興行 新宿FACE大会 堀田祐美子vs豊田真奈美 井上京子&勝愛実vs神取忍&安納サオリ 井上貴子&高橋奈七永vs水波綾&星ハム子

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堀田祐美子自主興行『暴走集会PREMIUM~一夜限りの新生全女~』
日時:2017年9月2日(土)
開始:12:00
会場:東京・新宿FACE
観衆:510人(超満員)

▼シングルマッチ 20分1本勝負
○Leon(PURE-J)
6分44秒 マッドスプラッシュ→片エビ固め
●本間多恵(Beginning)

▼タッグマッチ 30分1本勝負
○伊藤薫(ディアナ)/渡辺智子(Marvelous)
12分48秒 ライガーボム→エビ固め
●万喜なつみ(Beginning)/高瀬みゆき(Beginning)

▼タッグマッチ 30分1本勝負
井上貴子(LLPW-X)/○高橋奈七永(SEAdLINNNG)
10分24秒 ジャパニーズ・オーシャン・クインビーボム
水波綾(WAVE)/●星ハム子(アイスリボン)

▼タッグマッチ 30分1本勝負
井上京子(ディアナ)/●勝愛実(PURE-J)
11分25秒 三角絞め
○神取忍(LLPW-X)/安納サオリ(Beginning)

▼一日限りの赤いベルト!シングルマッチ 60分1本勝負
●堀田祐美子(フリー)
10分00秒 ジャパニーズ・オーシャン・サイクロン・スープレックスホールド
○豊田真奈美(フリー)

満身創痍の豊田が堀田に勝利し再び赤いベルトを腰に巻く!トークショーでは新生全女のメンバーがその裏側を赤裸々に語る!

オープニング


 興行主の堀田祐美子が登壇し、挨拶。

「本日はご来場誠にありがとうございます!暴走集会PREMIUM~一夜限りの新生全女~。この興行を行うことになったのも、5月4日の暴走集会のときに、豊田真奈美が「私が引退するまでに堀田さんとシングルマッチをやりたい。お願いします!」とリングの上で言われてしまって、私もホントに、「うん」と言わされたというか、100%言わざるをえない状態で(笑)そんなことがあって、全女らしいなと思い私もその場で受けてしまったということで今日に繋がっております。
 豊田真奈美といえば、全日本女子プロレスという、私は赤いベルトが一番似合っていた選手というか、共に戦って全女を支えてくれた選手と私は思っています。その子のために何ができるかなと思ったときに、私なりに今日は一日、この興行を自分なりにプロデュースさせてもらいました。その中で、色々思いでもあったりだとか、全女の素晴らしさだったり、戦いに対する気持ちというものが全面的にこのリングで出せればいいなと私は思っております
 私のわがままでこの全女のマットも、全女のリングも、ベルトも全部お借りして、ホントに……後で何を言われるか分かりませんが……先輩たちに(笑)でも今日自信を持って、ここで私なりに全女の“赤”を全面的に出して頑張っていきたいと思いますので、応援よろしくお願いします!」

第1試合


 両者は握手からクリーンにスタート。ロックアップで組み合うがLeonが力で勝りロープに押し付けるが、本間は体を入れ替えて逆に押し付けるとエルボー。追撃を狙ってロープに走り、ドロップキックを放つがこれはLeonに余裕を持ってかわされてしまう。Leonは本間をコーナーに振ると、雄叫びを上げて串刺しのドロップキック。本間はドロップキックでやり返すと、エルボーを連打。前から組み付いてグラウンドに引き倒すとマウントを取り、そのまま腕十字へ。Leonが堪えるとハンマーロックで締め上げる。Leonは這っていきロープブレイクへ。
 追撃を狙う本間はロープチャージするが、待ち構えていたLeonはキャッチして風車式バックブリーカー。さらに急角度の逆エビ固めで本間をせ攻め立てる。
 本間は体勢を入れ替えて足の間をくぐりLeonをグラウンドに倒すと腕十字へ移行。しかし、身体を起こしたLeonが本間をそのまま持ち上げると、ターンバックルへ叩きつける。続けて対角コーナーからLeonがダッシュし、串刺しのスピアー。さらにダブルアームスープレックスでダメ押しも、カウントは2。
 Leonは「終わり!」と宣言し、再び急角度の逆エビ固めへ。逃げる本間を何度もリング中央に引き戻すが、本間はなんとかロープへ。
 Leonはストンピング連打から再びダブルアームを狙う。本間はくるりと体勢を入れ替えバックスライドで切り返すが、Leonはすぐさま後転してこれを逃れる。Leonが起き上がると本間はすぐに飛びついて腕十字へ。Leonはすぐさまロープへ。
 追撃を狙いロープに走る本間にLeonが追いかけて行きスピアー。続いてLeonがコーナーからミサイルキックを投下。これはカウント2。 
 レオンはフィニッシュを狙ってキャプチュードバスターを狙うが本間スモールパッケージで切り返す。続いてスクールボーイで丸め込むがカウントは2
 トドメを狙う本間を担ぎ上げたLeonはそのままドライバー系の技で突き刺すと、そのままコーナーへ駆け上がり、マッドスプラッシュを投下。本間はこれを返せず3カウント。

