【試合結果】5・13 HEAT-UP新百合ヶ丘大会 【HEAT-UPユニバーサル選手権】田村和宏vs石田慎也 兼平大介&井土徹也vs吉江豊&CHANGO 佐野巧真vs近藤"ド根性"洋史
『Road To 後楽園~川崎格闘カーニバル"炎"~』
日時:2017年5月13日(土)
開始:18:30
会場:神奈川・新百合トゥエンティワンホール
観衆:338名
【HEAT-UP道場発表会】※14:30開始
▼"HEAT-UP道場生vs.HEAT-UP最強スタッフ炎の対抗戦"グラップリングマッチ(各3分間)
<一本目>臼井直弥(0-1)弥武芳郎 ※弥武裏十字固め
<二本目>馬場宏幸(1-0)tosi ※馬場腕十字固め
<三本目>ヨッシー吉村(1-0)てっしー手島 ※吉村V1アームロック
▼キッズクラス発表会"僕たちヒートアップキッズ☆ミ"5分1本勝負
○ヒートアップキッズ
4分32秒 タムラ〜ニャ現象partIII
●田村"スパルタ"和宏
▼プロレスクラス発表会"闘え!炎のおじさん達!"15分1本勝負
井沢晃一/○等々力ひろし/山本和希
10分31秒 ラ・マヒストラル
●マスクド98/海和択弥/☆よんさん☆
▼第1試合 "Battle fo the gene~遺伝子を受け継ぐ者~"20分1本勝負
藤田峰雄(チンコ)/○磐城利樹(フリー)
12分25秒 逆エビ固め
上山龍紀(U-SPIRIT JAPAN町田)/●飯塚優
▼第2試合 "我闘雲舞提供試合~新百合チキチキグルメフェスタ☆2017~”20分1本勝負
○里歩(我闘雲舞)/沙紀(フリー)/SUSHI(フリー)
8分11秒 くるくるリボン
さくらえみ(我闘雲舞)/アーサ米夏(我闘雲舞)/●くいしんぼう仮面(フリー)
▼第3試合 "新百合紅白「熱」合戦!~紅白歌手と田村和宏被害者の会~”30分1本勝負
渡辺宏志/ロッキー川村(パンクラスイズム横浜)/ノリ・ダ・ファンキーシビレサス(今池プロレス)/○阿部史典(スポルティーバ)
16分04秒 回転エビ固め
新井健一郎(DRAGON GATE)/●ヒデ久保田(フリー)/ヤス久保田(スポルティーバ)/梅沢菊次郎(アライヴ)
▼第4試合 "新百合ヶ丘ド根性物語~あの日の恩は「ド根性」で返します~”30分1本勝負
○佐野巧真(フリー)
13分59秒 ノーザンライトボム→体固め
●近藤"ド根性"洋史
▼第5試合 "桃色肉弾魔神初襲来!~ヒートアップスーパースクランブルバウト~"45分1本勝負
○兼平大介/井土徹也
16分31秒 ランニング・ニーリフト→片エビ固め
吉江豊(フリー)/●CHANGO(フリー)
▼第6試合 HEAT-UPユニバーサル選手権試合 テーブルユースマッチ60分1本勝負
○【王者】田村和宏
21分01秒 フランケンシュタイナー
●【挑戦者】石田慎也(スポルティーバ)
※王者田村が5度目の防衛に成功。
5度目の王座防衛に成功した田村和宏に兼平大介が挑戦表明!8・12後楽園ホール大会には元U-FILE CAMPの同志が集結!
大会開始前
会場ロビーが開放され小田急沿線に店舗を構える飲食店が集い観客の支持を競う「小田急WAR」が開催される。各店舗自慢の一品が振る舞われ、集まった観客が舌鼓をうった。
会場内では栗平HEAT-UP道場生による発表会が開催される。最初に行われたのは道場生とHEAT-UP最強スタッフによるグラップリングマッチ。近藤"ド根性"洋史がリングアナ、兼平"ピカソ"大介レフェリー、本部席にはwondermanという通常大会では見られない布陣。スタッフ勢の中堅は弥武芳郎リングアナ、この春高校生になった道場生臼井直弥の若い力と長いリーチに苦しむが、U-FILEで培ったボディコントロールを駆使し残り1分の場面で裏十字で一本を奪取。次鋒tosiは道場生馬場宏幸にプレッシャーをかけなかなか倒させなかったが、高田道場出身である馬場が片足タックルから腕十字を極めワンチャンスをものにする。大将てっしー手島は道場生よっしー吉村の上になりペースを掴むも、バックを取って倒した吉村がスタミナの切れかかったてっしーにV1アームロックを極め一本先取。てっしーは最後にフットチョークで追い込むが極め切れず時間切れ。道場生が練習の成果を見せつけた。
続いてキッズクラス二人とちっちゃいものクラブのコスチュームに身を包んだ田村"スパルタ"和宏が対戦。川崎のヒーローである田村だが子供相手に見せる大人げない態度に場内から一斉にブーイングが飛ぶ。子供たちはロープワークやコーナーでのフェイント、飛びつきヘッドシザースやアームホイップを華麗に決め、コーナーからのクロスボディで飛んだ時には歓声と拍手が起こる。ラナやスクールボーイを見せたかと思えば、掟破りのアンドレが田村に極まる場面も。最後はラ・マヒストラルとジャックナイフ固めの合体技である「タムラ~ニャ現象partⅢ」。2010年8月21日、田村と安部捨丸(当時)の繰り出した技がキッズたちの手によって蘇った。
