【試合結果】1・19 SEI☆ZA後楽園ホール大会 高橋奈七永vsマリアンティ・“スーパーママ”・サモウフ ユリア・ストリアレンコvsカラ・ディミトロウラ

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SEI☆ZA旗揚げ戦『チームSEI☆ZA vs 謎のエーゲ海 美猛女軍団・5対5対抗戦』
日程:2017年1月19日(木)
開演:18:45
会場:後楽園ホール
観衆:756人

▼先鋒戦 SEIZAルール 3分3R
○タバタ・ヒッチ (ブラジル)
1R 1分40秒 3本先取
●ソフィア・カルガ(ギリシャ)

▼次鋒戦 SEIZAルール 3分3R
●ラダ・マナンダー(ネパール)
2R 1分2秒 腕十字
○ヴィオレータ・カライドプル(ギリシャ)

▼中堅戦 SEIZAルール 3分3R
●ラジーナ・ビスタ(ネパール)
1R 2分12秒 3本先取
○クリスティーナ・コウスタ(ギリシャ)

▼副将戦 SEIZAルール 3分3R
○高橋奈七永(日本/SEAdLINNNG)
2R 2分31秒 3本先取
●マリアンティ・“スーパーママ”・サモウフ(ギリシャ)

▼大将戦 SEIZAルール 3分3R
○ユリア・ストリアレンコ(リトアニア)
1R 38秒 腕十字
●カラ・ディミトロウラ(ギリシャ)
※3勝2敗でチームSEIZAの勝利

新格闘技SEIZAで高橋奈七永がフォール勝ち!謎のエーゲ海 美猛女軍団はチームSEIZAに敗北

オープニング

20170119seiza_op ルールディレクターとして島田裕二がリングへ上がるがブーイングではなく拍手が起き、6人の審判員の最後にベアー福田が呼び込まれ一部からざわめきが起きる。
 正統派美少女ユニットKissBeeから谷藤海咲さん、太田和さくらさん、中山星香さん、山口瑠璃さん、大江麗菜さんの5人がラウンドガールへ。
 谷藤海咲さんからSEiZAとは何かの説明があり、選手入場式が行われた。

ここでSEIZAのルール説明へ。

【SEIZAルール概略】
●闘技場はロープ、金網なしの円形闘技場
●試合時間/3分×3R ※寝技制限=30秒
●オープンフィンガーグローブよりも厚めのSEIZA指定の掴めるグローブ着用で顔面パンチはあり。
●SEIZAオリジナルの道着着用
●アンクルサポーターは、SEIZAが用意したものに限り着用は自由
●勝敗は、相手からKOかギブアップ(タップアウト)を奪った場合、勝ちとなる。または1R中に“1ポイント”(または一本)を3ポイント(または3本)先取した場合勝ちとなる。
※KOは10カウントか、レフェリーが危険と判断して止めた場合、セコンドがタオルを投入した場合
※ポイント(一本)はラウンドが変わればリセットされゼロから新たに始まる。
※KOやギブアップ(タップアウト) で試合が決まらず、3Rフルラウンド闘った場合は、すべてのラウンドのポイント(一本)を合算し、 “ポイント” (または一本)の数が多いほうが勝ち。同ポイント(同じ本数)の場合はドロー。ジャッジによる判定はなし。

【 “1ポイント”(または一本)が与えられるのは以下の場合】
1・カラテポイント(空手技一本)=打撃で相手からダウンを奪った場合
2・ジュードーポイント(柔道技一本) =背中から綺麗に投げた場合
3・ジュウジュツポイント (柔術技一本) =関節技で相手からエスケープを奪った場合(エスケープは俵部分から手首、足首が出た場合)
4・スモーポイント(相撲技一本)=闘技場の俵部分から相手の身体の一部を押し出し、突き出し、投げ等で出した場合(自ら俵の外に出た場合も相手側にポイントが与えられる)
5・フォールポイント (フォール技一本)=3秒間相手の両肩を押さえた場合(自ら下からのガード状態になって両肩がついてる場合でもカウントを数える)
6・ブドーポイント(武道技一本)=打撃だけではなく、投げ技、スタミナ切れ、なんらかのダメージでダウンとみなされた場合は、相手方にポイントが与えられる