第2試合


 4人はクリーンに握手からスタートするかと思われたが、伊藤&渡辺が背を向けるとBeginning勢がドロップキックで奇襲。 
 そのままリングにでていた伊藤が捕まる形となり、万喜&高瀬は交互にフットスタンプを見舞っていき、ダブルでのブレーンバスターを狙うが、これを耐えきった伊藤が二人まとめて逆にブレーンバスターで投げ捨てる。伊藤はそのまま二人をまとめて寝かせると、二人に前体重をかけたランニングエルボードロップ。試合権を持った高瀬を逆片エビ。高瀬が暴れて体制が崩れるとグラウンドのニーロックに移行し痛めつけていく。高瀬はなんとかロープに逃れるが、伊藤はボディスラムで投げ捨て、渡辺にタッチ。
 渡辺はボディスプラッシュ、ギロチンドロップと続け、サソリ固め。さらに高瀬をコーナーに振ってスプラッシュを狙うが、高瀬はかわしてドロップキック。高瀬はエルボーをレンガしていくが、渡辺は余裕の表情で好きなようにエルボーを打たせていく。高瀬はロープチャージするが、渡辺のフロントキック一発で倒れてしまう。
 伊藤にタッチ。高瀬は伊藤をスラムをあげようとするが伊藤はびくともしない。高瀬は果敢に立ち向かい全女式スラムであげようとするが、逆に伊藤がスラムで投げ捨てる。
 代わる渡辺は追撃を狙うが、高瀬はバックを取って逆さ押さえ込みを狙う。これは渡辺が余裕を持って耐えていたが、万喜がリングに入り正面からドロップキックを見舞うと倒れてしまいカウントが入る。これをキックアウトするが、高瀬は自軍コーナーに渡辺を押し付け串刺しのドロップキック。万喜が渡辺を押さえつけ、さらに串刺しのラリアット。万喜にタッチ。万喜はさらに自軍コーナーで串刺しドロップキック。座らせた状態で二発目の串刺しドロップキック。
 万喜はコーナーに登り、フライングボディプレスを狙うが、なんと渡辺は万喜の身体を足の裏で受け止め、そのまま跳ね上げるようにして蹴っ飛ばす。これには万喜も大ダメージ。
 しかし万喜は再びコーナーに上がりボディプレスを投下。これをキックアウトした渡辺がロープチャージからのラリアットを狙うが、万喜はバックを取ってジャーマンで投げ捨てる。カウントは2。追撃を狙う万喜を渡辺がカウンターのラリアットでなぎ倒すと、伊藤にタッチしダブルの攻撃へ。コーナーに逆さ吊りにされた万喜に伊藤&渡辺がスプラッシュを連発。伊藤がトドメを狙うが万喜はこれを耐え、裏投げのような技を狙っていく。伊藤はこれを耐えるが、高瀬がドロップキックでアシスト。そのまま二人でダブルの攻撃へ。
 万喜と高瀬は伊藤のラリアットをくぐってダブルのドロップキックを放つが、伊藤は倒れない。ここでセコンドに付いていたBeginning勢が一挙にリングに上がり、合計4人でのドロップキックを放つとさすがの伊藤も倒れる。続いて高瀬がコーナー上からギロチンドロップを投下、万喜がボディプレスを投下。カウントは2。
 万喜が伊藤にジャーマンを狙うが、これを耐えられると万喜は前から飛びつき式のネックブリーカー。さらに丸め込んでいくがカウントは2。
 万喜は打撃を連発。追撃を狙って走り込むが、伊藤はロープを引き下げ万喜を場外へ。渡辺もすかさず高瀬を襲撃して場外戦へ。
 伊藤は万喜をリングに戻すと、全体重を賭けたフットスタンプ。さらにボディプレス。しかしカウントは2。万喜はグロッキー状態で立ち上がると、伊藤&渡辺がサンドイッチラリアット。フォールに入るがこれは高瀬がギリギリでカット。
 渡辺が高瀬をリング外に出し、場外戦へ。リング上では伊藤が万喜を抱え上げ、トドメのライガーボム。これは万喜も返せず3カウント。
 試合後、4人は抱擁。渡辺&伊藤は万喜&高瀬の腕を高々と掲げ上げ、二人の健闘を讃えた。

第3試合


 貴子&奈七永組が入場すると、観客から貴子に「綺麗!」の声が飛ぶ。これに貴子が笑顔で応じると、奈七永は不満顔。観客席から「奈七永も綺麗ー!」の声が飛ぶと、奈七永は満面の笑顔に。
 4人はクリーンに握手を交わすが、ハム子はいつものセクシーなポーズで握手を求め、奈七永、貴子は戸惑いながらもハム子の手を握る。
 ハム子は「貴子さん出て来ーい!」と叫んで待ち受けると、貴子がこれに応じる形で二人のマッチアップからスタート。
 貴子はロックアップで組み合おうとするが、ハム子は髪をかきあげながら「ハァ~イ!」と扇情的に挨拶。貴子も対抗して髪をさらりとかき上げると観客席から黄色い声が飛ぶ。
 ようやく両者はロックアップで組み合うかと思いきや、ハム子はこれを前転でかわし、リング上でとてもセクシーなポーズを取って貴子を挑発。観客席からは「フゥ~!」の声が飛ぶ。貴子はセクシーポーズを取るハム子の顔面を蹴り飛ばすが、ハム子はすぐさま起き上がりセクシーさを見せつけることで我を貫く。
 業を煮やしてハム子を起こした貴子だったが、ハム子は逆に貴子をコーナーシュート。向かい合う形でセカンドロープに登り、貴子の顔面にお腹を押し当てていく。これを脱出した貴子は顔面にキックを一撃。ハム子に負けない色気でセクシーポーズを取り、観客の「フゥ~!」の声を背に奈七永にタッチ。
 ハム子もタッチし、奈七永と水波のマッチアップに。両者は激しくショルダー・タックル合戦を繰り広げるも、奈七永が競り勝つ。すると奈七永は水波をロープにくくりつけ、貴子が水波の顔面にブートを押し当てる。
 続けて、奈七永が水波をコーナーにシュートし、マシンガンチョップ。怒った水波が体勢を入れ替え、お返しのマシンガンチョップを見舞う。
 水波が「いつものやりますか!」と宣言すると強烈な串刺しラリアット。フォールに入るもカウントは2。追撃を狙った水波は走り込むが奈七永はこれをキャッチしてサイドスープレックスでやり返すと貴子にタッチ。
 貴子は水波に顔面キックを連発。起きてキックをキャッチする水波だったが、貴子は正面から水波をフロントネックロックで捕らえると、DDTでマットに突き刺していく。
 奈七永と貴子はダブルでの攻撃を狙って水波をロープに振るが、水波は二人まとめてスピアーでなぎ倒す。
 奈七永と水波のマッチアップとなり、正面からラリアット撃ち合いに。奈七永がこれを制してなぎ倒してフォールに入るもカウントは2。奈七永はロープチャージするが帰ってきたところを水波がカウンターのラリアット。続けて水波がエルボー連打も奈七永はビンタ一閃。さらに奈七永はラリアットを狙うが、水波は正面からフロントスープレックス。さらに裏投げとやり返し、ハム子にタッチ。
 ハム子&奈七永のマッチアップとなり、ハム子が奈七永をファイヤーマンで担ごうとするも、奈七永は堪える。するとハム子は奈七永に強烈なビンタ。奈七永が怯んだところを素早く担ぎ上げバックフリップ。
 ハム子はコーナーに上るが、追いかけた奈七永が雪崩式ブレーンバスター。フォールに入るもカウントは2。すると奈七永は素早くコーナーに駆け上ると、「冷蔵庫爆弾!」の叫び声とともに同技を投下。しかしこれを待ち受けていたハム子は剣山で迎撃。さらに、静止する貴子を振り切って水波が奈七永にラリアットをぶち込んでアシスト。ハム子はプロレスが大好きなポーズを取り、シャイニング腹ザード。さらにダイビングボディプレスで決着を狙う。これをなんとかキックアウトした奈七永に、ハム子は突進していくが、奈七永はこれをキャッチしバックドロップで投げ捨てる。しかし水波がリングインし、奈七永にラリアット一閃。アシストを受けたハム子は奈七永にハムロールもカウントは2。
 ハム子と水波は奈七永にサンドイッチラリアットを狙うが、すんでのところで奈七永がかわして同士討ちに。ここで貴子がリングインし、ハム子へ奈七永が延髄斬り、貴子が側頭部にバックブロー。奈七永はコーナーへ駆け上り、冷蔵庫爆弾を投下。これをハム子は2で返していくが、奈七永が豊田真奈美から継承したジャパニーズ・オーシャン・クインビーボムを叩き込むと、ハム子はこれを返すことが出来ず、3カウント。

