“HEAT-UPvs2AW”の対抗戦を制し“ヤマネコ宅急便”大谷譲二&兼平大介がタッグ王座を防衛!
25日、神奈川県・カルッツかわさきにてHEAT-UP『熱クナレ、カワサキ』が行われ、“ヤマネコ宅急便”兼平大介&大谷譲二が2AWの吉田綾斗&花見達也を撃破しHEAT-UPユニバーサルタッグ王座を防衛した。
プロレスリングHEAT-UPは、神奈川県川崎市の地域密着団体として障害者支援・福祉活動・警備活動・子供達への支援など社会貢献活動をプロレスを通じて行っている団体であり、障害者雇用の一環として場内設営・開場時の配布物手渡しや場内案内などを依頼して就労に応じた賃金を支払うという生活支援を実施。昨年10月のとどろきアリーナ大会では川崎市都市ブランド推進事業として認定されるなど地元・川崎からの信頼は厚い。
兼平は、柔術や総合格闘技のバックボーンがあり、総合格闘技団体・DEEPでプロの総合格闘家として活躍。2014年にHEAT-UPでプロレスラーとしてデビューしてからは新日本プロレスが主催する若手選手中心の大会『LION´S GATE』にも出場して永田裕志や小島聡とも対戦するなど業界の注目を集め、わずか4年目で団体の至宝たるシングル王座・HEAT-UPユニバーサル王座を戴冠するなどエースとして活躍している。
そして、大谷は学生プロレス時代に “ギャル男コレクションA.G. ”として活動したバックボーンを活かしてガッツワールドプロレスリングに入門し2015年にデビュー。2018年にガッツワールドの解散を受けてHEAT-UPに入団し、ミスター雁之助やダイスケから受け継いだ技術と真っ直ぐなファイトスタイル、そして人懐こい柔和な人柄で選手やファンから愛されている。
“HEAT-UPvs2AW”の対抗戦の一つとして行われたこの試合だが、その切っ掛けは吉田綾斗が新日本プロレスに参戦していた時期と同時期にライオンズゲートに参戦していた兼平に吉田が興味を持ち、2AWで両者が対戦したことに端を発する。対戦してみて兼平にさらに興味が湧いたという吉田は、HEAT-UPの会場まで現れ兼平に挑戦を直談判。血気盛んで勢いに乗る若手の花見を連れてHEAT-UPに乗り込んだ形だ。
兼平と大谷のホームでの大一番にファンはリング上を埋め尽くすほどの紙テープを投げ入れ、セコンドには昨年引退した両者の盟友・近藤“ド根性”洋史が付く。
兼平と吉田がじっくりと技術を競い合うクリーンファイトを展開すれば、大谷と花見は対称的に感情むき出しでバチバチと打撃を打ち合う肉弾戦を展開。
キャリアで劣る花見が劣勢となり王者組に捕まる展開となるも、吉田は雄叫びを上げながら大谷にエルボーを連打し吉田に繋ぐ。吉田と大谷は互いに得意とする縦に振り抜く張り手で胸板を真っ赤に腫らしながら打ち合っていき、兼平と吉田の対面を作り出す。
兼平は必殺のランニングニーへの布石で頭部へのダメージを蓄積させていくが、吉田は敢えて正面から受け止め兼平へ足を止めてのエルボー合戦を挑んでいく。吉田がハイキックを放てば兼平はジャンピングニーでこれを撃ち落としラリアット。両者タッチし勝負は大谷と花見に託される。
大谷と花見は雄叫びを上げながらゴツゴツと打ち合っていき、花見が捨て身の場外飛びを見せるなどの突貫ファイトで流れを掴むも、兼平のランニングニーと大谷のスライディングDのサンドイッチ攻撃で一気に逆転し、ミスター雁之助から受け継いだ腕極めノーザンライトスープレックス・ホールドで大谷が勝利。
勝利したヤマネコ宅急便には祝福の紙テープが舞うが、吉田は兼平に投げ入れられた青い紙テープを一切れ千切ると、それを握りしめながら兼平をじっと見つめ、花見に肩を貸しながら退場していった。
バックステージに戻った吉田は悔しさを滲ませながらも「今日は確実に俺たちがちゃんと負けた。実力で俺たちが劣ってた。でもな、一回じゃ終わらさんからな。まだまだやり合いましょう」とさわやかに語り、花見は悔しさに泣きじゃくりながらも「今日!負けたけど!自分はまだまだ!まだまだ!やるからな!絶対また自分でチャンス作ってまた挑戦するから!それまで大谷さん!兼平さん!輝いていてください!」と直向きな姿勢を見せた。
一方、地元での王座戦を勝利で終えた王者組は笑みを見せながら現れ、大谷は「今回のカルッツかわさき大会、メチャクチャPRとか動かさせてもらったつもりで、一緒にポスター営業とか行ったじゃん?ああいうのがあったから尚更負けられないっていう気が強くなったような気がするんだよね」と遠い目で苦労を振り返り、兼平は「このベルトのおかげで2AWで吉田さん、花見さんという良いライバルと巡り会えたってことでね、今回は僕らが勝ったけど勝ち逃げする気はないし、これからどんどんやっていきたいと思います」と吉田との再戦を熱望した。
HEAT-UPと2AWは、川崎市と千葉県と場所は違えど両団体とも“地域密着”を掲げてそれぞれの地元をプロレスで盛り上げるために泥臭い努力を行っている。道は違えど志は同じくする両団体が今後も切磋琢磨し、プロレスが地域活性の原動力となっていくことを期待したい。