最後はプロレスクラス生による6人タッグマッチ。2016年10月31日とどろきアリーナ大会でも行われた発表会は記憶に新しい所。前回同様、主に自分の好きな技だけ仕掛けるものではなく、ロックアップからリストの取り合い、返し技や丸め込み技、相手との間合いのとり方等プロレスのイロハから真剣に取り組んでいる道場生たち。場内が驚いたのは井沢が海和に仕掛けたトーチャーラック。リング中央で担ぎ上げた井沢に拍手が送られる。その後もボディスラム連発で盛り上げた井沢だが、海和のドロップキックから98のセントーンで追い込まれてしまう。☆よんさん☆と98のツープラトン攻撃をダブルラリアットで返した井沢、98を捕まえて山本と等々力のダブルブレーンバスター等で追い込み、セントーンを自爆した98を等々力がラ・マヒストラルで丸め込んで勝利。自力で勝利を掴んだ等々力は天を仰ぎ勝利を噛み締めていた。
発表会の最後は田村の言葉。「アマチュアの方々がここまでやれたのを見せつけられました。この後のプロの試合、身を引き締めて更にすごいものを見せます!」締めたのは等々力ひろしの「新百合ケ丘ヒートアップ!」またひとつ忘れられない思い出が創られた。
オープニング
インフォメーションコーナーにて、ロビーを開放して行われていた「小田急WAR」の結果が発表される。優勝したのは読売ランド前駅・世界の家庭料理を提供する「Mviringo(ムビリンゴ)」。代表としてリングに上ったリオ店長には、チャンピオンベルトが腰に巻かれた。
ここのところ事情により披露できなかったてっしーの一発芸。犬三部作を終えた続きは「季節外れな猫の鳴き声」。鳴き声がわかりにくかったのか、場内は静寂…そこで「昔住んでいた所で外に洗濯機を置いていた。その上にタオルを掛けていたのだが猫が住み着くようになり、冬に鳴き声が『さむいよ~』と聞こえた」と解説してようやく笑いが。一発芸としてはてっしーの負け。
選手入場式、大会収益の一部が地域の障がい者施設に寄付される。選手挨拶は井土徹也。「今日、セミファイナルで吉江さんと対戦しますが、自分が吉江さんを持ち上げて投げ飛ばしてみせます!」と告げると館内から大きな拍手が湧き上がった。
第1試合
まった磐城はダウン。自軍コーナーに近づく磐城、リビドーを抑えきれない峰雄がタッチ。「レフェリー、チェックしろよ!」と上山のファウルカップに対していちゃもんをつける。さすがに聞き及んでいたのか、正面からのちんこクローは阻止した上山。だがバックを取られると、無防備となった股間に峰雄の手がいけない鷲掴みに走る。更に峰雄はグラウンドに持ち込み、レッグスプレット+ちんこ鷲掴みという複合攻撃。嫌った上山膝十字、峰雄抜け出すがすかさず三角絞めで追い打ち…深く入った瞬間、逆に悶絶したのは上山。「ちんちん舐めただけじゃんかよ!」まさかの切り返しに上山は股間を押さえて苦しむ。
磐城と飯塚、ミドルからボディスラムを狙う飯塚、軽々と投げ返す磐城。峰雄がダブルのエルボーで飯塚を倒し、こちらもボディスラ…股間に入れるはずの右手は飯塚のちんちんをぐわっしと掴んでいる。磐城軽々とボディスラム、拳を握って「いくぞー!」と気合を入れる峰雄…ぐわっし。「コイツ重いな…」とつぶやく峰雄、飯塚は二十歳んこを押さえて苦しむ。峰雄のマンハッタンからみねぴょん時空に誘われるかと思ったが、ハイアングルのドロップキックで時空の歪みから脱出、二十歳んこを押さえながら上山にタッチ。
左ミドルを連打する上山、キャッチしてちんこぐわっしを狙う峰雄、防いだ上山は水面蹴りからクイックモーションの足四の字固めへ。苦しむ峰雄、しかし空いている右手で上山のちんちんをぐわっしと掴んで四の字から脱出。上山の右ハイをかわした峰雄、てっしーと上山を衝突させて背後からちんちんアッパー。タッチを受けた磐城が猛ダッシュで上山を吹っ飛ばす。
飯塚は左ミドル連打から串刺しドロップキック、走り込んでランニングロー。腕極め首卍を極めにかかるが、磐城も抵抗。踏ん張った飯塚はコマンド・スープレックス、カウント2。すぐ腕十字を極めるがロープに逃げられる。エルボー連打でぐらついた飯塚を強引に抱え込みバックドロップで叩きつけた磐城、ロープに走ってラリアット、カウントは上山がカット。峰雄が上山を場外へ、磐城と峰雄交互にミドルを放つ飯塚。しかし峰雄のステップ延髄を食らってダウン、右腕を誇示した磐城は立ち上がる飯塚にラリアット、これもカウント2。健闘した飯塚だったが、磐城が続けて決めた逆エビ固めの前にギブアップ。ウィナーコールを受けた後、ダウンする飯塚をまたいで勝利をアピールする磐城。HEAT-UPマットでの初勝利をもぎ取った。
<試合後コメント>
上山龍紀&飯塚優
――悔しい結果に終わってしましましたが、試合を終えられた感想はいかがでしょうか
飯塚「やっぱり、磐城選手の力強いスタイルの戦いに圧倒されてしまいました。最後、気持ちでぶつかっていったんですけど、それも跳ね返されてしまうくらい力強い攻撃でした」
上山「ちょっと、初の対戦で……ああいう攻撃を、股間を攻めてくるとは知らなかったので、ちょっとビックリしましたね。あそこまで必要以上に……ビックリしました……」
――長い戦いのキャリアの中でああいう攻撃を受けたのは初めて?
上山「初めてですね。あそこまで……。警戒はもちろんしていなかったです。もう、ずーっとあのペースだったので」
――普段のペースで戦えなかったのが敗因?
