【インタビュー】W-1タッグ王座に挑戦の河野が反撃の狼煙!「劣勢のおっさん軍団かもしれないけど、1人でも抵抗しておきたい」

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 4.19後楽園大会でプロレスリングACEの伊藤貴則とシングルマッチを行なった河野真幸。その伊藤を自身のパートナーに抜擢し、5.4後楽園大会で土肥熊の持つW-1タッグ王座に挑戦することになった。現在、すべてのタイトルが若い力に奪われたW-1のリングでベテランと呼ばれるキャリアとなった前W-1王者はどのような試合を見せようとしているのか? 話を聞いてみた。

──今回、間近に迫った5.4後楽園大会でACEの伊藤貴則選手と組んで、W-1タッグ王座に挑戦することになりました。伊藤選手とは4.19後楽園大会でシングルマッチを行ないましたよね。
「急遽、横綱・曙選手の欠場で組まれたんですよ」

──そうですよね。実際に闘ってみていかがでしたか?
「身体もデカいし、空手のベースもあるっていうのは知ってたんで。ただ、ケガがあって試合数も少ないし、ACEで興行やっているって言ってもそれも少ないし。それでもW-1の本戦に上がったらおもしろいかなって、闘ってみて思ったんですよ。そもそも近藤さんが俺たちのTriggeRに入れようとしたことがあって」

──ああ、そうなんですか。
「今年に入って、近藤さんが『あいついいよ』って言ってたんですよね。でも、あいつがケガしちゃってなくなっちゃったんですけど、改めて今回シングルマッチやってみて、こいつとタイトルマッチやるのもおもしろいかなって。だって、俺があいつぐらいのキャリアのときに、あれだけのことができたかって言ったら、まったくできなかったですからね」

──なるほど。もう河野選手もキャリアは14年ぐらいですよね?
「そうですね。武藤さんが2002年に全日本プロレスに移籍して、その年の9月に入門して翌年デビューなんで。まあ、14年って言っても、途中さすらいの旅に出てましたけど(笑)」

──そういう期間があるにしても、そのキャリアの中で数々の新人とも闘ってきているわけじゃないですか? その中でも手応えを感じた選手ということですか、伊藤選手は。
「はい。まあ、全日本の頃から、デビューする奴はみんなしっかりしてましたけどね。デビューするというハードルがあったので、それなりに受け身なり攻撃なりができる最低限のことは備えていましたけど、彼は身体のサイズとか元々持っている空手のベースだとかがちょっと他の奴らよりあるっていう」

──ただ、それでも他にもタッグを組める人はいるわけじゃないですか? あえてキャリアをあまり積んでいないACEの選手からパートナーを選んだというのは何か理由があるんですか?
「思いつきですよね。まあ、本来ならば近藤さんと一緒にいくのが普通なんだろうなって思うんですけど、その日はシングルのタイトルマッチがあったし。予定では勝つはずだったんですけど、芦野に負けちゃったから、そこで『タッグもいいッスか?』とは言えないでしょう(笑)」

──まあ、挑戦表明したのは近藤さんの試合前でしたしね(笑)。
「そうそう。副社長になって普段も忙しいしね(笑)。だから、“brother”YASSHIさんかなとかハヤシ社長にお願いしようかなとか考えたんですけど。あとは会長か」

──武藤会長も候補に入っていましたか(笑)。
「ただ、会長はTPOが大事な人なんで」

──なかなか腰を上げないですよね(笑)。でも、その武藤会長も5月1日のACEの新木場大会に来ていたんですけど、伊藤選手とタナカ岩石選手の試合を見て、「こいつらいいね」って褒めてましたからね。
「だから、やっぱりACEの選手でもW-1の本戦に出続けられる奴らはキチンと練習しているとか、最低限のものを備えているんですよ。俺個人は試合がうまいだとかへただとかは関係ないですから。大事なことは一生懸命やっているかどうかなんで」

──その姿勢が大切ということですね。
「うん。それは絶対に試合に出るし、彼には気持ちも感じたし、せっかくだからいっぱい揉まれて経験を積める場に出たほうがいいんじゃないって。まあ、タイトルマッチっていきなりハードルを上げてやったけど(笑)」

──ハードルは高いですよね、いきなり(笑)。
「でも、俺も格闘技から帰ってきてすぐに武藤さんのパートナーとして太陽ケア&鈴木みのるの世界タッグ王座に挑戦させてもらったりしたこともあるんで。そういう部分では俺も先輩にしてもらったことを後輩にしようということですよ」

──それこそ“次世代の衝撃”と期待されていた河野選手はデビュー当初から結構チャンスをもらっていましたもんね。
「ポンポンもらって1年経って、大ケガして1年休みましたけどね(笑)」

──そういう若い選手を抜擢するというのは河野選手が大好きな武藤会長のイズム的な部分もありますよね。
「そうですね。ただ、これでダメだったらあいつの責任ですからね。俺は最低限のバックアップはするけど、あとは彼自身の力にかかっているから」