新生全女~赤いベルトにかける想いトークショー~


 司会の影かほるが登壇し、トークショーに参加するメンバーを呼び込んでスタート。
 まずは試合を終えたばかりの奈七永が再び入場曲に乗って登場。次いで、前川久美子が久々の入場曲に合わせて入場。三人目はメインイベントでの試合を控えた豊田真奈美。最後に入場したのは興行主の堀田祐美子。
 リング上には椅子が4つ用意されていたが、先輩後輩の序列から席の譲り合いが始まる。その様子を見たかほるがトークショーの段取りが全く組まれていないことを明かし、会場の笑いを誘う。そして4人に自己紹介を促す。

奈七永「改めまして、SEAdLINNNGの高橋奈七永です!赤いベルトの最後の王者として、今でも現役で頑張っています!試合直後で汗がスゴイですけど……(笑)今日はよろしくお願いします!」
前川「お久しぶりです、前川です。よろしくお願いします」
かほる「……それだけ?(笑)」
(前川は苦笑しながらマイクを豊田へ)
豊田「みなさんこんにちは!豊田真奈美です!今日はこのような大会を開いてくれた堀田さんに本当に感謝しています。ありがとうございます。何を言っていいか分からないんですけど、全然打ち合わせとかしてないからね(笑)でも、楽しい話が聞けると思うので、皆さん楽しみにして下さい(笑)」
堀田「堀田祐美子です」
かほる「……早く、早くしましょうね(笑)」(時間を気にするジェスチャー)
堀田「巻いてんの?急ぎ?(笑)……えー、新生全女への思い。まあね、全日本女子プロレスというのはとても選手がいる団体で、会社が貧乏になりすぎて皆さん辞めてしまってバラバラになって……その後に残ったのが11人。その中の4名ということで、そのときの悔しい思いというか、金網デスマッチの後にね、残った人が……えっ、VTRあんの?全然知らないんだけど。言ってよ、もー!(笑)」

(1997年9月21日 渡辺智子&伊藤薫vs三田英津子&下田美馬戦後の堀田のマイクの映像が流れる)