上山「そうですね。乱されましたね」
飯塚「急所なので、どうしようもないんですけど、磐城選手のぶつかってきた攻撃なら、自分も超えられるように練習してまた勝ちたいと思いました」
上山「急所は鍛えようがないからね……」
藤田峰雄&磐城利樹
――本日見事勝利されましたが、試合を終えられた感想はいかがでしょうか
磐城「飯塚選手、蹴りとかも鋭かったので、身体をもっと重くすればもっと凄い蹴りとかも打てると思うので、身体をでかくしたほうがいいと思いました」
藤田「どっちの身体でかくするの?」
磐城「どっちの……?」
藤田「上半身?下半身?」
磐城「上半身です、あの、一部以外は……」
藤田「ま、下半身は足りないですよ。攻めてみて。今日は自分って言うより、磐城の査定マッチだったので、自分が9月に開催するチンコプロレスの査定マッチ。見事ね、彼は合格ラインに達しましたよ。今日、これ(勝利者に与えられた賞品の封筒を見せながら)、「よってこ百合ケ丘 店長と行くキャバクラ巡り」。これね、次は彼氏募集マッチなんで、これは磐城には必要ないので私が預かっておきますけど(封筒を股間にしまいながら)、まあ、次、9月、この場で正式にオファーしますよ。日程はまだ言えないですけど。9月のチンコプロレス、彼氏募集マッチ、お願いします」
磐城「お願いします!僕の彼氏を、お願いします……!」(固く握手)
第2試合
SUSHIに合わせねじり鉢巻を頭に巻いて登場した里歩と沙紀、仲良くリング上でSUSHIダンス。かたや入場ゲート前でグリコポーズなくいしんぼう&さくら&アーサ。アーサのおにぎり頭を異様に警戒するSUSHI。
さくらとタッチしたアーサは「SUSHI出てこい!」と挑発、HEAT-UPのリングで「寿司対おにぎり」の直接対決が実現する。場内の「おにぎり」コールに帰ろうとするSUSHI、「寿司」コールでやる気を取り戻す。睨み合う両者、頭の寿司に触ろうとするアーサ…いや、おにぎり、おにぎりを小突くSUSHI。SUSHIのボディをぐりぐりするおにぎり、ヘッドロックで返したSUSHI、ロープに投げるおにぎり…「すぽん」と抜けてしまったおにぎり、SUSHIは頭におにぎりをかぶって「ヘイらっしゃい!」これには館内からブーイング。さくらとくいしんぼうがSUSHIの両腕をロック、上に乗ったおにぎりが「こめ~!!」と叫ぶが、頭のおにぎりが後方に落ちてしまった。
くいしんぼうが沙紀の頭にゲンコツ、場内の「もう一回」コールで再びゲンコツ。ロープに走ってうまか棒…やっぱり当たらない。もう一回…やっぱり当たらない。里歩とアーサ、米プレスを連発するアーサ。さくらはヘアホイップから「さくらえみ~、70キロ~!」くいしんぼうとの合体リバースロメロ、SUSHIと沙紀も入ってきて逆に仕掛ける。そこへアーサが里歩たち三人をまとめて押さえ込むがカウント2。衝突からのエストレージャ、中心でさくらが里歩にロメロスペシャルを決めるが、村杉レフェリーのフォールカウントに慌てて技を解くさくら。
さくらの風車式バックブリーカーが里歩に、沙紀のアトミックドロップがさくらに、アーサの米アタックが沙紀に、SUSHIのタックルがアーサに、そしてくいしんぼうがガットショットからSUSHIをコーナーに詰めて会場を煽り串刺しラリアット連発…いつの間にか追い越して逆に食らうのはお約束。ブレーンバスター合戦、他の4人も入ってきて掛け合うが、ロープに走ったアーサがまとめて潰す米プレス。
里歩に照準を絞ったくいしんぼう、アーサとの連携攻撃…アームホイップで投げてしまう。さくらが押さえてうまか棒…同士討ち。走り込んできた里歩にガットショットから首を…首を…首を…って長い長い。沙紀のビッグブーツ、SUSHIのニールキックをたて続けに食らったくいしんぼう。里歩のくるくるリボンがくいしんぼうから3カウントを奪い、寿司対おにぎりはとりあえず寿司の勝利に終わった。
<試合後コメント>
里歩&沙紀&SUSHI
――本日見事勝利されましたが、試合を終えられた感想をお一人ずつお願いします
沙希「SUSHIさんと初めてのタッグで入場からバッチリ決められたので、勝利間違いないと思ったら勝利できました!イエーイ!」
里歩「いつもこうして我闘雲舞は提供試合をさせていただいてるんですけど、今日は初めてSUSHIさんが出てくださって、一緒にSUSHIダンスも出来てすごく楽しかったです」
SUSHI「自分はこうやって女子レスラーと組むのがあまりしたことがなくて、今日がほとんど初めてに近い」
里歩「おー!そうなんですね!ありがとうございます!」
SUSHI「なので、楽しいですね。女子レスラーがいると華やかで、やってて楽しかったです」
――同じ「お米」という共通点のあるアーサ米夏選手と対戦したご感想は
SUSHI「自分も寿司なので……あれっ?」(頭頂部の寿司が無くなっていることに気づく)
里歩「あれっ?!」
沙希「あれっ?!」
SUSHI「まあ、米はつきものなので悪い印象はないんでね、是非組みたかったですね。まあ、このチームで勝ててよかったので、またやりたいですね」
里歩「はい!是非またよろしくお願いします!」
沙希「よろしくお願いします!」
第3試合
『田村和宏被害者の会』が初めて勢揃いした新百合ヶ丘。6.3名古屋でタッグタイトルへの挑戦が決まっている阿部史典がリングインすると、ベルトを掲げて挑発するヒデ。先発は渡辺とヤス、ところがここで渡辺が「梅沢!」と呼び込む。ダブルクロスの憂き目に遭った渡辺の怒りは収まっていない。コーナーで仁王立ちする梅沢、逆なでするかのようにヤスからヒデ、ヒデからアラケンと交代する。ようやくリングインした梅沢だが、先の兼平戦を境に「化け物」と化しているだけあって軽量の渡辺がいくら打ち込んでも全く動じない。エルボードロップをかわした渡辺、ギロリと目を剥いて梅沢を睨みつけるがここは交代。