【禁止事項ほか】
◎一方が立って一方が寝てる状態でのキック(蹴り)、双方寝た状態でのキック(蹴り)は全面禁止。どんな局面でも踏みつけは禁止。
◎エルボー(ヒジ打ち)は、スタンド、グラウンドともに全面禁止。
◎ニー(ヒザ蹴り)は、スタンドでの頭部・顔面へのニーは禁止。 ボディへの攻撃は有効。
 両者グラウンド状態でのニーによる打撃はどんな局面でも禁止(ニー・オン・ザ・ベリーは有効)。
一方がスタンド、一方がグラウンドでもニーによる打撃は禁止。
 つまり、ニーによる打撃が許されるのはスタンドでのボディへの攻撃のみ。
◎グラウンド(パウンド)でのパンチは、頭部・顔面以外(ボディ)へのパンチは有効。顔面へのパンチは禁止。
◎脳天、後頭部をマットに叩きつける投げ技、落とし技は禁止
◎スタンドでの裏拳(バックハンドブロー)は有効。
◎道着を使っての絞め技は有効

【留意事項】
◎ポイント(一本)が決まったあとは、ブレイクしてスタンドから再開。
◎両者グラウンド状態で、ガードポジションなどで下から何も攻めずに動きが止まり、両肩がマットに着いている場合でも、フォールカウントが入れられる。下から関節技、絞め技を狙いに行く動きのなかで両肩が着いている場合はフォールカウントは入れられない

【メイク等】
◎つけまつげなど突起するもの、顔に付けるものは禁止
◎常識を逸脱するものでなければメイクは認められる
◎ワセリンはレフェリーが許可した範囲のみ認められる

第1試合

20170119seiza_1st ブラジルから来た21歳のタバタが先鋒。対するソフィアはモデルキックボクサー。
 正座し一礼からリングインし試合開始。

 タバタがワンツーもソフィアのリーチが長くなかなか中に入れない。ソフィアはワンツーもタバタはローから前に出ていく。だがタバタはそのまま押し出しスモーポイント。
 中央から再開し、タバタが必死に組み付き再度押し出しスモーポイント。
 タバタはワンツーから再度突っ込んで押し出しスモーポイント。3ポイント取得しタバタが1R勝利…かと思われたがなぜかそのまま2Rが開始され、タバタが押し出しスモーポイント。
 ここで島田レフェリーが試合終了を告げタバタの勝利。

第2試合

20170119seiza_2nd ラダはネパール出身の20歳の空手少女。対するヴィオレータは20歳の柔術使い。

 ヴィオレータが突っ込むがワンツーにローを合わせて倒すとフロントネックロック。これを突き飛ばして逃れたラダがタックルで押し出そうとするが、これを切ったヴィオレータ。だがラダは押し出そうとするも、体勢を変えて押し混み合い。これをワンツーで一度距離を取ったヴィオレータにラダはハイキック。だがこれでバランスを崩したラダをヴィオレータがマウントからフォールも1。そのままマウントになったヴィオレータだったが、グラウンドは30秒までのためこれはスタンドへ。

 ヴィオレータのミドルキックをキャッチしたラダがクリンチから押し出そうとするが、土俵際で耐えたヴィオレータがラダを上手投げで押し出しスモーポイント奪取。

 ラダは突っ込んで押し出しスモーポイント奪取。

 お互いワンツーからミドルキックの相撃ち。組み合いヴィオレータが潰してグラウンドへ。サイドポジションで潰していくがこれは30秒経過しブレイク。ここで1R終了。

 2R、お互いストレートの打ち合いからヴィオレータが前に出て左右のストレート。ラダはタックルで押し出しスモーポイント奪取。

 ラダがワンツー。ヴィオレータはワンツーからミドルキック。ラダは組み合い押し出そうとするが、ヴィオレータは膝をつき耐えるとそのままグラウンドに引き込み腕ひしぎ。これでラダがギブアップし1本勝利。

