VTJ 6th 10.4大田区大会 リオンvs.ISAO、宇野vs.シッペン、エンセン井上引退セレモニーも
VTJ 6th
日時:2014年10月4日(土)
開場:14:00 開始:15:00
会場:東京・大田区総合体育館
【オープニングファイト】
▼第1試合 47.6kg契約 3分3R
●NACHI(ERUPT)
3R終了 判定0-3
○浅倉栞南(パラエストラ松戸)
▼第2試合 65.8kg契約 3分3R
○平川智也(久我山ラスカルジム)
3R終了 判定3-0
●金子大輝(リバーサルジム川口REDIPS)
▼第3試合 65.8kg契約 3分3R
○内藤大尊(roots)
3R終了 判定3-0
●林 太陽(CAVE)
【本戦】
▼第1試合 70.3kg契約 5分2R
○大原樹里(KIBAマーシャルアーツクラブ)
2R 2分07秒 TKO(出血によりレフェリーストップ)
●沼尻和之(マッハ道場)
▼第2試合 65.8kg契約 5分2R
●大澤茂樹(ハニートラップ)
1R 2分01秒 KO(スタンドのパンチ)
○三上譲治(修斗GYM東京)
▼第3試合 58.1kg契約 5分3R
○鈴木隼人(BRAVE)
3R終了 判定3-0
●福田龍弥(MIBURO)
▼第4試合 61.2kg契約 5分3R
●小野島恒太(コンバット ワークアウト ダイヤモンズ)
1R 3分05秒 KO(グラウンドのパンチ)
○佐藤将光(坂口道場一族)
▼第5試合 56.7kg契約 5分3R
○マモル(シューティングジム横浜)
2R 0分25秒 TKO(レフェリーストップ)
●飛猿☆No.2(リバーサルジム川口REDIPS)
▼第6試合 70.3kg契約 5分3R
○弘中邦佳(マスタージャパン)
2R 2分33秒 肩固め
●キム・ドンヒョン(TEAM M.A.D)
▼エンセン井上引退セレモニー
▼第7試合 65.8kg契約 5分3R
○宇野薫(UNO DOJO)
2R 4分33秒 チョークスリーパー
●ラージャ・シッペン(REIGN MMA)
▼第8試合 65.8kg契約 5分3R
○高谷裕之(高谷軍団)
2R 0分38秒 KO(グラウンドのパンチ)
●高橋遼伍(KRAZY BEE)
▼第9試合 65.8kg契約 5分3R
●リオン武(ライジングサン)
3R終了 判定0-3
○ISAO(坂口道場一族)
▼第10試合 VTJフライ級(56.7kg)トーナメント決勝戦 5分5R
○扇久保博正(パラエストラ松戸)
5R終了 判定3-0
●シーザー・スクラヴォス(TEAM SKLAVOS)
※扇久保がトーナメント優勝
エンセン井上がスーツを脱ぎ、大和魂Tシャツ姿で引退の10カウントゴング
格闘家生活19年目の宇野が激勝!パンクラス王者ISAOも初めてのケージで勝利
エンセン井上引退セレモニー
「大和魂」のフレーズでおなじみだった総合格闘家、エンセン井上が引退を決意。エンセンは1995年、修斗でプロデビュー。98年のヴァーリ・トゥード・ジャパンで、UFC世界ヘビー級王座を返上したばかりのランディ・クートゥアーを腕ひしぎ十字固めで破る快挙を成した。以後、修斗、UFC、PRIDEで活躍したが、2010年4月、ASTORAでのアンズ“ノトリアス”ナンセン戦を最後にリングから遠ざかっていた。
47歳。黒のスーツ姿でケージに入ったエンセンは、自分が花束を受け取るのでなく、両親に花束を手渡した。
「いろんな人に花束をもらったけど、自分より大事なお父さん、お母さんに渡したかった。お父さん、お母さんがいなければ、私は生まれて来なかった。みんな、お父さんお母さんを大事にしてほしい」と話した。そして「この会場を見ていると、感謝の気持ちが湧き上がる。プロモーターがいなければ、選手は試合ができない。そして、掃除をしてくれる人、椅子を並べてくれる人などスタッフの人のおかげで試合ができる。そしてファンの支えがあってこそ、自分は格闘技を続けて来られた」と、周りへの感謝の言葉を述べた。
そして「みんなにスーツを着なさいと言われて着たけど、これがエンセンの本当の姿」と言ってスーツを脱ぎ「大和魂」のTシャツ姿で別れのテンカウントゴングを聞いた。最後に「皆さん、心からありがとうございました。格闘技、ありがとう。そして、さよなら。死ぬまで大和魂」の言葉を残し、ケージを去った。
第7試合
1R、距離を取り打撃で攻めてくるシッペン。宇野はローキックを入れながら組みたいところ。シッペンはパンチ、バックキック、ハイキックなど多彩な技で前に出る。宇野は冷静に様子をうかがう。シッペンが飛びひざ、ヒジ、パンチとたたみかけるように攻撃。宇野はローキックで距離を取りながらパンチ、ハイキック。
2R、動きすぎたか少々疲れの見えるシッペン。宇野はパンチから片足タックル、網へ押し込んでヒジを見舞う。そこへシッペンの打撃が当たり、宇野が左目の下をカット。ドクターチェックののち再開する。パンチを打ち合う両者。シッペンはバックハンドブローを連打する。宇野は両足タックルを敢行。下からサブミッションを狙うもこれは決められず。目の下から再び出血している。
しかし、宇野がテイクダウン! パンチやヒジを入れながら首を刈った!