ヤスが阿部を挑発、右ミドルを連打して優位に立つ阿部だが、キャッチして右膝に肘を落とすヤス。カウンターの右ミドルでヤスをぶっ倒した阿部だが、被害者の会が全員入ってきて場外乱闘へ。阿部を捕まえた被害者の会、場外で待ち構えている梅沢がまた不気味な存在感。HEAT-UPマットでは久々となる久保田ブラザーズ、合体フラップジャックで阿部を叩きつけヒデが「イエーイ!!」アラケンがグラウンドで痛めつけると、クボブラ&梅沢がコーナーや場外で更に痛めつける好連携。アラケンへのドロップキックで一矢報いた阿部はようやくロッキーと交代。
クボブラとアラケンはロッキーの拳にたじろぐ。梅沢はロッキーに腕パンチ、ダッキングしたロッキーがボディブロー、一瞬ボディを押さえた梅沢だが、ロッキーをタックルでなぎ倒す。続いてはノリ、長身から繰り出されるチョップはさすがの梅沢でも脅威。ヘッドバットで返してヤスにタッチ、「お前のチョップなんざ効かねえよ!」と挑発するヤス、しかし思い切り放たれるチョップに顔が歪む。ロープに追い込んだノリがビッグブーツで追い打ち、ランニングネックブリーカー、ギロチンドロップ、ブレーンバスターとたたみかける。ヤスはドロップキックで反撃してアラケンと交代。
渡辺はアラケンの挑発を気にせずコーナーの梅沢に突進。しかし逆に一撃を食らってアラケンのスクールボーイ、カウント2。アラケンパイルドライバー狙い、足をばたつかせて防いだ渡辺、ショルダースルーから人間風車。コーナー近くでワンハンド・バックブリーカーからダイビング・ニードロップ。チャンスと見たHEAT-UP軍、アラケンを捕らえて串刺し攻撃を連発。阿部がとどめのPK、かわしたアラケンがネックブリーカードロップ。
逆に阿部を捕まえた被害者の会、梅沢の串刺しラリアットからヒデのダイビングギロチン、ヤスのヤ・スワントーンに繋ぐがカウント2でノリがカット。アラケンが押さえた阿部に梅沢がラリアットを放つが、かわされて同士討ち。ヒデは阿部のぐるぐるソバットを食らうが、張り手からトラースキック、ブレーンバスター。カウント2で阿部が返し、ロッキーがフォローに入るが右フックが誤爆。ヒデは外道クラッチへ、これを抜け出した阿部は両足でヒデの身体を反転させ回転エビ固めの体勢へ。必死に丸め込むと村杉レフェリーの手がマットを3回叩く。阿部がタッグタイトル戦を前に王者ヒデから逆転勝利を収めた。
収まらない被害者の会だが、HEAT-UP軍に蹴散らされて場外へ。阿部をねぎらうロッキー、3つ入ったとアピールするノリ。そして渡辺は場外の梅沢に睨みをきかせる。入場ゲート前でヒデがマイクを掴む。
ヒデ「オイ!オイオイオイオイちょっと待てちょっと待て、オイ!阿部!オイ、こんなんよお、オイ!こんな形で3つ獲られたからって、俺たちは負けを認めてねえぞ。6月4日、名古屋で、テメエを、完璧に、俺の地元で!ぶっ潰してやるよ!オイっ!!(館内拍手)俺は負けてないぞ!俺は負けてないぞ!!ねえお父さん!(間近にいた観客に問いかける)ねえ!負けてないよね!(館内から「負け!」の声が上がる)うるせえバーカ!!(館内爆笑)」
ダメージから先に戻った阿部だったが、王者チームの一角であるヒデ久保田からフォール勝ちを収めたのは事実。このまま田村和宏との「漁夫の利代煩悩コンビ」で銀色のベルトを腰に巻くのか。そして、渡辺宏志と梅沢菊次郎の因縁はどこまで深まってしまうのだろうか。
<試合後コメント>
新井健一郎&ヒデ久保田&ヤス久保田&梅沢菊次郎
アラケン「いやー、まさか、アイツらがあんな汚い真似をしてくるとは。明らかに試合前、レフリーを買収してましたね。あんなタイミングで、しかもカウント2も入ってない。1で返したのに、あんな高速カウントで取られたら、由緒あるHEAT-UP初代タッグチャンピオンのヒデちゃんも3カウント取られますよ。あんな高速カウントじゃ、アンドレ・ザ・ジャイアントでも返せませんよ。ロード・ウォーリアーズでも返せない。どうなってるんですかHEAT-UPさんは」
ヤス「認めない認めない」
ヒデ「そんなに勝ちてぇのかよオイ……」
アラケン「ひどい話ですよ、ホントに。この借りは名古屋で。俺ら構いませんよ?超ゆっくり目のカウントでも構いませんよホントに。なんだったら、きっちり田村和宏二人揃えてKOしてやってもいいんですよ?ねぇ?」
梅沢「ハッハッハッハ……!」
アラケン「見ろよこの佇まい!今日も最高じゃねぇかホントに(梅沢を指さして)!俺のインディー界を見る目は、このメンバー、最高のメンバー、今日も言うぞ!俺のインディープロレス界を見る目は間違ってねぇんだオイ!最高のメンバーだお前!俺達はこのメンバーでのし上がっていくんだ!楽しみにしとけよ名古屋!」
ヒデ「ココロオドってる場合じゃねぇぞ!ノリ・ダ・ファンキーシビレサス!」
渡辺宏志&ロッキー川村&ノリ・ダ・ファンキーシビレサス&阿部史典
(阿部がロッキーの肩を借りて二人は先に控室へ)
ロッキー「エイドリア゛~ン!」
阿部「絶対勝つ!」(カメラを指差しながら笑顔で)
渡辺「まあ、何やらね。あいつらもマイクで負け惜しみにほざいてやがったけども、でも、だからといって勝ったのは俺達だからね」
ノリ「そうですね」
渡辺「まあ、今日はね。阿部の大殊勲ってことでね、名古屋でもこの勢いでやってほしいね。俺たちも名古屋に向けてしっかり調整します」
ノリ「ありがとうございました!」
第4試合
2014年6月18日、近藤洋史は新百合トゥエンティーワンホール大会でプロレスラーとしての産声を上げた。あれから2年近くの月日が流れ、近藤"ド根性"洋史は間違いなくHEAT-UPの人気レスラーになった。そんな近藤の原点である佐野巧真戦が、後楽園ホールを前にしたこの時期に組まれたのは必然なのではないだろうか。
