【試合結果】3・25 修斗後楽園ホール大会 【世界ライト級】松本光史vs岡野裕城 斎藤裕vsドレックス・ザンボアンガ 川名雄生vsジン・テホ ABvs大尊伸光 鈴木槙吾vsキャプテン☆アフリカ
『プロフェッショナル修斗 公式戦』
日程:2018年3月25日(日)
開始:18:00
会場:東京・後楽園ホール
【オープニングファイト】
▼キッズ修斗 28kg契約 3分1R
○長谷川凌生(パラエストラ千葉)
1R 0分28秒、腕ひしぎ十字固め
●本郷竣士(心技館)
【本戦】
▼第1試合 インフィニティリーグ2018 ストロー級 5分2R
○萁輪ひろば(総合格闘技道場STF)
2R 0分46秒、スリーパーホールド
●新井 丈(キングダム立川コロッセオ)
▼第2試合 フライ級 5分3R
△井上 学(C.A.C.C.スネークピットジャパン)
判定1-1
△内藤頌貴(パラエストラ松戸)
▼第3試合 フェザー級 5分3R
●仲山貴志(総合格闘技 津田沼道場)
1R 2分06秒、フロントスリーパー
○山本健斗デリカット(総合格闘技道場コブラ会)
▼第4試合 バンタム級 5分3R
●土屋大喜(roots)
判定1-2
○南出 剛(創道塾)
▼第5試合 ライト級 5分3R
●鈴木槙吾(ALLIANCE)
1R 1分25秒、アームバー
○キャプテン☆アフリカ(総合格闘技道場コブラ会)
▼第6試合 ライト級 5分3R
●AB(和術慧舟會駿河道場)
判定0-3
○大尊伸光(総合格闘技 津田沼道場)
▼第7試合 ライト級 5分3R
○川名雄生(Y&K MMA ACADEMY)
判定3-0
●ジン・テホ(RONIN CREW)
▼第8試合 セミファイナル フェザー級 5分3R
○斎藤 裕(パラエストラ小岩)
3R 4分58秒、KO(グラウンドのパンチ→レフェリーストップ)
●ドレックス・ザンボアンガ(TOUGH GUYS INTERNATIONAL)
▼第9試合 メインイベント 世界ライト級チャンピオンシップ 5分5R
○松本光史(フリー)
1R 3分07秒、KO(スタンドのパンチ→レフェリーストップ)
●岡野裕城(マッハ道場)
松本光史が1RKOで世界ライト級王座防衛!修斗、PANCRASE等7団体で活躍した“鉄人”田村彰俊が引退式!「修斗はいつも暖かく迎えてくれる故郷のような存在」
第1試合
1R。箕輪がロー、左右パンチからタックル。ケージに押し込み、バックを狙うも、新井は向き合う。入れ替え合ったあと、箕輪は足をかけてテイクダウン。新井はすぐ立つ。新井のパンチがヒット、箕輪がフラッシュダウン。しかし、箕輪は組みついてケージへ押し込みテイクダウンを奪う。新井は立つが、箕輪は投げて上に。さらに、マウントからパウンドを落とす。箕輪は腕を狙うがこれは外される。箕輪はパンチを落とし続ける。新井は返そうとするが、すぐに上を取られてしまう。箕輪はパウンド連打。終了間際に腕を狙うが、極まらず終了。
2R、新井は鼻から出血のあとが。開始すぐ、新井のバックハンドをかわし、箕輪がテイクダウン。サイドからバックに回ってチョーク。新井はこれを外せず、落ちた。
第2試合
井上は2005年よりパンクラスに参戦、2010年には初代バンタム級キング・オブ・パンクラシストとなる。修斗には2012年より参戦。セコンドには北岡悟がつく。
1R。内藤がロー。井上は前蹴り、キック、パンチとリズムよく攻める。内藤がボディ。ジャブから左右パンチを振る。井上はローから片足タックルを狙うが切られてしまう。パンチ、ローを出しながらタックルのタイミングを窺う井上。内藤は細かいジャブを出して行く。井上が片足タックルからケージへ押し込むと、お互いヒザ。内藤が突き放した。大きくパンチを振って行く井上。打ち合って終了。井上は右目をカットし、赤くなっている。
2R。開始すぐにタイムストップ。井上の目のドクターチェックが行われるが、すぐに再開。
井上がパンチからの片足タックル。ケージへ押し込む。内藤は殴り、立つが、井上は足を離さない。さらにケージへ押し込み、引き込んでテイクダウン! ハーフマウントから殴る。その間も、内藤の片足をガッチリハンさんで離さない。ボディ、側頭部を殴る。内藤は立つが、井上は振り回すようにしてバックを奪う。ヒザを入れ、片足をかけてテイクダウン! まるで泥沼にはまってしまったような内藤。井上は片足を絡めたままキープ。内藤は脱出できないまま終了。
