【試合結果】5・12 修斗後楽園ホール大会 高橋遼伍vsアーノルド・クエロ 征矢貴vs清水清隆 川名雄生vs鈴木槇吾
『サステイン プロフェッショナル修斗公式戦』
日時:2017年5月12日(金)
会場:東京・後楽園ホール
開始:18:00
▼ 第1試合 MOBSTYLESプレゼンツ インフィニティリーグ2017フェザー級 5分2R
● 内藤太尊(roots/勝ち点 4)
1R 0分54秒、KO(右フック)
〇TOMA(直心会TK68/勝ち点 4)
▼ 第2試合 ライト級 5分3R
〇大尊伸光(総合格闘技津田沼道場)
1R 1分33秒、ネックロック
●木村孔明(パラエストラTB)
▼ 第3試合 バンタム級 5分3R
〇魚井フルスイング(和術慧舟會HEARTS)
1R 3分42秒、KO(左フック)
●加藤 惇(キングダムエルガイツ)
▼第4試合 ライト級 5分3R
〇川名雄生(SHINWA MMA ACADEMY)
1R 0分21秒、KO(右ストレート)
●鈴木槇吾(ALLIANCE)
▼ 第5試合 セミファイナル フライ級 5分3R
●征矢 貴(パラエストラ松戸)
3R 0分32秒、KO(右ストレート)
〇清水清隆(TRIBE TOKYO M.M.A)
▼ 第6試合 メインイベント フェザー級 5分3R
〇高橋遼伍(KRAZY BEE)
3R 1分35秒、TKO(右ローキック→レフェリーストップ)
● アーノルド・クエロ(MMA FACTORY)
元KOP・鈴木槙吾が修斗に電撃参戦!環太平洋王者・高橋遼伍は技アリのTKO勝利!
第4試合
鈴木は2009年にパンクラス初参戦。以来8年間、パンクラスを主戦場として闘ってきた。2015年10月には、レッツ豪太を破り第8代ウェルター級キング・オブ・パンクラシストに輝いている。しかし、昨年3月、初防衛戦に失敗、村山暁洋にベルトを譲った。その後、同年7月、岡見勇信に敗れ、以来リングから遠ざかっていた。動向が注目されていたが、心機一転の場は修斗となった。
対戦相手の川名は2013年修斗ウェルター級新人王。昨年4月には松本光史と世界タイトルを懸け闘っている。
ケージインした両者は、前日計量の時と同様に額を合わせてにらみ合う。熱い試合を予感させ、会場も一気にヒートアップする。
1R。川名がパンチを打ち込んでくる。鈴木も打ち返し、いきなり激しい打撃戦となる。両者ガードせず打ち合うと、川名の右パンチがヒット、鈴木がダウン! レフェリーが止めた。鈴木は負けん気が裏目に出てしまったか。川名はケージ上で小谷直之との対戦をアピール。
<試合後コメント>
鈴木槙吾
「悔しいです。全然、あんなふうに行くつもりはなかったです。やってはいけない事をやってしまいました。作戦は、大まかに言うと、自分が入っていくか、相手が入ってきたところに合わせるかで、打ち合うつもりは全くなかったです。
――会場は沸きましたが
「川名選手がああいう対応をしてくれたからです。川名選手も、修斗を代表して闘ったと思います。悔しいです」
――修斗に上がった理由は?
「パンクラスでベルトを失って、岡見さんに負けて、年齢(31歳)もあるし、引退も考えました。でも、修斗さんの方からお話をいただいて。ちょっと意外でしたね」
――階級を変えたのは?
「周りに階級を落としてみたらと言われて。もともとそんなに大きい方じゃないですし。修斗に上がるということもあって、心機一転という感じでした。
僕、昔はライトヘビーとかでやっていた時期もあったんですけど、体重を落とすのって全然、苦じゃないんですよ。階級を変えても、あまり感覚が変わらないんです。今回、通常体重を下げて、普段と同じやり方で落としたんですけど、減量は苦じゃなかったですし、体調もすごく良かったです」
――修斗で闘ってみて
「パンクラスとはまた違う、独特な雰囲気がありましたね。嫌いじゃないです。今後のことは、まだ何とも言えませんけど、とにかく負けて悔しい。とは言っても、需要と供給ですから、選手として必要とされなければいけないですよね。勝ち続けなければ需要はないと思います。でも、試合が終わった時に、やるべき事をやれていなかった。課題と反省がある。そういううちは、まだやれると思いますし、成長する余地があると思います。
――今後、パンクラスに戻ることは?