あの時と同じように両手でしっかりと佐野の差し出した手を握る近藤。リストを取られタックルで倒されるが、あの時よりも打点も正確度も増したドロップキックを放って返答する近藤。グラウンドに引き込まれ、体格差のある佐野が上になるとかなり苦しくなるが逆に腕を極めようとする近藤。プレッシャーにも全くめげていない。
近藤を象徴する技の一つが逆水平チョップ。あの日も果敢に打ち込んでいったが、今では打たれた佐野の胸の一部に青いアザができるほどになっている。近藤に打たれる度、鋭く振り下ろすエルボーで返していく佐野。だがその表情に苦痛が感じ取れる。倒れそうになりながら、歯を食いしばって耐える近藤。素早くグラウンドに持ち込んだ佐野はアキレス腱固め。何とかロープに手を伸ばした近藤だが、足へのダメージが大きい。
膝をついた状態で睨み上げる近藤、佐野は容赦なく蹴り飛ばす。スリーパーで絞め、腕への右ミドルを打ち込み、ダブルフットスタンプで踏み潰す。カウント2で返した近藤、佐野は足四の字へ。ロープに手を伸ばした近藤、立ち上がれないのを見て佐野はミドルレンジからダイビングダブルフットスタンプ。ブレーンバスターで追い打ちを図る佐野、これを近藤がジャンピング式で投げ返した瞬間、会場内のヴォルテージが上がる。
不意のラリアットをかわした近藤はジャンピングショルダー、コーナーでの逆水平連打で釘付けにし串刺しエルボー、対角線を猛ダッシュして串刺しドロップキック。観客を煽って投げっぱなしバックフリップ、気合を込めてド根性デスロックへ。蹴り飛ばして未然に防いだ佐野、ブレーンバスターからコーナーに詰めてソバット、そして三度目のダブルフットスタンプ。カウント2で返した近藤にノーザンライトボムを狙う。空中で反転した近藤、バックを取ろうとするがここで佐野のソバット。続けて投げ捨てジャーマンで叩きつけた佐野、カウント2で返す近藤。「しぶとくなったな」と言っているような表情の佐野、ロープに走るがここで以前の近藤にはなかった技、ジャンピングヒップアタックを食らう。
ガクンと来た佐野、近藤両足を担ぎ上げてスパインボム。ロープに佐野を飛ばしてもう一度ヒップアタックを見舞い、コーナーに登る近藤。最上段で見栄を切った近藤はリング中央の佐野にフロッグ・スプラッシュ。「ド根性」と「ひろし」があるからここはピョン吉スプラッシュとでも言うべきか。あの頃に比べて身体も大きくなった近藤、威力は十分だったがカウント2。ならばとド根性デスロックへ、今度はステップオーバー。観客の声援が後押しし、必死で両足を絞りあげるがロープブレーク。
立ち上がった両者、近藤が逆水平を打ち込んでいく。だが不用意にロープに走ると佐野がカウンターのラリアット。大きく吹っ飛んだ近藤に続けて投げっぱなしパワーボム。そして近藤に対する最大の賛辞ともいえる、コーナー最上段からのダイビング・ダブルフットスタンプを敢行した佐野。これで終わったかと思われたが、近藤は必死で肩を上げる。館内は近藤コールの合唱。そんな期待を断ち切ったのは、佐野の伝家の宝刀ノーザンライトボム。近藤はピクリとも動けずにカウント3を聞いた。
「ありがとうございました!」近藤が佐野に対して礼。佐野は近藤の右手をしっかりと握り健闘を称える。よく見ると佐野の左胸は赤くなっている。近藤のド根性はしっかりと佐野巧真の胸に刻み込まれていた。
<試合後コメント>
近藤”ド根性”洋史
――惜しくも敗れてしましましたが、試合のご感想をお願いします
「全部出しました……!僕の三年間、全部出しました……!勝てると思ってなかったけど、でも、少しでも成長した姿を佐野さんに見てほしいと思って、全部出しました!」
――試合の序盤は敢えて佐野選手の土俵で戦っていたように見受けられましたが、あれは意識していましたか?
「いや、HEAT-UPはグラウンドの練習もしっかりしているので、本能というか、どこまで自分が通じるかっていうのをやってみたくて、仕掛けるというか挑戦してみました!」
――デビューから三年経っての再戦ということですが、あと何年で追いつけると思いますか
「わからないです!ただ、HEAT-UPは今年後楽園、そして来年再来年とさらに成長・挑戦していきます!なので、僕もいつとは言えないですけど、また成長して強くなったら、佐野さんと(再戦を)させていただいて、本当に勝つところまで行きたいと思います!負けたけど、次絶対!次もど根性で頑張ります!ド根性ッ!!」
佐野巧真
――見事勝利されましたが、試合を終えられたご感想をお願いします
「デビュー戦以来だからね。やっぱり、デビュー戦のときとは違うね。力もついてきたしね。ちょっとやっぱり、」
前のイメージでやったらきつい試合になりそうだったんでね、最初から最後までガンガン攻めていかないと負けちゃうから、ガンガン行きましたね」
――先程、近藤選手が「デビューしてからの三年間をすべてぶつけた」と言っていましたが、その思いを感じることは出来ましたか
「うん、そうだね。やっぱり、デビュー戦とは違うし、成長が見えるんでね。うかうかしてらんないなってのはありますね」
――近藤選手は「ぜひまた戦いたい」と言っていましたが、佐野選手は如何でしょうか
「そうですね、またね。また戦えるように頑張っていきたいと思います」
インフォメーション
8月12日後楽園ホール大会の特別出場選手がスクリーンに映し出された。紹介された選手は以下の通り。
上山龍紀(U-SPIRIT JAPAN町田)
中村大介(夕月堂本舗)
佐々木日田丸(九州プロレス)
柴田正人(フリー)
那須晃太郎(ランズエンド)
大久保一樹(頑固プロレス)
かつての同士、U-FILE CAMP勢が後楽園ホール大会で集う形に。特に大久保一樹が紹介された時は会場の一部から「頑固」コールが沸き起こった。