第3試合

20170119seiza_3rd ネパール出身17歳の空手少女ラジーナは自撮りの達人。対するは空手とキックボクシングを得意とするストライカーのクリスティーナ。

 クリスティーナが前に出てミドルキックとワンツーで押し込み、下がったラジーナがリング外に出てしまいクリスティーナがスモーポイント奪取。

 ラジーナが前に出るが、そのままクリスティーナが押し倒しグラウンドへ。クリスティーナはフォールも2。ラジーナは身をよじってリング外に出るが、これはグラウンドから場外に出たのでスモーポイントにならずブレイク。

 クリスティーナがパンチで前に出ると、ラジーナが後転してしまい、そのまま回転し場外に出てしまいクリスティーナがスモーポイント奪取。

 クリスティーナがパンチで押し込んでいくとラジーナが場外に出てしまい、クリスティーナにスモーポイント。

 クリスティーナが前に出るとラジーナがクリンチ。そのまま後方に倒れてリング外に出るが、これはスモーポイントにならずブレイク。

 クリスティーナはパンチで前に出て、ラジーナは下がって場外に出てしまいこれはクリスティーナにスモーポイント。これでクリスティーナの勝利となった。
 

第4試合

20170119seiza_4th 女子プロレスラーでありラウェイ王者の高橋奈七永が登場。セコンドには世志琥と南月たいようがつく。対するマリアンティは49歳で堀田祐美子と同じ歳であると紹介される。

 奈七永が左ジャブも、マリアンティが右フック連打。奈七永は組み付き首相撲からグラウンドへ。ガードポジションから奈七永がフォールしようとするが、マリアンティは腕ひしぎを狙う、これを回転して逃れた奈七永にマリアンティはフロントネックロック。奈七永はタックルで潰すが、これは30秒経過しブレイク。

 奈七永がワンツーから右ストレート。膝を連打し右フックも、マリアンティがヘッドロック。そのまま引き込んで倒すが、奈七永が抜けてサイドポジション。マリアンティは腕ひしぎを狙うが、奈七永はそのまま持ち上げようとするが、マリアンティはなかなか上がらず、30秒経過しブレイク。

 奈七永がワンツーで前に出るが、マリアンティは道着を掴む。奈七永は膝蹴り連打から上手投げを狙うが、これはマリアンティが座り込み耐えてグラウンドへ。奈七永は距離を取りスタンドを要求。
 奈七永が前に出るとマリアンティが組み付きグラウンドへ。ここで1R終了。

 2R、奈七永が左右のストレートも、ガードしたマリアンティが前に出る。奈七永はローも、マリアンティはワンツーで前に出てヘッドロックから場外に投げようとするが、耐えた奈七永を潰しグラウンドへ。マリアンティは亀になった奈七永にスリーパーを狙うも、30秒経過しブレイク。

 奈七永は前蹴りもマリアンティはキャッチし場外に投げ捨てようとするが、もつれてグラウンドへ。これは一度立ち上がりスタンドへ。マリアンティが左右のストレートで押し出すが、これはグラウンドから場外に出たということでスモーポイントにはならず。

 奈七永は腰投げで倒し柔道ポイント奪取。
 マリアンティは左右のストレートを顔面に叩き込んでいき、奈七永はクリンチから押し出し奈七永がスモーポイント奪取。

 マリアンティはクリンチからもつれてグラウンドへ。奈七永がフォールし3カウント。これで3ポイント奪取し勝利。

第5試合

20170119seiza_5th 柔術のユリアと空手のカラの対決。大将戦のみルール変更となり、ポイント無制限に。フルラウンドになった場合ポイントが多いほうが勝利。

 ユリアのローニからが合わせる。カラが左右のストレート。左右のストレートを連射し近寄らせないカラ。ユリアが組み付き引き込み式腕ひしぎ。これでカラはギブアップ。

 これにより3勝2敗でチームSEIZAの勝利。

 次回大会が5月11日に後楽園ホールで行われることが発表され、改めてチームSEIZAがリング上へ。勝利者賞としてメダルと記念品が贈呈された。

<試合後コメント>
謎のエーゲ海 美猛女軍団
――今回SEIZAという新しい競技をやってみて如何でしょうか
クリスティーナ「掴んだり殴ったりするコンビネーションがすごく楽しかった。これが女性の格闘技を盛り上げる要素になっていけば良いと思う」