堀田「……思い出すねえ!!ホントなんかね、目頭に来るよね。そういう思いがね」
奈七永「このとき、2年目の17、8で会社が倒産ですよ(笑) 夢見て憧れて、「やっと入った!」って思ったら、会社が潰れてしまい、先輩たちも大量に居なくなってしまい、でも当時は若かったんで状況が全くつかめず、なので、のほほんとしてた……「なんとかなるでしょ」って思ってた部分もあった」
堀田「まあ、なんともならなかったんだけどね(笑)」
奈七永「まあ、その後、(格闘女神)ATHENAとかもあったので……(笑)」
堀田「そうだよ。『キッスの世界』やったからねぇ!(笑)」
豊田「この子達の代が頑張ったからね、テレビ局ももう一回ATHENAという番組をもう一度放映させてもらってね……。ホントすごい大変だったと思うよ。試合もしなくちゃいけない、先輩の用事もしなくちゃいけない。多分相当死ぬ思いだったよね?」
奈七永「結構寝られなかったり、試合もしなきゃいけない。選手の人数が少ないので、一日2試合やらなきゃいけない。でもここで成長しなきゃいけないと思ったので、誰かが2試合やらなきゃいけないなら、私に毎日2試合やらせて下さいって自分は言って……」
(他の三人が感嘆の声を上げ、観客席からは大きな拍手)
前川「でも2試合やってもギャラは貰えませんでしたよ(笑)」
奈七永「1.5試合分でしたね(笑)」
豊田「でも、今もそうじゃない?そんな感じのとこもあるよね」
かほる「それは……それは、わかんないけどねぇ……」
豊田「というか、自分の紹介はしたの?この人はね、お店やってます。めちゃ美味いですよ。今度行って下さい。ていうか、この人の身内が借金払わなかったから倒産したんだよね、社長の叔父さん」(かほるに)
かほる「……こんな公の場で私の身分を明かさないように(笑)まあ、倒産した時色々思いはあったと思うけど、ほら、奈七永から話したから今度は前川」
前川「私も20年前になるんで、若かったんで、倒産の意味がわからなかったですね。堀田さんに「今日倒産したんだけど、これからどうする?」みたいな感じでしたね。で、自分を含め下の子もぽかーんとしながら話を聞いてて……。武蔵小山の居酒屋に集まって、「今日倒産しました」みたいな……(笑)」
豊田「あー、あったあった!」
堀田「その昼間だよ。私、会社に呼ばれて「お金貸してくれ」って言われて、お金を知り合いから借りて渡したけど、もう一度貸してくれって……めちゃくちゃ大金ですよこれ」
豊田「自分は倒産した日の三日前に「お金貸してくれ」って言われたんですよ(笑)自分、持ってるお金ゼロになりました。それで「これで当分の見通しは経つから、とりあえず化してくれ」って言われて(笑)んで、三日後に堀田さんづてに倒産したって聞いたんですよ。だからね、騙してますよ君の会社(笑)それで、もう一回貸してくれって呼ばれたんですよ。そこには全女の会長とかが全部が並んでて。そこで私に「貸してくれ」って。私は「貸せません」って言ったら、会長に目の前で泣かれたの。「いいな!全女はこれで最後だぞ!お前ら!頑張った!よく頑張った!」って慰めあって、最終的には「いいぞ最後、行ってくれ」って、私が貸さないって言ったことで倒産、みたいになっちゃって(笑)それで、皆を集めて食事をしたと……。そもそも、全然ギャラ貰えてなかったのにお金があるわけないじゃないですか(笑)」
堀田「あの、あの、素のトークは、それは酒飲んでから話そう?(笑)」
豊田「一番最後にやればよかったんじゃないのこれ?(笑)」
堀田「今度やろうよ、全女のイベント。全女トークみたいの。絶対行けるよね。まだあるかな、あのお店?(笑)」

 4人が口々に店の現状や全女トークについてのアイディアを話し始めると、かほるが収拾にかかる。

かほる「ほら次行く!前川まで言ったから、倒産した当時の心境を話す場よ、ここは」
豊田「……今話してたじゃないですか、お金がなくなった話(笑)」
かほる「その節はありがとうございます(笑)」
豊田「今すぐ倒産するって言われたら、貸すじゃないですか!(笑)」
堀田「ちょっと待った!これからあたしら試合だよ?酒でも飲みたくなっちゃう(笑) 今度ね(笑)」

かほる「では真面目に行きます。この4人は一度は赤いベルトを巻いた人達です。そして、このベルトは、松永会長曰く“死のベルト”です」
豊田「言われてましたねー。これを巻いたら、あとは落ちるしか無いベルトだって」
かほる「ベルトを持ってる人間は最高の位置にいる。あとは落ちるだけって。だから、“死のベルト”。だから「なんで欲しがるんだ」って会長も言ってた」
豊田「えっ!作った会長が!?」
(豊田以外の3人が、その逸話を知らないと口々に話す)
堀田「誰に聞いたのそんなん(笑)」

 その後、過去の言った・言わないの話になり、収拾不能に。

かほる「ちょっと待って。前川がね、うるさいの。あと時間が何分とかって」
前川「だって堀田さん喋るだけ喋っといて時間何分までとか分かってないもん。自分は時計見ながら一生懸命やってるのに。あと5分です」
かほる「では、ななちゃんから赤いベルトに対する思いを語って下さい」

奈七永「私は全女に入門したときに……(堀田から赤いベルトが奈七永に渡される)オーッ!赤いベルト!久しぶりの対面なんですけど、このベルトを巻くことと、プロレス10年続けることが目標で、今21年やってるんですけど、ホントに当時は偉大すぎるベルトで、自分は全女が末期の頃に巻くことができて、そのタイトルマッチで怪我をして結局返上して、その後に前川さんが引退試合に私を指名してくださって、そのときに最後のチャンピオンが前川さんで、急遽引退試合で最後にこの赤いベルトを賭けるって言ってこの赤いベルトを賭けてくれて……(涙ぐみながら)最後、前川さんが……犬猿の仲だったんですけど、私のことを引退試合に指名してくれたことも光栄だったし、赤いベルトをそこで出してくれて、そこで私がフォールを取って、私が最後のチャンピオンって言えてるっていういきさつがあるので、すごいこの赤いベルトは感謝しか無くて、思い出がいっぱいあります」

前川「自分は、全女が倒産してからようやくこの念願の赤いベルト巻けたんですけど、全女が倒産した途端に、この赤いベルトを利用して試合をしようとする汚い大人たちがたくさん居て(笑) やっぱり、松永兄弟が全女をやってたのが良かったと思うんですけど、このベルトはすごく歴史があるのに、これを利用したら客が入るからって言って、タイトル戦を沢山やろうとする……他の団体とか、たくさんいたんですよ。自分が倒産した時に最後に持ってたんで、毎日試合の時は持って行ってたんですけど、このベルトの、タイトル戦をやれば御客さんが入るからって。そんな、タイトル戦なんてポンポンやるもんじゃないじゃないですか。そういう汚い大人たちがいっぱいいたので、当時ね。自分より上の方だったんで。そういうのを含めて、このベルトを軽々しく扱うのは自分はすごく嫌だったので、そういうのを含めて引退も考えて、辞めたんですね。だから、このベルトは先輩方も皆思い入れがあるんで、すごい大事なものだなあって思いが今でもつくづくあります」

