【学生プロレスサミット2017直前インタビュー】学プロサミット代表・フェラナンテ・ドーデス「学プロ界はリア充の格差社会が進行している」
各大学のプロレス同好会・研究会が一同に会す『学生プロレスサミット』が、今年も2月22日に開催される。
2008年に復活した学生プロレスサミットだが、今年は記念すべき10回目となり後楽園ホールでの開催が決定!UWF関東学生プロレス連盟、SWSガクセイプロレス、日本大学プロレス研究会(NUWA)、一橋大学世界プロレスリング同盟(HWWA)の関東圏の団体に、九州産業大学プロレス研究部(KWF)を加えた5団体にて開催される。団体としては一年に一度のお祭りであり、選手としては卒業を目前にし学生プロレスラーとして最後の試合になる選手もいる。そんな彼らの生の声を聞くべく、各団体の選手にインタビューを行った。
一人目はUWF関東学生プロレス連盟(早稲田、慶応、駒沢、法政、東海、中央、東洋など)に所属し、今回の学生プロレスサミット2017にて代表を務めるフェラナンテ・ドーデス(宮入想=中央大学4年)選手に直撃した。
<フェラナンテ・ドーデス(UWF4年/中央大学))>
――今年も学生プロレスサミットが開催されますが、現時点での手応えはいかがでしょう?
「チケットの売れ行きもそうなんですけど、今の学生プロレスの一番面白い試合が第1試合から最後のメインイベントまで組めたかなという感じはするので、そういった部分で興行として跳ねるのではないかなと思いますね」
――売れ行きは好調と
「そうですね。もうひと踏ん張りして超満員にしたいとは思っています」
――昨今プロレスブームと言われていましたが、周りの大学生の友人達に手売りしてみてプロレスの認知度が上がったと実感する時はありましたか?
「『テレビで見た』とか『最近新日本プロレスの東京ドーム初めて行った』という友達もいたりして、元々学生プロレス見に来てくれている友達もいて、結構大学の友達自体はプロレスを知っている人が増えたと思いますね」
――なぜ今年は新宿FACEではなく後楽園ホールに戻って来ようと思ったのでしょうか?
「確今年で学生プロレスサミットが(2008年に)復活してから10回目。記念的な意味合いもありますし、去年新宿FACEでやって発売から一ヶ月ぐらいでチケットが売り切れてしまって『見たいけど見れなかった…』というお客さんも多かったんですね。なので今年はもっと多くのお客さんに見てもらえたらなと思って後楽園ホールにしました」
――代表は後楽園ホールで試合したことは
「2年前の学生プロレスサミットが初めてです」
――後楽園ホールと新宿FACEでのサミット両方を経験しているわけですが、違いはどこにありましたか
「会場の作り的にもそうなんですけど、FACEはライブハウスみたいな形で近い距離にお客さんがバーっと居るんですね。対して後楽園はリングに立って見ると南側の一番後ろまで見れて会場の盛り上がりもすごくて。どっちも良い会場なんですけど、やっぱり後楽園でやった時の快感は段違いですね。やっていて気持ちいいです」
――今回メインイベントは4年vs2年の後輩二人とのタッグマッチですが、なぜ継承マッチをメインにしたのでしょう
「今年カード決める時に自分が考えたのが、今の学生プロレスで一番面白いカードを組もうと思って。そういった中で今の学生プロレスで一番面白いのは、今と言ったら未来に繋がっていくことも今だし、過去を振り返って楽しむ事も今だと思うので、そういった所でダブルメインのジュニアのタイトルマッチもそうですけど、特に継承というわけではなく結果的に先輩後輩のタッグマッチになったというだけで、今の学生プロレスで一番見たいカードとか、一番面白いカードを考えた結果こういったカードになった形です」
――パートナーにDMP選手(NUWA4年)を選ばれたのも一番魅せられるからと
「そうですね。同期ですし試合もたくさん見て面白いプロレスするなと思っています。初めてタッグを組むんですけど、闘ってはきていてどんな選手かもわかるので、タッグワークもしっかりして良い試合にします」
――今までの学プロサミットに比べて、今年はあまり宣伝をしていないですがそれは何か意図があるんでしょうか