ヴィオレータ「グラウンドに30秒制限があったのが良かった。その間に色々と動けるから、どの瞬間にも且つチャンスが有る。殴ったりするのは初めてだったし、試合をフルでやるのも初めての経験だったけど、こういうことを重ねていって自分の経験となるから、その初めての舞台がSEIZAでよかったと思う。この日本で、そしてこのSEIZAで試合が出来たことは自分にとって大きなプラスになると思っている」

カラ「SEIZAで戦ったことはすごく大きな経験になった。自分に試合に関して言えば、対戦相手との体重差がとてもあったのでやりにくい部分はあった。それを言い訳をしているつもりはなくて、そういった戦いをすることで自分のミスだったり足りないところを改善していくチャンスと捉えている。私のファイティングスタイルはスタンドでの打撃をメインとするもので、相手はそれを知った上でグラウンドに持ち込んだ。このSEIZAというルールでとても楽しく試合をさせてもらったが、今後小さなルール変更などはあると思う。SEIZAは今後もっと大きくなっていくと思うし、また将来SEIZAで試合をしたいと思っている。このSEIZAにはとても感謝している」

――試合の感想と対戦相手の印象を教えてください
ソフィア「SEIZAはものすごく素敵なリングだった。競技自体が組織的にまとまっていて、格闘技においてのおとぎ話のようだった。しかし、私の場合、自分が勝つためにルールを使い切ることができなかった。負けた瞬間は、コーチたちの方を見て、初めて自分は負けたんだと認識した。カラがさっき言っていたけど、ルールの修正はあると思うけど、私にとっては大将戦のように場外に出ても試合を続行できるスタイルの方がやりやすい。最後に全体の感想を言うなら、日本に来て、このチームで戦えたことを光栄に思うし、またこういった形で一緒に戦えたらと思う。WKNのトップであるコスタに感謝をしたい。SEIZAに関しても感謝をしたい。とても素敵なイベントでした。日本もとても素敵だと思います。アリガトウゴザイマシタ!」

マリアンティ「すごく相手は強かった。だが、勝てない相手ではなかった。高橋奈七永の方が体格は勝っていたが、またやりたい。リングの上では敵対していたが、リングの外に出た瞬間に私たちは友だちになった。今度はギリシャで、ギリシャの正式なMMAルールで戦いたいと思う。SEIZAで戦えたことをとても感謝している。私も年齢が年齢なので、今後現役を続けていくかどうかの判断をしながら継続的に参戦していきたい。加えて、49歳の私にこうして戦いの場を与えてくれたことに感謝したい。他の同じ歳の女性たちにとってのロールモデルになれたら良いなと思う。そして、日本のことがとても好きで、日本の方もとても親切なので、私は日本に恋しています。オモテナシの精神をありがとうございます」

――マリアンティ選手にお聞きしますが、プロレスラーとしての高橋奈七永選手のどのようなところに強さを感じましたか
マリアンティ「技術がどうとかではなく、彼女の方が体格で勝っていたことが大きい」

――(マリアンティ選手へ)お子さんは何人いらっしゃるんですか?
マリアンティ「20歳の娘と17歳の娘がいる。一人で育てているの。自分がその子供達の手本となれるように頑張っている」

――(マリアンティ選手へ)MMAでの戦績を教えていただけますか
マリアンティ「3勝2敗です」

チームSEIZA
――今日の試合の感想をお願いします
ラジーナ「初めての経験だったので、緊張しました。小さいポイントで私は負けてしまった。是非またリベンジしたい。そのときには頑張りたい。アリガトウゴザイマス!」