豊田「このベルトは、私が入門してから、WWWAのシングルチャンピオンになるまで絶対やめないって、これを巻くまで絶対辞めないって思ってたんですけど、ちょうどこれを巻いた後くらいに経営おかしくなって、これを獲ってから25歳までにやめようと思ってたんですよ。でも、結局そういう状況にもならなくて……だったらこのベルトを自分が一番似合うようにって思って何度も獲って……4回?4回獲りましたね。頑張って団体のトップの象徴のベルトなので、その象徴にふさわしい試合ができるように日々頑張ってきました」

堀田「このベルトは私達だけのものじゃなくて、全日本女子プロレスという1968年に全女ができて、それからWWWAという赤いベルトが今でも続いていて、その中で私達だけじゃないし、上の先輩たちがこのベルトを、全日本女子プロレスというものを守ってきた。そして盛り上げてくれたということを忘れてはならないし、このベルトはこれからも目立って貰いたいし、でも簡単なことじゃこのベルトは使えないというか、出せない。タイトル戦は出来ないってことは私はここにいるメンバーもそうだし、全女出身の選手たちはそれを思ってると思う。このベルトに相応しいようなプロレス、このリングで戦える若手、私達もあと年々か何十年かわからないけど、その人達がこのベルトに相応しい戦いをしてもらえるときに、またこのベルトが浮かび上がってきてほしいと私は思っています。そのために若い選手には盛り上がって欲しいと思ってるし、このベルトはここで死んではいけないし、なくなってはいけないし、そのために、このベルトは今預かってくれている人が大切に保管してくれています。だから、いま久美が言ったように、このベルトでお金を稼ごうとか、そういうことは絶対にさせませんし、それはちゃんと全日本女子プロレスに誓います。このベルトというものは、それくらい素敵なもの、素晴らしいものという、私たちも触るのが久しぶりという、感動して感激するベルトなので、このベルトは大切に、今日の試合が終わったらちゃんと保管して、またいつか世にでることを目標として、頑張っていきたいと思います」

井上由美子ミニライブ


 堀田祐美子の友人で、演歌歌手の井上由美子さんがリング上へ。「小さい由美子」として「大きい裕美子」の応援に駆けつけたと話し、観客の笑いを誘う。そして、「ひとり北夜行」を熱唱。

 歌い終わった後、堀田祐美子も登壇。観客から井上由美子に「かわいい!」の声が飛ぶと、堀田は「あたしもかわいいだろ?ちょっとフリフリしたの着てきたんだよ」ときらびやかな羽織を見せつけながら観客に問いかける。観衆は「こわいい!」の声で応えると、堀田は「かわいい?こわい?どっちでもいいか(笑)」と上機嫌。
 さらに、堀田と井上に加えて、アクトレスガールズも登場し、二曲目「うち好きやねん(よさこいver.)」に乗せて皆で踊る。途中で浴衣に着付けた豊田も登場し、踊りに加わる。


 二曲目終了後、軽快に踊っていた豊田に井上由美子が声をかける。

由美子「練習してくださったんですか?!」
豊田「練習してないです」
由美子「練習してないけど堀田さんより踊れてましたけど!」
堀田「確かに」
由美子「見ながら踊ってただけですか?堀田さん、ずっと練習してましたよね?」
堀田「昨日、一昨日もビデオ見てやってました……」
由美子「でもこの後試合するんですよね」
堀田「ちょっと何、その着物みたいの」
豊田「用意してきました。前回の暴走集会見たときに「私も踊りたい!」って思ったんですよ。だから持ってきました」
堀田「着付けも誰かにしてもらったの?」
豊田「……ナイショ♪」
由美子「なんか着付けの人が来てましたよ裏に。私用かなと思ったら違ったんです(笑)」
堀田「由美子ちゃん自分でやったんだもんね?じゃあやってもらえばよかったね~」
由美子「だって今日主役ですもの!でも、この後試合するのにこんな仲良くていいんですか?単純な質問なんですけど、普段は仲良しで、強い絆で結ばれているのに、リングの上ではこう……痛いじゃないですか!それやり合うのってどうなんですか?手加減したりするんですか?」
堀田「しないよね」
豊田「しないですよぉ」
堀田「まあ、そうなってんだろうね。リングの上に上がったら、戦い!みたいな」
豊田「リングの上に上がったら、自分が一番上じゃないといけないから。リングを降りたら、また仲良しです」
由美子「さっきヒートアップしすぎだぞ!とか怒ったりしないんですか?」
堀田「だってさあ、アザとか出来てて、「それどうしたんですか?!」とか、言うの。で、「いやアンタにやられたんだけど」って言うの(笑)それで、「すみませーん」で終わっちゃう。で、アザならいいじゃん?骨折したりとかするじゃん。でも、「すみませーんごめんなさーい」で、それで終わりです」
豊田「それは私達がやっても同じだからね」
由美子「嫌いになったりすることはないんですよね?」
二人「無いです」
堀田「それはスポーツマンシップじゃないけどね、そこは学んできてるので」
由美子「それも全女らしいです」
堀田「さっきもそうだけどさ、全部有って無いものというか、時間もそうで、だらだらしちゃったりとかね。自分たちの思いつきで全部やってしまったりとかね。それも全部昔の全女なんです。なので、最後それは試合でピシっと決めればいいでしょって」
由美子「じゃあ、最後握手でもして……」
堀田「それは出来ないなあ。試合が終わったらね」
由美子「そういうものなんですね!じゃあ、今日は応援してます!」

第4試合


 4人はクリーンに握手からスタート。
 先発は安納&勝。ロックアップからバックの取り合い、そして腕の取り合い、足関節の取り合いとオーソドックスな序盤戦を丁寧に展開。
 勝が髪を掴んでヘッドロックで締め上げると安納はタックル戦へ持ち込むが、体格で勝る勝が吹き飛ばす。安納はレッグスイープでやり返すと、安納は神取にタッチ。
 勝と神取のマッチアップになるが、神取が一睨み利かせると勝は逃げ帰って京子にタッチ。
 神取&京子のマッチアップ。ロックアップから京子がロープに押し込むとタックル合戦へ。これは京子がラリアットでなぎ倒して制する。怒った神取は京子にグーパンチを連発。
京子がコーナーへ神取を振ると、コーナーにお尻を押し付けて攻撃。神取は「きったねぇな!」と悪態をつく。
 ペースを掴んだ京子は、神取にロメロ・スペシャルを仕掛ける。決まり切る前に安納がカットにやってくるが、これを勝が捕縛し日向あずみ直伝のロメロ・スペシャル。京子&勝の新旧ロメロ・スペシャル使いの共演となった。