「各団体の公式Twitterとかをフォローしてくれている人は元々学生プロレスを知っている人だと思うので、選手個人だとかスタッフもですけど、大学の友達とかバイト先の友達とか、今までプロレスを知らなかった人に選手個人がどうやって発信していくかがこれから学生プロレスが盛り上がっていくために必要な事だと思っています。なので、サミットの公式HPやTwitterはあくまで材料の一つであって、それを使ってどうやって選手個人が広めていくかを今年の課題にしています」
――後輩たちに今回のサミットで一番見てほしい部分はどこでしょう
「これだけ多くの人をまとめるっていうこともそうですけど、今まで主に学生プロレスが試合をしている学祭とか地域のお祭とかとは違って、お客さんから直にお金を頂いてそのお金で会場を借りて試合をするので、そういった所で『これぐらいでいいか』とか手を抜くのは絶対に許されない。しっかりとお客さんに届けるためには、試合だけじゃなくてそれ以外の所も気を使っていかないといけないという部分を、今も自分も勉強中ですけど、三年生は人数も少ないですがそういった所の引き継ぎをしっかりしていければいいなと思います」
■サミット代表ではなくUWF代表として
――学生プロレスサミットの代表でもありながら、現在UWF関東学生プロレス連名の代表でもありますが、今のUWFはどんな団体なのでしょうか
「今一年生が例年になく多く入って6人います。雰囲気自体もいいですし、一年生に上級生が教えることで、上級生が自分の事を顧みることができてとても良い空気が出来ていますね。興行自体も一年生が増えたので今までにないカードが組めたり、試合的にもなかなか複数人のタッグマッチを組むのが難しかったんですけどできるようになり、そういった点でも幅が広がっているかなと思います」
――UWFは学生プロレスでは技術力が注目される団体ですが、その点は負けないという自負はありますか?
「自負と言うか、結構Uが最強だと言われると思うんですけど、やっぱり自分が最強だと思っていないと。自分と相手どっちが強いんだという事を見せるのがプロレスなので、学生プロレスもそこは変わらないと思っています。しっかり練習して、相手との勝負ですけどお客さんとも勝負して、面白いものを一番見せる事ができる団体はUWFだと常に思っています。UWFこそ最強です」
――各団体カラーが分かれていますが、UWFが一番強い部分はどこだと感じていますか?
「結構お祭りとか学園祭で試合することがあるんですが、他の団体と比べて一番数が多いのはうちの団体だと思います。そういった所でお客さんの目線だったりとかを意識しながら試合をすることができる部分ですね」
――代表として、一番参考にしている先輩はどなたでしょう?
「前回のサミットの代表も勤められたハス向井理さんですね。去年も一番近くで見ていたので参考にさせていただいております。色んな仕事を全部一人でやるのではなく色々な人に振り分けたりとか、誰かがパンクしないように、もしパンクしても大丈夫なように上手く運営していたと思うので非常に参考になりますね」
――ハス向井理さんは昨年インタビューさせていただきましたが、プライベートエピソードでは飯伏幸太と似たような狂気を感じました
「今年OBになられて、毎年UWFがやっている町田大道芸祭での興行に参戦してもらったんですが…会場のすぐ横にスターバックスカフェがあるんですね。スターバックスの壁がガラス張りで、その店の中で女子高生が3人コーヒーを飲んでいたんですよ。その試合で場外乱闘になった途端ガラス張りのところに行ってマスキュラーポーズなど試合そっちのけで女子高生にアピールをし続けまして(苦笑)その後Twitterで検索したら『学生プロレスの人気持ち悪かった。こっち来て嫌だった』とか書かれていて逆効果じゃん!と。結構OBになってから解き放たれて、トンパチな部分に磨きがかかっていますね」
――その部分も参考にしつつ(笑)
「そうですね(笑)メーター振り切るというか、そういった所はほんと理さん今楽しそうなんで、参考にというか一番上の人が代表をしていてツライなって顔してたら全員が代表大変そうだなって気を使っちゃったりするかもしれないので、オンとオフしっかり切り替えて下級生がのびのび出来る雰囲気を作っていけたらなと思います」
――プロレスを初めてご覧になったのはいつごろからでしょう?
