【試合結果】1・4 新日本プロレス東京ドーム大会 【IWGPヘビー】オカダ・カズチカvsケニー・オメガ 【IWGPジュニア】KUSHIDAvs高橋ヒロム 【NEVER】柴田勝頼vs後藤洋央紀

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『戦国炎舞 -KIZNA- Presents WRESTLE KINGDOM 11 in 東京ドーム』
日時:2017年1月4日(水)
開始:17:00
会場:東京・東京ドーム
観衆:26,192人

▼第0試合 1分時間差バトルロイヤル~ニュージャパンランボー~時間無制限(14選手参加)
【退場順】BONE SOLDIER→ビリー・ガン→小林邦昭→中西学→獣神サンダー・ライガー→タイガーマスク→ヨシタツ→永田裕志→田口隆祐→ヒロ斉藤→スコット・ノートン→天山広吉
○マイケル・エルガン
25分13秒 エルガンボム→エビ固め
●チーズバーガー(ROH)

▼テレビアニメ「タイガーマスクW」スペシャルマッチ 30分1本勝負
○タイガーマスクW
6分34秒 変形タイガードライバー→エビ固め
●タイガー・ザ・ダーク(GWM)

▼IWGP Jr.タッグ選手権試合 60分1本勝負
【王者組/THE YOUNG BUCKS】ニック・ジャクソン/●マット・ジャクソン
12分57秒 十字架固め
【挑戦者組/「SJTT2016優勝組」/ROPPONGI VICE】○ロッキー・ロメロ/バレッタ
※第48代王者組が3度目の防衛に失敗。六本木ヴァイスが新チャンピオンとなる。

▼NEVER無差別級6人タッグ選手権試合 ガントレットマッチ 60分1本勝負
<一本目>
【挑戦者組/BULLET CLUB】バッドラック・ファレ/○高橋裕二郎/ハングマン・ペイジ
7分30秒 ピンプジュース→片エビ固め
【挑戦者組/CHAOS】●邪道/YOSHI-HASHI/ウィル・オスプレイ

<二本目>
【挑戦者組/BULLET CLUB】バッドラック・ファレ/●高橋裕二郎/ハングマン・ペイジ
2分6秒 Skull End
【挑戦者組/LOS INGOBERNABLES de JAPON】BUSHI/○“キング・オブ・ダークネス”EVIL/○SANADA

<三本目>
【王者組】●小島聡/リコシェ/デビッド・フィンレー
6分30秒 EVIL→体固め
【挑戦者組/LOS INGOBERNABLES de JAPON】BUSHI/○“キング・オブ・ダークネス”EVIL/SANADA
※第8代王者組が二度目の防衛に失敗。BUSHI&EVIL&SANADAが第9代王者組へ

▼スペシャルシングルマッチ 30分1本勝負
●ジュース・ロビンソン
9分37秒  クロスローズ→片エビ固め
[BULLET CLUB]○Cody

▼ROH世界選手権試合 60分1本勝負
【王者/reDRagon】●カイル・オライリー(ROH)
10分14秒 ラスト・ショット→体固め
【挑戦者/BULLET CLUB】○アダム・コール
※アダムが新王者へ

▼IWGPタッグ選手権試合 3WAYマッチ60分1本勝負
【王者組/GUERRILLAS OF DESTINY】タマ・トンガ/●タンガ・ロア
12分24秒 横入り式エビ固め
【挑戦者組/CHAOS】○矢野通/石井智宏
※もう一組は【挑戦者組/WORLD TAG LEAGUE 2016 優勝チーム/G・B・H】真壁刀義/本間朋晃
※第72代王者組が2度目の防衛に失敗。矢野通&石井智宏が第73代王者組へ

▼IWGP Jr.ヘビー級選手権試合 60分1本勝負
【王者】●KUSHIDA
16分15秒 TIME BOMB→片エビ固め
【挑戦者/LOS INGOBERNABLES de JAPON】○高橋ヒロム
※第75代王者が初防衛に失敗。高橋ヒロムが第76代王者へ

▼NEVER無差別級選手権試合 60分1本勝負
【王者】●柴田勝頼
16分17秒 GTR→片エビ固め
【挑戦者/CHAOS】○後藤洋央紀
※第14代王者が初防衛に失敗。後藤洋央紀が第15代王者へ

▼IWGPインターコンチネンタル選手権試合 60分1本勝負
【王者/LOS INGOBERNABLES de JAPON】○内藤哲也
25分25秒 デスティーノ→片エビ固め
【挑戦者】●棚橋弘至
※第15代王者が2度目の防衛に成功

▼IWGPヘビー級選手権試合 60分1本勝負
【王者/CHAOS】○オカダ・カズチカ
46分45秒 レインメーカー→エビ固め
【挑戦者/G1 CLIMAX 26優勝者/BULLET CLUB】●ケニー・オメガ
※第65代王者が2度目の防衛に成功

オカダが46分の死闘の末ケニーから王座防衛!内藤が棚橋を倒し一つの時代を終焉へ!タイガーマスクWがタイガー・ザ・ダークと対決!

第0試合

20170104njpw_0th
 1分の時間差で次々選手が入場してくるランブル戦。
第1入場者は眼窩底骨折で欠場していたエルガン。これが復帰戦となる。次に入場してきたのはビリー・ガン。
 ロックアップから一度離してビリーがガットショットからヘッドロック。ビリーはショルダータックルも受け止めたエルガンが走るよう指示。お互いショルダータックルのぶつかり合いからエルボーの打ち合い。エルガンがラリアットからコーナーに叩き込む。

 ここで第3入場者のBONE SOLDIERが登場。エルガンがビリーにOTRを狙うが、耐えたビリーにエルボー。BONEが二人に地獄突き連発もビリーがナックルで倒す。
 ビリーがBONEを羽交い締めにしてエルガンがエルボー。エルガンが羽交い締めにしてビリーがエルボー。BONEがリンチにあうが、ここでチーズバーガーが入場。

 チーズバーガーはビリーにソバットから顔面を蹴り上げ、BONEにもトーキックから走り込むが、BONEはチーズバーガーをレフェリーに突き飛ばし走り込むが、チーズバーガーはロープをたゆませBONEを落下させる。BONEは失格。

 ビリーはエルガンとチーズバーガーにナックル。ここでライガーが入場。
ビリーはチーズバーガーを落下させようとするが、耐えたチーズバーガーがリングに戻るとエルガンがビリーを落下させようとする。ライガーはチーズバーガーと手を組み走り込むが、ビリーとエルガンはふっ飛ばし、ビリーがエルガンをコーナーに振り串刺しボディスプラッシュ。ビリーはトーキックからランニングニーも、エルガンは避けてローリングラリアットからラリアットでビリーを場外に落下させる。ビリーは失格。

 ライガーとチーズバーガーがエルガンにストンピング。ここで小林邦昭が登場。ライガーが来いと要求。小林がソバットからロックアップ。ライガーが突き飛ばすも小林がショルダータックル。小林は走り込むがライガーはアームホイップ。ライガーは走り込むも小林はスピンキックで迎撃。
 小林はフィッシャーマンスープレックスホールドも2。小林はライガーのマスクを剥ごうとするが、ここで4代目タイガーマスクが入場。

 タイガーが小林にミドルキック連打。走り込むも小林はスピンキックで迎撃しタイガーのマスクをはごうとする。これはライガーがカットし、ライガーに首投げからライガーのマスクに手をかけるが、タイガーがカット。タイガーは横十字固めで小林から3カウント。小林は失格。

 中西が登場すると、タイガーとライガーがチーズバーガーを中西に走らせ、中西は次々野人ハンマー。エルガンは受け切るが、中西はスピアーで倒す。
 野人ダンスから中西がチーズバーガー、ライガー、タイガーにラリアット。さらにエルガンにラリアットも、受けきったエルガンとラリアットの相打ち。お互いダウン。そこをチーズバーガーがフォールも2。ライガーとタイガーがストンピング。ここで田口が入場。

 田口とライガーが中西を捕らえて、田口がスワンダイブヒップアタック。4人でフォールも中西は返す。エルガンが載って5人でフォールし中西は失格。
 田口をコーナに振ってタイガーが串刺し攻撃からライガーが掌底。ライガーは田口にロメロスペシャルも、タイガーがライガーをフォールし3カウント。ライガーは失格。ライガーはタイガーと揉める。田口がヒップアタックでタイガーを倒し、そこをライガーが手伝いフォールし3カウント。

 ヨシタツが入場し、田口とともにエルガンにストンピング。田口がチーズバーガーにブレーンバスター。エルガンはヨシタツにエルボーも、ヨシタツはコーナーに叩きつけてストンピング。田口はチーズバーガーにエビ固めもチーズバーガーはロープへ。田口はチーズバーガーにヒップアタック。ここで永田裕志が入場。

 田口が永田にヒップアタックから投げようとするが、永田がナガタロック。だがヨシタツがカット。ヨシタツは永田にエルボー。エルボー合戦から永田がニー連打。永田はビッグブーツも避けたヨシタツがミドルキック連打で倒す。ヨシタツはペディグリーを狙うが、永田はリバース。ここで天山が入場。

 永田はヨシタツにタイナーからエクスプロイダー。フォールし3カウント。ヨシタツは失格。

 田口と永田がロックアップ。エルガンがチーズバーガーにエルボー。天山は永田にハンマーからヘッドバッド。永田と天山がエルボー合戦から天山がハンマー。天山はサミングも、注意されると田口が天山にハンマーからヒップアタック。田口はモンゴリアン式ヒップアタックから永田にヒップアタック。永田は避けてフロントネックロック。永田は田口の尻を蹴りつける。ここでヒロ斉藤が入場。

 永田が天山位にミドルキック連発も、天山がキャッチし背後から斎藤がハンマー。斎藤と天山が連携攻撃から斎藤がセントーン。フォールし3カウント。永田は失格。スコット・ノートンが登場し、会場から大歓声。

 田口は天山にトーキックから斎藤をコーナーに振る。田口はノートンにヒップアタックも、ノートンは受け切りチョップからラリアット。田口は避けてバックを取るが、ノートンはバックエルボーからトーキック。さらに超竜ボムで叩きつけて3カウント。

 エルガンが次々ラリアットも、nWoのメンバーでリンチ。エルガンをコーナーに振り、トレイン攻撃を狙うが、エルガンが避けるも斎藤が羽交い締めに。だが天山の攻撃が誤爆し、エルガンが斎藤にラリアットからフォールし3カウント。斎藤は失格。