 京子&勝が技を解くと、神取&安納はお返しとばかりに二人をグラウンドに引き倒すと、神取が藤原組長直伝の脇固め。安納もこれに倣い、勝に脇固め。安納の神取リスペクトに、神取は思わず笑顔で安納に視線を送る。
 京子&安納のマッチアップ。安納をロープに振る京子だったが、安納はショルダータックルで何度もぶつかっていく。そしてエルボー連打。そしてフィッシャーマンスープレックスを仕掛けるがこれは上がらず。安納は闘志を見せロープチャージすると、ショルダータックルで京子を倒すことに成功。そして今度は見事にフィッシャーマン・スープレックスで投げきった。
 さらに安納はコーナーに上がりミサイルキック。さらに対角コーナーへ上がって二発目を狙うが、これは井上が見切ってかわす。京子はパワーボムを狙うが、安納が耐えると、高速式ブレーンバスターで軽々と投げ捨てた。
 勝にタッチし、勝&安納のマッチアップ。勝は中腰の安納の顔面を何度も蹴り上げていく。安納は意地を見せて起き上がって吠える。しかし、勝は投げっぱなし式のジャーマン、さらにロープにくくりつけての顔面ウォッシュを連発。安納はグロッキー状態に。
 勝はコーナー下に安納を設置すると、リバーススプラッシュを仕掛けるが安納がこれをかわし、勝の立ち上がり際にハイキック。さらにサッカーボールキック、お返しの顔面へブートと攻め立てる。安納はロープチャージすると、待ち受ける勝のカウンターのラリアットをかわし、バックを取ってジャーマン・スープレックスで叩きつける。
 神取にタッチ。神取&勝に。神取が勝を捕らえ、スイング・スリーパーホールドで振り回す。そしてそのまま寝かせてグラウンドのスリーパーに持ち込むが京子がカット。カットした京子を追い払いに来た安納は神取に誤爆。
 好機を得た勝は攻めに転じ、長座の神取にスライディング式のスリングブレイド。体固めでフォールに入ろうとする勝の腕を取り、神取が一瞬の早業で三角絞めへ。これがしっかりと極まると勝はタップアウト。

第5試合


 試合前に過去のWWWA王座戦のVTRが流れ、堀田と豊田の戦いの歴史を振り返る。
 満を持して入場した二人に観客席からは大量の紙テープが投げ込まれる。一夜限りの赤いベルトを賭けての戦いということで、タイトルマッチと同様にリングの四方を向いて記念撮影の時間が設けられる。

 両者は両手を取り合い、固く握手をしてからゴング。
 睨み合いから豊田が手を上げて手4つを誘っていくが、堀田はローキックで返礼。怒った豊田は早速コーナーに駆け上りミサイルキックを狙うが、堀田は即座にコーナー上へ追撃せんと走り込む。すると豊田は回転エビ固めで切り返す。これはカウント2。
 豊田がラリアットを仕掛けるが、これを堀田はキャッチして脇固め。豊田はロープブレイク。しかし、中々ブレイクしない堀田に対し、豊田のセコンドに付いた伊藤が堀田に食って掛かる。
 堀田は豊田にサッカーボールキックを連発。仕上げにロープチャージする堀田の足を、リング外から伊藤が引いて倒す。激怒する堀田に伊藤はどこ吹く風の様子。
 好機を得た豊田は堀田をロープにくくりつけると、背面にドロップキック。二発目を狙ってロープチャージしたところを、今度は堀田のセコンドに付いた貴子が場外から豊田の足を引く。堀田は再び豊田にサッカーボールキックを連発し痛めつけていく。
 しかし、豊田は堀田のキックを潜ると上手くバックを取り、そのままグラウンドに持ち込んでローリング・クレイドル。フォールカウントが入るもこれはカウント2。
 豊田はコーナーへ駆け上がり、ムーンサルト・プレスを投下するが、これは堀田が転がってかわす。続けてミサイルキックを狙う豊田だったが、堀田は追いついてビンタ。コーナー上での争いに。これに競り勝った豊田は打点の高いミサイルキックを投下。
 しかし堀田は起き上がると再びサッカーボールキック。堀田は試合をたたむべくピラミッド・ドライバーを狙うが、豊田がこれを耐えるとグラウンドに引き倒し逆エビ固めへ。
 これをロープブレイクで逃れた豊田は堀田に一矢報いると、再びコーナーへ。堀田がコーナー上に追撃に走り、重い音が響く頭突き。コーナーから雪崩式ブレーン。カウントは2。
 堀田がピラミッドを狙うが、豊田はショルダースルーで切り返す。豊田は走り込むが、堀田のカウンターのニールキックが炸裂。これもカウントは2。
 堀田はフロントネックロックで捕らえてコーナーまで豊田を持っていってコーナー上に乗せると、10年近く出していなかったカリビアン・スプラッシュを解禁。さらに堀田はピラミッドを狙うが、豊田が抵抗するとグラウンドに引き倒して腕十字を狙う。
 しかし、ここでセコンドに付いていた全女勢が乱入。堀田にストンピングを乱れ撃つと、続けて堀田をコーナーに振り全員でトレイン攻撃。
 これを蹴散らした堀田は、再び豊田をコーナーに上げ、カリビアン・スプラッシュを狙うが、豊田は身体の柔らかさを生かして堀田の股の間をするりと抜け出し、堀田を肩車状に担ぐと、そのままジャパニーズ・オーシャン・サイクロン・スープレックスホールド。堀田もこれを返すことが出来ず、3カウント。勝利した豊田にWWWAの赤いベルトが贈られることとなった。

