9・11 パンクラス有明大会 【ライト級KOP】徳留一樹vs久米鷹介 室伏シンヤvsリルデシ・リマ・ディアス 矢地祐介vs山崎悠輝
『PANCRASE 280』
日程:2016年9月11日
会場:東京・ディファ有明
開始:15:00
観衆:2022人・超満員
【本戦第2部】
▼第1試合 ウェルター級 3分3R
●中村勇太(T-Rex Jiu-Jitsu Academy)
1R 2分8秒 右ストレート
○阿部大治(HMC)
▼第2試合 バンタム級 3分3R
●蓮實 光(パラエストラ栃木)
判定0-3
○山口 亮(フリー)
▼第3試合 ライト級 3分3R
○林 源平(和術慧舟會IGGY HAND'S GYM)
判定3-0
●網 潤太郎(和術慧舟會AKZA)
▼第4試合 フェザー級 5分3R
○ユータ&ロック(秋本道場jungle junction)
判定3-0
●ワンデルソン・ドス・サントス(Gile Ribeiro team/Noguchi team)
▼第5試合 フェザー級 5分3R
○中原由貴(マッハ道場)
判定2-1
●横山恭典(KRAZY BEE)
▼第6試合 ライト級 5分3R
○石川英司(GRABAKA)
判定3-0
●アレッサンドロ・マルティンス(Astra Fight Team)
▼第7試合 ライト級 5分3R
●山崎悠輝(パンクラス大阪稲垣組)
判定2-1
○矢地祐介(KRAZY BEE)
▼第8試合 フライ級 5分3R
●曹 竜也(FIGHT STYLE)
判定0-3
○タテキ・マツダ(Team Sityodtong Boston)
▼第9試合 フェザー級 5分3R
●牛久絢太郎(和術慧舟會TLIVE)
3R 3分11秒 TKO(アームロック→レフェリーストップ)
○松嶋こよみ(AACC)
▼第10試合 セミファイナル ストロー級 5分3R
○室伏シンヤ(SUBMIT MMA)
2R 4分1秒 アームバー
●リルデシ・リマ・ディアス(NALDAO TEAM)
▼第11試合 メインイベント ライト級キング・オブ・パンクラス タイトルマッチ 5分5R
【王者】●徳留一樹(パラエストラ八王子/第6代王者)
1R 4分45秒 TKO(グラウンドのパンチ→レフェリーストップ)
【挑戦者】○久米鷹介(ALIVE/挑戦者)
※第6代王者が初防衛に失敗。久米が第7代王者となる
【2016年ネオブラッド・トーナメント決勝戦】
▼第12試合 ストロー級 3分3R
○児玉勇也(和術慧舟會トイカツ道場)
判定3−0
●高島俊哉(U-FILE CAMP)
※児玉がストロー級優勝
▼第13試合 フライ級 3分3R
○若松佑弥(TRIBE TOKYO M.M.A)
1R 2分06秒 TKO(ひざ蹴り→レフェリーストップ)
●田中千久(パラエストラ八王子)
※若松がフライ級優勝、並びにネオブラッドMVPを受賞
▼第14試合 バンタム級 3分3R
●河村泰博(和術慧舟會AKZA)
判定1−2
○藤野敦史(Tristar Gym)
▼第15試合 フェザー級 3分3R
○鈴木琢仁(ブルテリア・ボンサイ)
判定2−1
●木村一成(蒼天塾)
▼第16試合 ライト級 3分3R
●ベン・ブッカン(総合格闘技 津田沼道場)
判定0−3
○小林 裕(U-FILE CAMP)
【本戦一部】
▼第17試合 ストロー級 3分3R
●伊藤夏海(ISHITSUNA MMA GYM)
1R 2分05秒 腕十字
○前山哲兵(AACC)
▼第18試合 フライ級 3分3R
○小川 徹(TRIBE TOKYO M.M.A)
判定3−0
●中村龍之(Lotus世田谷)
久米鷹介が徳留一樹を1RKOしライト級キング・オブ・パンクラス王者へ!パンクラスが日本格闘技史上初の地上波生中継が決定!