 エルガンは走り込んできたノートンをショルダースルーでOTRさせる。
 天山はエルガンにモンゴリアンチョップ連発からブレーンバスターを狙うが、エルガンが逆にブレーンバスターを狙う。だがチーズバーガーが助けに入り、天山とともにエルガンをロープに振るが、エルガンはチーズバーガーをキャッチし天山に投げ捨てる。
 エルガンはラリアットで天山を場外に叩き出し失格させる。

 エルガンはラリアットも、避けたチーズバーガーがエルボー連打。エルガンは突き飛ばすがチーズバーガーはエルボー連打。エルガンが強烈なエルボーを叩き込み、チーズバーガーは大の字に倒れる。
 エルガンは強引に引き起こし、エルガンボムを狙うが、暴れて着地したチーズバーガーがラリアットも交わしてスーパーキックから担ごうとするが、エルガンがリバースするもチーズバーガーが丸め込む。ここを強引に担ぎ上げたエルガンがコーナーに叩きつけてからエルガンボム。これで3カウント。
 エルガンが復帰戦を勝利で飾った。

<試合後コメント>
小林邦明
――まずはこの世界最高峰と言ってもいい東京ドームリング、いかがでしたか?
「近年ニュージャパンランボーって入ってたんですけど、なかなかこう上がるって意欲湧かなくて、去年に出て、盛り上がってそれで出てもいいかなと思って。それでOKしたんですね。昨日ちょっと足を痛めちゃって、思うように動けなかった。点数としては50点かな」

――今、50点とご自身で採点されましたが来年も出たいなという気持ちは湧いてきますか?
「5000万出たら。わかんないよ(笑)今日みたいなああいう試合はもう見せられない。なんかさっきメールが来て中々やれてたって。全然そんなことないと思うんだけど」

――新日本の若いレスラーたちとも肌を合わせてみて、今の新日本に対して感じることはありますか
「やっぱりレベルは高いですよね。今日も人数が結構多いんで、第0試合出てる選手もセミとかメインとっても全然おかしくない。動ける選手が多くて。私はもう無理って感じがしましたね」

――4代目ですがタイガーマスク選手ともリングの上で対峙しましたが、その点についてはいかがですか
「そうですね、意識して出すことはね、覆面をね、とっちまえばよかったですね。でもタイガーマスクの方が湧きましたよね。ライガーよりタイガーマスクが」

――引退試合はライガー選手とやられていましたが、そういったところで思い返すところはありますか
「もうね、17年くらい前ですか。ライガーのときはね、指名だったんですよ。僕は違う人指名したんですけど」

――小林選手は第一回の初の東京ドームに出場されていますが。89年……
「89年……」

――はい。しかもライガー選手のデビュー戦でした
「10年くらい前?」

――いえ、もう27年前
「そんな前?じゃあライガー何年やってるんでしょうね」

――年齢不詳ですから。そういう相手がリングにいたってどうですか
「いやー、いいことですね。みんな、近年、同い歳の人とかがね不幸続きっていうのもあって、このまえ永源さんとかね。ガクッとしたんですよ。色んな古い選手とかヒロ斉藤とか頑張ってて、自分も力づけられてる。そろそろね、片足どころか両足棺桶に入ってるようなもんなんで」

マイケル・エルガン
――まずは復帰戦が東京ドームから久しぶりにリングに帰ってきたわけですけど、今日のこの感覚・感想はいかがですか
「今の気分は最高かと言われたら嘘になる。なぜなら、本来ならば自分はIWGPのチャンピオンシップで出場したかったからだ。今日ここで内藤が棚橋と試合をするということについても自分は納得がいっていない。ここは自分がしっかりと勝ってチャンピオンを獲りたかった。ただ、このニュージャパンランブルで勝てたという事実については嬉しく思っている。2017年、自分はしっかりと復帰して、もちろんIWGPのヘビー級、インターコンチネンタル両方に挑戦したいと思っている」

――怪我から復帰してコンディションは完全に戻っているのか
「怪我の状態は良くなっている。ただ、骨を摘出した股関節の部分でまだ感覚がない部分が残っているので、100%と言うと嘘になるが、治っていると言っていいと思う。そしてここ数ヶ月練習しているときも今日試合しているときも素晴らしい気分だったので、復帰に向けて準備万端と言ったところだ」

――今日このあと、IWGP、インターコンチネンタル両方試合が行われるが、どんな気持ちで2つのマッチを見届けますか
「難しい質問だけども、自分自身はチャンスを取り上げられたという気持ちでいる。今日のインターコンチネンタルも、自分が試合をするチャンスが有ったにも関わらず取り上げられた。G-1に関しても自分が挑戦権を獲得出来たはずだったのにそれすらも出来ていない。なので、実際にこの試合を今日会場で見ること、それは自分の中でとても苦い、苦しい思いが湧き上がってくるだろう。とはいえ、どちらに関してもどちらか片方どちらか両方かは分からないが、どちらの勝者に関しても2017年に関しては自分と対峙しなければならないということを、彼らに覚えておいてほしい」

――2017年まずニュージャパンランブル復帰戦で良い結果が残せたと思います。今後の展望について何かありますか
「まあ一番初めに満足していないと言ったことで自分自身が今ハッピーではないというふうに理解したかもしれないが、今日の結果については嬉しかったと思う。獣神サンダーライガー、タイガーマスク、ビリー・ガンといったレジェンドと一緒にリングに上がれたことも光栄で嬉しかった。ただ、なにをしても満足というものは長くは続かない。自分自身はもっとこれ以上のものを手にするに値するレスラーだと思っている。それを残念ながら怪我が今年は取り上げてしまった。ただ、2017年に向けての目標というものはさらにクリアになったと思う。もちろんIWGPコンチネンタルにも挑戦するし、ヘビー級の方も戦っていきたいと思っている。そして日本の中で伝説を残すつもりだ」

――難しい質問だとは思うがインターコンチネンタルとヘビー級、まずはインターコンチネンタルという気持ちが強いですか
「その2つどちらかと言われれば、IWGPインターコンチネンタルのほうが自分にとっては優先順位が高い。なぜならば内藤とまだ終わっていない仕事、これを完了させなければならないと思っているからだ。そして家族も待っている。時間が限られている中で自分がまず取らなければならないのはインターコンチネンタルだろう。なぜなら自分自身が初めて獲得したタイトルでもあるから、それを取り返すことが大事だ」

――かつてエルガン選手と同じようなパワーファイターでIWGPヘビー級チャンピオンまで上り詰めたスコット・ノートン選手と肌を合わせた感想は
「それは大変大きな光栄な事実である。今日自分自身が一緒にスコット・ノートン選手とリングに上がるとわかったときは大変嬉しかった なぜならば自分自身が彼らを見て育ってきた。そして彼らのような存在、そしてハルク・ホーガンなどレジェンドと言えるファイターたちに憧れてここまでこれたので彼と一緒にリングに上がれたというのは、自分自身にとっては何事にも変えられないことだと思った。今日起こったことというのは優勝も嬉しいし、インターコンチネンタルもヘビー級もこれから試合を見なければならないということは辛いが 今日一日は特別な一日として記憶に残ると思う」

スコット・ノートン
――久しぶりの新日本のリングでの戦いでしたが、感想・感覚などは如何でしたか?
「アドレナリンが吹き出してくるのが自分でもわかった。自分自身にとってもすごくまたwさらに戻ってこれたことが大きな経験になったと思うし、とても嬉しかった。新日本ではたくさん試合をして活躍させてもらったけど、習慣に間違いを犯してしまって、もしもっと新日本のリングに長く上がれたら良かったと今は思っているが、そのような思いがある中で、自分の入場曲を聞いて盛り上がってくれるファンを目の当たりにしたこと、それは自分にとってもすごく嬉しかった」

――同じリングの中ではかつての仲間が多かったと思うのですが、何か言葉は交わしましたか
「最高の気分でした。新日本には才能にあふれる素晴らしいファイターたちが沢山いて、その中で自分もリングをシェアできたこと、そして昔の仲間達と一緒にまた同じようなレベルで試合を出来たことはすごく嬉しかった。なんとなく過去の自分に戻ったような思いもした・このようなチャンスを貰ったことをすごく感謝しているし、そのリングの中でパワーボムを決めたり、自分自身も投げられたりもしたけれど、そういうすべてが自分自身を作り上げているということを再び思い出させてくれたと思う。これが自分であるということを力強く確認した。これがリアルなんだということを再確認できてすごく嬉しい」

――かつてはIWGPのベルトを巻いて新日本で戦っていたが、今スコット・ノートン選手にとって今の新日本はどう目に映るか
「『良い』という一言ではなく、『素晴らしい』団体になっていると思う。それは新日本という団体が時間をかけて努力してきた結果だと思う。もちろんずっと才能あるレスラーたちがいて素晴らしい試合を繰り広げていたと思うし、そういうところすべてを尊敬しているけれども、今は若い世代も出てきて、彼らの父親を自分走っている時代になってきた。そういった中で若い世代もしっかりとその才能を受け継いで試合を出来ているということが素晴らしいと思う。そして才能だけでなくパワーもある選手たちがいる。私たちの時代も才能ある素晴らしい人たちがいて、素晴らしい一時代を繰り広げられたと思うので、今の新日本も自分がいた当時と同じくらいのレベルに近づいているのではないかと思う。そしてやはりこの新日本の素晴らしいところは、その年代関わらず必ず最高の、そして才能溢れた素晴らしいレスラーたちを輩出できているという事実だと思う」

――ノートン選手を新日本プロレスに呼んだ マサ斎藤さんが今病気と戦っています。現在の彼のことをご存知ですか?
「彼は本当に男の中の男だと思う。彼こそが自分にチャンスと支援を与えてくれた人物で、彼がいなければ今の自分は存在しないと思っている。新日本に自分が初参戦したときは、腕相撲のバックグラウンドをしていたときは既に30歳になっていて、レスラーとしては大分年を取っていた。そんな自分を日本に呼んで、自分が必ず支えてやると声をかけてくれたのが、マサ斉藤だった。彼ほど素晴らしい人間はこの業界にはいないと思っている。今でも彼以上の人物はいないと思う。自分が怪我をしても頑張ってこれたのも彼のおかげだったと思っている。二頭筋や三頭筋と、体中の筋肉と節々を炒めながらもがんばれたのは、彼が『もしお前が頑張るんだったら、俺はそれ以上に頑張ってみせる』と言ってくれたことがすごく大きかったと思う。そして、その言葉がその一つ一つに嘘がないというのが彼の素晴らしいところで、彼ほどこの業界で正直な人はいないと思う」

第1試合

20170104njpw_1st
 昨年の10.10両国大会で衝撃デビューしたタイガーマスクWが、今度は東京ドームに登場! 今回の相手はライバルのタイガー・ザ・ダーク。浅黒い肌に真っ黒な長髪のダーク。三森すずこさんが高岡春奈ばりにコールを行う。

