【インタビュー】WRESTLE-1二冠王・土肥孝司が若手の王座挑戦を希望!「ACEの連中ももっと来なさい」
2.22新宿大会でWRESTLE-1リザルト王座決定戦を制し、初代王者に輝いた土肥孝司。3.26山形大会ではジェイク・オーメン相手に初防衛にも成功した。また、3.20後楽園ホール大会では熊ゴローとのタッグでWRESTLE-1タッグ王座も奪取。勢いに乗る若き王者に現在の心境を聞いた。
――この間の3.26山形大会でジェイク・オーメン相手にWRESTLE-1リザルト王座初防衛おめでとうございます!
土肥「ありがとうございます。ただ、1カ月経って初防衛戦っていう形になったんですけど、もっと名乗りを上げてきてもいいかなと思っています。まあ、僕がもっとベルトの価値を上げていかなきゃいけないんですけど」
――もっと挑戦者に出てきてほしいと。
土肥「はい。本当にいつでもどこでも誰とでも防衛戦をやろうと思ってますんで」
――現状ではちょっと物足りないなという感じですか?
土肥「それが地方だけじゃなく、後楽園ホールでそういうシチュエーションになってもいいと思いますし。今はタッグベルトも持っているので、後楽園ではもしかしたらタッグ王座の防衛戦を毎月やることになってしまうかもしれないですけど、相手によってはリザルトも後楽園でやってもいいかなと思いますね」
――土肥選手は現在二冠王ですけど、リザルトのベルトはしっくりくるようになりましたか?
土肥「最初はおもちゃみてえなベルトだなって思いましたけど(笑)。なんのために作られたのかっていうのも僕の中では見い出せてない部分もあったんですけど、持ったら持ったで愛着も湧きますし。だから、WRESTLE-1無差別級のベルトとはもうちょっと差別化していきたいなと。僕の色に染めていきたいなと思いますね」
――何しろ初代王者ですからね。
土肥「発言権はかなり得られましたよね。それこそ試合形式とかも変えていったりとか、そういうのもちょっとおもしろいかなと思いますね。WRESTLE-1って試合形式がハードコアマッチとかやることもありますけど、そんなに多くないんで、僕がリザルトのタイトルマッチをいろいろな形式でやるとおもしろいかなと思ってます」
――チャンピオンになったことで、そういう環境を作れるということですよね。
土肥「まだ取ったばかりですけどね。ただ、ゆくゆくはリザルトのベルトとWRESTLE-1の無差別のベルトを懸けてという方向に持っていきたいですし、ACEの連中がリザルトのベルトを欲しいなら、タイトルマッチをやってもいいですけどね」
――ACEの若い人たちにも胸を貸すと。リザルトのベルトって、何か挑戦資格とかってあるんでしたっけ?
土肥「一応会社は若手活性化のためのベルトって言ってましたけど、たぶんあんなのは後付けじゃないですか(笑)。だから、僕に直接挑戦表明をしてくれれば誰でも挑戦できます。これは初代王者である僕からの発言なんで」
――挑戦資格は問わないと。
土肥「はい。ただ、『おまえは俺に絶対に勝てないだろう』っていう奴は挑戦させたくないですけどね(笑)。誰がどう見ても、『それはねえだろう……』みたいな奴はね。でもACEの連中が挑戦してきても、その心意気や姿勢があればいいんじゃないですかね」
――さらに若い人たちのために胸を貸すと。でも、このベルトを巻いたからっていうわけじゃないですけど、若手の代表格というイメージが土肥選手につきましたね。
土肥「まあ、これまでくすぶってましたからね(笑)」
――くすぶってましたか(笑)。
土肥「WRESTLE-1に来てからすぐにリアル・デスペラードに入って、好き勝手やってて、最初は良かったんですけど、やっぱり埋もれちゃうというか。リアル・デスペラードにいた人たちは一人ひとり個性が強くて、自然と僕がつなぎ役というか土台みたいな立場になっちゃってたので。そこは僕の悪いところではあるんですけど、良く言えばバランスを取ってたみたいな。自然と裏に裏にっていう感じになっちゃってたので。ただ、ああいうヒールユニットを若いうちに経験できたことはプロレス人生においてプラスになりましたね。プロレスに対する視野も広がりましたし」