第3試合
林は2013年からパンクラスに参戦。打撃が持ち味だが、グラウンドの攻防が課題。今年6月の前戦では成長が感じられた。今回はさらに伸びているか。
対する網は2009年より参戦し、2010年にはネオブラッド・トーナメント同級優勝している。先月、結婚したばかりで、妻にいいところを見せたいと語っていた。道場が違うが、同門同士の対決となった。
1R、網は組んでケージに押し込むが、林のパンチでダウン。林はパンチ連打。網はなんとか立つが、林が投げて倒し、パウンド連打で終了。
2R、網は組みに行くが、林は付き合わず投げる。しかし、網は立って組み、テイクダウンを奪い、ハーフマウント。林が返して上になると、網は下から三角絞めを狙う。さらに腕十字へ行くが、林は外して立つ。スタンドとなり、林がパンチで押してブザー。
3R、網は再び組みに行くが、林はこらえて倒されず、ヒザを打ち込む。網は最後まで倒せず、林が金網際での攻防に成長を見せた。
第6試合
石川は今年4月に久米鷹介に僅差の判定負け。これが出直しの一戦となる。セコンドには北岡悟と八隅孝平がつく。パンクラス初参戦のマルティンスはブラジル国外での試合は初めてという。
1R、石川がマルティンスの蹴り足を取ると、マルティンスは金網へ逃げる。石川倒すが、すぐに立つマルティンス。石川はマルティンスを抱えて座った状態で鉄槌、ヒジ連打。マルティンスが立つと石川は金網へ押し、テイクダウン。マルティンスを立たせず、殴って終了。ジャッジは三者10-9で石川。
2R、石川がパンチからタックル、テイクダウン! ハーフマウントに。マルティンスはすねをカットし出血している。石川は肩パンチ、鉄槌。マルティンスは返すことができないまま終了。このラウンドも三者10-9で石川を支持。
最終ラウンド。パンチで出る石川。マルティンスを追っていきかぶさると、マルティンスは頭を抱えるが、石川はすぐに頭を抜く。バックを取って殴る。苦しいマルティンス。石川はチョークを狙うが、マルティンスは正対する。殴る石川はポジションをキープ。マルティンスは終了まぎわにようやく立つが、石川が殴って終了。
石川が危なげなく3−0で勝利。
第7試合
パンクラス大阪稲垣組の山崎は2014年パンクラスデビュー。昨年7月、大阪での児山佳宏戦以外は4勝。前戦は今年4月、KAZZをTKOで破っている。
矢地は今年1月にパンクラス初参戦。ロドルフォ・ルビオを判定で破るが、4月にはクレベル・小池・エルベストにチョークスリーパーで敗れた。今回からライト級に上げて出直しをはかる。
1R、矢地がパンチでたたみかける。山崎は組むと金網へ押し込み、ボディを殴る。そのまま投げて上になるが、矢地は立つ。山崎はバックにつくと、矢地は背負った状態で立つ。山崎は殴りながらチョークを狙う。矢地が離れると残り1分。パンチで追うが、山崎は組んで金網へ。矢地が入れ替え、ヒザを入れて終了。ジャッジは三者10-9で山崎。
2R。矢地が前に出る。左ハイキック、ロー。プレッシャーをかけながらパンチも打っていくが、山崎は冷静に矢地のミドルの足をとらえテイクダウン!金網へ持って行き、押し付ける。矢地はボディ、ヒジを打ち込む。山崎は立って金網へ押すと、矢地は入れ替え左ハイキック! 細かく動き、強引なまでに打撃で押していく。山崎はパンチから金網へ押し込むが、矢地はすぐに離れ、飛び込んでパンチ! 矢地が打撃で押して終了。ジャッジは二者10-9で矢地、1人が山崎を支持。
3R。開始すぐ、山崎はタックルから金網へ押し込む。しかし、回って離れ、パンチを打つ矢地。山崎は再び金網へ押すが、矢地は離れてロー。山崎は、矢地のパンチを受け止めてバックを取り、1Rのようにおぶさる。しかし、山崎がどこかカット、出血している。冷静に攻めていた山崎だが、このあたりから急に弱気になり始める。矢地は山崎のタックルを切りパンチ。山崎が金網へ押しても、振り切ってパンチを打ち続ける。矢地、またタックルを切り跳びヒザ! 残る力を全て出し切るかのようにパンチで追い上げて終了。
3Rは捨て身の攻撃が功を奏し、矢地。判定2−1で矢地が勝利をもぎ取った。
第8試合
曹は2006年にパンクラスデビュー、今年で10年目となる。ここ5戦、黒星が続いており、勝利したいところ。