 アームホイップの応酬からドロップキックの打ち合い。ダークはエルボーを打ち込み、タイガーを逆コーナーに振ろうとするが、ダークがドロップキックでタイガーを場外に追いやったダークは、半捻りを加えたノータッチプランチャを投下。リングに戻ったダークは串刺し式のローリングラリアットを叩き込むが、カウンターのドロップキックでダークを場外に追いやったタイガーは天を指差すと、三角跳びケブラーダを発射。
 リングに戻ったタイガーはソバットで倒してその場飛びムーンサルト。しかし剣山で迎撃したダークはダークネスドライバーを狙うが、タイガーが踏ん張るとダークネスホールドに捕らえる。そこからダークはダークネスドライバーを狙うが、タイガーも体勢を入れ替える。だが、ダークは再び体勢を戻してダークネスドライバーで叩き付ける。
 カウント2で返したタイガーにダークはタイガードライバーを狙う。しかし背後に回ったタイガーはジャーマンで投げ捨てると、続けてタイガースープレックス。カウント2で体勢が崩れると、タイガーはシットダウン・ラストライドで叩き付けて3カウント。

第2試合

20170104njpw_2nd SJTT2016で優勝したROPPONGI VICEがヤングバックスの持つIWGPジュニアタッグ王座に挑戦する一戦。世界各国のタッグベルトを総ナメにしているヤングバックスは、それぞれ4本のベルトを携えて入場。そのベルトを掲げて挑発していくヤングバックスに対して、エルボーで奇襲攻撃を仕掛けていったROPPONGI VICE。

 串刺し攻撃を同時に決めると、ヘルズ・ブルドーザー。場外にエスケープしたヤングバックスは「やってられないぜ」とばかりに花道を引き返していく。追いかけていったROPPONGI VICEだが、スーパーキックで迎撃したヤングバックスは走ってリングに戻っていく。場外カウントが進む中、足元がおぼつかないROPPONGI VICEだったが、辛くもカウント19でリング内に滑り込む。

 しかしヤングバックスはバレッタをダブルのショルダースルーで投げ飛ばすと、ニックがバレッタをエプロンに出してからスーパーキック。続けてロメロにはゼロ戦キック。マットとはバレッタに馬乗りナックルをお見舞いすると、両手を掴んで無理矢理「Su●k It!」ポーズをさせる。これをカットしたロメロが逆に「Su●k It!」ポーズで挑発すると、バレッタがヤングバックスの二人を場外に追いやる。だが、素早くリングに戻ったヤングバックスはバレッタを抱え上げてコーナーに投げつけるとサンドイッチ攻撃。これをかわしたバレッタは、さらに同士討ちを誘い込むとロメロにタッチ。

 スワンダイブ式クロスボディーからコルバタで投げたロメロは、蹴り脚をキャッチされてもジャンピングソバット。さらにヤングバックスの二人に串刺しラリアットを連打してからダブルラリアットでなぎ倒す。スライスブレッドをツームストンパイルドライバーで切り返そうとしたニックだが、これをコルバタで切り返してマットに投げつけたロメロは、バレッタと同時ジャンピングニー。そこからロメロがトペを発射すると、バレッタがニックをアルゼンチン・バックブリーカーで担ぎ上げる。そこにロメロがスワンダイブ式ニードロップで合体。続けてバレッタがデュードバスターを狙うが、マットがミサイルキックでカット。ヤングバックスはロメロに雪崩式の合体攻撃を狙ったが、これはロメロが辛くもカット。逆にバレッタが背後から飛び付き、マットを雪崩式ジャーマンで投げ捨てる。

 場外にエスケープしたヤングバックスだが、バレッタがノータッチトペコンを発射。しかし、これはかわされて自爆。リングに戻ったヤングバックスはダブルのスーパーキックを狙ったが、うまくかわしたロメロは二人同時にウラカンで投げていく。だが、追撃しようとしたロメロにダブルのスーパーキックを叩き込んだヤングバックス。マットのターンバックル・パワーボムにニックが延髄斬りを合わせると、さらにマットがロメロの両足を持ってロープにぶら下げたところに、ニックが450°スプラッシュを投下。それでも立ち上がるロメロだが、ヤングバックスはそこにダブルのスーパーキック。ならばとMORE BANG FOR YOUR BUCK!!を狙ったが、バレッタがコーナーからダイブしようとするニックの足をつかんでいる間に、ロメロがマットを十字架固めで丸め込んで3カウント。ROPPONGI VICEがIWGPジュニアタッグ王座を奪還してみせた。

<試合後コメント>
ROPPONGI VICE
ロメロ「あけましておめでとう!こんにちは!ホニャニャチハ!ROPPONGI VICE!!三回目のチャンピオンになった。2016年は難しい、自分たちにとってつらい一年となったが、2017年のこの最初の試合でベルトを獲り、最高のスタートを切ることが出来た!」
バレッタ「自分たちが世界最強のタッグチームを倒した。イコール、自分たちが最強。自分たちが最強のタッグチームを倒したから、世界最強に今日なったんだ。IWGP世界ジュニアタッグ選手権優勝!」(バレッタは医務室へ)自分はさっきも言ったとおり、三回チャンピオンになった。ロッキー・ロメロ、そしてバレッタ。この二人が、ROPPONGI VICEこそが最強だ!次にどのような敵が訪れても俺たちはかまわない。次の敵がオーランドか、ニューヨークか、テネシーか、日本か……どこから来ても構わない。なぜなら自分たちが世界最強だから、自分たちは必ず勝ってみせる。なので誰が来ても構わない。1・2・3、ナカスゾ!シバクゾ!ROPPONGI VICEサイコウ!!」

第3試合

20170104njpw_3rd 本隊がNEVER6人タッグ王者、そこにCHAOS、BULLET CLUB、ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポンの3ユニットから挑戦者チームとして参戦するガントレットマッチ。
 まず入場してきたのは妖艶なセクシー美女を4人も従えたBULLET CLUB。その対戦相手として登場したのはCHAOS。いきなり邪道とオスプレイを場外に追いやると、ファレがYOSHI-HASHIに串刺し攻撃を狙ったが、かわしたYOSHI-HASHIが逆に串刺しラリアット。しかしファレはいきなりグラネードの体勢に。これを振り切ったYOSHI-HASHIはカチ上げ式のラリアットでファレの巨体をなぎ倒す。怒ったファレは背後から裕二郎が捕まえたYOSHI-HASHIをラリアットで場外に叩き落とす。さらにペイジがビッグブーツを叩き込んでからリングに戻すと、裕二郎がレッグドロップ。そこにペイジが入ってきてトレイン攻撃から、飛び付き式高角度DDT。ブレーンバスターを狙ったペイジにバンカーバスターを逆に決めたYOSHI-HASHIはオスプレイにタッチ。
 エプロンからジャンプして両足でペイジを捕まえたオスプレイは、うまくペイジを場外に出すとサスケ・スペシャル1号を発射。さらにリングに戻ってきたペイジにグラウディング・シューティングスターを決めると、ムーンサルトムーンサルト。一発目をかわされても続けて投下したオスプレイは、コーナーに飛び乗ってカンクーントルネード。さらにスクリューキックからRKOを狙ったが、これを防御したペイジはラリアットで吹っ飛ばす。さらに裕二郎が入ってきて合体攻撃を狙うが、オーバーヘッドキックで二人まとめて吹っ飛ばしたオスプレイはYOSHI-HASHIにタッチ。
 串刺しラリアットからヘッドハンターを裕二郎に決めると、間髪入れず邪道がクロスフェース・オブ・JADO。だが、これはファレがカット。そしてオスプレイを場外に追いやったペイジがエプロンからシューティングスターアタック。その間に裕二郎が邪道にピンプジュースを決めて3カウント。

 ここで3チーム目としてロスインゴ・ベルナブレス・デ・ハポンが登場。SANADAと裕二郎の先発で試合が始まると思いきや、背後からペイジがSANADAに襲いかかる。ダブルの攻撃をSANADAを倒すと、ファレがジャンピング・ボディプレス。しかしSANADAは合体攻撃を狙った裕二郎をレフェリーに叩き付ける。そこにBUSHIがスウェーニョを決めると、突進してきたファレに対しトップロープを下げてうまく場外に追いやってからトペを発射。その間にEVILが裕二郎にマンモスホームラン。続けてSANADAがSkull Endを決めてギブアップを奪った。

 最後に王者チームの本隊が登場。花道を歩いている本隊に襲いかかったロスインゴだが、リングに上がったリコシェはSANADAをコルバタで投げていくと、フィンレーとノータッチトペコンを同時発射。リングに戻った本隊はSANADAを集中攻撃。しかしSANADAもコーナーに登ったフィンレーの足をつかんで引きずり落とすと、タッチを受けたBUSHIがTシャツを使ってチョーク攻撃。フィンレーもジャンピングラリアットを返してリコシェにタッチ。619から三角跳びケブラーダ→かわされて着地→エプロンからスワンダイブ式ラリアット→飛び付いてきたBUSHIにぶっこ抜きブレーンバスターと流れるように技を決めてロスインゴの三人を蹴散らしていく。さらに小島がEVILにマシンガンチョップ。カットに入ろうとしたSANADAにもマシンガンチョップを叩き込むと、EVILに行っちゃうぞエルボーを狙ったが、これはSANADAが阻止。ロスインゴは三人がかりの攻撃からEVILがEVILを狙ったが、小島はDDTで切り返す。さらにフィンレーとリコシェが合体攻撃でSANADAを蹴散らすが、EVILがポップアップしたリコシェにBUSHIがエムエックス。さらにSANADAがフィンレーをスワンダイブ式ミサイルキックで蹴散らす。孤軍奮闘の小島はEVILにコジコジカッターを決めると、腕のサポーターを外してラリアットを狙う。EVILがブロックするが、小島はレフトハンドラリアット。SANADAがカットに入るが、垂直落下式ブレーンバスターで叩き付けた小島はEVILにもう一度ラリアットを狙う。これをレフェリーにしがみついて阻止したEVIL。その間にBUSHIが小島にブラックミストを噴射。すかさずEVILはダークネスフォールで叩き付けるが、どうにかカウント2で返した小島。しかしEVILは間髪入れずEVILを決めて3カウント。ロスインゴがNEVER6人タッグ王座を奪取してみせた。