第5試合
兼平大介の対ヘビー級戦線に、吉江豊というとてつもない壁が立ちはだかる。吉江のパートナーに就くのはナイスガイガウンを獲得したCHANGO、再び上位戦線に名を連ねた事に対し上機嫌。
-5月9日、CHANGOのtwitterより-
お?吉江さんと組めるの?最強じゃん!絶対負けねー!オレの出る幕ねーなw
吉江さんにペシャンコに潰されたあいつらのペラッペラになった亡骸をポイッポイッてするだけね♪こんなことならこの試合にナイスガイガウン賭けときゃよかったな。
試合開始前、「俺のガウンを脱がせろ!」と村杉レフェリーに要求したり我が物顔のCHANGO。井土に対し珍しくカンパーナからの踏みつけを見せるなど絶好調。兼平を自軍コーナーに押し込み、吉江とタッチ。正面からぶつかっていく兼平だが、さすがに160キロの巨体には全く歯が立たない。全速力でタックルをこれでもかと打ち込んでいくが、微動だにしない吉江。ボディスラムで投げようとしても同じく。交通事故級のショルダータックル一発で吹っ飛ばされる兼平。
そんな兼平を前に、CHANGOが調子づく。「持ち上げてみろ!」と挑発するが兼平は軽々と持ち上げてボディスラム。代わった井土も軽々とボディスラム。キャメルクラッチを指への噛みつきで脱出したCHANGO、吉江に交代。逆水平一発で倒されてしまう井土、今度は吉江が軽々とボディスラム。そして拷問のような逆エビ固めに17歳の表情が歪みまくる。痛められた腰目掛けてCHANGOはセントーン、しかしビッグブーバーをかわされて井土のフォーアームを食らう。
兼平はCHANGOにボディスラム、コーナーで控えている吉江にはロープ越しのドラゴンスクリューでカット。串刺しエルボーから投げ捨てノーザン、カウント2。バックドロップを防がれるが、ヒップトスから腕十字。攻め込まれたCHANGOだが、ロープ際のトリックプレーからスタンディングギロチンで反撃。吉江が兼平に串刺しベイダーアタック、カットに入った井土をコーナーで座らせ、両コーナーかわるがわるのスティンクフェイス。桃色の重戦車が新百合マットで大暴走。
腰が入ったエルボーで吉江を怯ませた兼平、再びボディスラムにいくもウエートで押しつぶされてしまう。再び串刺しベイダーアタックから、CHANGOをおぶってそのままボディプレス。合計240キロのウエートが兼平の身体を直撃した。CHANGOがフォールするが井土がカット。井土は吉江のエルボードロップをかわして低空ドロップキック、CHANGOの串刺し攻撃をかわしてランニングエルボーと好フォロー。兼平はCHANGOにファルコンアロー、吉江はかわるがわるエルボーを打ち込むが、井土のドロップキックを継いだ兼平のニーで動きが一瞬止まる。そこを兼平&井土のダブルブレーンバスター、踏ん張る吉江を放り投げると大歓声。
試合権利は兼平とCHANGO、隙を突いたCHANGOがサムソンクラッチで兼平を丸め込むがカウント2。お返しのニーをボディに食らって悶絶するCHANGO、兼平はもう一発ぶち込んでバックドロップ、カウント2。コーナーで気合を入れ、CHANGOに対して閃耀の銀膝、ランニング・ニーリフトを叩き込んでカウント3。まさかの敗北にちょっと意気消沈気味なCHANGO、試合に関しては「兼平に負けた」とつぶやくのみであった。
最後までリングに残っていた吉江は兼平と井土の健闘を称える。破れて堂々たれ、己の存在感を新百合ヶ丘のリングで存分に発揮した吉江豊ならではのアピールなのであろう。
<試合後コメント>
吉江豊&CHANGO
――悔しい結果に終わってしましましたが、試合を終えられた感想はいかがでしょうか
CHANGO「クソ!またかよ!また田村和宏は俺に新人を当てんのかよ!あとな、後半なんだよ!あいつら二人で出てんじゃねぇか!ルール分かってっか?タッグマッチでもな、一人しか出ちゃいけないんだよ!わかってる?その辺、田村和宏にまたルールから習ってこいよ。また反則ばっかやって勝ってんじゃねーよ。バーカ!クソッ!吉江さんの足引っ張っちまったよ!あとで控室でな、俺はぺしゃんこにお説教されるからな!その痛みは次の大会でお前らに返してやるよ!バーカ!」
吉江「……ホント言うだけ言って帰っちゃった。『イヤ゛ー、俺はよ゛ー』って喋り方まで真似しなくていいですか?(笑) やっぱ試合に関しては、いいですね。フリーとしていろんな団体出て、こういう若い選手が……彼ら若いのかな?若いでしょ?キャリアも。HEAT-UPだけでやってるの?いろんな団体で出て、経験を積んだらプロレス界にとっても良い選手になってると思います。まず、気持ちがあります。技術なんてのはね、持ってる選手もいるけど、とりあえず気持ち。彼らの気持ちはひしひしと伝わってきた。ただ、それだけの攻撃で返さないとね。俺らも厳しいところを生きてきたわけだから。また機会があったら彼らが成長したときは、俺もそれに負けないように日々精進しながら頑張っていきたいと思います!ありがとうございました!」
兼平大介&井土徹也
――本日見事勝利されましたが、試合を終えられた感想をお一人ずつお願いします
兼平「今日始めて吉江さんと……CHANGOさんは何回かやったことがあるんですけど、吉江さんと戦って、想像以上の、今まで試合した相手の中では一番大きい選手で、圧力がすごくて今も身体が反応してくれない状態で。でもこうやって、井土はデビューして間もないですけど、こうやって組んで勝利獲れたってことは、HEAT-UPにとっても大きいことだと思います。僕もまた、プロレス界の上を目指して頑張っていきます!」
井土「吉江さんというすごい人と戦って、チョップ一発でももう耐えられないくらい、体が動かなくてどうにかなっちゃいそうなくらいの痛さで、でも、これを機に後楽園に向けてどんどん気持ち作って、上げて、強くなりたいと思います!」