ラダ「すごくいい試合でした。関節技で私は負けてしまったけど、次の試合までにもっと訓練をして、次は絶対勝ちたいと思う」

ユリア「私が予想したとおりの結果になった。この試合が始まる前から、SEIZAチームとギリシャチームが二点ずつ獲って、私が最後に決めることになるという予感があったので、そのようになっても緊張はなかった。試合結果自体も私の予想通りのものになった。相手がとても強いキックボクサーだというのは知っているので、もし彼女が望むのであれば、次は立ったままで相手とキックボクシングで戦うことも辞さない。私はそれだけ私のキックボクシングにも自信を持っている。でも、私自身はグラウンドのほうが得意なので、今回の試合ではどこかのタイミングで相手を掴んで地面に引きずり込むことを狙っていた。サブミッションで終わらせることは宣言していたし、実際そのようになった。しかし、今日の相手はとても強かったし、こうして試合をしてくれたことに大きな感謝をしたい。アリガトウゴザイマシタ!」

タバタ「元々SEIZAが始まるまではすごく楽しみだったが、色々プロモーションが始まってもっともっと楽しみになって、試合前になってから会場の様子を見たりしたらとてもやる気が湧いてきた。実際にリングに立ったら、私は勝てると確信し、相手をリングの外へ出そう外へ出そうということに集中していました。アリガトウゴザイマシタ!」

高橋「まずは、このSEIZA旗揚げという大事な機会に私に声をかけて頂きチャンスを与えてくれたことに非常に感謝しています。プロレスラーらしく3カウントで勝つということは宣言していましたが、狙いに行ったというよりは勝ちに行った結果、最後が3カウントで終わるという非常にプロレスらしい結果で終われてよかったと思います。晴れて5月に2回目が決まったということで、また私にお声がかかるかはわかりませんが、もし機会をいただけるなら今日より強いファイトができればと思っています。ありがとうございました!」

――格闘家としてSEIZAルールで面白い、興味を惹かれたというポイントはありますか
ラジーナ「すごく全体的に試合が楽しかったし、自分にとっていい経験になりました」

ユリア「私にとっては特に新しさを感じるものではなかった。空手をやっていたときに、触れたことのあるキャンポ空手のスタイルがSEIZAのルールに似ていた。そこでは18歳のときに一度世界チャンピオンになった。そのときには柔術を全く知らなかったし、キックボクシングしか知らなかった。そのルールではグローブが相手を掴むことが出来るものだったので、そこから転がしたり出来た。そして私は5年半前からブラジリアン柔術の鍛錬をしている。キックボクシング、キャンポ空手、柔術のルールが合わさっているSEIZAルールは私にとってはパーフェクトなものだと感じている。アリガトウゴザイマシタ」

タバタ「SEIZAルールはとても面白いので、SEIZAはこれからどんどん大きくなっていくと思う。そして全員女性の戦いであるということが私にとっては嬉しいことと思っている。これからSEIZAが大きくなっていけば、色々な女性格闘家が参戦してくると思うので、非常に楽しみです。アリガトウゴザイマシタ」

高橋「初めてのルールということで、禁止事項も細かくあったりとか、ポイントになるものも、あれは良いのか、これは良いのかと考えながらやっていたのですが、これがもっと見ているお客さんにも浸透して、自分たちの体にも浸透したらもっと面白くなるなと思いますね。マウントパンチがないとか、致命傷を負わせるものがないというのは武道の精神を反映しているものなのかなと思うと、自分にとっては新鮮で、プロレスとは違ったものですし、勉強させられるものはあります。このルールは自分が全日本女子プロレスから培ってきたもので勝負できるルールだったので、すごく面白かったです」

――(高橋へ)最終的な勝因は何だったと思いますか
高橋「本当はもっとパンチを出してKOしたかったんですけど、時間が経つにつれて絶対に負けたくないという気持ちが強くなっていったので、最終的には気持ちだと思います。逆に相手はどんどんレベルが下がっていったというか、ゲームで言うなら時間が経つにつれてどんどんスコアが下がっていく感じの印象を受けたので、気持ちで勝った気がしました」

――(高橋へ)SEIZAからプロレスへ持って帰れそうな精神、技術、経験などはありますか
高橋「こういう試合は特に……特定の日に向けてみんなが鍛錬を積んでやっていくというものがあるので、そこに向かっていく気持ち……今日も最後気持ちで勝ったと言いましたけど、そういう気持ちが大きくなっていくのかなと思いました。プロレスは結構試合が多いので、そうは行かない部分もあるんですけど、底に向かって突き詰めていく精神力というのは、プロレスでももっとあったら良いのかなと思いました」