<試合後コメント>
BUSHI&EVIL&SANADA
BUSHI「全く思い入れのないベルト……NEVER6人タッグ。誰か興味ありますか?いつでも、誰でも、いい。挑戦してこいよ。かかってこい。このベルトに興味があるやつならいつでも良いよ。誰でも良い。俺ら三人の実力を試すのにちょうどいいベルトだよ。まあこのベルトに関して言えばね、これから俺達の次のステップになるためだけのベルト。俺はIWGPジュニアを目指している以上、このベルトを踏み台に実績にして必ずたどり着いてみせようと思っている。いつでも良いよ、このベルトに興味があるんだったら、いつでも受けるぜ。エンセリオ!マ・ジ・で!」
EVIL「このベルトは、当たり前の結果だ。いいか、こんなベルト当たり前のように取れるんだ。そして俺らはこのリングの頂きを、Everything!!ぶんどってやる。そして今年は、このEVILのEvolution、進化を見せてやる。よーく聞いておけ。THIS!! IS!! EVILL!! Everything!!! IS!! EVIL... 全ては……そして、全てが!!EVILだ……!!!」

第4試合

20170104njpw_4th 元WWEスーパースターのコーディ・ローデスが、CodyのリングネームでBULLET CLUBの新メンバーとして新日本プロレスに参戦。背中にアメリカ国旗が描かれたライダースジャケットを羽織り、赤と白のロングタイツ姿で入場したCody。

 アームホイップでジュースを場外に投げ捨てたCodyはコーナーに飛び乗ってプランチャ。しかし真正面からガッチリとキャッチしてみせたジュースはフロントスープレックスで投げ捨てた。さらに鉄柵の下で座り込むCodyに、キャノンボール・セントーンを決めたジュースはリングに戻って南部式ナックル。だが、アラバマスラムで叩き付けたCodyはサミングからのストンピングと荒っぽい攻撃で反撃。そしてバレットポーズからヘッドロックパンチを見舞ったCodyは、スワンダイブ式ミサイルキック。倒れているジュールを頬杖をつきながら見つめたCodyはニヤリと笑うと張り手を見舞ってグロッキー状態のジュースを挑発。

 ムッとした表情で詰め寄るジュースだが、ヒザに低空ドロップキックを見舞ったCodyはロープへ。しかしカウンターのスピンキックを叩き込んだジュースは、ナックルと逆水平チョップを交互に叩き込んでからドロップキック。さらに串刺しラリアットからネックブリーカーのようなジャンピング・ラリアット。山折りでカウント2まで追い込んだジュースはブレーンバスターを狙ったが、背後に着地したCodyはヒザ裏にエルボー。ジュースもCodyの串刺し攻撃を止めると、不意を突いたナックル。そしてコーナーにのぼってダイビング・クロスボディー。だが、さらに回転したCodyはアメリカン・ナイトメア。辛くもロープを掴んだジュースだが、ニヤリと笑ったCodyはエプロンに出たジュースをコーナーに叩き付けてからディザスターキック。さらにリング内にDDTで叩き付けたCodyはクロスローズの体勢に。
 だが、うまく逃れたジュースは全体重を浴びせたラリアット。パワーボムを狙ったジュースだが、ヒザのダメージが大きく断念。それでもジュースはパルプフリクションを狙ったが、Codyはギリギリのところでクロスローズで切り返して逆に3カウント。新日本デビューを見事な白星で飾ってみせたCodyは退場口となっていたベンチの屋根に登り、満員のスタンド席のファンに向かって勝利をアピールしてみせた。

<試合後コメント>
Cody
――東京ドームの雰囲気はいかがでしたか?
「この試合というのは自分にとってもすごく大事なものだった。なぜならばドームで試合をするというのがとても重要な事だから。SNSでも何度も言ったかもしれないけど、レッスルマニア、レッスルキングダムと、ドーム規模の大会に出場できたということは自分にとってすごく大きなことで、今日の東京ドームは特に電気が走るようなすごく激しい試合ができたし、この試合に勝てた事をすごく光栄に思っている」

――大観衆の中で勝利を収めてインパクトを残したが、新日本でどのような選手になっていきたいですか?
「今の質問の中でアピールできたということがあったが、私の答えが含まれていた。私の父が昔から言っていたことが、ビッグショーに出ることが大切なことではなくビッグイベントで勝利をあげることが大切だと言われていた。そのアピールできたという事実もあったと思うし、このリングに入ってから記者会見場に来る間でもこれから新日本と自分は長い関係性が築けるのではないかと思っている」

――ジュース・ロビンソンは同じ師匠を持つ選手だが何か通じるものは感じましたか?
「質問にあったとおり同じ指導者を持つということで同じバックグラウンドがあるのが共通点。自分自身もそうだがWWEを退団して新日本に来たという共通点もある。そして、良い人振りたくて良いことを言うのではないが、ジュース・ロビンソンは日本に来て道場で一から初めて今何万人の前でパフォーマンスをすることが出来る素晴らしいレスラーになった。自分にとっても嬉しいことで、彼はこれからドンドンどのプロモーションにも関わらず、ビッグマッチが出来るレスラーになっていくと確信している。そして自分自身が父親という大きな存在、指導者という大きな存在をいつも近くに感じて試合をしているが、同じ思いを持ってリングに上がっている選手と対峙できて今日は嬉しく思っている。そして私の方からありがとうとお礼を述べたい。お礼の言葉というのは新日本、BULLET CLUB、日本に呼んでくれた皆さんに感謝を述べたい。次のレッスルキングダムにも出場できるように頑張りたい」

ジュース・ロビンソン
「まずはじめに新日本を応援してくれる、自分を応援してくれている全ての人に大好きだと自分の愛を伝えたい。この一年半、自分を信頼して応援してくれた皆さんが居てくれたからこそここまで成長することができた。2015年ん9月、アメリカからこちらに渡ってきて、ヤングライオンとして一から努力をしてきた。皆さんのサポートがあったからこそ自分自身が想像していた以上に大きく成長することが出来たと思う。そして自分が持っているこの新日本への信頼と尊敬という気持ちは永遠に自分の心にあり続けるだろう。そして今回コーディー・ローズと試合ができて、この試合を自分自身が求め、与えてくれて、自分自身がやりたかったこと全てを実現させてくれたのに勝つことができなかったのが一番悔しい。ただ今日はCodyがいい日を迎えたというだけだと思ってるが、敗退して4万人を前にリングを降りなければならないツライ気持ちは今言葉にするのはとても難しい。ただここで止まらず、2017年必ずG1に出れるようにこれからも努力していくつもりだ。とりあえず試合が終わったので冷たいビールを飲みたいと思う。ありがとう」

第5試合

20170104njpw_5th カイル・オライリーの持つROH世界王座にアダム・コールが挑戦する一戦。握手を求めたコールは、オライリーが応じたところに髪の毛を振り乱し、汗を顔面に飛ばしていく。

 ムッとしたオライリーは開始早々腕十字からショルダーアームブリーカー。さらにアピールするコールの背後から飛び付いてスリーパーに捉える。どうにか振り解いたコールは、コーナーに登ろうとしたオライリーを場外に突き落として、ようやく「アダム・コールBAY・BAY!」とアピールしてみせたコール。そこからコールは場外に出てオライリーの左腕と鉄柱がサンドイッチになるようにイス攻撃。

 左腕を抑えながらリングに戻ったオライリーは、どうにか蹴りで反撃すると串刺しジャンピングエルボー。さらにバックドロップで投げた状態から流れるようにアキレス腱固めを決めていく。ロープに逃れたコールだが、ローキックとロープを掴んだ腕を下から蹴り上げていったオライリーは、ローキックでコールにヒザをつかせると顔面にヒザを叩き込む。コールもカウンターのバイシクルキックからラストショットを決めていくとエルボー。オライリーもコールの髪の毛を掴んでエルボーの打ちあいに持ち込むと、お互いにフロントキックを放って何度も相打ちに。先に立ち上がったオライリーは、川田利明ばりのステップキックから三沢光晴ばりのエルボー。そこから垂直落下式ブレーンバスターを決めると、コールがキックアウトした瞬間を狙っての腕十字。だが、コールは上体を起こし、オライリーの顔面を踏みつけて脱出。「アダム・コールBAY・BAY!」からブレーンバスターを狙ったが、背後に着地したオライリーは投げ捨てジャーマン。だが、返す刀でコールもスタンディングのシャイニング・ウィザード。続けて後頭部へのシャイニング・ウィザードから再びラストショット。コールのスーパーキックをキャッチしてアンクルホールドで切り返したオライリーだが、コールはうまく逃れるとスーパーキック3連発から、後頭部にダメ押しのスーパーキックを叩き込んでからのラストショットで3カウント。因縁対決でオライリーに勝利したコールが、日本でROH世界王座を奪取してみせた。

<試合後コメント>
アダム・コール
「カイル・オライリーと自分の物語は2009年まで遡る。自分達は10年近く前からライバル同士だった。当時から新日本の舞台は夢の舞台だった。その中でも、一年の中で最大と言われるレッスルキングダムで一対一で対戦するというのはとても自分にとってシュールな出来事だ。夢に思っていたことが実現できたのですごいことだけど、ライバル同士だった頃から比べるとたくさんのことが変わった。自分はROH歴代最強のレスラーである。これは事実。なぜなら3回目のベルトを獲得したからだ。しかも歴代最年少の。しかしまだ若いということでピークにも達していない。自分の旅、プロレスラーとしての旅路は始まったばかり。カイルは二回目のチャンピオンに自分に勝ってなったことで自分が特別な存在だと勘違いしたかもしれないが、俺は三回目のベルト獲得に成功した。それもこのレッスルキングダムという大舞台で。とても光栄なことだし、今自分が新しい歴史を作ったと思っている」

――まだまだ自分のピークが来ていないということだが、今後のROHと新日本での展望を
「毎年毎年自分が設定している目標というのは自分自身、前年の自分を超えてみせるということで、今年は早速叶ったと思っている。ROHのベルトというのは北米最大のベルトであるけども、それを3回も20代なかばでとることができた。ROHの中では私に敵うファイターは誰もいない。これからもROHをより特別なものにするために頑張っていくつもりだが、新日本という舞台で自分がどれだけの事を出来るかを試してみたいと思っている。新日本にはとても特別で才能溢れたレスラー達が集まっているが、その中で自分がどれだけのことが出来るが、そして自分自身が新日本を征服できるかを試してみたいと思っている」

第6試合

20170104njpw_6th 当初はWORLD TAG LEAGUE 2016優勝チームのG.B.HがGUERRILLAS OF DESTINYの持つIWGPタッグ王座に挑戦する予定だったが、自らが“X”となった矢野通はWORLD TAG LEAGUEの優勝トロフィーとIWGPタッグのベルトを強奪し、石井とのタッグで強引にタイトルマッチに割り込むことに成功。