マツダ(松田干城)は東京都出身の日本人選手。日本人初のTUFキャストで、元UFCファイターだ。現在アメリカ・ボストンを拠点に活動しており、日本での試合は4年ぶり。プロとしては日本人との対戦は初めてだという。
1R、曹がバックに回るが、松田のヒザがローブローとなり中断。再開すると、松田がバックを取り転がるようにテイクダウン。首を狙うがこれは外れ、曹が立って金網へ。お互い入れ替えるが、離れる。松田は身体を振りフェイント。曹は警戒し少し距離を取っている。セコンドのアドバイスに返事をし、落ち着いている。一気に組んで曹が金網へ押すが、松田はヒザを連打し入れ替え。曹は殴って離れる。ジャッジは三者10-9で松田。
2R。身体を振り、パンチ、ローキックを打つ松田。曹は中に入れない。組んで松田が金網へ押すが、曹は突き放してヒザ。離れて曹がタックルに行くが、松田はバックに回る。曹は反転して立つが、松田は更にバックを取る! 曹はヒジ連打。松田は金網に押し込み、サイドポジションを奪う。曹返すが、松田は立って金網へ。ヒザ、パンチを打ち込む。松田は曹をかかえ、逃がさない。パンチを打ちバックに回ったところで終了。2Rも三者10-9で松田を支持。
最終ラウンド。松田はからだを上下左右に振る。後がない曹は前蹴り、パンチ、跳びヒザでたたみかけ、金網へ押し付ける。松田はヒザ連打。組み付く曹にギロチン狙いからバックを取る。曹、反転してハーフマウントとなるが、松田は脱出。金網へ押し込んでまたバックを取る。曹が反転するが、松田は立ってボディにヒザを打ち込む。さらにバックを取り、腕十字! しかし、意地でも極めさせない曹。足を取りにいったところで終了。仕留め切れなかったものの、全ラウンドを通して優勢を保った松田が3−0で勝利。
松田「日本での試合は2回目。初めての日本人戦、しかも外国人扱い。楽しみな気持ちと緊張で試合をしました。ボストンから日本まで長いフライトだった。(複数契約をしているので、次回は)もっと仕上げて挑戦したい。パンクラスから与えられたチャンスを生かして、良いパフォーマンスを見せたい」
第9試合
パンクラス初参戦の松嶋は、幼い頃から格闘家を目指し、空手、レスリングなどに打ち込んできた。小学校高学年から中学まで、ピーズラボ横浜にて鈴木みのる、佐藤光留、北岡悟、川村亮らパンクラシストたちの薫陶を受けている。2015年、修斗新人王を獲得、プロ5戦5勝5KO、「現代MMAの申し子」と呼ばれ勢いに乗っていたが、今年4月のPXC 53においてまさかの秒殺KO負け。今回のパンクラス初参戦が出直しとなる。
対する牛久は2014年ネオブラッド・トーナメント優勝。デビュー以来、破竹の7連勝を飾るが、2015年5月、ベテラン朴光哲に敗れ連勝ストップ。しかし10月の次戦で強豪ガイ・デルモにTKO勝ち。今年4月、田村一聖との暫定王座決定戦のチャンスを掴むがKO負けを喫し、これが復帰戦となる。新人王同士の復帰戦は、どちらに軍配が上がるか。
1R、牛久のタックルを切った松嶋は立ちぎわにヒザを打ち込む。いったん離れるが、効いている牛久。松嶋はパンチからかぶさり、腕十字。速い! 松嶋は腕を伸ばすが、牛久は外した。松嶋は立って猪木アリ状態となるがブレイク。
スタンドに戻ると、松嶋はパンチ、ミドルキック、ハイキックと強気でたたみかける。牛久はパンチから組むが、松嶋が金網へ押し込む。牛久は首投げするが、松嶋はなんとリフトアップから豪快に落とす! あっという間にバックを取る松嶋。牛久はタックルを仕掛けるが、松嶋はすぐにマウントを奪取。残り20秒、松嶋が殴って終了。ジャッジは三者10-9で松嶋を支持。
2R、松嶋のタックルを受け止め、組む牛久に、松嶋はヒザを打ち込む。さらに再びリフトアップしたたき落とす。しかも、素早くサイドポジションを取っている。さらにバックマウント。牛久は立って金網へ押し込み、腕を狙う。松嶋はサイドからボディにヒザ連打、さらにヒジ連打して終了。ジャッジはこのラウンドも三者10-9で松嶋。松嶋の野性味溢れる攻めに、会場がヒートアップしている。