――(高橋へ)最後の押さえ込み技は全女でよく見られるものでしたが
高橋「うーん……どうなんでしょうね……自分も記憶が曖昧なんですけど、押さえ込みにも色々な形があるんですけど、無理やり抑え込んだというよりは、相手が力尽きた感じがします。意地です。ハイ」

――(高橋へ)では、決まり手は「全女固め」でよろしいでしょうか
高橋「じゃあ、全女固めで……(笑)」

――ラウェイ、SEIZAで勝利したわけですが、今後格闘技やMMAへの興味は湧きましたでしょうか
高橋「また2月にもラウェイが決まっているので、まずはそこにまた勝利してじゃないとその先はないと思っているので、一戦一戦を落とさないようにというのを大きく考えています。それで、違う世界で自分が活躍することで、そこで得たものをプロレスに持ち帰りたい……プロレスラー・高橋奈七永の生き様を見せていきたいというのがあるので、一戦一戦を落とせないというか……」

――今日試合を終えられて、皆さん故国へ帰られるのですか
ユリア「まだわからない」
ラジーナ「しばらく日本にいて、トレーニングしたいな」

山口日昇代表総括

20170119seiza_yamaguti「初めての戦いということで、何から何まで初物尽くしで、僕もイベントは結構経験してるつもりなんですけど、まあ、今までで一番緊張したし、ドキドキ感は今までと角度が違う感じがしました。第一試合が終わって、「ああ……やってしまったなぁ……」というかですね、この先ないかなとですね、この先地獄へ引き戻されるような感覚を味わったのですが、第二試合で実績なしのラダが思いの外頑張ってですね、負けはしましたけど第三試合につなげてくれて、18歳のラジーナも実戦経験ない割には頑張ったんじゃないかなと思いますね。いわゆる、従来の格闘技やプロレスとは違う風景をどれだけ作り出せるかというのが今回のテーマで、色々な国から多種多様な人種が集まってきて、その多様性の中で武道という統一性、一貫性といった相矛盾するものが同居するコンテンツをどう転がしていくかがテーマだったんですけども、当然みなさんがご覧になって分かるように、反省点もたくさんありますし、思ったように進まなかったところもありますし、穴があったら入りたいなというところもイベントの中で多々あったんですけども、まあなんとか、次の大会に繋げられたかなと感じていますね。一昔前の格闘技界みたいに、知名度のある選手を引っ張り合って、引き抜き合戦したりだとか、既成の選手を使ってお客さんを入れるというスタイルでなく、無名だろうがなんだろうがなんだろうが原石を見つけてきて、磨いてお客さんに出すという作業を、この業界は怠っていると思うので、なんとかそのきっかけに……偉そうな言い方ですけど、そのきっかけになればと。今回は高橋奈七永選手以外は全員知名度ゼロの選手なので、その中でこれだけのお客さんが集まってくれて、これだけの声援をいただけたというのは、一筋の光が見えたのかなという感じがします」

――ルールについて「ここを変えたい」というポイントはありますか
「スモーポイントはちょっとアレですね(笑)どうしたらいいですかね?」

――巌流島ルールを援用すると言った形が良いのかと……
「実は、あのリングは巌流島のリングよりも円が1メートル小さいんです。女子というのもあって。本当は巌流島のリングを借りる予定だったんですけど、ホールのエレベーターのリフトに乗らないということが発覚しまして……それが判明したのが年末で、至急年が明けてから新造したという。暫定ですけどね。鉄骨を組むとものすごく高いんですけど、土俵のように四角の中に円を描く形だとお値段がぐぐっと下がりますからね」