 GUERRILLAS OF DESTINYは場外で矢野に奇襲攻撃を仕掛けると、リングに矢野を上げてG.B.Hと一緒にストンピング。そこからGUERRILLAS OF DESTINYがG.B.Hをエルボーで蹴散らしてから矢野に合体攻撃。本間もタンガに小こけしを狙ったが、これはかわされて自爆。タンガがオクラホマスタンピートで叩き付けると、矢野が光の速度でコーナーカバーを外し、剥き出しになった金具に本間を投げつける。さらに石井がブレーンバスターで投げると、矢野が入ってくるが、本間がエルボー。すると矢野はタマにタッチ。

 タマのエルボーをかわしてタンガに誤爆させた本間は、タマをブレーンバスターで投げていく。だが、矢野が入ってきてタッチを阻止。ならばと本間は矢野をコーナーの金具に投げつけてから真壁にタッチ。タンガをパワースラムで叩き付けた真壁は石井、矢野、タマ、タンガの順に串刺しラリアット。さらに矢野&石井にスピアーを決めるが、GUERRILLAS OF DESTINYが襲いかかる。しかし真壁はショートレンジラリアットで蹴散らすと、本間と串刺しラリアットを同時に決めてから、コーナーでの馬乗りナックル、ダブルリストアームサルトを決めていく。タマもボディブローとニーリフトで反撃すると、真壁のラリアットをかわしてヴェレノ。ならばと本間がタンガにダブルチョップから串刺しジャンピングエルボー、フェースクラッシャー、そして小こけしをヒットさせる。だが、ビッグブーツを返したタンガは強引にパワーボムで投げ捨てる。本間はギリギリで着地してみせたが、そこに石井が走り込んできてラリアット。タンガが石井をドロップキックで蹴散らすが、矢野が入ってくる。だが、矢野の串刺し攻撃をかわして石井をランサルセでコーナーに叩き付けると、タマが石井に串刺しジャンピング・ラリアット。さらに本間にタンガのパワーボムと決めると同時にタマがジャンピング・ネックブリーカー。
 真壁が入ってくるが、GUERRILLAS OF DESTINYは合体攻撃を狙う。しかし真壁はダブルラリアットで吹っ飛ばすと、タンガに本間とのサンドイッチ・ラリアットからラリアット。さらに本間がこけしロケットでブチ当たってから真壁がパワーボム。そこに本間がこけしを投下すると、これがクリーンヒットしたが、カウント2で石井がカット。思わず満員の観客からため息が漏れたが、本間は石井にこけしロケットを決めると、タマのガンスタンを防御してこけしロケット。だが、タマはこれをガンスタンで切り返すと、真壁にはマジックキラー。ダウンしている本間を抱き起こしたGUERRILLAS OF DESTINYはトドメのマジックキラーを狙ったが、足をバタつかせて逃れた本間。しかしタンガがスパインバスターで叩き付け、石井にダブルのブレーンバスターを狙う。ところが、その背後から矢野はGUERRILLAS OF DESTINYの二人に絶妙な急所攻撃。そのままタンガを丸め込んで3カウント!
 まさしく妙技でIWGPタッグを奪取した矢野は、ベルトと一緒にWORLD TAG LEAGUEの優勝トロフィーも持ち去り、満面の笑みで「ヤノ・トウ・ルー!」と叫んでみせた。

<試合後コメント>
矢野通&石井智宏
矢野「フハハハハアハハハハ!ハイ!ハイ!ハイ!皆さんの予想通り!戦前の予想通り!ある、べき、場所に!ある、べき、ものが!しっかりと!4つも!戻ってきま~したッ、ハイ!」

第7試合

20170104njpw_7th 海外武者修行から凱旋した高橋広夢改め高橋ヒロムは、昨年12.19にKUSHIDAを襲撃するとロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン入り。爆発音と共にステージ上からポップアップして登場したヒロムは、背中に「TIME BOMB」と書かれた毛皮を羽織り、凱旋したときに着ていたスタジャンを肩に入場。カメラに向かって不適な表情でアピールしてみせる。
 一方のKUSHIDAがステージ上に立つと、背後のスクリーンではまるでタイムスリップするかのように、新日本ジュニアとしてKUSHIDAの軌跡が次々と映し出されていく。

 リングインしたKUSHIDAがコーナーに登ってアピールしているところを背後から突き飛ばしていったヒロムはコーナーへ。だが、エプロンに上がったKUSHIDAは倒立キックで逆にヒロムを場外に蹴落とすと、コーナーからトペ・コンヒーロを発射。
 リングに戻ったKUSHIDAはヒロムの左腕をロックしてからボディスラム。さらにアームホイップからそのままキーロックへ。そこから対角線にホイップしたKUSHIDAだが、スライディングで場外に出たヒロム。KUSHIDAもすぐにスライディングで場外に出て行くが、素早くリングに戻ったヒロムはエプロンのKUSHIDAに回転エビ固めの要領で飛び付き、場外に着地すると引きずり降ろすようにパワーボム。場外に後頭部を叩き付けられたKUSHIDAは、苦しそうな表情でどうにかリングに戻るが、ヒロムは「どうしたオラ」と挑発しながら踏みつける。立ち上がったKUSHIDAだが、その後頭部にスーパーキックを叩き込んだヒロムはファイアーマンキャリー。ロープを掴んで必死に逃れたKUSHIDAは、コンプリート・ショットでヒロムの顔面をコーナーに叩き付けると、アームホイップから今度は側転して顔面への低空ドロップキック。左腕へのキックからハンドスプリングエルボーを決めたKUSHIDAは、ホバーボードロックを狙ったが、ヒロムはジャーマンで切り返す。さらにその場でロールスルーしてもう一度ジャーマンで投げたヒロム。
 立ち上がろうとするKUSHIDAの背後からハサミワザを狙ったヒロムだが、ロープに激突したKUSHIDAは朦朧としながら場外にエスケープ。ならばとヒロムはCMLL時代から使用としている場外で立っている相手へのダイビング・セントーン・スイシーダ。そしてKUSHIDAをリングに戻したヒロムは、ダイビング式厳鬼を決めていく。KUSHIDAも追撃しようとするヒロムにオーバーヘッドキックを叩き込む。ヒロムはKUSHIDAをエプロンに追いやると、もう一度回転エビ固めの要領で飛び付いて、場外へのパワーボムを狙ったが、KUSHIDAは自らバック転して着地。なばらとヒロムはエプロンからセントーンでダイブしていくが、KUSHIDAは空中でヒロムの左腕をキャッチして腕十字へ。
 カウント18でリングに戻ったKUSHIDAは、かなりダメージがありそうなヒロムの左腕を蹴り飛ばす。蹴り脚をキャッチしたヒロムだが、張り手を見舞ったKUSHIDA。そこから左腕へミドルキックを叩き込み、四つん這いになったヒロムの左腕を蹴り上げると、一気にホバーボードロックへ。首のフックを外してみせたヒロムは必死にロープに手を伸ばすが、なかなか届かない。KUSHIDAは回転して中央に戻そうとするが、ヒロムは逆にTIME BOMBを狙う。これを丸め込みで切り返したKUSHIDAはもう一度ホバーボードロックを狙う。だが、必死に踏ん張るヒロム。エルボーを叩き込んだヒロムは、マサヒロ・タナカを狙ったKUSHIDAにカウンターのエルボー。だが、返す刀でKUSHIDAもマサヒロ・タナカ。ダブルダウン状態から先に立ち上がったKUSHIDAがダッシュ。ヒロムはカウンターのフロントスープレックスでコーナーに叩き付けると、KUSHIDAをコーナーに乗せるが、KUSHIDAはコーナーの上でアームロック。だが、ヒロムは雪崩式フランケンと思わせておいて、コーナートップで瞬間的に後ろを向くと、何と雪崩式カサドーラを決めていく。カウント2で返したKUSHIDAだが、ヒロムはファイアーマンキャリーの体勢からコーナーにダッシュして叩き付けると、そこからTIME BOMBを決めて3カウント!
 凱旋試合でいきなりジュニアの至宝を奪取したヒロムはベルトをペロリと舐めると、嬉しそうに抱きかかえながら引き上げていく。これでロスインゴはNEVER6人タッグに続く王座奪取となった。

<試合後コメント>
高橋ヒロム
「笑いが止まんないよ、笑いが止まんないよ。最高だよ。夢にまで見た瞬間だよ。幸せだよ。俺は本当に幸せものだ。最高だよ。それ以外に、言葉がありますか?KUSHIDAさんに対して喋ったら良いですか?本当にこの3年半の間新日本ジュニアを支えてくれてありがとうございました。もうあなたの好きなように、自由に楽しんで、何も背負わずにプロレスを、新日本プロレスを楽しんで下さい。俺からは、それ以上に何も言葉はないよ。こっからだ、こっから始まるんだ。俺は、このIWGPジュニアのベルトとともに、俺はこっから旅をしていくよ。俺はこのベルトを取るためにこの新日本プロレスに、そして、ゴールデンタイムで試合をするっていう願いを叶えるために今頑張って試合をしてる。このIWGPジュニアのベルトが俺のもとにあれば、その夢だって、すぐかもしれません。そのためには、もっと、新しい敵?そう、KUSHIDAより強い、新しい敵、ジュニアでも良い、もちろんヘビーだって良い。これから始まっていくんだよ。一緒に、このベルトと一緒に俺は始まっていく。だからさ、もっと色んな選手きてくれよ。俺の前に、もっと、もっと、もっと!もっと!!もっと!!!もっと!!!もっとーーーーー!!!!俺を楽しませてくれよ。何か質問ありますか?」

――凱旋後の初シングル、この東京ドームの舞台いかがでした?
「最高に決まってるでしょ。俺はこの東京ドームのリングに立ちたくてさ、頑張ってきてるんだよ。この東京ドームのリングでさ、IWGPのジュニアの、プロレス界最高のベルトを賭けてシングルマッチが出来た。こんな嬉しいことはないですよ。これだけ記者の人がいるのに、たった一個の質問ですか?」

――ホバーボードロックを耐えられた要因は
「要因は何か?面白い質問ですね。単純にこのベルトがほしいからですよ。それ以外何もないですよ。あれだけ大きいこと言ってあそこでギブアップする訳にはいかないでしょ。今日俺がここで負けたら何もかもが終わってた。だから、俺は、絶対にギブアップなんかしないですよ。終わりですか?終わりなら帰りますよ。早く休みたいんで。もっと強くなったら、もっと質問してください」

第8試合

20170104njpw_8th これまで何度となくおこなわれてきた柴田と後藤の同級生対決だが、今回は柴田が持つNEVER無差別級のベルトが懸けられている。柴田が首から右肩にかけてテーピングをした状態で入場。