エンディング


 死闘を終えた二人はしばらく立ち上がれずに居たが、堀田がマイクを取り豊田に歩み寄る。

堀田「……やっぱスゴイね。やっぱり私がいつも全女時代倒せなかった豊田真奈美。一つの技が重いわ。ななちゃん、真奈美に巻いてあげて。このベルトは最後、奈七永で終わっているので、奈七永から豊田に巻いてあげて下さい!」

 堀田が奈七永をリングに呼び込むと、WWWA最後の王者である高橋奈七永からベルトが豊田に巻かれる。

堀田「豊田真奈美は、11月3日に引退しますが、このリングでホントに思い入れがあって、さっきもトークショーで話したように、本当に思い入れがあって、ホントに豊田が一番このリングに最後に上がりたかったと思うので、ホントに、みんな、ありがとうございました!最後、豊田に向けてメッセージをお願いします」

 ここで旧全女メンバーがリングに上がり、順番に豊田にメッセージを送る。

奈七永「豊田さん!全女のお母さん!堀田さんは、お父さん!お父さんとお母さんの子供が、高橋奈七永!娘は、今も元気に頑張っています!それは、お父さん、そしてお母さんが偉大な道を築いてくださったからです。大事な女子プロレスという道を私はこれからも守っていきます。努力していきます。引退されてもずっと見守っていて下さい。ありがとうございました!」

前川「豊田さんお疲れ様です。引退までそんなに日がないですが、体ボロボロですが、最後までがんばってください。見守っています。お疲れ様です」

伊藤「とりあえず今日はお疲れ様でした。豊田さんの引退って言ってもちょっとピンと来なくて、引退って聞いてやりたいことたくさんあるなーって思ったんですけど、ホントにフリーダム・フォースとか一番つらい時期を一緒に笑いながら過ごしてきたので、色んな思い出があります。自分の興行で10月20日にここでやるんで、ホントは豊田さんとか出てもらって、最後にフリーダム・フォースやりたいなと思ったんですけど、それもスケジュールが会わないみたいでアレですけど、9月18日にOZの方でシングルマッチやらせてもらうんで、そのときは思い切り行かせてもらうんで、よろしくお願いします!」

渡辺「Marvelousの渡辺智子です。……まだ終わりじゃないですよね?豊田真奈美の思い出といえば、顔面蹴られて前歯が3本飛んだりとか、ムーンサルトが飛んできてヒザが鎖骨にあたってボッキリ行ったりとか、場外にプランチャ飛んたときに足に乗っかって足首骨折したりとか……すみません、そんな思い出しか無いです!(笑) 今だから言いますけど、そんな思い出しか無くてすみません(笑)すべてがちょっと強烈で……ただ、一個だけ言わせて下さい!お酒の飲み過ぎには注意して下さい!(笑)」

貴子「豊田さん、お疲れ様でした。10代、20代、30代……今40代ですよね?40代までずっと一緒に居て、対抗戦とか低迷時代もずっと一緒に過ごしてきて、一つだけ疑問があるんですけど……豊田さんが赤いベルトをあんなに何代、何代って持ってるのに、なんで私は一度も挑戦させてもらえなかったんですかねー?(笑)だからさっきのトークショーにも参加できなかったんですよねー。(ドッと笑いが起きる観客席へ同意を求める)ね~? ということで、残り少ない試合を怪我しないように頑張ってください」

 ここで、ビデオメッセージで中西百重、藤井巳幸、西尾美香、納見佳容らから引退を控えた豊田への思いが語られる。
 そして最後に、感動で涙ぐむ豊田がマイクを取る。

豊田「今日は皆さんありがとうございました。あと2ヶ月ちょっとでプロレス生活を辞めちゃうんですけども、ホントにこんな素晴らしい仲間に囲まれて、私は本当に、皆に支えられたからこそ、このリングでずっと頑張ってこれたんだって今思っています。後2ヶ月でやめちゃいますけど、皆これからもプロレス頑張ってくれると思うので、私は皆さんと同じ立場、客席で皆のことを見守っていきたいと思いますので、皆さん、これからもプロレスの応援をよろしくお願いします。それで、今日この大会を皆でやっていただいて、特に堀田さん、急に無茶振りしてこの大会をやってくださいって言って、ほんとうに大変だったと思うんですけど、本当にありがとうございました!今日は本当にありがとうございました!」

 豊田は堀田に深々と一礼。

堀田「今日は本当にありがとうございました。新生全女の皆も、ホント無茶言って、ありがとうございました。豊田はね、11月に引退しますが、私達はまだこの気持を持ってこのリングで戦っていきます。今日は今日、明日は明日、また皆でライバルとして戦っていこうね!豊田の分も!頑張って、私達ができるプロレス。心のプロレス、そして、情熱のプロレスをお店していきたいと思いますので、皆さん応援よろしくお願いします!ありがとうございました!」