「小学校高学年の時に、実家が日テレG+が映っていてNOAH中継を見ましてそこから面白いと思ってずっと見ている形です」
――初めからNOAH一択だったと
「NOAHですね。その中で金丸さんと鼓太郎さんが好きになって、全日行った時は全日見て、今新日に戻っているので見に行っています」
――世代的に『NOAHだけはガチ』という言葉が聞かれなくなった後からNOAHファンになられたと思うのですが、その論争に関しては
「NOAHの人たちが他の団体に負けたくないという気持ちが出ての言葉だと思うので、その言葉を聞いてファンの人達が『おぉ!』って言うぐらいの試合をリング上でしていると思うんですね。その言葉を疑わせない団体だったんでしょうね」
――ご自身のファイトスタイルはどの選手を参考にしているのでしょう
「入った時は今鈴木軍の金丸義信選手とか、当時全日本の鈴木鼓太郎選手が好きだったのでブルーディスティニーとかディープインパクトとか使ってるんですけど、そのあとUWFに入ってOBの人とかも試合することがあって、今まできしだくんさんとか吸いカップ健遅漏さんとかと試合していい所を盗ませてもらって今完成に近づいているかなと思います」
――技術寄りからパワー寄りを目指していると
「きしだくんさんとかリングに上がるとすごいオーラが出ていると思うので、リングの上を支配して自分のペースで自分のリズムで今ようやくプロレスができる様になったと思うので、技の一つというよりかはマットさばきを参考にさせてもらってます」
――4年間学生プロレスをやられていていかがだったでしょうか?
「4年間ですごく成長することが出来たと思います。やっぱりリングに立って、後楽園ホールでも1000人以上のお客さんだったりとか、今年学園祭でも東洋大でやった時は800人ぐらいのお客さんが来てくれて、そういったお客さんがリングで闘ってる自分を見て盛り上がってくれていたり歓声を上げてくれるっていうのは学生プロレスをやっていないと経験できない事だと思うので、ほんとに貴重な経験ができたと思います」
――もうすぐ学生プロレスを去りますが、後輩たちに一番伝えたいことは
「ベルト持ってる選手、シングルのベルトの他にタッグのベルトも今復活してチャンピオンとして見られる、求められると思うんですけど、やっぱりどっちが強いかという勝負なので、そういった所でどれだけ練習して、練習したものをリングで出して、相手と一対一で闘って倒せるかというのがプロレスだと思うので、言葉というよりかはリングの上で試合で伝えてきたと思うので、また来年度以降後輩の試合を見るのが楽しみです」
■いち学生として
――ちなみに4年生ともなると就職活動を行っていると思うのですが、今後社会人になってもプロレスを続けていきたいという思いはありますか?
「就職で地元に戻ってしまうので全然未定なんですけど、ギャル男くん興行(OBのギャル男コレクションAGときしだくんによる興行)とか現役の試合にOBが出ることもありますし、そういった時に呼んでもらえたら是非ともやりたいと思います。現時点では未定です」
――地元は
「長野です」
――信州プロレスがありますね
「就活でも「学生プロレスやってます」と言うと『信州プロレス知ってるよ』とか『信州プロレスのあの選手が』とか結構言われたので、選択肢の一つとしてあるのかなと思いますね」
――就活していたときも「学生プロレスやっています」と言っていたのですね
「全部の会社で言っていました」
――反応は良かったですか?
「そうですね、すごい食いついてもらえるか流されるかのどっちかで、食いついてもらえる時はすごい食いつかれて『必殺技何?』って聞かれて「ブルーディスティニーです」って答えたら『どういう技?』って聞かれて、面接10分ぐらいだったんですけど半分ぐらいプロレスの話してて(笑)結構年代にも寄るとは思うんですけど、40代50代ぐらいの方々は食いついてもらえました」
――盛り上がった会社は内定はほぼほぼ取れました?
「そうですね。結構早い段階で内定もらえたんですけど、盛り上がった所は感触良くて。一回一次面接でグループ面接だったんですけど「学生プロレスで今チャンピオンです」と言ったらその後ずっと『チャンプ』って呼ばれて(笑)『じゃあ次チャンプ、この質問どう?』みたいに聞かれて、それが通って、やっててよかったなとほんとに思いましたね。『次○○くん、その次○○さん、その次チャンプ』みたいな(笑)盛り上がってよかったなと思いましたね」
――同期も学生プロレスをやっていた恩恵を就職活動で受けていると思いますか?