 リングインして後藤と睨み合った柴田は、ロックアップしようとした後藤にインロー。機先を制した柴田はバックを取るとロープに後藤を押し込んでいく。離れ際にチョップを叩き込んだ柴田はヘッドロック。これをヘッドロックで切り返した後藤だが、柴田も腕を取って首を抜いてみせる。そこから立ち上がった柴田は後藤の左腕を踏みつける。エプロンに出た後藤はロープ越しに殴りかかるが、かわした柴田はスリーパー。座り込んだ後藤だが、柴田は背後からランニング・サッカーボールキック。
 リングに後藤を戻した柴田はサッカーボールキックからキーロックへ。どうにかロープに足を伸ばした後藤だが、柴田はサッカーボールキックを叩き込んで後藤を見下ろすと、挑発するように顔面へのステップキック。さらにエルボースマッシュを叩き込んでからロープへ。追走した後藤は時間差ラリアットを叩き込むと串刺し攻撃を狙ったが、蹴りで迎撃した柴田はエルボー。だが、串刺し攻撃を狙って距離を取った柴田を追走した後藤は村正。柴田もフットスタンプを意地になって返すが、後藤はバックドロップで投げるとダイビング・エルボードロップを投下。さらにハーフダウンの柴田を蹴り飛ばすが、柴田は起き上がりこぼしのように上体を起こすと、あぐらをかいた状態で後藤の蹴りを受け止める。そのまま蹴りを受け止めながら立ち上がった柴田は、カウンター気味のエルボー。さらに串刺し式ジャンピング・フロントキックから後藤をコーナー下に座らせると、串刺し低空ドロップキック。フロントネックチャンスリーからコブラツイストに捉えた柴田だが、後藤がロープを掴むとバックドロップ。
 しかし絶叫しながら立ち上がった後藤はラリアット。倒れない柴田はフロントキック。後藤も倒れずラリアットを返す。それでも倒れない柴田をバックドロップで投げるが、柴田も返す刀でジャーマンで投げ捨てる。ならばと柴田の髪の毛を掴んで後頭部をヒザに叩き付けた後藤は、リバース牛殺しから渾身の蹴り。しかしキャッチした柴田は足をフックしたままジャーマンで投げる。すぐに立ち上がった後藤はラリアットを返してダブルダウン。

 そこから両者マットにヒザをついたままエルボーを打ち合うと、柴田のエルボースマッシュで後藤が棒立ちに。柴田が走り込むと、後藤はカウンターで牛殺しを狙ったが、背後に逃れた柴田はスリーパー。ギリギリと絞めていく柴田が、後藤がロープに手を伸ばそうとしても、その手を掴んで巻き込み、さらに胴絞め式にスイッチ。それでも後藤はどうにかロープに足が届く。グッタリと倒れる後藤を強引に引き起こした柴田だが、後藤はノーモーション・ヘッドバット2連発。しかし柴田も蹴り飛ばしてからダウンする。先に立ち上がった柴田は走り込むが、後藤はカウンターで牛殺し。雄叫びをあげた後藤は昇天を狙うが、柴田が踏ん張ると昇天・改で叩き付ける。柴田がカウント2で返したところで15分が経過。

 お互いに組み合った状態でエルボーとヘッドバットを打ち合うと、後藤がヘッドバットの連打からノーモーション・ヘッドバット。さらに後頭部へのショートレンジラリアットでヒザの上に柴田の顔面を叩き付けると、続けてGTRを決めて3カウント!
 宿敵・柴田を下し、NEVER無差別級王座を奪取した後藤。ついにCHAOS入りしてから結果を出した後藤は厳しい表情のままベルトを掲げてみせた。敗れた柴田は頭を抱え込みながら引き上げていったが、スタンドの観客からは柴田コールが送られた。

<試合後コメント>
後藤洋央紀
「今日この結果が、昨年俺がやってきたことの結果です。これがゴールじゃないですけどね。明日からNEVER王者として胸を張って自信を持ってリングで闘いたいと思います」

――今柴田選手に声をかけるとしたらどんな言葉をかけますか?
「いつまで首のテーピングしてんだ。早く治せ。しっかり治せ。再戦するのはそれからだ」

――三年前との違いは
「まあ俺の中では、変化っていうのは立ち位置だけでね。そんな大きな変化っていうのはないんだけど、彼の中で、多分ぜんぜん違う変化があっただろうし、だからこそ今日のような試合になったと思うしね。しっかりリング上で、会話しました。以上です」

柴田勝頼
「新年、新年一発目の、試合で、いいスタートを切りたかったんですけど、まんまと、足をすくわれました。一年間、あのベルトをほんとに去年の今日から、一年間、守ったり取り返したりとられたりしてきたんですけど、一度も巻くこと無く、後藤にとられました。一年間、関わってきて、全く思い入れがないと言ったら嘘になるんで、嘘になるんですけど、俺はもうこれでNEVERは区切りとしたいと思います。勝っても、封印してやろうと思ってたんで、あとはもう、持ってる者がその方向性だったり、色を示していけば良いんじゃないかと思います。ベルトにはあの不思議な力があって、あのベルトがあったから、今の、うん、最後のなんか、花道での歓声だったり、見てる人の声だったりが生まれてたのかなと思いますし、ナニクソって思う気持ちで、他のベルト関係ねーよ、俺のが一番だよ俺の試合が一番だよ、そういう試合をしたいと思ってやってきたんですけど、俺はもう、リマッチはしない。言われてもしない。しないからな。ぜってぇしねーわ。何かありますか?」

――リマッチをしないということでしたが、後藤選手は首を治してリマッチしてこいと言っていました
「俺はリマッチはしない。この先後藤が月イチペースでやっていけば良いんじゃないですか?俺は俺であの、持ってる間に自分のプロレスをあのベルトで表現できたんで、どうなっていくかわかんないけど、今のところ俺にはするつもりはありません。やったって面白くないでしょ。新しい奴がやりゃいいんだ」

――闘いの中で会話をしていきたいと言ってましたが、CHAOSに入ってからの後藤選手にどういった印象や感想をもちました?
「なんだろうね?俺が奴が復帰したときに、顎怪我して復帰したときに、散々顎狙ってやったんですけど、それをまんまやり返された気分ではありますね今日は。前とは違ったなと。やっと、試合でやっと会話が成立しました」

――いい意味で変わったと感じました?
「どうだろうね?それを見てる人が闘ってるものがどう感じていくかで、うん、あいつがいい意味で変わるっていう方向に行くんじゃないのかなと思います。相手が俺だからじゃダメなんだよね。俺は、どこの国行ってもどこのリングでも柴田勝頼のプロレスをする自信がある」

――NEVERへの再戦はしないと言うが、今年の展望は
「もう良いよNEVERの質問は。今年の展望?俺にはもう一つ、ベルトがあるはずなんだけど、ここに来てない。俺の、持ってたはずのベルトが、ここに来てないっていうね。一応大英帝国のチャンピオンでもあるんで、とりあえず!イギリス、イギリスに帰ります」

――イギリスを中心に活動していくと?
「とりあえずイギリスに帰ります」

――ベルト云々を抜きにして、後藤洋央紀選手への興味は無くなったと
「無くなってはないですね。負けていますからね。興味がなくなるわけはないです。これはなんか、俺にとってはその、勝ったらほんとに封印してやろうと思ってたんで、ケジメですね。相手がどう思おうが、俺にとってのNEVERへのケジメ。今日つけたいと思ってたんで、負けてしまったんでもう何も言うことはありません。NEVERに関しては」

――先ほど後藤選手がここに来ましたが、後藤選手にはほとんど質問が飛ばず柴田選手にはこれだけの質問が飛ぶ、その現実をどう思います?
「俺にはわかんないっすけど、やっぱり去年の一年間が大きいんじゃないですかね?勝負には負けたけど、試合には負けたけど、勝負として、負けは負けなんですけど、そういう角度から見られたら、そういうことかもしれないし、やっぱり、俺としては去年の一年間濃すぎたんで、それが今日のなんか、歓声だったと思うし。そこに自分のプロレス、間違ってねぇなっていうのは手応えはすごい感じたんで、いい経験になりました。あとは後藤が月一ペースで手始めに第三世代からやっていけば良いんじゃないかと思います。とりあえず俺は、イギリスに帰ります。以上!」

第9試合

20170104njpw_9th TEAM NACCSの安田顕さんが特別リングアナとして両者を呼び込む。棚橋弘至に憧れてプロレスラーになった内藤哲也だったが、いま時代はまさにこの男が中心になっている。ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポンを結成し、2016年プロレス大賞MVPを受賞した内藤は、この一戦で棚橋を介錯するという。
 一方、7年連続東京ドームのメインが潰え、いまや崖っぷちに追い込まれた棚橋は、長年愛用してきた入場テーマ曲『HIGH ENERGY』を捨て、背水の陣で内藤からインターコンチを奪取してV字回復を目論む。
 新テーマ曲に乗り、ビッグマッチ仕様のポニーテール姿で入場した棚橋。背後のビジョンには『LOVE&ENERGY』の文字。一方、紫のスーツ姿で現れた内藤は花道の途中でお面を外すと、ベルト片手に「トランキーロ(焦るなよ)」とばかりにゆっくりと入場。リングインしてベルトを投げ捨てた内藤は、安田さんに近づいていき拳を合わせるように突き上げる。安田さんはグータッチには応じず握手を求めるが、内藤は無視。

 試合開始のゴングが鳴ると、両者のコールが激しく交差。ロックアップしようとする棚橋をまずは“スカした”内藤。2回目もスカして「トランキーロ」というジャスチャーをしてみせた内藤は、3回目でようやくロックアップ。コーナーに押し込んだ棚橋はクリーンブレイクと思わせておいて、太陽ブローをお見舞い。ブーイングも起こる中、内藤は棚橋を場外に投げ捨てると、ダイブすると見せかけてリング上に寝転んで挑発。リングに戻った棚橋をヘッドロックに捉えた内藤は、棚橋がヘッドロックで切り返すと髪の毛を掴んでいく。棚橋も負けじと内藤の髪の毛を掴むと、内藤はロープに押し込んでいき、離れ際でロープに飛ばそうとする。しかし、棚橋は体勢を入れ替えて逆に内藤をロープに振るとドロップキック。だが、内藤は棚橋の左ヒザを攻撃しながらコーナーに追い込むと、振り子式の串刺しドロップキック。左ヒザへの低空ドロップキックからニークラッシャーを決めた内藤は、棒立ちになった棚橋の左ヒザにもう一度低空ドロップキックを叩き込んでから足4の字固め。