兼平「頑張ろう!」(井土と固く握手)
第6試合
テーブルユースマッチでのタイトルマッチ。"川崎絶対王者"田村和宏を極限まで追い詰めた"HEAT-UP史上最年少挑戦者"石田慎也。初めてのシングルマッチから4年、アメリカ遠征や無宿加入など遠回りはあったものの、旗揚げ当初から参戦している石田の挑戦は来るべきもの。両者のコール時にはこの日一番となる紙テープが舞い降りた。
午後8時34分、握手をすると見せかけてRKOにいった石田。ゴングが鳴り、かわした田村がステップ延髄からミノルスペシャル。テーブルを使わずに秒殺か?と思われたが石田がロープに足を伸ばす。技のかわし合いから石田ドロップキック、ニュートラルコーナーに立てかけてあるテーブルに叩きつけようとする両者だがどちらも不発。石田ボディスラム、二発目を切り返して田村アンクルホールド、石田ロープへ。足を踏みつける田村、耐えた石田はスタンドに戻しコーナーで逆水平連打。田村またもグラウンド、ダブルレッグロックからキャメルクラッチ、更にフェースロックを加える複合技へ。
石田の足は抜けるが、田村フェースロックからキャメルクラッチ、スリーパー、羽根折り固めと攻め込んでいく。石田のセコンドに就いたノリが檄を飛ばす。執拗に石田のスタミナを奪いにかかる田村、スリーパーからフェースロックと攻め手を緩めない。場外にエスケープする石田、田村がすぐに戻すが再び場外にエスケープ。ふと入場ゲートを見ると新井健一郎とCHANGOがこの戦いの行方をじっと見つめている。再びリング内に戻るとチョップ合戦、石田の足を取ってテークダウンさせた田村アキレス腱固め。ロープに逃げられるがもう一度足を取り膝にエルボーを落とす。ロープに走った田村、石田カウンターのバックエルボー。ロープに田村を振って高角度のスタンガン。風車固めで叩きつけカウント2。
石田逆襲、独特の入り方をするスリーパーでグイグイ絞める。外されそうになると田村の腕を巧みに使って頸動脈を絞めつける。セコンドの近藤が田村に声をかける中、ニュートラルコーナーには阿部史典の姿が。本来ならノリと一緒に青コーナーでセコンドに就くはずだが、名古屋でのタッグタイトル戦で田村と組む側なので敢えて中立な立場を取ったか。田村をコーナーに据え、机をセカンドロープの上で固定させチョップを放つ石田。そのままグイグイと机を田村のボディに押し付ける。張り手で返した田村、机にぴょんと飛び乗ってミサイルキック、コーナーの机を使ってウルトラタイガーと上手く使っていく。
観客を煽ってコーナーに登る田村、だが石田はトップロープを揺らしてバランスを崩す。コーナーに座った田村に飛びつき雪崩式フランケンをぶっ放し、机の足を立ててリング中央に設置する。テーブルクラッシュを予告した石田、机の上でRKOを狙うが田村弾き飛ばしてミサイルキック。場外の石田にドラゴンロケット、ところがこれをカウンターのRKOで切り返すという離れ業を見せた石田。
リング内で立ち上がった田村にスワンダイブ、ローリングネックブリーカーで叩きつける。うつ伏せの田村の背後から来い来いと手招きする石田、RKOをかわした田村がスリングブレイド、直下式ブレーンバスター。技のかわし合いから石田トラースキック、田村アックスボンバーとそれぞれ叩き込み両者ダウン。膝立ちでエルボーの打ち合い、先に立ち上がった石田がチョップ、田村ボディへのソバット、コーナーに振られるのを踏ん張った石田がトラースキックを二発。カウント2。続けてロープを蹴るスイングDDTからエビに固めた石田、カウント2。
こうなると机を使うしかない。石田は田村をコーナー最上段に据え雪崩式フランケンを狙う。田村が抵抗して未遂に終わるが、髪を掴んでセカンドロープに立たせ、飛びついた石田の雪崩式テーブルクラッシュRKOが炸裂する。余裕で押さえ込む石田だがカウント2で返す田村。ならばと首を掻っ切るポーズから△ドライブ狙い、これを首固めで切り返した田村、カウント2。石田トラースキックを叩き込みロープに走る。しかし田村は突っ込んでくる石田の首を両足で挟み後方に一回転、フランケンシュタイナーで叩きつけ強引に押さえ込みカウント3を奪った。
あそこまで攻め込んでおきながら、まさかの逆転フォール負けに納得のいかない石田。セコンドの近藤がなだめるが、その近藤に腹いせのRKOを炸裂させる石田。あと一歩で有言実行を達成できたのに。悔しさいっぱいの表情でリングを去った石田慎也だった。
<試合後コメント>
石田慎也
――タイトルマッチで惜しくも敗れてしましましたが、ご感想は
「全然、納得行ってないかな」
――最後フランケンシュタイナーで逆転負けというか、終盤はかなり有利に進めていたと思いましたが、次やったら勝てるという確信はありますか
「いや、そもそも、僕はフランケンシュタイナーを、2で返したんですよ。わかります?でも、レフリーが、3つ入れたんです。次やったら、もしかしたら、同じことが起きるかもしれない。だから、次やるときは、レフリーを変える。そうすれば、僕の勝ちです」
――てっしー以外のレフリーを連れてくるということでしょうか
「うん。そう」
エンディング
ベルトを腰に巻き、勝利者賞を受け取った田村がマイクを掴む。
田村「おっしゃ勝ったぞー!!(館内拍手)俺がね…今日、HEAT-UPで、なんで机を使ったかというと、俺が一つだけ伝えたい事があったからです。子供たちよ、どこにいる?(手を挙げる子供たち)おお、いるね。おう、子供たちよく聞け。机は…凶器に使っちゃダメだ(館内爆笑と大きな拍手)。いいか、机は勉強に使うものだ。よ~く勉強しろよ~(館内笑い)。今日は悪い見本だ(館内拍手)。我々プロレスラーはこうやって体を使って、色々伝えていきますんで、皆さんしっかり受け止めてくださいね!!