──では、今回はタッグタイトルを取るという気持ちと伊藤選手を引き上げたいという気持ちとどっちのほうが強いんですか?
「まあ、やっぱりベルトを取りたいですよね。UWA6人タッグのベルトも神戸で取られているし。社長と副社長の権力者を2人もつけたのに負けてしまって(笑)。だから、劣勢のおっさん軍団かもしれないけど、1人でも抵抗しておきたい。若者に流れる時代に逆らわないと」

──今のW-1のベルトを持っているチャンピオンたちは芦野選手をはじめ、ことごとく若いですよね。ベテランと呼ばれるキャリアになってみて、こういう状況はいかがなんですか?
「怖いですよね」

──怖いですか(笑)。
「気づけば俺も目障りな立場になってしまったわけですよ(笑)。まあ、会社という大きな視点から見たら、若い奴らの力が伸びている会社は今風のいい会社だと思います。ただ、プロレスラーとしてはこのまま終われないし、若い奴らにやられっぱなしでいるわけにはいかないんで、泥臭く汚く抵抗していきますよ。どんな手段を使ってでもね(笑)」

──現在のタッグ王者も土肥孝司選手と熊ゴロー選手という若い2人ですから、おっさんの力の見せどころですよ。
「彼らはノッてますよね。やっと結果が出た感じだけど、ハヤシさんと鼓太郎さんからベルトを取れたのは凄いなと思うし。NEW ERA対決の若手同士のタイトルマッチもおもしろい試合していたし。まあ、ノッてる2人だからこそ、ここで足を引っ張ってやらないと」

──抵抗するおっさんとしては(笑)。河野選手はW-1王座を2度も獲得していますし、やっぱりキャリアや実績では現タッグ王者を上回っています。彼らに対して、「この若造が!」みたいな部分はないですか?
「ないですよ(笑)。まあ、嫌な先輩だと思われているかもしれないですけどね。『鬱陶しいな』とか『目の上のたんこぶが!』ぐらいには思われているかもしれない。ただ、今回はパートナーが逆に彼らの後輩の選手だから、ちょっと意味合いも変わってくるでしょう」

──おっさんが若者に囲まれてしまったと(笑)。でも、奇しくも大きな身体を持つ4人が揃ったことですし、W-1ではヘビー級の試合は貴重ですからね。
「そうですね。だから、クルーザー級にはない試合をしたいですよね。一発一発を大事にバカスカとやりたいですね。小さい奴にしかできないプロレスもあるけど、小さい奴にはできないプロレスもある。それをお客さんがいいなと思うかどうかは知らないですけど、俺はそういうヘビー級の試合を見せたいですね。今風じゃないかもしれないけど、これもプロレスだよって。まあ、伊藤次第でおもしろい試合になると思いますけどね」

──そういう試合ができると見込んだからこそ、伊藤選手をパートナーに抜擢したところもあるんですよね?
「そうですね。ただ、やっぱり伊藤の存在はW-1のお客さんたちに浸透していないし、認められていない部分もあると思うので、そこは彼がリング上で証明するしかない。さっき言ったように俺は最低限のバックアップしかしないです。やっぱり狙うのはベルトですから。もちろん勝算あって選んだ部分もあるんですけどね。ただ一つ言えるのは、俺も武藤さんと組んでタイトルマッチに挑戦して、負けたけどその経験はデカかったですから。上の人と一緒に闘うっていうのは勉強になると思うんで」

──じゃあ、そういう経験を伊藤選手にもさせてあげないといけないですね。
「そこは彼次第。僕もまだ新弟子なんで(笑)」

──大ベテランでしょう!(笑)。では、当日のタイトルマッチを期待しています!

『WRESTLE-1 TOUR 2017 TRIUMPH』
日時:2017年5月4日(木・祝)
開始:12:00
会場:東京・後楽園ホール大会

▼WRESTLE-1チャンピオンシップ 60分1本勝負
【第11代王者】芦野祥太郎
vs
【挑戦者】征矢学
※第11代王者2度目の防衛戦。

▼WRESTLE-1タッグチャンピオンシップ 60分1本勝負
【第8代王者組】土肥孝司/熊ゴロ―
vs
【挑戦者】河野真幸/伊藤貴則(ACE)
※第8代王者組2度目の防衛戦。

▼WRESTLE-1クルーザーディビジョンチャンピオンシップ 60分1本勝負
【第8代王者】アンディ・ウー
vs
【挑戦者】MAZADA(東京愚連隊)
※第8代王者初の防衛戦。

▼黒潮“イケメン”二郎 復帰戦 シングルマッチ
黒潮“イケメン”二郎
vs
近藤修司

▼スターダム提供試合 シングルマッチ
木村花(ACE)
vs
刀羅ナツコ(スターダム)

▼タッグマッチ
カズ・ハヤシ/藤村康平
vs
NOSAWA論外(東京愚連隊)/タナカ岩石(ACE)

▼6人タッグマッチ
稲葉大樹/吉岡世起/児玉裕輔
vs
鈴木鼓太郎(フリー)/立花誠吾(ACE)/頓所隼(ACE)

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