 棚橋はどうにかロープに逃れるが、ヒザのダメージでなかなか立ち上がれない。どうにかエルボー合戦を挑んでいく棚橋だが、左ヒザを蹴り飛ばした内藤を唾を吐きかけて挑発してから低空ドロップキック。棚橋はエルボーと太陽ブローで反撃すると、カウンターのフライング・フォアアーム。さらにローリング・セントーンから低空ドロップキックを狙った棚橋だが、かわした内藤はニークラッシャー。しかし低空ドロップキックを狙った内藤よりもコンマ数秒早く低空ドロップキックをカウンターで叩き込んだ棚橋は内藤の足を掴む。ロープを掴んで必死に抵抗した内藤はまたしても唾を吐きかけるが、棚橋は内藤をエプロンに出すとロープ越しのドラゴンスクリュー。棚橋もエプロンに出るとスリングブレイドで、内藤の後頭部をエプロンに叩き付ける。
 場外でダウンする内藤に対し、棚橋はコーナーに登っていき、立ち上がってきた内藤にハイフライフロー式プランチャを投下。すると棚橋はエプロンに寝転がって内藤を挑発。内藤をリングに戻してスリングブレイドを狙ったが、内藤がかわすと串刺し式クロスボディーにスイッチ。そこからコーナーに登った棚橋だが、フラフラと立ち上がった内藤は故意か偶然かロープに持たれかかる。この衝撃で棚橋が転落すると、内藤は一気に雪崩式フランケンからジャーマンで投げる。

 15分が経過し、内藤はグロリアの体勢に。棚橋が防御すると、ステップ式延髄斬りからジャンピングエルボーアタックを決めた内藤はグロリアで叩き付ける。カウント2で返した棚橋は内藤の駆け上がり式スイングDDTを防御したが、内藤はすぐに低空ドロップキック。棚橋も低空ドロップキックを返すが、内藤はカサドーラで丸め込んでからショート・レッグシザースに捉える。しかし反転した棚橋は内藤の両足をクロスさせると、何とテキサス・クローバー・ホールドで切り返す。かなりエグい角度で決まり、内藤も苦しそうだったが辛くもロープに脱出。棚橋はグラウンド・ドラゴンスクリューからその場跳びのスリングブレイドを決めると、正調スリングブレイド。
 20分が経過し、棚橋はうつ伏せ状態の内藤が立ち上がってくるのをコーナー上で待ってからクロスボディー式のハイフライフロー。間髪入れず正調ハイフライフローを投下したが、これは内藤がかわして自爆。内藤はデスティーノを決めると、カバーせずにもう一度デスティーノを狙う。しかし棚橋はツイスト・アンド・シャウトで切り返してみせる。
 ダブルダウン状態から歯を食いしばって立ち上がった棚橋はエルボー。内藤もエルボーを返すと、両者薄らと笑みを浮かべながらエルボー合戦へ。内藤はそこからヒザに蹴りを入れるが、棚橋も蹴り返す。内藤は低空ドロップキックで棚橋の動きを止めるが、棚橋は張り手からドラゴンスープレックス。カウント2で内藤が返した瞬間、コーナーに駆け上がった棚橋はうつ伏せの内藤にハイフライフローを投下。さらに仰向けにしてからもう一発ハイフライフローを投下したが、内藤は剣山で迎撃!
 自らの左ヒザにも大きなダメージを負ってしまった内藤だが、蹴り脚をキャッチした棚橋に延髄斬り。さらにコーナーから横回転のデスティーノを決めるが、これもカウント2で返した棚橋。ここで25分が経過するが、内藤は渾身のデスティーノを決めて3カウント!

 内藤は受け取ったインターコンチのベルトを投げ捨てると、大の字に倒れた棚橋を見下ろしてから右の拳を天に突き上げ、その拳を棚橋の心臓辺りに置いてから敬礼。宣言通り棚橋を介錯し、憧れだった存在に終止符を打った内藤をファンも支持して大歓声を送る。この瞬間、確実にひとつの時代が終わった。

<試合後コメント>
内藤哲也
「まあこれで一つの時代が完全に終わったのかな。ま、寂しいけどね。これもDestino……運命だよ。かつて彼が俺にこう言ったよ2006年の……7月だったかな。『早く俺のところまで来いよ』。棚橋は言ったよ。まあ、でもさ、今現在、棚橋は俺の目の前にはいないからね。もう俺のはるか後ろを歩いている存在だから。今この場で彼にメッセージを送るよ。『棚橋、早く俺のところまで戻ってこいよ』。まあ、さ。彼はもう終わった人間だからね、もう戻ってくることはないと思うけど。ま、戻ってこようとするのは自由だから、楽しみに待っててくれ」
(インタビュー会場にエルガンが登場。英語で一方的に内藤の持つIWGPインターコンチネンタルに挑戦表明をし、去っていく)
内藤「……俺さぁ、日本語とスペイン語しか分かんないから。もう彼が何言ってるのか分かんないけどさ、何ヶ月も、ズル休みをしてやっと今日戻ってきた彼が、なんて言ったの?ちょっとわかんなかったけど、さ。もう言い訳できないよ。本当に折れてたの?目は折れてたのかって。目は折れてたのかって診断書を見せてくれよ。俺の目の前に持ってきてくれよ。あのさぁ、彼が何を求めてるのかか分からないけど、俺が今言えることは、エルガン……、トランキーロ!!トランキーロ!!あっせんなよ!じゃ、そういうわけだから。アディオス!!」

第10試合

20170104njpw_10th 2017年、新日本プロレス“イッテンヨン”東京ドームのメインはオカダ・カズチカの持つIWGPヘビー級王座に、外国人初のG1覇者となったケニー・オメガが挑戦する一戦。「新日本プロレスのために負けられない。世界にカネの雨を降らせる」というオカダと、「新日本プロレスが大きくたるために俺が勝たなくてはいけない。変革の時なんだ」というケニー。スクリーンにはターミネーターばりに雷と同時にこの世に降り立ったケニーの姿が映し出される。人間から洋服を奪い取り、サングラスをかけたケニーは、T-800のハーフ仮面に革ジャン、ショットガンという完全なる“ターミネーター”スタイル。一方、壮大な前奏が付いたテーマ曲に乗り、レインメーカードルの雨が降る中をオカダが入場。

 ファンもケニーを後押しするかのように「ダダン・ダン・ダダン」という、あの曲調の手拍子を送る。ケニーはレインメーカードルを一枚拾い上げると握り潰して投げ捨てる。まず腕の取り合いからオカダが足をすくって倒すが、ケニーは腕十字で切り返そうとする。うまく防御したオカダはサイドヘッドロックへ。腕を取って逃れたケニーは首筋へエルボー。ヘッドロックに捉えたケニーをロープに飛ばそうとするオカダだが、ケニーは離さない。ならばとオカダはバックドロップで叩き付けるが、ケニーはそれでも離さない。もう一度バックドロップを狙ったオカダだが、ケニーは着地するとコーナー二段目から飛び付いて回転エビ固め。オカダもすぐに後転してアームドラッグで投げてからロープに押し込んでいく。

 殴ると見せかけてケニーをポンポンと叩いてブレイクしたオカダはショルダータックル。ケニーはオカダの串刺し攻撃をかわし、背後から早くも片翼の天使を狙ったが、これはオカダも素早く脱出。唾を吐きかけていったケニーは、レインメーカーポーズでオカダを挑発して場外へ。リングに戻りそうで戻らないケニーを追いかけていったオカダだが、ケニーは素早くリングに戻ってロープへ。しかしフロントキックで迎撃したオカダはベースボール・スライド。場外に戦場を移したオカダはケニーを鉄柵に叩き付けると、ブレーンバスターを狙ったケニーをDDTで叩き付けていく。さらにリング下からテーブルを取り出したオカダだが、そこにケニーが飛びかかっていく。だが、オカダは鉄柵の外にケニーを放り投げると、ノータッチで鉄柵を飛び越えてのクロスボディー。
 ケニーをリングに戻したオカダはスリングショット式アトミコを投下。チンロックに捉えたオカダはショルダーネックブリーカーと、お馴染みの首への一点集中攻撃へ。しかしケニーもヒザへの低空ドロップキックで動きを止めてからコタロー・クラッシャー。強烈な逆水平チョップを叩き込んでいったケニーはフラッシング・エルボー。かわしたオカダはセントーン。ケニーもこれをかわして腰へのエルボーからキチンシンク。蒼い衝動をヒザを落として防御したオカダだが、ケニーはフランケンシュタイナーでオカダを場外に投げる。

 15分が経過し、ケニーは「ダダン・ダン・ダダン」というリズムを刻んでからノータッチ・トペコンを発射。さらにボディスラムでオカダの腰をエプロンに叩き付けると、リングに戻してから立ち上がったオカダの後頭部にミサイルキック。さらにキャメルクラッチで追い込んでいったケニーは、パワーボムの体勢に。オカダが踏ん張るとケニーは首筋へのエルボーからヒザ蹴り。しかしオカダはヘビーレインで一気に叩き付ける。ダッシュしてのバックエルボーを連打したオカダはDDT。さらにバックエルボーで飛び込んだオカダはフラップジャック。
 20分が経過し、オカダはレッドインクに捉えるが、ケニーはどうにかロープに脱出。コーナーに登ったオカダだが、ケニーが立ち上がるとマットに着地。そこからケニーを抱え上げリバース・ネックブリーカー。そしてもう一度コーナーに登ってダイビング・エルボードロップを投下。これを剣山で迎撃したケニーはパンプハンドル式バックブリーカーでオカダを場外に追いやってから、リングに背中を向けていたオカダにスライディングキック。これでオカダは鉄柵の外まで吹っ飛ぶと、ケニーは三角跳びケブラーダで鉄柵の外のオカダまでダイブ。

 鉄柵内まで戻ってきたオカダだが、ケニーはまだ起き上がれないオカダの上にテーブルを置くと、エプロンからフットスタンプを投下。オカダをリングに戻してパワーボムで叩き付けたケニーは、そのままグリップを離さずに持ち上げてシットダウン・パワーボム。その間にセコンドのヤングバックスが場外にテーブルをセットすると、ケニーはオカダをエプロンに連れ出すが、レフェリーが制止。
 何とかリング内に戻ったオカダだが、ケニーはグッタリするオカダを引き起こすと、力一杯コーナーに投げつけてから突進。蹴りで迎撃したオカダだが、ケニーはカミカゼからコーナー二段目に飛び乗ってのムーンサルトプレス。フルネルソンに捉えたケニーを振り切ったオカダは、ケニーをコーナー上に座らせると下からのドロップキックで突き上げる。これでケニーが場外に転落したところで30分が経過。

 エプロンに出たオカダはファイアーマンキャリーでケニーを担ぎ上げるが、背後に逃れたケニーはオカダを肩車。しかしリング内に戻ったオカダはケニーを抱え上げる。ケニーも背後に逃れてロープに飛ぶが、オカダはショルダースルー。そのままケニーはロープを飛び越えて場外のテーブルの上に落下してテーブルクラッシュ!