3R。ロー、前蹴りと足を使っていく井上。片足タックルからケージへ押し込む。井上の頭を押す内藤は離れて入れ替え。ヒザを入れるが離れる。井上が大きくパンチを振り、打ち合いに! その中で井上は片足を取りケージへ押し込む。内藤はヒジ連打。しかし井上は離さない。なんとか立ちたい内藤だが、押し付けて立たせない井上。内藤がやっと立ったところで終了。判定は1-1でドローとなった。
井上が自分のフィールドに引き込んだが、ケージに押し込んでからの展開が欲しかったか。しかし、表情、オーラともに強い情念が感じられ、ゾクッとするような場面も。今後の活躍に期待したい。
第3試合
仲山のセコンドには、今大会で引退式を行う田村彰俊がつく。
1R、踏み込んで行く仲山。山本は左ハイキック。仲山は蹴りから飛び込むが、山本に切られてしまう。逆に飛び込んできた山本を仲山がパンチで迎え撃ち、ケージに押し込んでテイクダウン! しかし山本は首を取っている。仲山はハーフマウントになるが、首を抜くことができずタップ。
第4試合
1R。土屋の前蹴りをカットした南出がプレッシャーをかける。組みにいく土屋だが、南出は付き合わない。探り合う両者。土屋はタックルを仕掛けるが、南出に切られてしまう。しかし、南出のパンチはもらわない。南出は距離を詰めてパンチを打ち込むが終了。
2R。プレッシャーをかける土屋。お互いフェイントをかけながらロー。土屋は体を振り大きくパンチを打つが、右こめかみをカットしている。タックルからケージへ押し込んだ土屋はヒザ連打。南出が入れ替え、ヒザを入れ合うがブレイク。
南出は土屋のタックルを切ると組んでケージへ。土屋は離れて組むが、南出がケージへ押し込んでバックを取ったところで終了。
3R。突っ込んでいく土屋。ケージへ押し込むが、南出は倒れない。入れ替え合う両者。力比べになるが離れる。右ハイキックから組みにいく土屋。切られるが、再び組んでケージへ押し込む。片足を掴んだままでブレイク。再開すると、パンチで追い込む土屋、南出がやや劣勢で終了。
判定は2-1で南出が勝利。
第5試合
鈴木は第8代ウェルター級キング・オブ・パンクラシスト。昨年3月より修斗に闘いの場を移し、階級もライト級に変更。心機一転を図ったが、残念ながら2戦2敗とまだ勝利を挙げていない。しかし、豪快なファイトスタイルは健在。今回は必ず修斗初勝利を挙げたい一戦だ。
対するキャプテン☆アフリカは昨年の修斗同級新人王。2戦2勝で、いずれも腕ひしぎ十字硬めで1本勝ちを収めている。
1R、お互いパンチを打っていく。右パンチから組んだアフリカが投げて上に。殴る。鈴木は両足を上げてアフリカの動きを止めようとするが、アフリカのパウンドは止まらない。鈴木はパンチに耐えるが、アフリカが腕を極め、鈴木がタップ。アフリカの一方的な圧勝となった。
鈴木はまだ修斗の水に慣れないのか、新階級に慣れないのだろうか。勝っても負けても豪快な鈴木だが、新天地での3連敗は痛い。しかし、ここで終わる選手ではないはず。実力を活かしきれない時間が続いてしまっているが、奮起に期待したい。
アフリカ「東京の皆さん、こんばんは。キャプテン☆アフリカと申します。実はただの日本人ですけどアフリカです。野生的な闘いを見せられたと思います。今後はチャンピオンを目指して、また練習して強くなって行きます。これからよろしくお願いします」
第6試合
大尊のセコンドには高谷裕之がつく。
1R。身長差が12cmある両者。182cmのABが踏み込んでパンチを打っていく。ABはパンチを振っていくが、中には入れない。大尊はパンチ、ロー。ABに入らせず終了。
2R。飛び込むタイミングを窺うAB。体を上下に振る。距離を縮めるが、突き放す大尊。右ハイ、左右パンチ、ローと、身長差があるとは思えない攻めを展開していく。パンチから中に入ろうとするABだが、大尊はパンチで入らせない。何度も組みにいくABだが、大尊が入らせないまま終了。
3R。入りたい、でも入れないAB。大尊は距離を詰めてパンチ。やっと組みつき、ケージへ押し込むABだが、大尊はパンチで振りほどく。片足タックルも切られるAB。顔が血だらけになっている。ドクターチェックののち再開。
プレッシャーをかけながらタックルに入るABだが、大尊は切る。ABは粘り強くタックル。ケージへ押して上に。しかし、大尊は背中を床についていない。首を狙うAB。しかし、大尊はこれを抜け、少しずつ立っていく。立った大尊をABがケージへ押したところで終了。
判定は3-0で大尊が勝利。ABは自分のフィールドに引き込むことができなかった。
田村彰俊 引退式
第2代環太平洋ライト級チャンピオン並びに第6代世界ライト級チャンピオン・田村彰俊(総合格闘技 津田沼道場)が引退式を迎えた。