<試合後マイク>
宇野「今日は格闘技を初めてちょうど19年目の試合。こんなにも長く総合格闘技ができるとは思っていなかった。家族や友人の支えと、ファンの皆さんの応援のおかげでここまで来られた。本当にありがとうございます。UFC含め、これからも諦めずにやっていく。応援してください。」
第9試合
パンクラス・ライト級王者のISAOが、階級を下げ、初めてのケージ、初めての修斗に参戦する。「パンクラスの王者は外で勝てない」というジンクスを打ち破ることはできるか。
1R、左右に身体を振り、パンチを出すISAO。アメリカ修行の成果か、スピードと鋭さが増しているように見える。組んで網へ押し込み、離れる繰り返し。リオンはテイクダウンされてもすぐ立つが、離れ際のISAOのパンチの方が強い印象を残す。ISAOはリオンが蹴りを出すと、すかさずその足を取ろうとし、スキがない。ISAOがテイクダウンしてパンチ、ヒジを落としたところで終了。
2Rも同様の展開。ISAOはスタンドで大きくヒジを振るなど大胆な攻撃も見せる。一方、リオンはタックルを切れず、すぐに網へ押し込まれてしまう。ISAOは厳しいヒジを打ち込む。終了直前、リオンが身体を入れ替えてボディブローを叩き込むが、ブレイク。ISAOがパンチをもりながらも真正面からテイクダウンを奪ったところでブザー。
最終ラウンド。リオンがパンチを振るうが、ISAOが網へ押し込む。いったん離れ、ISAOはハイキック。バランスを崩すもすぐに組んでリオンを網へ押し込む。ローとヒザを連打したところでブレイク。リオンに少々疲れが見えるか?
ISAOは冷静に相手を見て、蹴り足も逃がさないよう細心の注意を払っている。そしてタックルからテイクダウンを決める! ヒジ、パンチを連打したところで終了。判定3-0でISAOが勝利した。
もう少し攻め手、決め手がほしかったが、誰もが納得する判定、内容を見せた。パンチをもらい、少し顔を腫らせてはいたものの大きなダメージはなく、アメリカ修行の成果もある程度は出せたのではないか。パンクラス王者のジンクスは破ったものの、階級はどうするのか、ベルトの処遇はどうなるのか、今後が気になるところだ。
<試合後マイク>
ISAO「VTJファンの皆さん、初めまして。第5代ライト級キング・オブ・パンクラシストのISAOと申します。今日はベテラン選手とやれてワクワクしていましたが、思っていた以上に強くて、実力を出せずに終わってしまいました。いつになるかはわかりませんが、またチャンスがあれば、次は爆発したいと思います。」
<試合後コメント>
ISAO「判定だし、まだまだだけど、初めてのケージで結果を出せて良かった。あまり考えなくて闘えたのも良かったと思う。
相手は、僕に対する対策を立てていたのかなと思った。組んでもすぐ立つし、パンチも鋭いので、その辺は警戒しながら闘った。
アメリカ修行の成果は結構出たと思う。特に網際とヒジの使い方。これはずっと練習していたので。でも、まだ未完成。もっと完成度を高くしたい。パンチの時に身体を振るのもアメリカで教わったこと。
会場の雰囲気は良かったと思う。パンクラスとそんなに変わらないというか、あまり意識せずに上がれたし、リラックスして闘えた。
リオン選手は「終わりが見えている」みたいなことを言っていて、そういうことを言っている選手には絶対負けたくないと思って闘った。僕は先を見ている。キッチリと勝たなくてはいけないと思った。
今後、階級はフェザーでやりたい。今回、試合をやってみて違和感がなかったし、どの団体に出るとしても、この階級でやっていきたい。ライト級のベルトは、まだどうなるか決まっていない。パンクラスの酒井社長とも話し合って、今後決まって行くと思う。」
第10試合
<試合後マイク>
扇久保「今日はご来場ありがとうございます。このトーナメント優勝でUFCに行けるかなという感じのお話をもらっていたが、自分にはもう1つ、まだ日本でやり残したことがある。それは、国内にもう1人チャンピオンがいるので、僕と試合をして勝った方がUFCに行くというのはどうですか?
日本の格闘技は、軽いけど軽量級が盛り上げていく。
(誰を指すかと会場から促され)元谷友貴選手(※DEEP王者)です。できるならやりたい!」
<試合後コメント>
扇久保 「試合はまだまだ。1本取れるかと思ったが…。1Rでバックを取られたのは大丈夫だった。あの形をずっと練習していたので。相手の息が上がっていたので、取られることはないと思っていた。マウントとか取っていけるかなと思ったけど、相手は逃げるのが巧かった。
自分はあまりスタミナがある方ではないので、5Rということを考え、あまり組んでばかりいるとガス欠してしまうので、足を使いながら闘った。しっかりパスしてマウントを取って、首を絞めて勝ちたかった。パウンドの技術もそうだし、自分はまだ全部が中途半端。
元谷選手へのアピールは、すぐUFCから声がかかることはないと思ったから。やるのは元谷選手しかいないと思う。場所はVTJしかないのでは。VTJでナンバーワン決戦をやりたい。元谷選手はすごく強いと思うけど、僕の方がもっと強いので。
もしUFCからすぐ声がかかったら? すぐ行きます(笑)。でも、先日、修斗で、のび太選手がキング・オブ・パンクラシストの砂辺光久選手を指名したという出来事があったので、僕も同じように盛り上げていきたいと思って、元谷選手のことを出させてもらった。」
【写真・文/佐佐木 澪】