 オカダはケニーをリング内に戻すと、立ち上がろうとするケニーの真正面からミサイルキック。続けてダイビング・エルボードロップを投下したオカダは、盤石のレインメーカーポーズ。レインメーカーを狙うオカダだが、ケニーは必死にロープを掴む。もう一度レインメーカーを狙ったオカダをタックルでコーナーまで押し込んだケニーは、オカダをコーナーに上に乗せるが、オカダもどうにか叩き落とす。それでもケニーはコーナーに登っていき、トップコーナーから雪崩式ドラゴンスープレックスで投げ捨てる。
 カウント2で返したオカダだが、ケニーは蒼い衝動の体勢から牛殺し! 人差し指を天に向かって掲げたケニーはVトリガーを狙ったが、かわしたオカダはジャーマンで投げると、そのままグリップを離さずレインメーカーを狙う。しかしかわしたケニーはVトリガー。さらにロープに飛んだケニーだが、オカダはカウンターのドロップキックからレインメーカー。Vトリガーで迎撃したケニーは、もう一発Vトリガーを叩き込むと後ろを向いたオカダにリバースフランケン。立ち上がろうとするオカダの顔面にVトリガーを叩き込むと、一気に片翼の天使。これを着地したオカダはツームストンパイルドライバーで叩き付けると、渾身のレインメーカー!完璧に決まったが、ケニーがカウント2で返したところで40分を経過。

 ケニーを両ヒザをマットについたままパンチ。そこからどうにか立ち上がったケニーだが、オカダはジョン・ウーで吹っ飛ばすとツームストンパイルドライバーの体勢に。だが、体勢を入れ替えたケニーはリバースインプラントで叩き付ける。両者マットにヒザをついたままエルボーを打ち合うと、そのまま立ち上がってエルボー合戦へ。そこからケニーは低空フルネルソンスープレックスで投げてからVトリガー。さらにロープを掴んで立ち上がろうとするオカダにVトリガーをブチ込んでから片翼の天使を狙うが、オカダがケニーの腕を掴んだまま着地するとクイックのレインメーカー。45分が経過し、オカダはケニーの手首を掴んだまま立ち上がるが、ケニーはガムシャラに蹴りまくり、ヒザを叩き込む。だが、オカダはレインメーカー。さらにトドメの一発を狙ったが、かわしてケニーが逆にレインメーカー。さらにケニーはレインメーカーの体勢からVトリガーを叩き込むと、片翼の天使の体勢に。だが、オカダはこれまた体勢を入れ替えると旋回式ツームストンパイルドライバー。そしてオカダはダメ押しのレインメーカーを叩き込んで3カウント!

 最後の最後までどちらが勝つか分からないシーソーゲームを制したのはオカダ・カズチカ! 再びIWGPヘビーのベルトを腰に巻き、レインメーカーポーズを決めたオカダ。すると外道が「ケニー・オメガ! おめーには散々酷い目に遭わされたけどよ、オメーは尊敬すべきレスラーだ! ただよ勝ったのは誰だ? オイ、いつもの台詞をよ、今日は腹の底から言ってやる。もう誰もレインメーカーの勢いを止めることは出来ねぇ。何でか分かるか? レェェェェヴェルが違うんだよ!」と言い放つと、オカダは万雷のオカダコールを聞いたあとに「3つ言わせてください! ひとつ! ケニー、俺が認めてやる。お前は新日本の歴史上、一番強い外国人選手だよ! ふたつ! 去年のレッスルキングダム、今年だいぶメンバー変わりました。でもこれだけのお客さんが観に来てくれる新日本、俺が盛り上げてやる。俺から目を反らすなよ。みっつ! とくにありません……と、言いたいところだけどな、俺は新日本プロレスを背負っているんだよ。かなり重いけどまだ背負える。まだまだ大きくしてやるからな! 俺が背負っている限り、新日本プロレスにカネの雨が降るぞ!」と叫んで2017年の東京ドーム大会を締めくくってみせた。そして花道を引き揚げていったオカダは、ステージ上でレインメーカーポーズを決めた。

<試合後コメント>
ケニー・オメガ
「今日は負けてしまったが、とても誇らしい思いでいっぱいだ。こういう気持ちが自分の中で湧き上がるとは思わなかった。時にこういう苦い思いをしなければならない。でもオカダ、お前を尊敬している。お前は日本最強……もしかして世界最強のプロレスラーかも知れないが、自分はもし再戦の機会があれば絶対負けないと。そしてその機会が訪れたら絶対倒してみせるとここに誓おう。負けたとは思っていない。新日本は、自分に最高のチャンスをくれて、2016年、最高の一年をもたらしてくれた。2017年の幕開けは自分のキャリアでも最大の敗北から始まってしまったことは残念だが、そんな中でもヤングバックスが自分の試合が終わったあとも支え続けてくれたことに感謝したいと思う。ヤングバックスと自分がプロレスのこの世界をこれからも牽引していく存在になると思う。これ以上のコメントはなしで終わりたいと思う。最後に一言、グッバイ!」

オカダ・カズチカ
――オカダ選手、おめでとうございます。今年も東京ドームのメイン、最高の内容でIWGPを防衛しました。今のお気持ちは
「今、13年位ですか、プロレスやってましたけど、ホント死ぬかと思うような試合でした。そのくらいケニー・オメガは強い相手でした」

――今も体にアザが残っていますけれども、そして試合自体も46分45秒、本当に苦しい戦いだったと思います。今回初シングルのケニー・オメガ選手、改めてどんな選手でしたか
「やっぱり試合前に言ったように、今までのBULLET CLUB……プリンス・デイビットよりも、AJスタイルズよりも、間違いなく強い、新日本プロレス、今までの歴史の中で一番強い外国人選手。ホント今のシングルプレイヤーの中で、僕の次に強い選手だと思います」

――それだけリスペクトするオメガ選手との戦いの中で、新日本を背負っていくんだというプライド、覚悟が見えた気がします
「それはもちろん、ケニーにもあったと思いますし、必ずそのベルト取って新日本プロレスを動かしていくという思いもあったと思いますけど、その覚悟という意味では僕が上回ったんじゃないかなと。いないでしょ、新日本プロレスに他に。ここまでやられても……ケニー・オメガにあそこまでやれれて、勝つ選手……俺しかいないでしょ。俺しか背負えないでしょ」

――去年選手が沢山抜けた中で今年の東京ドーム、いろんな予想があったと思います。でも去年より大きく盛り上がったと思います。それについては如何ですか
「いや、まあ、最初ほんとにドームって 新日本プロレスどうなるかなと思いましたけど、今年、これだけのお客さんが入って、あれだけ歓声を送ってくれて、最高でしょ。しっかり。僕はこれで辞めるわけではないですし、しっかり、まだまだ新日本をもっと大きくしていきますし。まだ来年は今年以上に、その次はどんどんどんどん盛り上げていけるように、僕がします」

――現在新日本と言う団体を背負う立場だと思いますが、この新日本をどんな世界に連れてってくれるんでしょうか
「まあ、途中で発表があったように、7月にアメリカにも行きますし、だからといって日本を手を抜くわけではないですし、アメリカはアメリカで盛り上げて、海外の他2017年もいろいろなところへ行くと思いますし、しっかり世界中に新日本プロレスを広めて、日本は日本で、この新日本プロレスという……プロレスという素晴らしいものがあるということを、オカダという素晴らしい選手がいるということを、全国の、世界の皆さんに広めていきたいなと思います」

――今日の結果で新日本のベルトはCHAOSとロス・インゴベルナブレス2つが分け合う形になっていますが
「ちょっと僕も試合に集中してたので、前の試合は、申し訳ないですが見てなかったんで、どういうベルトの移動があったのか把握出来てないんですけど、その2チームが一番勢いのあるチームなんじゃないかと思います。もちろん、どっちが上かと言ったらこのベルトが上だと思いますが。もっともっとCHAOSにベルトを集めてですね、新日本プロレス、CHAOSが一番強いチームなんだと2017年見せていけたら良いかなと思います」

――今日の試合30分を超えたあたりから観客席で涙ぐむファンがかなり見えました。こういう光景新日本プロレスにはあまりなかったと思うのですが、雰囲気が変わったのかなと
「どうなんですかね、今日のオカダ対ケニーが、そういうお客さんの心に響く試合だったと思いますし、ホントに感情移入して泣ける試合なんて腐るほどありますし、どんどんそういう試合、泣ける試合もそうですし、ハラハラ・ドキドキ・ワクワクした試合もあると思いますし、そういう試合を見せていけるのが新日本プロレスだと思いますので。それがホント、プロレスの魅力だと思いますんで。そういうのどんどん見せていきたいと思います」

――試合後にケニー・オメガ選手のことを「歴史上一番強い外国人選手だ」と言っていましたが、どんなところがすごい選手だと思いますか
「僕、こんな今まで四十何分も試合したことないですもん。それは、棚橋さんにしてもそう。内藤さんにしてもそう。したことないですし、まあ僕はその今までの歴史の中で、
新日本プロレスの45周年の中で今が一番だと思ってますし、
その中で、僕とやってる選手、今回はケニー・オメガでしたけど
ここまで追い込まれて ホントもうこんなフラフラして、帰ってくるなんてこと今までなかったですから。僕が認めます。もちろんファンの人も認めざるをえないような試合だったんじゃないかと思います」

――首の傷はいつやったか
「わかんないっすね。ホントに、僕も何やられたかもわかんないような状況ですから。見えないですけどね。何がどうなっているのかもわからないですし……ドロップキックっすかね。……なんか、納得行かないですね。僕がドロップキックで痕をつけられちゃ」

――これまでオカダ選手にライバルらしいライバルっていなかったと思うのですが、ケニー・オメガ選手はそういった存在になりそうですか
「それは僕はケニーがライバルだという必要もないと思いますし、見てる人が決めてくれればいいんじゃないかと。もしかしたら、この試合で明らかに、これからの新日本の歴史で、『ここでオカダとケニーのライバルストーリーが始まったよね』と言われる試合になるかもしれないですし、もしかしたらケニーが頑張らなければお終いになってしまうかもしれないし。僕は別に、お前のことをライバルとして認めてやるなんて、そんなことはないっすね。ただ、強いというのは認めています」

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