<試合後コメント>

堀田祐美子&豊田真奈美

――無事に大会が終わりましたが、今日の大会を振り返って如何でしたか
堀田「なんかね、バタバタしちゃって、もっとなんか出来なかったかなって。ホント手作り感満載で……」
豊田「でも、なんか懐かしかったです。最近の興行って進行がスムーズだったりするじゃないですか。なんかこれが全女っぽくて、すごく懐かしいっていう。堀田さんのテーマ曲が流れて、終わってから出てきてほしかった(笑)」
堀田「そうだねー。でも(時間を賭けすぎると会場の)延長料金かかっちゃうから(笑)でもホント、どこまで出来たかわからないけど、私は豊田真奈美が言った試合の内容とかは昔みたいには出来ないけど、私と豊田がリングの上に立つということができて、それに満足して頂ければと思います。これでよかった?これで大丈夫?」
豊田「ホントこの興行やるのに、すごく大変だったと思うんです。このベルトを頭下げて何度も何度も通ってこのベルトを借りてきてくれた。その想いが……「こんな私になんでこんなにやってくれるのかな」って想いがあって、やっぱり色んな人に守られて、堀田さんにも守られてここまで来たんだなぁって想いがすごく感じました」
堀田「私は、努力したり、一つのことを持続することってなんでもそうだと思うんだけど、それは続けてきたっていう豊田真奈美、そして全女のメンバーであり、新生全女のメンバーであり、それを貫いて最後まで守ったってことで、このベルトは今持ってる人じゃなくて、WWWAのベルトが豊田真奈美に巻いてほしいって思いがあったんじゃないかと思うんです。だから、豊田真奈美が巻けたっていうね。多分、豊田真奈美じゃなければ貸してもらえなかったと思うし、その中で、ホントにつらい時期を乗り越えたっていう、新生全女のメンバーがホントに今日リングに上ってくれたことっていうのはホントに感謝したいなと。これは私達がやって来たことの結果だと思います」

――15年振りに赤いベルトを巻いてどんな思いですか?
豊田「ホント、このベルトを絶対巻くぞという想いでやってきて、ベルトを巻いたら巻いたでチャンピオンとしての自覚を持ってしっかりしなきゃいけないなという思いがあって。このベルトって、本当にすごいベルトだと思うんですよ。それをホントに最後に、辞めてしまう私に巻かせてもらって……なんて言えばいいんですかね」
堀田「私は、このベルトを豊田が巻くって決まってたと思うし、ホントに似合ってるよね。豊田の黒髪に、豊田の黒いコスチュームに赤いベルトが。私は一番大好きで、最後に巻けたってことが私は一番良かったなと思ってます」

――あの全女のリングマットで試合をしたことに対しての感想は
豊田「あのリングマットは本当に色んな思いが詰まってるマットで、苦しかったことも楽しかったことも、すべてがあそこで皆頑張ってきたマットだから、あのマットでまさかもう一度試合ができるとは思っていなかった」

――そのマットでベルトを巻いたというのは。そしてこの興行をセッティングした堀田さんの想いは
豊田「堀田さんしかできなかったと思う」
堀田「大変だった。ホント大変だった。このベルトって全女の先輩たちが巻いていて、私達が憧れる前からあったベルトで、どうなるかもわからなかった。実際先輩たちがどう思っているかもわからない。でも私は、それでも自信を持って、最後に私達が守ったということは分かってくれてると思うので、絶対それは先輩たちも分かってくれてのことだと思うので、絶対それは自信を持って豊田真奈美に巻かせたってことでみんな納得すると思うし」

――WWWA戦は二人で三回やっていますが、今回番外での四回目でしたが、試合自体はどうでしたか?
堀田「すみません、全然動けませんでした(笑)」
豊田「あの頃のようにはやっぱり、動けないけど、私達の気持ちっていうのが見てもらえたら良かったなって」

――最後の最後に、サイクロン出しましたね
堀田「怖いよね。最後の最後の、詰めが豊田真奈美は……プロレスだけじゃなくて、人生すべての詰めをちゃんとして甘くないってところが今回のサイクロンの結果かなって。私がカリビアンを決めたときに、リングをまたいでっていうのは今の豊田真奈美では考えられない」
豊田「日常生活では出来ません(笑)」
堀田「でも彼女もね、注射打ってやってるんですよ。ブロック注射。じゃないと肩も上がらないのに、最後の底力っていうものは豊田真奈美でしか出来ないものだし、それが最後に赤いベルトを巻いた番外編ではありますが、絶対に巻いてやるって気持ちが、私は改めて尊敬します。このベルトを巻いて、11月3日までの間、気を引き締めてもらって、このベルトを巻いたという気持ちで、もう一回昔の豊田真奈美が輝いていた時代の気持ちを胸に、11月3日まで突っ走って欲しいと。そして、11月3日までに完全燃焼して、最後リングを降りることを、私は本当に……本当に、頑張ってほしいなって、思います……(涙ぐみながら) あの時代、みんなが離脱したときに豊田真奈美がいたからまた盛り上げられたと思ってるし、だからこそ、私は豊田真奈美がこのベルトに一番にあってると思います。この気持を胸に、最後まで豊田真奈美の底力を見せてもらいたいです。最後まで頑張って欲しいです」

――豊田選手、体調は非常に良さそうに見えますが
豊田「良くないんですよ。手のしびれとかも出てるし、肩も上がらないから、3週間に1回しか打っちゃいけない注射を、ホント引退から逆算して、引退までにこの日にちょっとでもズレたら駄目っていう感じなんで、あとは先生に「11月終わったらきちんと治すから、それまでは一番強いの打って下さい」って言って、一昨日は肩、昨日は首に打ちました。今頑張らないでいつ頑張るんですか!(笑)」
堀田「豊田真奈美はね、大丈夫!豊田真奈美はね、ゾンビだから。腕が外れようが、骨折しようが、試合やっちゃうんだから」
豊田「やれてたんですよ~」
堀田「この子くらいですよ、腕脱臼してブランブランなのに、「ハイ行けー」ってガチャっと嵌められて試合できるのは。それでも泣きながらやってたんだから」
豊田「いや、自分で(脱臼した腕を)嵌めたんですよ……」
堀田「自分で嵌めたんだ?!あと、足の指を3本折ったのに、メキシコにそのまま行かされて試合してたもん。そんな人ですよ、ゾンビです。ゾンビ。ホントにすごいんですよ。この人の血はね、普通の人ではあり得ない血をしていると先生が言ってました。ゾンビです」
豊田「堀田さんは、一度も辞めないで現役生活を続けて一番長いんですよ。辞めないでくださいね?私が引退してから見に来る楽しみがあるので辞めないでくださいね?」
堀田「はい。頑張りまーす。その気持を胸に、頑張ります!」

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