3R。消耗している牛久。勢いに乗る松嶋はローキック、アッパー。牛久はタックルにいくが、松嶋が上になり殴る。苦しい牛久。下から細かく殴るが、松嶋はヒジ、ボディブロー連打。牛久は三角絞めか? しかし松嶋は立ってローキック。ここでブレイクとなるが、松嶋の勢いは一切落ちない。牛久のタックルを切り、かぶさってすぐにアームロック! 牛久のセコンドがタオルを投入すると同時にレフェリーがストップ。川村、北岡らが見守る中、松嶋がパンクラス初勝利を飾った。
スピード、パワー、反応の速さ、繊細さと豪快さ、全く迷うところのない攻撃。これぞ「現代MMAの申し子」と呼ばれる所以を余すところなく見せつけた。公開練習でも「パンクラスの中だけで終わる気はない」と語っていたが、勝利の笑顔の先に世界への扉が見える思いがした。まだ23歳。日本のファンの夢を乗せて、さらに大きく成長してほしい。
松嶋「倒しきれなくて悔しいです。それだけ。次、いつでもタイトルマッチに挑戦できるよう、鍛え直してきます」
第10試合
身長182cmのリルデシは昨年よりパンクラスに参戦。獅庵、上田将竜に連勝したが、今年3月、安永有希に判定負けし、なんと今回はストロー級に変更。来日してから3日間で12kgもの減量に成功している。
対する室伏は第4代修斗世界フライ級王者。昨年11月にパンクラス初参戦、江泉卓哉に判定勝ちしたが、今年3月、北方大地に判定負けを喫している。
1R。フェイントをかけながら回るリルデシ。踊るようにリズミカルだ。パンチ、蹴りを出すが、室伏は冷静に距離を取りローで対応。リルデシの回し蹴りをかいくぐり、室伏がテイクダウン! パンチから左足パス。残り20秒、室伏がリルデシを立たせず殴って終了。ジャッジは三者10-9で室伏。
2R。リルデシは左ハイキック、パンチとたたみかける。しかし室伏は冷静にこれをくぐり、片足タックルからテイクダウン。リルデシはギロチンチョークをかけるが、これは浅く決まらず。室伏は鉄槌、細かく殴る。立ちたいリルデシだが、室伏は立たせず殴る。リルデシが回って上になると、室伏はオープンガードからヒジ連打! リルデシは立つが、室伏は下から三角絞めを狙い、さらに伸ばして三角十字に。これが極まり、リルデシがタップ!
室伏「途中で下になってしまった。ずっとトップをキープしたかった。下になってしまったけど、でも、下からの攻めも得意なので、三角十字という形で取れてよかった。対戦してくれたリルデシ選手に感謝したい。今は勝ててホッとしている」
第11試合
2010年からパンクラスに参戦、12戦11勝を誇る徳留。2013年よりUFCに参戦するが、2014年リリース。昨年3月よりパンクラスに復帰し4連勝、昨年11月、王者決定戦で北岡悟にKO勝ちして第6代王者となった。
久米は2011年にパンクラス初参戦。2012年からROAD FCに参戦。昨年4月に奥野“轟天”泰舗を判定で破る。網膜剥離により1年のブランクが空いたが、今年4月の復帰戦で石川英司に判定勝ちを収め、今回のタイトル挑戦へとつなげた。
徳留、久米ともにUFCへの挑戦を目指す。まさに日本人ライト級トップファイター同士の削り合いだ。徳留には所属ジム塩田歩代表が、久米には日沖発がセコンドにつく。両参謀の作戦も見どころだ。
1R開始すぐ、久米がいきなりパンチで前に出てラッシュ! 顔面にヒットし、徳留は効いている。打ち合って徳留が金網へ押すが、久米が入れ替える。徳留は足をかけ投げるが、すぐに立つ久米。投げを狙う徳留だが、久米はこらえる。いったん離れると、久米は再びパンチで前に出る。徳留はこれを受け止め、金網へ。お互い入れ替え合い、徳留はヒジ、ヒザ。離れると、久米がハイキックで翻弄する。徳留も右ミドル。しかし久米が右フック! 効いた徳留に、久米は上になりパンチ連打! 徳留危ない! 久米がバックに回りチョークを狙うが、徳留が負傷、ドクターチェックが入る。
左こめかみを深くカットしている徳留。手当てに時間がかかっている。しかし、なんとか止血し再開。
またもパンチでラッシュする久米。重いパンチが徳留に襲いかかる。徳留も打ち返し、久米が金網へ押すが、再び徳留にドクターチェック。再開。
徳留はパンチを警戒し、蹴りで距離を取るが、久米は前に。右フックを効かせる。ダウンした徳留に久米はかぶさり、パンチ、ヒジ連打! 徳留動けず、レフェリーが止めた。