――やっぱり一段ステップアップしたのって、昨年の文体で全日本プロレスとの対抗戦で秋山(準)選手とやってからですかね。
土肥「まあ、周りからもそう思われていると思うんですけど、僕は普通にあのシチュエーションで自分のやるべきことをやっただけというか。武藤さんから直接『この試合は土肥だろう』って一番最初に僕の名前を上げてくれたと聞いたんで、その期待に応えるじゃないですけど、全日本とW-1の分裂騒動があって、まったく関係ない僕が一番インパクトを残すっていうのもおもしろいかなっていう。お客さんは絶対に武藤さんと秋山さんの試合に期待していたと思うんですけど、そのあと僕と秋山さんに視点を変えられたのは良かったかなっていう。まあ、ああいう試合は得意なんで」
――ちょっと対抗戦的な感じの試合は。
土肥「あそこでインパクトを残せなかったらプロレス辞めようかなぐらいに思ってましたからね。ちょっとだけですけど(笑)」
――でも、それぐらい腹をくくって、今プロレスをやっているっていうことですよね。
土肥「僕らも若手若手って言われてますけど、キャリアは5年ぐらいになりますし、年齢的にもNEW ERAは20代と言っても後半ですから。他の団体見渡したら、20代でみんなチャンピオンになっているじゃないですか? まあ、ウチも芦野が無差別級のチャンピオンですけど、もう世代交代とかそういう定義をしている場合じゃないと思いますね」
――そういう意味では土肥選手がリザルトのベルトを持ち、若い人たちとタイトルマッチをやり続ければ、世代交代を強く印象づけることになりますよね。
土肥「だから、もっと来なさい、と。もっともっと来なさいと思っております」
――もっと来なさい!(笑)。では、こいつ来てほしいなっていう選手はいますか?
土肥「う~んあんまり……(笑)」
――いないんですか(笑)。
土肥「でも、ジェイク・オーメンのような外国人とのシングルマッチは好きなんですよね。まったくデータのない未知の外国人とのやるのはワクワクしますよね。実際、ジェイク・オーメンもこの間日本に来た時よりも動きも良かったですし、キツイ場面もあったんですけど、闘い終えて充実感はかなりありましたからね」
――タイトルマッチの反応も良かったんじゃないですか?
土肥「激しい試合だったし、お客さも満足してくれたかなと思うんですけど、やっぱり地方には届いてないかなと思いましたね。WRESTLE-1のシングルのベルトがあって、タッグのベルトがあって、クルーザーがあって、3人で巻くUWAのベルトがある。で、またシングルのベルトがあるんだと。山形のお客さんも『え、今日タイトルマッチあったの?』っていう雰囲気でしたからね。だから、もっともっとリザルトベルトを浸透させたいし、そのためにもなんでもありのベルトにしていこうかなと思ってます。2番目のベルトっていう印象がどうしてもお客さんにもレスラー内にもあると思うんですけど、本当にオリジナルな土肥孝司のベルトとしてやっていきたいですね」
――わかりました。ところで、WRESTLE-1では新人事があって、4月1日からはカズ・ハヤシ社長、近藤修司副社長という体制になります。現在チャンピオンという立場の土肥選手はどのような心境ですか?
土肥「まあ、新人事に関してはあんまり興味が(笑)。体制が変わろうが僕のやることは熱い試合をしてお客さんに喜んでもらうっていうそこの1点なので、本当に経営はがんばっていただきたいなと(笑)。でも、今のWRESTLE-1はいい感じなんじゃないですか? ベテラン軍と新世代の抗争みたいになってますけど、WRESTLE-1を良くしたいという方向に気持ちは向いていると思うんで。ただ、社長や副社長にひれ伏すようになったらおもしろくないんで、そこは僕のやり方でやっていこうかなと」
――職場で社長をぶん殴れるのはプロレスのいいところですからね(笑)。
土肥「そうですね。この前の後楽園のグーパンチで顎がめっちゃ腫れてましたね(笑)。まあ、とにかく今年はリザルトベルトとタッグベルトを1年必ず守り抜きますよ。リザルトは地方活性化もあるし、たまにはルールも変えて、おもしろい形式で試合をしたりして盛り上げていきます。この1年は会社としても僕個人としても勝負だと思いますので、今年の土肥孝司は忙しいですよ!」