よーーーーし!!次だ!!後楽園ホールだーーーーー!!(館内大きな拍手)俺がデビューして13年、やっと、やっとの思いでたどり着ける後楽園ホールです。先に発表がありましたが、この13年間を全て見せますんで、皆さん見に来てください。よろしくお願いします!!(館内拍手)13年の歴史を!後楽園ホールで見せてやる!」
音もなく兼平大介がリングに上がる。
兼平「田村さん…僕の夢はHEAT-UPに入ってプロレスラーになる事でした。それは一つ叶いました。そして、新日本プロレスのリングに上がるのも一つの夢でした。そして、僕のもう一つの夢は…あなたが持っているそのシングルのベルトが欲しい!(館内拍手)僕はHEAT-UPの過去を一切振り返る気はなくて、僕が後楽園ホールという舞台で新しい歴史を創ります。田村さん僕の見解を受けてください。お願いします。」
これに対する田村の言葉は辛辣なものであった。
田村「兼平…後楽園ホールだぞ。後楽園ホールの、メインだぞ!お前に務まるのか!?オイ!お前デビューして何年だ?」
兼平「2年半です。」
田村「2年半だろ!?オイ!やれんのかお前!?俺が13年でやっと辿り着く後楽園ホールだぞ!オイ!お前の2年半で!オイ!俺に立ち向かってくることできんのかお前!?ああ?できんのかお前、言い返してみろ!お客さん納得しねえよそれじゃ!!オイ、後楽園ホール、俺は満員にしたいんだよ!ええ?お前のその言葉だけでなあ!満員にできると思ってるのかお前!?田村対兼平で満員にできると思ってるのかよ!?オイ!なんか言ってみろ!!」
兼平「田村さんの13年よりも、僕の2年半の方が、上です!(館内歓声と拍手)田村さん、そのベルト、ちょっとサイズデカくありませんか?皆さん、このベルトをデザインしたのは、この"ピカソ兼平"です!!(館内歓声)僕が巻いたらピッタリになるようにデザインしてあるんです(館内笑い)。後楽園まで、そのベルト大事に磨いておいてください。以上。」
田村「おう兼平、お前よく言ったよな。よく言ったよ。皆さん、どうですか?後楽園ホールのメイン、田村和宏対兼平大介でやらせてもらっていいですか?(館内声援と拍手)兼平、プロレスはなあ…甘いもんじゃないんだよ。オイ、いいか、お前の思ってる…」
何故かここで近藤"ド根性"洋史がリングイン。
近藤「田村さん!兼平兼平ってうるさいっすよ!!兼平の誰が先輩っすか?僕ですよ。いいですか皆さん!そしてさっきなんかRKO食らった石田さん!キツいけど、そして、僕はね!今日負けました。負けましたけど全部出しましたよ!後楽園、関係ないっす!ド根性で!ド根性旋風巻き起こして!僕が一番後楽園盛り上げますから!!僕は僕なりに頑張って、目の前の相手倒して、倒すだけです!!!石田さんでも兼平でも倒してやります!!ド根性ーーーーーーっ!!!」
散々言い放ってダッシュで去っていった近藤(因みに何を言ったかは全く覚えていないそうである)。続けて渡辺宏志。
渡辺「代表、あんたは13年の歴史見せるって言ったよね。俺は今年(キャリア)23年。さっき兼平が『過去にはこだわらない、新しい歴史を創る』って言ってたけれど、まあ俺は敢えて過去にこだわらせていただこうか。8月12日後楽園ホール、23年の集大成を見せる。以上!!!!!(館内拍手)」
次は飯塚優。
飯塚「僕もこのベルトから目を離さないで、練習して、練習して、練習して、後楽園大会迎えられるようにしたいので、応援よろしくお願いします、以上です!!(館内拍手)」
最後は井土徹也。
井土「今まで兼平さん、近藤さん、宏志さん、飯塚さん…なんかいっぱい言ってましたけど、自分が『HEAT-UPの顔』と言われるまで上り詰めていくんで、待っててください(館内拍手)。」
田村「おういいじゃないかみんな!(リングサイドに)誰もいなくなっちゃったけどさあ!(館内爆笑)いいよ!後楽園ホールはね、そんなに甘いもんじゃないんだよ。おい、あいつらにドンドンドンドンしんどい思いさせて、そして後楽園ホールででっかい花火上げて、プロレス界にHEAT-UPありを見せてやるからな!みんな!何人いるんだ今日は?足りねえよ!お友達!家族!親戚誰でもいいから、連れてきてちょうだいよ。オッケー、じゃあ…俺、ひとりか…(館内笑い)締めましょうか!!」
旗揚げ当初のリング、田村が一人で締める事も度々あった。その頃を思い出したのか、いつも以上に熱のこもった「後楽園ヒートアップ!」で締められた今大会。後楽園ホール大会まであと3ヶ月。
<興行後コメント>
兼平大介
――田村選手への挑戦表明がありましたが、それについて一言お願いします
「前回の新百合ヶ丘の決勝のタッグトーナメントで負けてから、僕は本当に悔しくて、いろんな団体に出て、HEAT-UPの若手がまだまだ舐められてる状況の中で、僕はHEAT-UPを本当にメジャーにしたいとデビュー当時から僕は言っているので、まあ、プロレス界全体を見ても、若手が新陳代謝している中で、まだまだHEAT-UPはちょっと遅れてるかなっていうのがあったので。後楽園ホールという最高の舞台で、僕がここで挑戦してベルトを獲れば新しい景色をHEAT-UPのファンの方に見せてあげられると思うので、絶対勝ちたいと思います!」
田村和宏
――本日の試合を終えられて如何でしょうか
「最後こう、マイクでも言ったんですけど、僕はプロレスラーとして身体で伝えたいと。子どもたちにね、『机は凶器で使うものじゃないぞ、勉強で使うもんだぞ』と伝わったと思うんで。石田も色々考えてね、岩本とはまた違った形を見せたかったと思うんです。そういう意味で多分、机を使うって結論が出たと思うんです。彼は彼なりに何か残していこうってのは伝わったので、また石田ともやりたいと思います」
――ダイビング式のRKOを食らったときは「ヤバい」と思いましたか
「机はもう、硬いんでね。駄目です、使ったら。あんなんに叩きつけたら駄目です。大日本さんとかFREEDOMSさんとかすげぇなって思いますね」
――試合後には兼平選手からの挑戦表明がありましたが、あれは正式に後楽園での対戦が決定ということで宜しいのでしょうか
「いいんじゃないですかね。お客さんがあれだけ支持したんで、僕はそれが全てだと思います」
――兼平選手には「自分の2年半のほうが田村選手の13年より上だ」と言われてしまいましたが
「まあいいんじゃないですかね、ビッグマウス(笑)まだ若いんだから、どんどんどんどんそういうの言って、その代わり自分は身体で教え込もうと思っています」
――残り三ヶ月となりましたが、改めて後楽園ホール大会への想いをお聞かせ下さい
「後楽園はやっぱ、まだ全然チケットとかも動いてないですし、それまでにも大会がありますけども、一つの目標として、今年一番の目玉である後楽園ホール大会に向かってみんなが進んでるってのは今日感じられたので、今日から後楽園ホール一色でスタートして、満員にしたいと思います」