実力を認められながらも、長い間ベルトに縁のなかった久米。負傷ブランクも乗り越え、ついに王座をつかんだ。日沖、鈴木代表と抱き合い、腰にベルトが巻かれると、思わず溢れる涙を押さえた。
久米「強いチャンピオンだと分かっていたので、自分の実力を上げて全部出し切ろうと思ってやってきた。この先のことですか?徳留選手と闘うことだけ考えてやってきたので、先のことはまだ考えていない」
<試合後コメント>
久米鷹介
「これまで何度もチャンスをいただいてきたのに、ずっと(王座を)取れなかった。目の怪我などもあったけど、たくさんの人に支えていただき、感謝の気持ちでいっぱい。今回は日沖さんと作戦を練った。自分の踏み込むスピードを生かすことプラス、5ラウンドやれる体勢をつくること。万全の準備ができたと思う。
右のパンチは、2回とも拳がガツンと入った感じがあった。その中でも、しっかり狙い打たれるところはあったけど、でも、もらっても倍返しで殴る準備をしてきたので大丈夫だった。
徳留選手は強かった。今回は、自分が先に型にはめることができたけど、いいパンチももらってしまった。自分がパンチで押した印象があったかも知れないけど、でもすごく強さを感じた。とにかく、1ヵ月を何年分もの量にするような感じで意識して練習に取り組んできた。その濃さを出せたと思う。ハイキックは当たってはいないけれど、相手の意識を散らす役に立ったと思う。とにかくやってきたことを全部出そうということしか考えていなかった。グラウンドに関しては、警戒されるだろうと思っていたので、作戦が当たったと思う。相手が強いことがよく分かっていたので、寝技をやるにしても、まずダメージを与えてからでなければ極まらないと思っていた。とにかくダメージを与えながら試合を進めることがテーマだった。
最後、残りわずかな時間だったけど、殴って時間が過ぎるのを待とうとは思わなかった。むしろ、ここは行くところだなと。ダメージを与えて極めきることがテーマだったので、時間を稼ぐという考えはなかった。出し切った上で5ラウンドも闘える状態を作ってきた。そういったことがトータルで出せたと思う」
エンディング
これまでLINEライブ、UFCファイトパスでの大会中継を試みてきたパンクラスだが、ついに日本格闘技史上初、地上波での生中継が決定!
TOKYO MXテレビにて、ゴールデンタイム19時〜20時30分での生放送「PANCRASE LIVE」が始まることが大会内で発表された。
ケージインした伊達寛・TOKYO MX専務取締役は「試合を見せていただきましたが、本当に厳しく激しい。こんなに興奮できるものを、MXで生放送できる機会ができて嬉しく思います。MXは、今一番元気な局です。どうぞよろしくお願いします」とあいさつ。
酒井正和・パンクラス代表は「ついにこの日が来ました。ずっと生中継をやりたいと思っていました。この試みは日本の格闘技史において初めてのことで、ここまで来るのには時間がかかりました。生で見せるには、“格闘技”ではなく“スポーツ”でなければなりません。私がパンクラスの改革に着手して4年、それがやっと認められたと思っています。現在、パンクラスはスマホやパソコンでも見られますが、やはり大画面で見てほしいと思っていた。このたび、TOKYO MXさんとタッグを組むことになり、パンクラスがスポーツコンテンツとして認知していただけた。今後は放送時間の拡大、二元中継、全国展開など、格闘技をもっと多くの人に知っていただくための展開を考えていきたい」
年内の放送日は10月2日(日)「PANCRASE 281」、11月13日(日)同「282」、12月18日(日)同「283」で、いずれも19時半〜20時30分。さらに、来年も全ての大会を生中継する予定だ。
内容は、放送時間に合わせてセミ、メイン含め3〜4試合と、前半の試合のダイジェストを放送。これにより、現在は本戦一部等はメインが終わってから行なわれているが、本来の試合順になる可能性もある。大会タイムテーブル等は今後の話し合いで決めていくとのこと。
また、パンクラスはアメリカンダイニング&スポーツバー「HOOTERS」とタイアップ。今大会の公開計量が新宿店にて一般参加可能で行われたが。今後も同店で開催。10月大会は全店でパブリック・ビューイングが行なわれることも併せて発表された。
(写真・文/佐佐木 澪)