壇上にはかつての練習仲間が集まり、田村を慰労。また、最後に、苦労を共にした妻・みゆきさんが登壇。夫をねぎらい、夫婦並んでテンカウントゴングを聞いた。
田村は昨年2月、試合後に急性硬膜下血腫を発症。緊急手術で一命をとりとめたが、現役生活にピリオドを打つこととなった。
2001年4月のプロ修斗デビュー戦では判定負けを喫し、翌年の修斗新人王決定トーナメントでは決勝まで勝ち残れないなど、挫折が続いた。しかし、決し諦めず闘い続け、修斗の頂点に君臨した。田村が「鉄人」と呼ばれる所以だ。
また、修斗のみならず、WEC、SRCにも参戦し、2015年からはパンクラスを主戦場としていた。
派手ではないが、熱い心が溢れ出るような田村の試合は決して忘れられない。一時は右半身麻痺、言語障害などがみられたが、現在は道場で指導を行うまでに回復している田村。これからは、形を変え、その熱い魂を伝え続けてくれることだろう。
引退は残念だが、田村の第二の活躍に期待したい。
田村「1年前、入院していました。試合後に倒れて、頭の手術をしました。右半身の麻痺や言葉の障害などがありましたが、退院することができました。家族や、救急隊の人、病院スタッフ、皆さんのおかげです。MMA戦績は41 試合。夢中で駆け抜けてきました。7つの団体で試合をしてきましたが、その半数は修斗での試合でした。たくさん勝って、たくさん負けました。チャンピオンにもならせていただき、1試合1試合が思い出深いです。後半は他団体に出ていましたが、このような場を設けていただき、ありがとうございます。修斗はいつも暖かく迎えてくれる故郷のような存在です。これからは、今まで支えてくださったスタッフの皆さま、そしてファンの皆様に、感謝の気持ちを返していければと思います。本当にありがとうございました。(登壇した妻・みゆきさんに)『ありがとう』」
第7試合
1R。プレッシャーをかけていく川名。パンチからケージへ押し込む。倒れないよう、片膝をついて堪えるテホ。川名は投げようとするが、テホは耐える。ここでブレイク。プレッシャーをかけていく川名。パンチからケージへ押し込み、尻もちを突かせる。少しずつ乗っていくところで終了。
2R。大きくパンチを振っていく川名。さらに組みにいきケージへ。投げて尻もちをつかせ、殴る。立たせず殴る川名。テホは次第に背中が吐きそうになっていき、川名がついにハーフマウント。腕を取らせないよう防ぎながら殴って終了。
3R。パンチで出た川名が蹴りから組んでケージへ押し込む。立ちたいテホ。しかし川名は立たせずハーフマウント。殴る。テホは下から腕を挟むが、川名は抜き、大きくパンチを落とす。テホが立ちそうになった機にバックマウント! テホはなんとか立つが、川名に足をかけられ倒されてしまう。川名は殴りながらバックマウントに。テホは立てないまま終了。
判定は3-0で川名が勝利。
第8試合
1R。ミドル、ローから高速で組みつく斎藤。一度は逃れたザンボアンガだが、二度目で捕まった。斎藤はケージへ押し込みハーフマウントに。さらに乗っていく。一旦立つが、斎藤がまた組んでテイクダウン。ザンボアンガはたつが、素早くバックを取った斎藤が投げて三たびテイクダウン! サイドに移行する。斎藤が鉄槌を落として終了。
2R。入ってきたザンボアンガをパンチで潰した斎藤。ザンボアンガは這って進んでいくが、斎藤はフロントチョークに取る。ザンボアンガは、立つとケージへ押し込むが、斎藤はヒザをついて堪え、すぐ立つ。さらにケージへおし、足をかけてテイクダウン。ヒジ、ヒザを打ち込む。ザンボアンガは立つが、斎藤はまた倒す。斎藤がパンチ連打して終了。
3R。顔のどこかから出血しているザンボアンガ。斎藤はプレッシャーをかけていく。お互いパンチを打つが、斎藤がケージへ押し込んでテイクダウン。ザンボアンガは三角絞めを狙うが、斎藤が潰すようなパンチで外す。立った斎藤は再び投げて倒し、鉄槌を落とす。ザンボアンガも再び三角絞めを狙うが、斎藤は外して殴り立たせない。斎藤がそのまま殴り続け、レフェリーが試合を止めた。
第9試合
1R、ローキックを放ちながら回る松本。岡野は距離を詰めてジャブを打つ。岡野はパンチ、ボディブローを入れながら距離を詰めていく。松本はロー。さらに右パンチで岡野がフラッシュダウン! 松本はパンチのラッシュ! 岡野は堪えるが、防戦一方となり、レフェリーが止めた。
松本「ファンの皆さん、今日はどうでしたか? 今日は、チャンピオンだった先輩が1人引退されました。田村さん、お疲れさまでした。この歴史ある団体のベルトを巻いている1人として、次のステップに進みたいと思っています」
(写真・文・佐佐木 澪)