――今後もどこかの国の選手と対抗戦という形を取るのですか
「そうですね。先程アナウンスも合った通り、世界各国からやりたいやりたいという声を頂いていて。僕らもデータとしては写真と身長・体重くらいしかないんですけど、結構皆さんいい加減で(笑)今日第三試合に出たクリスティーナ・コウスタは15歳というのは知っていたんですけど、最初身長は165cmって言ってたのに、いざ来てみたら10cmくらい高かったというね(笑)これは困ったなぁと言った感じなんですけど、情報戦という意味では知らない者同士で戦ったほうが面白いかなとは思うので、格闘技やプロレスが普及していない国から、若くて、まだ誰にも知られていない原石を掘り出していって、磨ききったところでどこかに引き抜かれる……という運命なのかなと(笑)資金力はないですからね。まあ、でもそれでいいと思ってるんですよ。たとえばユリアなんかは何戦かしていけば総合格闘技の方から声がかかるレベルの選手だと思いますし、SEIZAを卒業して、どこか他のリングで活動するのもいいと思います。僕らはMMAに吸収されるのではなく、日本発の『武道』というキーワードを世界に広めていくことが目的なので、多少は格闘技ファンからぬるいとか、総合ルールのほうがいいんじゃないかと言われたとしても、その『武道』というキーワードを発信することを第一に考えていければなと」

――SEIZAというのは「正座」と「星座」をかけているんですか
「そうですね、かけています。正座をして、謙虚な気持ちで星を獲りに行こうという意味があります。……今思いつきましたけど(笑)」

――次回以降、高橋奈七永選手や、他の女子プロレスラーの参戦は考えていますか
「僕の本心としては、知名度に頼らなくても良い、10代の女の子を育てていければと思っています。奈七永選手もずっとSEIZAのルールで試合をするわけにも行かないでしょうからね。本業はプロレスラーですから。でも、見事3カウントが入って格闘技の試合の中で3カウントが入るというのは史上初だと思うので、やっぱ、やれば入るんだなというのを証明できましたし。一回3カウントを取れば、SEIZAのルールの中では勝ちになりますからね。押さえ込みっていう勝負の中でのドラマが生まれたという感じもしますし。まあ、プロレスラーや総合格闘家といった、知名度に頼らないものにしていきたいなと思っています。次は奈七永選手でなく、世志琥に出てきて欲しいかな(笑)」

――育成系とありますが、今後ユーザーがどのような形で関わっていくのでしょうか
「WEBやSNSで半年くらい前に来日したときからの生活を綴っていて、最初四人だったのが急遽一人帰国したりだとか。本来ならば今日試合するはずだったオーストラリアのプロレスラーが突如「私は格闘技よりもプロレスのほうが向いている」といって帰国してしまった。そういった色々な出来事、ドラマを都度発信していく。WEBだけではないんですけど、いろいろなことをやっていきたいと思っていますが、何分資金がかかることなので、今の我々で責任が取れることをやっていきたいなと思っています。ルールとか、今日見た感想だとかもどんどんWEBの方で書き込んでいただいて、変更すべきところは変更していく。従来の純粋な格闘技ではありえないことだと思うんですけど、今日も急遽大将戦ではルールも変えましたし、そこは柔軟に、出来たてなんで固まらずに行けたらなと思います。リングの形や大きさもそうですし、コスチュームなども。ファンが付いてくればどんなことでも。こちらが一方的に押し付けるだけではなく、レスポンスを反映して、ファンとお互いに成長していければと思っています。僕も今回は、ラダとかラジーナとか、全然レベルはまだまだなんですけど、やっぱ見ていくと応援したくなりますし、お客さんも入れるものである以上、いかにお客さんが感情移入できるかということが大切だと思います。ファンがタニマチみたいなものですね」

――今日の試合はネットにアップされるという形でしょうか
「放送局名はまだ具体的には言えないのですが、ネット放送局と、U局と、専門チャンネルなどでの放送を予定しています。今月中だとかの早い話ではなくて、次の大会に向けて3月とかに放送できればと。基本的には1年2年のスパンで選手を育ててどんどん試合をしていく予定ですので、またどんどん強くなっていくでしょうし、挫折も経験するでしょうし、最高峰だったり最強を目指すだけではなくて、彼女たちの物語だとか哲学だとかを伝えていければなと思っています。まあ、格闘技なんですけど、見せ方としてはプロレスに近いのかなと思っています」

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