「パンクラスには、もちろんメチャメチャ恩があります。僕はパンクラスでずっとキャリアを作ってきて、パンクラスに育ててもらいました。……これは、軽々しく言えることではないんですけど、僕は生粋のパンクラシストだと思っています。だから、このままでは申し訳なくてパンクラスに上がれません。修斗で結果を残さなくては帰れません。あとはタイミングです。またやり直して、しっかり結果を出したいと思います」
穏やかな口調の中に、悔しさをにじませた鈴木。まだ31歳。立て直しは十分できる。今はまだ、格闘技という旅の途中のようなもの。一回り成長した鈴木が凱旋する日を待ちたい。
第5試合
征矢は、18歳でプロデビュー。昨年のインフィニティリーグでは2位の成績を残す22歳。
清水は2015年、3連敗を喫し、同年12月、パンクラス王者査定で神酒龍一に敗れ、タイトルを失った。その後、休養していたが、昨年9月に復帰。現在2連勝中。今年3月には修斗で大里洋志からKO勝利を挙げている。
1R。身体を振って回る清水、プレッシャーをかける征矢。征矢がタックルからバックを取るが、殴って離れる。清水はパンチ、ローからタックル。しかし征矢は切る。清水はパンチからケージ際へ押し、パンチを打ち込んで離れる。征矢は再びタックルを仕掛けるが、清水はこれを切ってパンチ。征矢がパンチで前に出て右がヒット。清水、グラつくも何とか立て直す。征矢が清水のパンチをとらえてバックにつき、ケージへ押す。清水ヒジ。征矢はヒザ、パンチを入れて離れる。お互いローを蹴ったところで終了。緊張感溢れるラウンド。
2R。清水、右ハイ。征矢はタックルで組み付くが、清水は首をとらえる。征矢は立って離れる。清水、パンチ、アッパー。征矢はロー。清水のタックルを征矢が切る。清水は再び組みに行きケージへ押し込むも離れる。征矢のパンチ、清水もパンチを返す。清水がケージへ押し込むが、征矢は離れる。征矢がケージ押しこみ、ヒザを打ち込むが、ブレイクがかかる。熱くなり、気付かず攻撃を続けようとする征矢に、清水が背中を軽く叩いてブレイクを教える。離れてジャブ、ローの打ち合いで終了。
3R。パンチの打ち合い。清水のタックルを征矢が切る。清水が飛び込み、右パンチがヒット! 征矢ダウン! 清水はすぐにかぶさり、鉄槌連打。レフェリーが止めた。
清水は左目を赤く腫らしながらも喜びを爆発させた。途中から左目が見えなかったという。マイクを持ち「前田吉朗以外となら、誰とでもやりたい。冷え性なので、そろそろ腰にベルトを巻きたい」とアピール。
第6試合
環太平洋王者・高橋が、王者となって初の試合で国際戦に挑む。対戦相手のクエロは、昨年のWSOF-GCで中島太一から勝利している。
1R。高橋がローキックを放つ。クエロはパンチを打ち込みがバランスを崩す。すぐ立つが、高橋はローを連打。高橋がプレッシャーをかけ、クエロは前に出られない。高橋のローが効き、足を引きずっている。打ち合うが、高橋がプレッシャーをかけてローを打ち込む。明らかに効いている。左足をひきずるクエロ。タックルに入るが、終了。
2R。プレッシャーをかける高橋。クエロはローを警戒し、出られない。高橋はローを打ち込む。距離を取り、クエロになかなか打たせない。組みたいクエロ。高橋がローを入れて終了。クエロはさらにローが効いている様子。
3R。もうこれ以上ローをもらいたくないクエロ。タックルに入るが、切られてローをもらってしまう。高橋はまたロー、そしてパンチ。ケージに追い込んで金網を背にさせ、パンチ連打、ロー。足に完全にきているクエロ。続行不能とみてレフェリーが止めた。
<試合後コメント>
高橋遼伍
「普通に闘いました。ローが効いて、相手がもらわない事を徹底し始めたので、自分も狙い過ぎたのかなとは思います。でも、相手は、キャリアを積んでいるだけはあると思いました。(痛くても)顔が変わらないんです。すごいなと思いました。ローには自信があります.研究さえていなければいけると思います。でも、自信はありますね。試合前にローを見せると言っていたので、見せないといけないと思いましたし。だから捨てパンチは打ちたくなかった。もったいないから。次は(相手の)腕を折りたいですね。ローを効かせて、ミドルを打って、ボディを効かせて、腕を極めたい。もうワンランク上の試合。MMAのロイヤルストレートフラッシュみたいな試合をしたいです」
“野太い”試合だった。次回もさらにパワーアップした姿を見せてほしい。
【オープニングファイト】
▼第1試合 バンタム級 5分2R
○岩木 啓(フリー)
判定2-1
● 大越崇弘(TRIBE TOKYO M.M.A)
▼第2試合 バンタム級 5分2R
△本田良介(CAVE)
判定0-0
△ 関口祐冬(修斗ジム東京)
▼第3試合 2017年度新人王決定トーナメント2回戦 バンタム級 5分2R
○よしずみ(SHOOTO GYM K’zFACTORY)
判定0-0、優勢3-0
● Jセロウ若林(SAI-GYM)
(写真・文/佐佐木 澪)