「受けていますね。オータニとかは初めて会った時は絶対仲良くなれないと思ったんですけど、学生プロレスで揉まれてすごい今仲良しになれたんで、コミュニケーション能力的にも人間的にも成長させてもらえる場でしたね。もう一人の同期のボジョレー・女房(立正大学4年)は学校忙しすぎて単位を取るためにほぼ毎日学校に朝から晩まで居て就活ができなかったみたいで、来年一年はフリーターで頑張るって言ってました」
――ちなみにここ数年、UWFは学生プロレスのリア充化を促進していた団体でしたがご自身は
「僕は一ヶ月前に彼女が出来まして」
――リア充側にシフトしたと
「はい。でも同期の(ホテルニューハーフ)オータニとかは素人童貞ですし、学プロ界のリア充化というより格差社会が進んでいますね」
――今年度あたりから雰囲気がかつての学生プロレスに戻りつつある気がします
「そうですね。今UWFの一年生は9割方童貞なんで、僕が一年生で入った時あたりからリア充化が進攻してきて、また今年から非リア側が勢力を拡大してきた気がします。まあどっちも楽しさはあるので人それぞれで(笑)」
――サミットには彼女は
「来ると思いますね」
――彼女にどの部分を見て欲しいですか
「当日めちゃくちゃ緊張してると思うんでそれどころではないと思うんですけど、闘ってる姿というかそういったものを、普通に僕の試合じゃなくても学生プロレス自体面白いと思うので、面白いなと思って帰ってもらえたらなと思います」
――ところで今年選手紹介で昨今ないがしろにされていた『好きなAV女優』に関してしっかり書き込まれていますが
「やっぱり皆AV大好きなんで基本的に(笑)好きなAV女優で人となりが分かる部分があると思うんで、選手プロフィールは自分が好きな選手以外の選手も隅々まで見て欲しいですね」
――ちなみにご自身が好きなAV女優は
「……」
――あれ?あまりご覧になられてないですか?
「いや結構見ているんですけど迷っていて、湊 莉久とかが好きですね」
――人となり的には比較的ノーマルと
「そうですね、ノーマルだと思います(笑)」
――将来的に何かしらでコラボ出来たらなという思いはありますか?
「AVの業界に限らないですけど、やっぱり他のジャンルや他の業界の人たちとコラボすることで名前が広がったりとかすることもあると思うので、もしそういった話があれば積極的に取り組んでいきたいなと思います」
――ありがとうございました。最後に学生プロレスサミット2017への意気込みをお願いします
「学生プロレス絶対面白いと思うので、チケット代以上のものは返せると思うので是非後楽園ホールに来ていただけたらと思います」
『学生プロレスサミット2017』
日程:2017年2月22日(水)
会場:後楽園ホール
開始:18:30
▼タッグマッチ
中田ビデ(UWF1年)/おジャマッチョどれみ(SWS1年)
vs
でんぢゃらすにーちゃん(UWF1年)/北尾光司きみまろ(NUWA1年)
▼8人タッグマッチ
ボジョレー・女房(UWF4年)/ランジェリーナ・ジョリー(SWS4年)/ONAKIN(SWS2年)/レオナルド・デカディルド(SWS2年)
vs
シコリェ(HWWA3年)/シュイン・シスギ(NUWA2年)/ミラ・ショジョビッチ(HWWA2年)/ガッツ人妻(UWF1年)
▼タッグマッチ
ホテルニューハーフオータニ(UWF4年)/ディック・ズレーター(NUWA2年)
vs
ダスティ・ソーローデス(SWS4年)/亀田勃起(NUWA3年)
▼前半メインイベント シングルマッチ
三村マザファッカズ(UWF3年)
vs
馬並勃巳(NUWA4年)
▼セミファイナル
とにかくヤりたい秋山(UWF2年)/カンニングばれ山(UWF2年)
vs
達八郎(KWF3年)/MASA-TAKA∞(KWF3年)
vs
徳川yeah!ass!(SWS4年)/お尻TAJIRI蟲(SWS4年)
▼ダブルメインイベント・1~SWS認定世界Jr.ヘビー級選手権試合~
【王者】パットイッテ・フェラ(UWF3年)
vs
【挑戦者】チンポール・ロンドン(SWS3年)
▼ダブルメインイベント・2
クスリ松村(UWF2年)/ニョー・ドーリング(NUWA2年)
vs
フェラナンテ・ドーデス(UWF4年)/ダイノベンヲ・モラスペイジ(NUWA4年)